この記事では、映画『傷だらけの悪魔』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『傷だらけの悪魔』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『傷だらけの悪魔』の作品情報
出典:https://www.video.unext.jp/title/SID0029455
製作年 | 2017年 |
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上映時間 | 97分 |
ジャンル | ヒューマンドラマ 青春 |
監督 | 山岸聖太 |
キャスト | 足立梨花 江野沢愛美 中村加弥乃 岡田結実 |
製作国 | 日本 |
映画『傷だらけの悪魔』の登場人物(キャスト)
- 葛西舞(足立梨花)
- 東京生まれ東京育ちの女子高校生。父親の転勤によって栃木へ引っ越す。プライドが高く、口も悪いが、冷静な一面を持ち強いメンタルを持っている人物。
- 小田切詩乃(江野沢愛美)
- 舞の同級生。本来は静かで温厚な人物だが、いじめを受け東京から栃木へ引っ越してきており、過去のいじめが原因で性格が豹変していく。
- 藤塚優里亜(加弥乃)
- 栃木県立南高等学校に通う女子生徒。クラスのリーダー的存在で、顔立ちも綺麗な美少女。面倒見が良く、友達思い。
映画『傷だらけの悪魔』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『傷だらけの悪魔』のあらすじ【起】
舞は父親の仕事の関係で東京か栃木へ引っ越した。栃木県立南高等学校への転校初日、担任の大瀬戸先生は舞と同じく東京から転校してきた小田切詩乃に舞の案内を頼んだ。スマホで学校を撮影しながら案内を受けた後、舞はクラスのリーダー的存在である優里亜に愛想笑いをし、波風を立てないよう過ごした。
舞は中学時代にいじめをしていた経験を持っていた。直接は何もせず、手下の二人にいじめを実行させていた。高校の教室で突然、詩乃がパニックを起こしながら中学時代舞にいじめられていたと言い放った。
舞が問い詰めると、苗字が小田切に変わっていたが彼女は舞が中学時代にいじめていた玖村詩乃だった。詩乃は、「あのことは絶対に忘れない、ここで復讐する」と言い残し、その場を去っていった。
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映画『傷だらけの悪魔』のあらすじ【承】
翌日舞が登校すると、机の上には落書きがあり、机の中に入れていたノートはゴミ箱に捨てられていた。優里亜の仕業であり、詩乃はそれを見て笑っていた。舞が優里亜のノートを破ってゴミ箱に捨てると、クラス中から帰れコールが巻き起こた。詩乃は舞がいない間に舞のスマホを動画に取りSNSに載せており、舞に対して「もっともっといじめてやる」と告げた。
いじめはエスカレートし、図工の時間に優里亜が舞の顔を赤く塗ったり、学園祭では舞を体育館の倉庫に閉じ込めていた。教師たちはこれを見て見ぬふりをし、数時間後に優里亜たちが扉を開け、出ようとした舞を突き飛ばすと、舞は我慢していたおしっこを漏らしてしまった。写真を撮ろうとする優里亜と、それを笑って見ている詩乃を見て、舞は下着を脱いで壁に投げつけ、飛び散ったおしっこが詩乃の顔にかかってしまった。
映画『傷だらけの悪魔』のあらすじ【転】
男子生徒の涼がタオルとズボンを持ってくると、舞はそれを受け取り立ち去った。いじめを止めたいと思っていた千穂は、大瀬戸先生の机にいじめがあるというメモを残した。翌日から学校を休んだ舞は、東京に行って中学時代の友達と遊んだ。後日髪の毛を茶色に染めて学校に行くと、絡んできた優里亜に髪の毛がダサいと言い放った。
優里亜が大瀬戸先生の机に置かれていたメモを持ってくると、それを書いた犯人を探し始めた。千穂はうつむいたままだったが、舞が自分だと名乗り出ると、優里亜は舞の頭に墨汁をかけた。これをきっかけに千穂と仲良くなった舞は、千穂になりすまし、千穂と仲の良い静と優里亜の悪口を送り始めた。悪口を見た静はショックのあまり会談から転げ落ちてしまい、千穂は証拠を隠すために優里亜の携帯を水没させた。
映画『傷だらけの悪魔』の結末・ラスト(ネタバレ)
