40年以上の歴史を誇る日本の劇団、『劇団☆新感線』が2021年、新たに作品を発表した。中村倫也や吉岡里帆らをゲストに迎えた「狐晴明九尾狩」が、劇場版に!映画とはまた違う、舞台の魅力に酔いしれよう。
映画『ゲキ×シネ「狐晴明九尾狩」』の作品情報
- タイトル
- ゲキ×シネ「狐晴明九尾狩」
- 原題
- なし
- 製作年
- 2022年
- 日本公開日
- 2022年6月24日(金)
- 上映時間
- 不明
- ジャンル
- ファンタジー
- 監督
- 不明
- 脚本
- 不明
- 製作
- 不明
- 製作総指揮
- 不明
- キャスト
- 中村倫也
吉岡里帆
浅利陽介
竜星涼
早乙女友貴
千葉哲也
高田聖子
粟根まこと - 製作国
- 日本
- 配給
- ヴィレッヂ、ティ・ジョイ
映画『ゲキ×シネ「狐晴明九尾狩」』の作品概要
日本が誇る歴史ある劇団、『劇団☆新感線』。古田新太らが所属することで有名な同劇団が、かねてより取り組んでいるゲキ×シネプロジェクト。自分たちの舞台公演を、自分達の手で劇場版化させるというものである。映画が好きで映画館にはよく足を運ぶが、舞台はまだ未挑戦、という人は案外多い。舞台の魅力は、その時だけしか存在しない空間。舞台は生物であるが故、同じタイトルだとしても一公演ずつ役者の演技、客層、空気感などによって作品の仕上がりは大きく変わっていく。舞台にのめり込んでいる人は、その違いを味わうべく連日劇場に足を運ぶこともあるほどだ。舞台初心者にはまだ手軽な、このゲキ×シネシリーズから舞台の世界に足を踏み入れ、いつか実際に劇場に足を運んでみるのも面白いかもしれない。
映画『ゲキ×シネ「狐晴明九尾狩」』の予告動画
映画『ゲキ×シネ「狐晴明九尾狩」』の登場人物(キャスト)
- 安倍晴明(中村倫也)
- 日本が誇る、大陰陽師。その圧倒的な力故、狐と人間の間に生まれた子として揶揄されてきた。
- 賀茂利風(向井理)
- 陰陽師宗家の跡取り。九尾討伐の任を言い渡されたが、実は既に九尾に乗っ取られていた。
映画『ゲキ×シネ「狐晴明九尾狩」』のあらすじ(ネタバレなし)
平安時代、天才の名を恣にする者がいた。その人物とは、安倍晴明。天才陰陽師として後の世までその名を轟かせることになる人物である。その圧倒的な能力故か、『晴明は人間ではない、狐と人間の間に生まれた者だ』と噂が立つようになる。いつしか晴明が『狐晴明』と呼ばれるようになった頃、ある出来事が今日の京の都を恐怖させた。京の空に、九つの尾を持つ凶星が流れたのだ。それは、かつて他国を混乱させた、九尾が日本にやってきたことを示すものであった。九尾を退けようと立ち上がった晴明。しかし、その任は賀茂利風に与えられてしまう。だが、誰も知る由もなかったが、賀茂利風の身体は既に九尾に乗っ取られてしまっていたのだった。
映画『ゲキ×シネ「狐晴明九尾狩」』の感想・評価
劇団☆新感線が送る超大作
本作は、2021年に劇団☆新感線が上演した舞台を映像化したもの。劇団☆新感線とは、今年で旗揚げ42年目を迎える、日本を代表する長寿の劇団である。近年では、所属員である古田新太など、舞台だけでなくドラマや映画の現場でも活動もめざましい。元々は大阪芸術大学舞台芸術学科のメンバーを中心として旗揚げした劇団が、人気の上昇に伴い今ではすっかり大規模に。所属俳優が増えただけでなく、本作のように中村倫也、また、2022年に公開を控えている『神州無頼街』には主演に福士蒼汰をキャスティングするなど、その豪華な出演陣も話題の一つとなっている。そんな、日本を代表する劇団である彼らが送る渾身の一作。
ゲキ×シネとは
実は、劇団☆新感線の作品がスクリーンで公開されるのは、今回が初めてではない。劇団☆新感線では、かねてよりこの『ゲキ×シネ』プロジェクトが行われている。これは、対象の作品を、事前にデジタル録画しておき、それを編集したものを劇場公開するというものである。元々本作も、のちに劇場で公開されることを前提に上演された。舞台と劇場では、また違った魅力がある。劇場では味わうことができないその魅力を体感するため、人々は舞台へと直接足を運ぶのだ。では、その舞台作品が劇場化した時、一体どのような作品に仕上がるのだろうか。また、一度劇場で堪能した人も、その時の興奮をもう一度味わうことができるため、是非劇場版も併せて見ることをおすすめしたい。
安倍晴明という存在
日本人であれば、安倍晴明という名前は聞いたことがあるだろう。平安時代の陰陽師であり、明治時代に至るまで陰陽寮を統べることになる土御門家の祖である人物。陰陽術においては右に出る者がおらず、多くの伝説的逸話が残されている人物である。そんな、あまりに魅力的な設定をしている安倍晴明に対して世間が注目しないはずもなく、これまで安倍晴明を主人公として描いた作品は数多く存在する。中には正義の使者ではなく、悪役として登場する作品もあるのだが、どの作品においても共通しているのは、安倍晴明が圧倒的な存在として描かれているという点。それだけ、人々の中で安倍晴明の存在が大きいということだろう。本作でも、そんな安倍晴明が主人公に描かれる。中村倫也演じる見目麗しい安倍晴明に注目。
