映画『キリマンジャロの雪(2011)』の概要:ヴィクトル・ユゴーの「哀れな人々」に着想を得たという作品で、貧しい中でも思いやりの心を忘れず、助け合って生きていく人々の姿を描く。フランスのマルセイユを舞台にしており、古い港町の美しさとともに、人間の善意が胸に染み入る。
映画『キリマンジャロの雪』の作品情報
上映時間:107分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:ロベール・ゲディギャン
キャスト:アリアンヌ・アスカリッド、ジャン=ピエール・ダルッサン、ジェラール・メイラン、マリリン・カント etc
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映画『キリマンジャロの雪』の登場人物(キャスト)
- ミシェル(ジャン=ピエール・ダルッサン)
- 造船所で地道に働き、家族を養ってきた初老の男性。正義感が強く、労働組合の委員長も務めていた。しかし工場の不況で大幅なリストラが行われることになり、自分も公平にクジでリストラされる。独立した娘と息子と、3人の孫がいる。
- マリ=クレール(アリアンヌ・アスカリッド)
- ミシェルの妻。看護師を目指していたが、結婚してその夢をあきらめ、今はひとり暮らしの老人の介護をしている。いつも前向きにミシェルを支える良妻賢母。困っている人を見ると放っておけない。
- ラウル(ジェラール・メイラン)
- ミシェルの同僚であり長年の親友。マリの妹と結婚しているため、ミシェルの義弟でもある。ミシェル夫婦のことが大好きだが、人が良すぎることを心配している。
- ドゥニーズ(マリリン・カント)
- マリの妹でラウルの妻。年上の夫に甘える可愛い女性で、マリとも仲が良い。
- クリストフ(グレゴワール・ルプランス=ランゲ)
- 22歳の青年。ミシェルの同僚だったが、半年でリストラされてしまう。父親の違う2人の弟を育てている。16歳でクリストフを産んだ母親はまだ若く、育児放棄をして家にいない。
映画『キリマンジャロの雪』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『キリマンジャロの雪』のあらすじ【起】
マルセイユの港では、労働者たちが集まり、クジの結果を聞いていた。不況のせいで工場が人員削減を進めることになり、このクジで解雇される人間が選ばれる。労働組合委員長を務めるミシェルは、自分の名前もクジの中に入れており、自らそれを引き当ててしまう。同僚で義弟のラウルは“バカなことをした”とミシェルを注意するが、正義感の強いミシェルは、特権を利用するべきではないと考えていた。
ミシェルの妻のマリは、夫の解雇を聞いても動揺しない。娘のフロも息子のルイもそれぞれに家庭を持ち、可愛い孫にも恵まれ、マリは自分を幸せだと感じていた。子供たちは父親のことを心配し、父親が落ち込まないように、孫の世話や庭のあずまや作りを任せることにする。
ミシェルは可愛い孫の面倒を見て、あずまや作りも始める。しかしやはり虚しかった。マリは憂鬱そうな夫のことを、密かに心配していた。
ラウルたちはミシェルとマリの慰労パーティーを開く。パーティーには解雇された元同僚たちも招待され、クリストフもその場にいた。パーティーの終わりには子供たちからキリマンジャロが見られるアフリカ行きのツアーチケットと大金をプレゼントされ、ラウルからはミシェルが初めて買ったコミックを返してもらう。そのコミックにはちゃんとミシェルのサインがあった。ミシェルとマリはとても幸せだった。
映画『キリマンジャロの雪』のあらすじ【承】
ある晩、ミシェル夫婦はラウル夫婦と自宅でトランプを楽しんでいた。すると覆面をした2人組の強盗が入ってきて、4人は拘束されてしまう。強盗は銃でミシェルたちを脅し、“旅行の金を出せ”と要求してくる。強盗は旅行の金とチケットに加えて、ミシェルとラウルのクレジットカードを奪い、暗証番号を聞き出して出ていく。見張り役の強盗は金が引き出せたという知らせを受け、ミシェルのコミックを持って帰っていく。