涼から唯の彼女が詩乃と仲の良い千翔子であることを知った舞は、唯に嘘の告げ口をすることで詩乃と千翔子の仲を引き裂いた。詩乃は舞に怒り、昔の恨みを散々吐き捨てると、舞に見せるようにリストカットした。舞はそれを無視して大瀬戸先生の元へ行き、このクラスの状況を知っているのか詰め寄ったが、大瀬戸先生は返事をしなかった。
舞は詩乃と優里亜がこれまでしてきたいじめを全て動画で撮っており、その動画を編集してSNSに載せ、黒板にアドレスを記載した。先生と生徒全員がそれを見ると、詩乃と優里亜は完全に孤立することとなった。教壇に立った舞はいじめがあっても見て見ぬふりをしていると怒鳴り、全員死ねと言い放って教室を飛び出すのだった。
映画『傷だらけの悪魔』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
いじめをテーマにした作品で、観ていて胸が締めつけられました。特に遥がかつて加害者だった過去と、現在いじめの標的となる姿は因果応報のようでありながらも複雑な感情を呼び起こします。千紘との関係性も単純な友情ではなく、痛みを共有することで築かれていく歪んだ絆が印象的でした。最後に二人がようやく理解し合うシーンは救いであり、深い余韻を残しました。(20代 女性)
観ている間ずっと苦しかったです。いじめの描写がリアルで、特に靴箱や教室での陰湿なシーンは心が痛みました。ただ、この映画は単に被害者と加害者を描くだけでなく、過去の行為が巡り巡って自分を追い詰めることを突きつけています。遥が自分の罪と向き合い、千紘と心を通わせるラストは切なくも前向きでした。(30代 男性)
少女たちの残酷な一面をここまで赤裸々に描いた作品は珍しいと感じました。人間関係の歪みや、逃げ場のない学校という閉ざされた空間が生み出す残酷さが強烈です。特に遥と千紘の関係は「憎しみ」から始まりながらも、最後にはお互いを理解する方向に変わっていく過程がリアルでした。後味は苦いですが考えさせられる映画でした。(40代 女性)
正直、最初はただの学園いじめ映画だと思っていました。しかし、過去に加害者だった遥がいじめられる立場になり、その中で千紘と心を通わせる展開は予想以上に深く胸を打ちました。ラストで二人が夕日の下で笑顔を見せる場面は、「傷を背負いながらも前を向く」というテーマが美しく描かれていました。(50代 男性)
学園ドラマというより、人間の醜さと救いを描いた心理劇でした。いじめのシーンは観ていて辛いですが、そこに至るまでの背景を知ると一方的に加害者や被害者を責められない複雑さがあります。最終的に千紘と遥が互いの弱さを認め合うラストは涙が出ました。痛みを共有した者同士の強い絆を感じました。(20代 男性)
過去の加害行為が自分に返ってくるという構図が、非常に現実味を帯びていました。遥が孤立していく姿は残酷ですが、その中で千紘が彼女に手を差し伸べる場面には人間の優しさを見ました。最終的に二人の間に芽生えた友情が、ほんの少しでも未来に光をもたらしてくれた気がして救われました。(30代 女性)
「いじめ」というテーマを扱いながら、単なる被害者と加害者の物語では終わらないのが良かったです。人間の弱さや残酷さを暴き出しながらも、最後には許しや理解の可能性を描いていました。遥と千紘の表情が少しずつ変わっていくのを見て、人は過去を抱えながらも成長できるのだと感じました。(40代 男性)
この作品は、観る人に問いを突きつける映画でした。加害者と被害者、どちらも一面的に描かれていないので、単純に善悪では割り切れません。特に千紘が遥を突き放しながらも最後に歩み寄る姿は、人が本当に強くなる瞬間を映し出しているようでした。苦しいけれど、大切なメッセージを持った作品だと思います。(50代 女性)
同年代の女子高生の視点から観ると、教室内の空気感が妙にリアルでした。仲間外れや悪意のある囁きは、日常の延長にありそうでゾッとします。遥と千紘の関係性は決して綺麗事ではなく、互いの痛みを認め合ったからこそ成り立ったもの。後半の展開で自然と涙が流れました。(10代 女性)
映画を通して「いじめの連鎖」について深く考えさせられました。遥の過去の行いは許されるものではないですが、彼女もまた傷つき、苦しんでいた。千紘が最後に彼女を理解しようとする場面は、人間の可能性を信じさせてくれるものでした。苦しいけれど観てよかったと思える作品です。(60代 男性)
映画『傷だらけの悪魔』を見た人におすすめの映画5選
告白
この映画を一言で表すと?