映画『ゲキ×シネ「狐晴明九尾狩」』の公開前に見ておきたい映画
陰陽師
前述した通り、特に日本において、安倍晴明を主役に描いた作品は多い。2001年に公開された本作もその一つ。本作で安倍晴明を演じたのは、狂言師でありながら近年多数の映像作品に出演している野村萬斎。野村萬斎は本作で日本アカデミー賞の新人俳優賞、優秀主演男優賞を獲得しており、今の野村萬斎の勢いがあるのは、本作の存在が大きいと言っていいだろう。非常に高い人気を得た本作は、2年後に続編も作られている。安倍晴明のライバル役として真田裕之、その他伊藤英明など超豪華キャストが多数出演。同じ安倍晴明というキャラクターでも、演じ手によって大きな違いが出てくるため、その違いも楽しみたい。
詳細 陰陽師
ゲキ×シネ 髑髏城の七人~アカドクロ
前述したように、劇団☆新感線はこれまで数多くの作品を公開してきた。そして、最新作を含め、ゲキ×シネシリーズと称していくつかのタイトルが映画館で陽の目を浴びた。本作は、そんなゲキ×シネシリーズの記念すべき1本目。劇団☆新感線の中でも非常に人気の高いタイトルの一つで、初演は1990年。以降、7年ごとに再演を行なっている。そんな伝説のタイトルを一目見ようと、再演チケットはすぐさまソルドアウト。チケットを取ることが非常に難しい、まさに伝説の作品なのだ。そんなチケット争奪戦を勝ち抜くことに自信がない人は、まずこのゲキ×シネで作品を楽しんでみよう。そして、本作の魅力にすっかりハマってしまった暁には、是非舞台に足を運んでみよう。
詳細 ゲキ×シネ 髑髏城の七人~アカドクロ
劇場版 がんばれ!TEAM NACS
日本には、数多くの劇団が存在する。劇団☆新感線は、その代表的な存在。しかし、日本には他にも著名な劇団が存在する。それが、『TEAM NACS』。現在、日本で最もチケットが取れないと称される大人気劇団である。団員数の多い劇団☆新感線とは違い、TEAM NACSの所属メンバーはたったの5人。しかし、大泉洋や安田顕、音尾琢磨など、いずれもドラマや映画作品の常連である大物ばかりである。そんなTEAM NACSが、2021年に結成25周年を迎えた。『がんばれ!TEAM NACS』と称し様々な企画を行なってきた彼らの集大成が本作。さらには、最新作同様、かつて彼らが手がけた代表作が、今年劇場版化として復活予定。益々盛り上がるTEAM NACSの活動から目が離せない。
詳細 劇場版 がんばれ!TEAM NACS
映画『ゲキ×シネ「狐晴明九尾狩」』の評判・口コミ・レビュー
ゲキシネ『狐晴明九尾狩』観た。ゲキシネになったって「ほぉれこんなん観たかったでしょ?」と天の声が聞こえるほどいのうえ歌舞伎だし、男ふたりの間に漂う形容しがたい感情で往復ビンタしてくるかずき御大の本だし。利風おまえ最後そんな顔で晴明を見やがる…(号泣)となってしまうのでもう完敗です pic.twitter.com/crjA9UUNDJ
— 虹屋 (@Nijiya7iro) June 25, 2022
劇団☆新感線の『狐晴明九尾狩』をゲキシネで観た。若干の不消化感はあれど一分の中だるみも隙間も無駄もなく活劇としてほぼ完璧に面白かった。何よりもあのスピード感と吸引力。ここ近年の新感線ではピカイチの出来映えではないか。
— カラスマ%ナチュラル・ボーン・うっかり (@KARASUMA13) June 28, 2022
バルト9にてゲキシネ版『狐晴明九尾狩』を堪能。演劇の中村倫也さんを久々に見れた。映像とはまた違った新感線モードのくっきりと角の立った大芝居の中に忍ばせる生の感情。 pic.twitter.com/iTJ69YC3pt
— 楠野一郎(プロペラ犬) (@kusunopropeller) June 27, 2022
《ゲキ×シネ 狐晴明九尾狩》🎥
劇団新感線の流れはそのままに、後半がとにかくよかった。中村倫也は舞台の人、吉岡里帆はドラマの人だなとゆう印象。
今回は向井理が良すぎた。ドラマの彼とは全然印象が違く、迫力や美しさが半端ない。もっと舞台をみたい俳優の一人になった。
3週間限定なので、ぜひ! pic.twitter.com/MTiF283nyF— ぴのこ (@pinokofm) June 26, 2022
映画『ゲキ×シネ「狐晴明九尾狩」』のまとめ
近年、コロナウイルスの流行によって、以前より自由に外出することが叶わなくなった。旅行やコンサートなどの娯楽からも足が遠のきがちだ。そんな、感染症の影響を大きく受けているのは舞台界隈も同じ。上演自体も危ぶまれ、例え上演が叶ったとしても、途中で陽性者が出てしまった場合には中止もやむを得ない。演者は常に徹底的な感染予防のもと、不安な日々を送っているのだ。そんな中で、様々な理由から実際に舞台に足を運ぶことが残念ながら叶わない人にとって、こういった映像化作品は非常に有難いもの。勿論、製作陣にとっても、より多くの人に作品を楽しんでもらえることに繋がり、良いことづくめである。
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