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映画『その男、国家機密につき』あらすじとネタバレ感想

映画『その男、国家機密につき』の概要:2010年にスウェーデンで制作されたモキュメンタリー映画。監督はエリック・エガーとマグヌス・オリーヴ。出演はヨーン・レクダル、ジョルディ・アルメイダなど。

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映画『その男、国家機密につき』 作品情報

その男、国家機密につき

  • 製作年:2010年
  • 上映時間:76分
  • ジャンル:ドキュメンタリー、サスペンス
  • 監督:エリック・エガー、マグヌス・オリーヴ
  • キャスト:ヨーン・レクダル、ジョルディ・アルメイダ、ジャック・フランケル、アンドレア・スーチ etc

映画『その男、国家機密につき』 評価

  • 点数:65点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★★☆☆
  • キャスト起用:★★★☆☆
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★☆☆
  • 設定:★★★★★

映画『その男、国家機密につき』 あらすじ(ストーリー解説)

映画『その男、国家機密につき』のあらすじを紹介します。

スウェーデンで嘘と真実を見抜く研究をしていたスクーレは、歴史上最も大きな嘘を暴くと言い始める。それは、第二次世界大戦末期、ヒトラーの自殺を目撃したというインタビュー映像が、真赤な嘘であるという主張であった。スクーレによると、ヒトラーは戦火を逃れ、後に生き延びているのではないか、という事なのだ。
スクーレはアメリカに飛び、アドルフ・ムンチェンハウザーなるヒトラーに酷似した人物を見つけ出す。この男こそがヒトラーその人ではないかと疑うスクーレは独自に調査を開始するものの、謎の集団に何度も圧力を受ける。だが、それは余計にスクーレの意志を強くするだけであった。
ムンチェンハウザーは、アメリカではマッカーシー議員の右腕として赤狩り旋風を巻き起こし、またキューバに渡ってはキューバ危機を引き起こしていた。また、ビスマーク村では人類初の月面着陸を目指して頓挫したり、ラシュモア山の彫像をドイツ人に変更しようしたりと様々な事件を起こしていた事も判明する。
ムンチェンハウザーがヒトラーである事を確信したスクーレは、影の組織「ドイツ人会」が糸を引く「遺体の冷凍保存」をする会社へ侵入する。そこで彼が見たものとは、ムンチェンハウザーの冷凍された遺体であった……。

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映画『その男、国家機密につき』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『その男、国家機密につき』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

フェイク・ドキュメンタリー=モキュメンタリーの世界

ドキュメンタリー風に作られているが、実際の内容はフィクションであるものをモキュメンタリー映画という。「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」の爆発的なヒットにより、近年爆発的に制作されているジャンルだ。低予算で作れる事のがメリットなのだが、逆にアイディアが重要になってくるのが難しいところである。

今作「その男、国家機密につき」は、歴史上の実在人物や過去のフィルムを多用するところなどがウディ・アレン監督の「カメレオンマン」を彷彿とさせて非常に意欲的である。

ヒトラーは生きていた!?

「オデッサ・ファイル」のようにナチスの残党を探す映画や、「ブラジルから来た少年」のようにヒトラーのクローン計画を暴く映画は過去には存在した。しかし実はヒトラーの自殺説はねつ造であり、その後も彼は生き続けていたのだという話はなかなか斬新である。荒唐無稽な話ではあるのだが、ニュース映像や歴史上の事件などを挿入してくるため、なぜか本当っぽく思えて来るのが可笑しくて仕方がない。

戦後、ヒトラーはムンチェンハウザーと名前を変えてアメリカに移り住んでいた。その足取りを追っていくのがこの映画のメインプロットである。彼はアメリカでジョセフ・マッカーシーの右腕となって政治界で暗躍をしたり、またキューバに移り住んではキューバ危機を引き起こしたりと大活躍を繰り広げる。しまいにはケネディよりも早く宇宙計画を実行に移そうとしていたというのだからもはや笑うしかないだろう。

さらには影にはドイツ人会なる謎の組織が存在していたり、果てには冷凍保存で近い未来に復活を試みているというSF的展開まで見せるのだからたまらない。もはやこれはコメディといっても過言ではないだろう。どこまでこの映画の嘘に付き合えるか、それがこの作品を楽しむコツなのではないだろうか。


都市伝説や秘密結社、歴史上のオカルト的な出来事が好きな方はとても面白く見られる作品だと思います。タイトルは北野武監督の『その男、凶暴につき』を連想させるダサすぎる邦題なので大丈夫かな…と心配しましたがヒトラーの自殺説を真っ向から否定し、ヒトラーは生きているのではと真実を追い求めていく姿はとてもワクワクしました。
過去の映像を使うことで妙なリアリティが生まれていて、胡散臭いと思う気持ちと、本当なのかも…と惑わされる気持ちでなんだか複雑な心境でした。
後半はどんどんオカルトっぽい仕上がりになっていきますが、個人的にはそれも含めて面白かったです。(女性 30代)

映画『その男、国家機密につき』 まとめ

モキュメンタリー映画は、いかに本当っぽく嘘をつき続けるか、というのが重要なのだが、この映画はそこの水準を確実にクリアしていると思う。CIA職員やキューバ警護官など多数の人物が登場する所もリアルだ(もちろん彼らはあくまで役者に過ぎないのだが)。ジョセフ・マッカーシーの横に座っているヒトラーの図、という合成映像の出来も素晴らしく、最後まで観客を騙し続けようとする姿勢に好感を抱いた。歴史上のifもしもを空想するのは誰もが楽しい事であろう。作品の出来不出来は別にしても、もしヒトラーが生きていたらという発想からこれだけの映画を作り上げたのは、評価に値するだろう。

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ドキュメンタリー映画サスペンス映画
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