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映画『奇跡の2000マイル』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『奇跡の2000マイル』の概要:この映画はロビン・デヴィッドソンの自伝『TRACKS』を元に作られた作品である。ロビンはアリス・スプリングスから砂漠を1人で横断しようとしていた。そのための準備として、アリス・スプリングスで働き、ラクダの調教を学んだ。

映画『奇跡の2000マイル』の作品情報

奇跡の2000マイル

製作年:2013年
上映時間:112分
ジャンル:ヒューマンドラマ、アドベンチャー
監督:ジョン・カラン
キャスト:ミア・ワシコウスカ、アダム・ドライヴァー、ローリー・ミンツマ、ライナー・ボック etc

映画『奇跡の2000マイル』の登場人物(キャスト)

ロビン・デヴィッドソン(ミア・ワシコウスカ)
飼い犬のディギティと共に、アリス・スプリングスから砂漠を横断することを決意する。気が強い性格。母は自殺して亡くなっている。
リック・スモラン(アダム・ドライバー)
ナショナルジオグラフィック協会から派遣されてきたカメラマン。ロビンの旅をカメラに収める。
ミスター・エディー(ロリー・ミントゥマ)
ロビンが途中で出会った、アボリジニの男性。英語はほんの少ししかしゃべれない。狩りが得意。村人達から尊敬されている。脚力がある。

映画『奇跡の2000マイル』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『奇跡の2000マイル』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『奇跡の2000マイル』のあらすじ【起】

1975年オーストラリア中央部、アリス・スプリングス。ロビン・デヴィッドソンは飼い犬のディギティと共に、アリス・スプリングスから砂漠を横断しようとしていた。その距離約3000キロで、半年間の旅を予定していた。約1年前からこの町を訪れ、旅に連れて行くためにラクダを調教していた。ロビンがこの旅を決めたのは、記録の樹立が目的ではなく、ただやりたかったからだった。

ロビンは都会での暮らしに不満を抱えていた。同じことの繰り返しで、仕事も勉強も本気になれるものがなかった。さらに、自分勝手でネガティブな同じ世代の人や、性別や階級差別にもウンザリしていた。

ロビンはラクダを調教するために「ポゼル・ラクダ牧場」を訪れるが、店主のポゼルから無謀だと言われる。ロビンは諦めず、父が1935年にカラハリ砂漠を渡ったことを話し、店主を説得した。すると、8か月無給で働く代わりに調教を教え、野生のラクダを2頭譲り渡すと言われる。ロビンはきちんと約束を守ってくれるか不安を抱きながらも承諾した。

ロビンは掃除をしたり客の接客をしたりして必死に働いた。しかし、8か月経っても店主はラクダをくれなかった。怒ったロビンはディギティを連れ、牧場を出て行った。そして、廃墟に居を構え、雇ってくれるラクダ牧場を探した。

ロビンを雇ってくれたのは、サリー・モハメットと言うアフガニスタン人のラクダ使いだった。ラクダ1頭と引き換えに、給与は半分。ロビンはそこで一生懸命働いた。サリーはきちんと約束を守り、ラクダを1頭譲ってくれた。

ポゼルが牧場を売りに出した。だが、次の買い手はラクダに無知だったため、ラクダが言うことを聞かず暴れ出してしまう。ロビンはその買い手の代わりに、暴れるラクダを制御した。買い手は自分では扱えないため、ロビンにラクダ2頭を譲った。

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映画『奇跡の2000マイル』のあらすじ【承】

ロビンは資金提供を求めて、雑誌を刊行しているナショナルジオグラフィックに手紙を書いた。調教したラクダ3頭と生まれた子供1頭を連れて、砂漠を横断してインド洋に向かう予定をしていた。その後、ナショナルジオグラフィック協会から手紙が届いた。無事に資金を貰うことが決まったが、その条件としてカメラマンを同行させなければならなかった。

ロビンの元に姉とその子供達、父が訪ねてきた。さらに、ナショナルジオグラフィック協会から派遣されてきたカメラマン、リック・スモランもやって来た。ロビンは1人で旅を成し遂げたかったため、リックの同行に不満を抱いていた。旅の途中で4~5回落ち合うことになっていたが、もっと減らしてもいいぐらいだった。だが、姉は妹が砂漠で1人にならなくて良かったと安心していた。

1977年4月9日。ロビンは家族やサリーに見送られ、旅に出立した。すると、車に乗ったリックが音楽を掛けて待ち構えていた。ロビンは不満を抱くが、仕方なくリックに指示されるまま写真を撮られた。リックはロビンの態度を気にすることなく、1か月後に会うことを約束して去って行った。

ロビンが旅から出て29日目。エアーズロック・オルガ山国立公園に到着した。ロビンのことは知られており、観光客から写真を撮られる。ロビンは公園の中に入ろうとするが、聖地だからラクダを連れては入れないと断られてしまう。外でキャンプの用意をしていると、リックがやって来た。リックはアボリジニに話を聞き、ロビンの居場所を探し当てて来たのだ。ロビンは“キャメル・レディ”と呼ばれ、現地でも有名だった。

映画『奇跡の2000マイル』のあらすじ【転】

ある夜、ロビンはリックに聞かれ、家族のことを話した。父はワニと金を探しに東アフリカに行っただけで、探検家ではなかった。母は自殺しており、もうこの世にはいなかった。リックはロビンの話に衝撃を受け、言葉を失くす。

ロビンは砂嵐に遭遇してしまう。リックは荷物を車に乗せながら、こんな時でも写真を撮ろうとしていた。ロビンは声を荒げ、止めてくれと叫んだ。砂嵐が落ち着いた後、ロビンは旅をしていることが急にばからしくなってしまう。座り込んで落ち込んでいると、リックに慰められる。ロビンは思わずリックにキスをして、体を求め合ってしまう。だが次の日、ロビンは優しく接してくるリックに、素っ気ない態度を取り続けた。リックはそんなロビンに戸惑いを隠せなかった。