強盗の暴力でミシェルは左腕に怪我を負い、ドゥニーズはショックのあまりうつ状態になってしまう。善良に生きてきたマリは、こんなひどいことをする人間がいることに、衝撃を受けていた。
強盗の片割れは元同僚のクリストフで、彼は母親が育児放棄した2人の弟の面倒を見ていた。たった半年で解雇されたクリストフには退職金も出ず、生活に困っての犯行だった。クリストフは相棒からお金を受け取り、滞納していた家賃や借金を返す。そして弟のジュールにコミックを渡してやる。
ミシェルはバスでコミックを読んでいるジュールを見かけ、自分のサインを確認する。ミシェルは弟たちを尾行し、犯人がクリストフであることを突き止める。ミシェルはそのことをマリだけに話し、翌日警察へ行く。クリストフはミシェルの通報により、逮捕される。
映画『キリマンジャロの雪』のあらすじ【転】
クリストフは素直に犯行を認め、相棒から受け取った金額のことも話す。しかしその金額は被害総額に比べて非常に少なく、クリストフも相棒に騙されていたことがわかる。マリと警察を訪れたミシェルはクリストフと対面する。クリストフに“組合から裏金をもらって、いい暮らしをしているのだろう”と侮辱され、ミシェルは思わず彼を殴ってしまう。マリは温厚な夫が暴力を振るったことにショックを受ける。
ラウルは、自分に何の相談もなく警察と話を進めたミシェルに腹を立てていた。ドゥニーズの鬱も治っておらず、マリは心を痛めていた。
クリストフが少なくとも8年ほど刑務所行きになることを知り、ミシェルは告訴を取り下げることを考える。ミシェルはクリストフの犯行に責任を感じていた。ラウルはその話を聞き、ミシェルの人の良さに本気で腹をたてる。ラウルはミシェルを偽善者だと批難し、クリストフへの憎しみを露わにする。
例えミシェルが告訴を取り下げても、すでに検察が動いているため、クリストフの刑務所行きは免れないことがわかる。いつもは前向きで陽気なマリもいろいろと憂鬱になり、初めてひとりで酒場へ入る。酒場のウエイターは、人生に悩んでいるというマリにメタクシというギリシアのお酒を勧めてくれる。
映画『キリマンジャロの雪』の結末・ラスト(ネタバレ)
マリは担当刑事からクリストフの住所を聞き、アパートを訪ねてみる。突然兄がいなくなり、弟のジュールとマルタンは心細い日々を送っていた。マリは近所の女性から兄弟の母親がほとんど帰ってこないと聞き、母親と会うことにする。
母親は男と旅行に行くところで、マリの話を聞こうとはしない。母親はまだ若く、“私は母親なんかじゃない”と捨て台詞を吐いて行ってしまう。
マリは兄弟を見捨てることができず、ミシェルには仕事だと嘘をついて兄弟の面倒を見始める。兄弟はマリのことが大好きになり、彼女に心を許していく。
クリストフの相棒が捕まり、チケットを返してもらったミシェルは、誰にも相談せずにチケットを換金する。ミシェルはクリストフに何ができるかを考えていた。
海辺でマリを見つけたミシェルは、勝手にチケットを換金したことを告白する。そしてクリストフが刑務所にいる間、2人の弟をうちで引き取りたいとマリに頼んでみる。マリは笑い、海で遊んでいたジュールとマルタンを呼び寄せる。マリもミシェルと同じことを考え、2人の荷物まで運び出していた。ミシェルに相談しなかったのは、賛成してくれるとわかっていたからだとマリは微笑む。
子供たちは両親の決断に反対する。しかし2人の意志は固く、どうすることもできない。子供たちやラウル夫婦の結論は“好きにしな”だった。結局子供たちもラウル夫婦も、愛情深いミシェルとマリが大好きなのだ。いろいろなことがあったが、ミシェルとマリはやはり幸せだった。
映画『キリマンジャロの雪』の感想・評価・レビュー
ミシェルのお人好しさは人を疑ってかかる私からすると本当にバカで勿体ないなと感じましたが、ミシェルを支えるマリや子供たちはお人好しで、愛に溢れたミシェルが居るからこそ「幸せ」に気付けるのだろうなと感じました。
暴行を受け、大事なものまで奪われてしまったのにそれでもまだ犯人を庇おうとする気持ちは理解できませんでしたが、こういう人のところにはしっかり幸せが巡ってくるのだと思いました。(女性 30代)
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