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映画『きっと ここが帰る場所』のネタバレあらすじ結末と感想。無料視聴できる動画配信は?

映画『きっと ここが帰る場所』の概要:『イル・ディーヴォ 魔王と呼ばれた男』(08)で、その才能を世界に知らしめたパオロ・ソレンティーノ監督が、国際的実力派俳優のショーン・ペンを主演に迎えて製作した繊細なタッチのヒューマンドラマ。監督の熱烈なラブコールを受け、トーキング・ヘッズのボーカリストだったデイヴィッド・バーンが、本人役で出演している。

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映画『きっと ここが帰る場所』の作品情報

きっと ここが帰る場所

製作年:2011年
上映時間:119分
ジャンル:ヒューマンドラマ、コメディ
監督:パオロ・ソレンティーノ
キャスト:ショーン・ペン、フランシス・マクドーマンド、ジャド・ハーシュ、イヴ・ヒューソン etc

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映画『きっと ここが帰る場所』の登場人物(キャスト)

シャイアン(ショーン・ペン)
アイルランド在住の元ロックスター。現在は音楽をやめているが、濃い目のメイクに黒装束のロック系ビジュアルは継続中。子供のように純粋な心を持っており、不器用にしか生きられない。絶縁状態の父親はホロコーストを経験したユダヤ人。
ジェーン(フランシス・マクドーマンド)
結婚して35年になるシャイアンの妻。経済的には全く困っていないが、消防士の仕事を続けている。健康的な明るい女性で、繊細なシャイアンを大らかに見守っている。シャイアンとの間に子供はいない。
メアリー(イヴ・ヒューソン)
シャイアンの家の近所で暮らすロック少女。シャイアンとは親子ほどの年齢差があるが、親友同士のような関係。兄のトニーが3ヶ月前に家出し、母親は心配のあまり精神を病みかけている。父親はいない。
モーデガイ・ミドラー(ジャド・ハーシュ)
ナチスの残党狩りに生涯を捧げてきたナチス・ハンター。世界中に独自の情報網を持ち、700人を超えるナチスの大物を発見してきた。シャイアンの父親にも、ある残党の捜索を依頼されていたが、小物だという理由で断っていた。
アロイス・ランゲ(ハインツ・リーフェン)
アウシュヴィッツのSS隊員だったドイツ人。シャイアンの父親にしつこく追跡され、アメリカ各地を転々と逃げ回ってきた。そのため、家族とも離れて暮らしている。
ドロシー・ショア(ジョイス・ヴァン・パタン)
ランゲの米国人妻。元高校の歴史教師で、ランゲとの間に息子がいる。息子はナチスだった父親と絶縁し、香港に行ってしまった。現在は、年老いた母親と2人で暮らしている。
レイチェル(ケリー・コンドン)
ランゲの孫。トミーという小学生になる息子を、女手ひとつで育てている。父親が祖父母と絶縁した理由は知らない。ロック好きで、ミック・ジャガーと共演したシャイアンを覚えていた。
デズモンド(ケフ・リー)
シャイアンの家の近所にあるショッピングモールで働いている青年。メアリーに恋をしてデートを申し込むが、相手にしてもらえない。兄弟が6人もいる。
アーニー・レイ(シュー・ウィガム)
ニューヨークで、シャイアンに儲け話を持ち込んでくる金融仲介人。シャイアンの人柄を信用し、愛車の輸送役を任せる。
デイヴィッド・バーン(本人)
ニューヨーク在住のアーティストで、シャイアンの旧友として登場する。

映画『きっと ここが帰る場所』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『きっと ここが帰る場所』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『きっと ここが帰る場所』のあらすじ【起】

元ロックスターのシャイアンは、アイルランドのダブリンにあるお城のような豪邸で、妻のジェーンと暮らしている。シャイアンは世界的に有名なロックスターだったが、20年ほど前に表舞台から姿を消し、それ以来、人生に対して無気力になっていた。

朝、シャイアンは念入りにメイクをして髪をセットし、ロックスターの時と同じ格好で町へ出る。今日は、親子ほど年の離れた友人のメアリーと、近所のショッピングモールで会うことになっていた。モールの広場では、若いインディーズバンドがライブ中で、シャイアンとメアリーは、しばらく彼らのライブを見る。しかし、うるさいギターソロになるとシャイアンは興味を失くし、その場を離れる。