復讐と罪の意識をテーマにした、衝撃的で冷徹な人間ドラマ。
どんな話?
中学生の娘を殺された教師が、終業式で「犯人はこの中にいる」と告白することから始まる物語。静かな語り口から恐ろしい復讐の全貌が描かれ、子どもたちの心の闇や罪の連鎖が浮き彫りになります。善悪が曖昧になる展開に息を呑みます。
ここがおすすめ!
松たか子の静かな演技が逆に恐怖を増幅させ、観る者を釘付けにします。冷たい映像美と重厚な音楽も相まって、単なるサスペンスを超えた作品に仕上がっています。『傷だらけの悪魔』で感じた「罪と向き合う苦しさ」に響く一本です。
リバース・エッジ
この映画を一言で表すと?
高校生たちの心の闇と孤独を鋭く切り取った青春群像劇。
どんな話?
1980年代の日本を舞台に、高校生たちが川で死体を発見することから始まる物語。死体を秘密にしたまま彼らは日常を送るが、それぞれの心の闇や孤独が次第に浮き彫りになり、関係性が揺らいでいきます。痛みを抱える青春をリアルに描いています。
ここがおすすめ!
行き場のない感情や閉塞感を鋭く表現した、心に突き刺さる作品です。『傷だらけの悪魔』同様、思春期の人間関係の残酷さや脆さを体感できます。観終わったあとに、青春の苦さと儚さを深く考えさせられることでしょう。
ブルーベルベット
この映画を一言で表すと?
美しい町並みの裏に潜む狂気と暴力を描いた異色のサスペンス。
どんな話?
青年が草むらで人間の耳を見つけたことから、田舎町に潜む猟奇的な事件に巻き込まれていく物語。一見穏やかな日常の裏に、暴力と欲望が渦巻いていることが明らかになっていきます。デヴィッド・リンチ監督ならではの不穏な空気感が漂います。
ここがおすすめ!
表の顔と裏の顔を持つ社会の二面性を描き出し、観客に強烈な不安を与えます。『傷だらけの悪魔』で描かれた「見えない心の傷」や「人間の二面性」と共鳴する作品です。異様でありながらも中毒性のある傑作です。
クローズZERO
この映画を一言で表すと?
暴力と友情が交錯する、不良高校生たちの青春バトルロイヤル。
どんな話?
最凶の不良高校・鈴蘭高校を舞台に、頂点を目指して男たちが抗争を繰り広げる物語。拳で語り合う彼らの裏には、仲間を思う気持ちや自分の居場所を探す葛藤が描かれています。暴力だけでなく、友情と青春の熱さが詰まった作品です。
ここがおすすめ!
小栗旬をはじめとするキャストの熱演と、迫力あるアクションが見どころ。『傷だらけの悪魔』のように、人間関係の摩擦や葛藤がリアルに描かれています。激しい世界観の中に、青春の切なさや熱さを感じられる作品です。
渇き。
この映画を一言で表すと?
愛が狂気へと変貌していく、衝撃のサスペンス映画。
どんな話?
失踪した娘を探す父親が、彼女の裏の顔と向き合う物語。娘を思う父の愛情が、やがて執念と狂気に変わり、彼自身をも破滅へと追い込んでいきます。人間の心の闇を徹底的に描いた、観る者に衝撃を与えるストーリーです。
ここがおすすめ!
中島哲也監督による鮮烈な映像と過激な表現が、観客に強烈な印象を残します。『傷だらけの悪魔』同様、人間関係の残酷さや心の闇をえぐり出す作品で、衝撃度はさらに強烈。観終わったあともしばらく忘れられないインパクトがあります。
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