ロビンはアボリジニの村にいる白人男性の助けを借り、村の中に泊めてもらった。その男性から白人男性(グレンデル)が住んでいる村を教えてもらうが、遠回りの道を勧められる。近道の方には聖地があり、女性は案内人を伴わないといけない掟があった。だが、遠回りの道は、260キロもの長い道のりだった。白人男性はロビンに同行してくれるか村の老人達に聞いてくれるが、リックが秘儀を撮影していたせいで怒っており断られてしまう。

ロビンは途中で、アボリジニの男性達と出会い、その中の1人が案内人として同行してくれることになった。ロビンはそのおかげで、近道を通ることができた。ロビンは言葉が通じないアボリジニの男性(エディ)と共に、旅を続けた。

ロビンはグレンデルの元に無事に辿り着く。人と話せるのは久々だったため、思わずリックの愚痴を捲し立てるように話してしまう。グレンデルはそんなロビンに、言葉を理解できなくても話すことはできると伝えた。その言葉を受け、ロビンはエディに次の町までついて来て欲しいと頼んだ。エディはロビンの旅に同行してくれた。2人は身振り手振りを交えて会話を楽しんだ。

映画『奇跡の2000マイル』の結末・ラスト(ネタバレ)

ロビン達は寂れた村に辿り着いた。そこから2か月間砂漠を歩くことになるのだが、ロビンは1人で行くつもりだった。エディやリックが案内人を連れて行くべきだと説得しても、ロビンの意思は揺るがなかった。リックはそんなロビンのために、遠回りをしてウィルーナという場所まで水を運ぶことにした、ロビンはリックの提案に驚きながらも、感謝した。

ロビンは父から貰ったコンパスを失くしてしまう。それは、母が父に贈った形見のコンパスだった。ロビンは必死に探し、無事に見つける。泣きそうなほどの安堵感を覚えたが、闇雲に歩いていたせいで今度は荷物を置いている場所が分からなくなる。ロビンはディギティに家に戻るよう指示を出した。ディギティの後を追って行くと、無事に荷物の場所まで戻って来られた。ロビンはお礼にと、ディギティと遊んだ。

124日目。ロビンがウィルーナに辿り着くと、水のタンクが置いてあった。ロビンはそれを見て、思わず笑顔になった。それからも旅を続け、親切な老夫婦に食事を御馳走になる。年配の女性はロビンを風呂に入れ、隅々まで洗ってくれた。ロビンはその老夫婦との時間を楽しんだ。ロビンはベッドに入り、幼い日のことを思い出した。父に母が亡くなったことを教えられ、叔母のところに行くよう言われる。飼い犬を連れて行こうとするが、ダメだと叱られる。その犬は安楽死させることになっていた。

ディギティが落ちていた毒薬を舐めてしまう。ロビンはディギティの口を押え吐かせるが、1晩経っても苦しんでいた。ロビンは泣きながらディギティを射殺した。そのことは、見捨てて安楽死させてしまった飼い犬のことを思い起こさせた。

157日目。多くの記者が現れ、ロビンは取材を求められる。だが、リックが記者を追っ払い、ロビンを守った。数日後、記者が帰った後、ロビンはディギティを失った悲しみをリックに打ち明けた。リックは泣くロビンをそっと抱き締めた。

ロビンは旅を完結させることを決意するが、もう記者に追われたくはなかった。リックはロビンの思いを汲み、記者達に偽の情報を流すことにした。195日目、ロビンはラクダ達と共に旅を続け、リックと再会を果たす。ロビンが海の中を潜って行くのを、リックは見守っていた。

2700キロの旅を終え、ロビンの記事はナショナルジオグラフィックに掲載された。その大反響を受けて、ロビンが執筆した『TRACKS』は世界的ベストセラーになった。

映画『奇跡の2000マイル』の感想・評価・レビュー

これが実話を元に制作されたというのがまず驚きである。砂漠を一人で横断することを決意する心の強さに憧れる。節目節目の年に、見たくなるような作品。主人公役のミア・ワシコウスカの演技が素晴らしかった。体を張って作品に挑んでおり、女優魂を見たような気がする。
ただ砂漠を歩いている姿が映っているわけではなく、リックだったり老夫婦だったり人との対話や内面の描写が丁寧に映し出されているのが良かったと思う。(女性 30代)


「旅に出てみたいな」と思わせてくれるとても素敵な作品です。一人行動が苦手な私はどこへ行くのも誰かと一緒。今作の主人公ロビンのように一人ぼっちで砂漠に行き、ラクダを手に入れ旅をするなんて想像も出来ませんでした。しかも、何か目的がある訳では無く自分自身が「やりたい」と思ったから。
そんなロビンをかっこいいな、すごいなと思いながら見ていましたが、彼女の強さや美しさが本当に魅力的で、この作品を見終わる頃にはすっかり「一人で旅に出たい」と思っている私がいました。(女性 30代)


化粧っ気の無い、砂埃まみれのミア・ワシコウスカが美しいです。都会での暮らしに嫌気がさすことは間々あるものでしょうが、ここまで過酷な旅をするとは。この物語は、ロビン・デヴィットソンという方の実体験だそうで、驚愕します。しかし正直、向こう見ずだと思いました。家族や友人に多大な心配をかけています。さらには、同行した犬は死んでしまいました。自分のしたいことをする、それは同時に誰か(動物も含む)に無理を強いたり、犠牲にすることなのかもしれません。(女性 30代)

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