メアリーは大のロック好きで、シャイアンのバンドのファンでもあった。2人がカフェでお茶を飲んでいると、店員のデズモンドという青年が、メアリーにデートを申し込んでくる。シャイアンはデズモンドを応援してやりたくなるが、メアリーは迷惑そうだった。

ジェーンは今でも消防士として働いており、夕食を作るのはシャイアンの役目だった。2人は結婚して35年になるが、夫婦仲はとてもいい。ジェーンは、繊細なシャイアンを大らかに受け止め、常に明るく接している。しかし、内心は、ずっと憂鬱な顔をして、暇つぶしに株の売買をしているような夫のことを心配していた。音楽業界は、今でもシャイアンの復帰を望んでいたが、シャイアンは頑なにそれを拒んでいた。

シャイアンが音楽から離れたキッカケは、彼のファンだった兄弟の死にあった。その兄弟は、シャイアンの退廃的な音楽に魅了され、自殺を図ったのだ。シャイアンは彼らの死に責任を感じ、音楽活動をやめてしまった。そして、今でも毎週、兄弟の墓参りをしている。それでも、シャイアンの罪悪感が軽減することはなかった。

映画『きっと ここが帰る場所』のあらすじ【承】

メアリーの兄のトニーは、3ヶ月前に家出したきり、行方知れずになっていた。それ以来、メアリーの母親は、ずっと2階の窓辺に座り、トニーの帰りを待ち続けている。シャイアンは、時々メアリーの自宅を訪れ、母親を励ましていた。タバコを吸わないシャイアンは、ヘビースモーカーのメアリーの母親を心配する。しかし、メアリーの母親に「タバコを吸わないのは子供だから」と言われてしまう。

デズモンドとメアリーをカップルにするため、シャイアンは自宅に2人を招待する。しかし、デズモンドが兄弟の話をしたことでメアリーが傷つき、ディナーは台無しになる。デズモンドはシャイアンと2人で話しながら、タバコを吸っていた。シャイアンのことをいつも励ましてくれるジェーンも、やはり喫煙者だった。

そんなある日、ニューヨークから、シャイアンの父親が危篤だという知らせが入る。シャイアンは父親と30年前から絶縁状態になっていたが、とにかくニューヨークへ向かう。

飛行機が苦手なシャイアンは船を使ったため、ニューヨークの実家に着いた時には、すでに父親は亡くなっていた。シャイアンは父親の遺体と対面し、父親の腕にある番号の入れ墨を見る。シャイアンの父親は、第二次世界大戦中、ナチスによって収容所へ送られたユダヤ人だった。

ニューヨークに滞在中、シャイアンは旧友のデイヴィッドのライブへ行く。今でもアーティストとして第一線で活躍しているデイヴィッドを見て、シャイアンは自分が惨めになる。

父親の葬儀後、シャイアンは金融仲介人のアーニー・レイと知り合う。明日から長期出張する予定のアーニーは、ニューヨークにある愛車を、妻のいるテキサスまでどうやって戻そうか思案していた。アーニーは、大事な愛車を輸送会社に預けるのが嫌だった。

その夜、シャイアンは従兄弟に父親の話を聞く。シャイアンがアイルランドへ移住してから、父親はアウシュヴィッツのSS隊員だったアロイス・ランゲという男の追跡に没頭し、彼を捜し続けていた。父親は、調査の詳細を日記に記しており、シャイアンもその日記には目を通していた。従兄弟は、ナチス・ハンターとして有名なモーデガイ・ミドラーの助けを借り、ランゲ捜しを続けるよう、シャイアンを説得する。

翌日、シャイアンはミドラーを訪ね、ランゲを捜してくれるよう頼む。しかし、多くの大物を発見してきたミドラーからすると、ランゲは捜す価値のない小物だった。ミドラーにそう言われても、シャイアンは諦めきれない。父親のこともホロコーストのこともよく知らなかったシャイアンは、自分でランゲを捜してみようと決意する。

映画『きっと ここが帰る場所』のあらすじ【転】

シャイアンはアーニーの愛車の輸送役を引き受け、彼の車でランゲ捜しの旅に出る。アーニーは、シャイアンの人柄を信頼し、大事な愛車を預けてくれた。

シャイアンは、モールで演奏していたインディーズバンドのプロデュースを頼まれており、彼らのCDを聴きながら、車を走らせる。ミシガン州・バッドアクスに到着したシャイアンは、安モーテルに部屋を借り、アイルランドのジェーンに電話をかける。ジェーンには、あと1週間で帰ると伝えておいた。

バッドアクスには、ランゲの米国人妻のドロシー・ショアが住んでいる。シャイアンの父親は、ドロシーのことを詳細に調べ、彼女の似顔絵や家のスケッチまで残していた。シャイアンは、高校の歴史教師だったドロシーの元教え子を装い、彼女の家を訪ねる。教え子は全て記憶しているドロシーは、シャイアンが嘘をついていると気づきつつも、彼を家に入れてくれる。ドロシーは、年老いた母親と2人で暮らしているようだった。

シャイアンは、わざとホロコーストの話をして、ドロシーの反応を見る。さらに、家族について尋ねてみる。ドロシーは、夫は10年前に亡くなり、息子とは長らく会っていないが、孫娘のレイチェルとはたまに会うと話していた。その夜、シャイアンはドロシーの家に忍び込み、冷蔵庫に貼ってあった子供の絵を盗む。絵の裏側には、「アラモゴード小学校 トミー・ランゲ」と書かれていた。

シャイアンは、ニューメキシコ州・アラモゴードへ向かい、レイチェルが働いているレストランに入る。レイチェルは、シャイアンが有名なロックスターであることに気づき、声をかけてくる。その後、シャイアンは仕事終わりのレイチェルと彼女の息子のトミーと一緒に川へ行く。トミーは、水が怖くて川へ入れずにいた。そんなトミーを見守りながら、シャイアンとレイチェルは川辺で話し込む。レイチェルは、気さくで思いやりのある女性だった。

その夜、シャイアンはレイチェルの家に泊めてもらう。シャイアンはレイチェルに、父親との確執について話す。シャイアンは、15歳の時から父親に嫌われていると思い込んできたが、それは間違いだったと気づき始めていた。シャイアンは、自分が子供だったばっかりに、父親を孤独にしてしまったことを後悔していた。

翌日、シャイアンは、泳げないトミーのために、簡易プールを買ってやる。夜、シャイアンがミュージシャンだと知ったトミーは、彼にギターを弾いてくれとせがむ。最初は拒んでいたシャイアンも、トミーのしつこさに負けて、リクエストされたトーキング・ヘッズの『This Must Be the Place(きっと ここが帰る場所)』を弾いてやる。ギターの伴奏に合わせて一生懸命に歌うトミーを見て、レイチェルは胸が熱くなる。

シャイアンに好意を抱いたレイチェルは、父親がなぜか両親と縁を切ってしまったことや、祖父のランゲがユタ州のハンツヴィルという小さな田舎町にいることを話す。レイチェルは男女の関係を求めてくるが、シャイアンは結婚しているからと断る。そして、翌朝早く、黙ってレイチェルの家を出る。

映画『きっと ここが帰る場所』の結末・ラスト(ネタバレ)

シャイアンはハンツヴィルに向かう途中、ジェーンに電話をかける。ジェーンは、なかなか帰らないシャイアンのことを心配していた。

夜、オイル交換したアーニーの愛車が、自然発火して燃えてしまう。シャイアンは、「信頼を裏切るな、裏切りは容赦しない」というアーニーの脅し文句を思い出し、武器屋で銃を購入する。

翌日、アーニーの愛車と色違いの車を購入したシャイアンは、ハンツヴィルのモーテルに部屋を借り、町のレストランへ行く。近くの席に1人の老人がいたので、シャイアンはドイツ人を捜しているのだと話しかけてみる。その老人は、車輪付きのカバン(キャリーバッグ)の発明者だった。老人はカバンについて語った後、ドイツ語訛りのある男が、丘の丸太小屋に住んでいると教えてくれる。

シャイアンは、銃を持って丸太小屋に押し入る。しかし、ランゲは留守だった。シャイアンは、ランゲの小屋で久しぶりに酒を飲み、メアリーに電話する。トニーはまだ帰っていなかったが、メアリーも母親も以前よりは冷静になったようだった。

ランゲは翌日になっても戻らず、シャイアンはモーテルに帰る。部屋のドアを開けるとミドラーがいたので、シャイアンは驚く。ミドラーは、独自の情報網を駆使して、ランゲの居場所を突き止めてくれていた

シャイアンはミドラーを助手席に乗せ、ランゲがいるという山へ向かう。ミドラーは、シャイアンがランゲ捜しを楽しんでいることに気づいていた。確かにシャイアンは、久しぶりに充実感を感じていた。

山頂の雪原にある小屋で、ランゲは息を潜めて暮らしていた。シャイアンは小屋に入り、黙ってランゲの話を聞く。

1943年の冬、アウシュヴィッツでの点呼時に、些細なミスをしたシャイアンの父親は、ランゲに「犬を放つぞ」と脅され、その場でおもらしをしてしまう。それをランゲに大笑いされた時の屈辱を、シャイアンの父親は生涯忘れず、執拗に彼を追い続けた。シャイアンの父親に生活を破壊されたランゲは、彼のことを憎んでいたが、一方で、彼の不屈の復讐心に魅了されていた。ランゲは、シャイアンの父親が送りつけてきた手紙の内容も暗記しており、『奪われたもの』というシャイアンの父親の詩を暗唱する。

シャイアンはランゲに銃口は向けず、代わりに彼の顔写真を撮る。そして、父親を侮辱した罰として、全裸のランゲを雪原に放置する。年老いたランゲが全裸で雪原に佇む姿は、あまりにも哀れで悲しかった。シャイアンとミドラーはそれを見届け、すぐに雪原を去る。

空港までシャイアンを送ったミドラーは、「お父さんは君を愛していた」と言ってくれる。シャイアンは、そんなミドラーの気持ちを素直に嬉しいと感じる。空港の屋上で、見知らぬ男にタバコを勧められたシャイアンは、生まれて初めてタバコを吸う。

子供だった自分と決別し、ようやく大人になったシャイアンは、メイクをやめて髪を切り、メアリーの家を訪ねる。今日も2階の窓から外を眺め、息子の帰りを待っていたメアリーの母親は、別人のようになったシャイアンを見て驚く。しかし、シャイアンが微笑むと、メアリーの母親も優しい笑顔を見せてくれる。

映画『きっと ここが帰る場所』の感想・評価・レビュー

始めはショーン・ペンのメイク姿に驚いた。だが、物語が進むにつれてシャイアンの過去が明らかになり、今でもメイクをやめられないことに納得した。人生の良い面と悪い面を同時に感じることができるような物語だった。シャイアンを見ていて、年を取ることが大人になるのではないのだと改めて感じた。年齢や見た目よりも、心を成長させることが何よりも難しいのだと思う。
ランゲの追跡に没頭していたシャイアンの父は、シャイアンがいない寂しさを紛らわせていたのかなと思った。できれば、生きているうちに再会して欲しかったなと思う。(女性 30代)


本作は、過去に執着していたミュージシャンが、父の死をきっかけに過去と決別する姿を描いたコメディヒューマンドラマ作品。
ゆったりとした穏やかな時間の中で流れるような美しい映像と音楽が素晴らしい。
また、父親を亡くしてから変わろうと決意し帰るべき場所へ進んでいく、人間味溢れるシャイアンには、観ていくうちにどんどん引き込まれていった。
コメディータッチだけれどメッセージ性を感じられ、何度も観たくなる。
音楽の知識がない人でも、一息つきたいときにお勧めしたい作品。(女性 20代)


かつてロックで一世を風靡した男の物語。ショーン・ペンの厚化粧姿の存在感が凄まじく、独特な間の話し方も時間がたつにつれ魅力的に映ります。小難しかったり、思わず笑ってしまうジョークを言ったりと、言動の緩急も凄いです。演出や映像も摩訶不思議。一見意味がありそうで、でも全く意味がない、そんな奇妙な雰囲気が終始続きます。でも、音楽の使い方が上手いので心地よさも感じます。非常に癖が強い作品なので、好き嫌いが分かれると思います。(男性 20代)


ショーン・ペンのかなり奇抜なメイクと髪型が衝撃的だった今作。「大人」とは何か、「家族」とは何かをあらためて考えさせてくれる教科書のような作品でした。
ショーン・ペン演じるシャイアンは人気のロックミュージシャンでしたが、ある事が原因で一線を退きます。その描写がなんとも切なく、罪悪感を抱き続けるシャイアンが物凄く可哀想になりました。
家族との関係を見つめ直し、自分の帰る場所を見つけたシャイアンが「子供」だった自分を脱ぎ捨てて「大人」になるシーンは心にグッと来るものがありました。(女性 30代)

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