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映画『孤高のメス』あらすじ・ネタバレ結末と感想

この記事では、映画『孤高のメス』のあらすじをネタバレありで解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『孤高のメス』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『孤高のメス』の結末までのストーリー
  • 『孤高のメス』を見た感想・レビュー
  • 『孤高のメス』を見た人におすすめの映画5選

映画『孤高のメス』 作品情報

孤高のメス

  • 製作年:2010年
  • 上映時間:126分
  • ジャンル:ヒューマンドラマ、サスペンス
  • 監督:成島出
  • キャスト:堤真一、夏川結衣、吉沢悠、中越典子 etc

映画『孤高のメス』 評価

  • 点数:80点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★☆

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映画『孤高のメス』 あらすじ(ストーリー解説)

映画『孤高のメス』のあらすじを紹介します。

ある青年の母が亡くなった。
彼は遺品から母の日記を見つけ、それを読んだ。
彼の母親は看護師であった。

母子家庭で息子を育てる中村(夏川結衣)は、さざなみ病院の手術室勤務を担当していた。
しかしこの病院の医者は口ばかりのダメな医者が多く、大きな手術や怪我は京葉医大に運ぶことになっている。
そこに当麻(堤真一)という医者がやってくる。
力のない病院にアメリカ帰りの当麻が必要であると呼ばれたのだった。
彼は第二外科部長となる。

ある日運ばれてきた病人。
所見から大病だと判断された患者は、京葉医大に運ばれることになる。
しかし医大までは1時間。
その間に何かあってはと当麻は自ら担当する。
そして見事なメス裁きを見せた当麻に中村は感心した。

別の日、市長が肝硬変で運ばれてきた。
容体も悪く肝臓を移植しないと助からない。
そこに交通事故で運ばれてきた脳挫傷の少年がいた。
彼は意識を取り戻す見込みは無いと聞いた母親は、臓器提供を申し出る。

しかし生体肝移植は日本では認められていない。
当麻は患者を助けたい一心で自分が責任を取るから自分に手術をさせてくれと頼み込んだ。

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映画『孤高のメス』 結末・ラスト(ネタバレ)

当麻は見事な手術で肝移植を成功させる。
だれもがこの神業に感動した。

その後当麻は病院を去ることになる。
中村は当麻が好きだった都はるみを自分も好きだと当麻に言う。
中村看護師の日記はここまで。

彼女の息子は医師になり地方の病院へ赴任することに。
院長不在だったため部屋で待たされている時に気が付く。
都はるみのカセットとさざなみ病院の集合写真が飾られているのを。

映画『孤高のメス』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『孤高のメス』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

医療社会問題作品

現代が抱える医療問題を提起した作品で、原作自体がベストセラーになったことで有名である。
日本ではまだ許されていない生体肝移植、その難しさは一般人には到底理解できないし認識もされていない。
しかし敢えてこの映画で取り上げることで、そんな問題があるのだということもわかったし医療の問題が身近に感じることが出来た。
また堤真一が演じることで「白い巨塔」のような手の届かない世界というイメージも払拭され見やすい作品となっている。

堤真一の才能

どの役柄を演じさせて見ても見事にはまり、役になりきることに突出している俳優堤真一。
その演技力には引き込まれずにはいられない。
医者の役というのは観たことがないように思うが、さすがのものである。
何の違和感もなく医者として見せてくれるから不思議だ。

最後に思わせる温かいラスト

この物語は青年の母である中村看護師の日記を読んでいる。
その中に出てくる当麻という医師に、恋をしていた母。
それは当麻が好きだった都はるみを自分も好きだと言ったセリフからもわかる。
きっと中村は当麻を人として、男性として好きだと言ったのではないだろうか。
そして息子も成長し医師になる。
赴任した病院の院長室で院長を待つとき、その院長が当麻であることを予想させる温かいラストに心がほっこりした。


何が正しいの分からない医療の世界。患者を助けることが何よりも正しいと思っていましたが、例え助けられる状況が揃っていても、その方法が認められていないものだったら何も出来ないという現実にもどかしさを感じました。
堤真一演じる当麻の医師としての責任感や決断力、技術の正確さが素晴らしくこんな医師に出会えたら、多くの命が救われるだろうと希望を感じられました。
想像以上に分かりやすいストーリーだったので、医療系の作品が苦手な方にも見やすくなっていると思います。(女性 30代)


地方の医療現場という閉鎖的な環境の中で、理想と現実のはざまで苦悩しながらも、命と真正面から向き合おうとする外科医・当麻の姿に胸を打たれました。特に脳死患者からの臓器移植という当時の日本社会では受け入れられにくいテーマを扱いながら、それでも揺るがない信念を貫く姿勢が印象的でした。感情を抑えた演出の中に、確かな誠実さと人間味が感じられる秀作です。(50代 男性)


医療系の映画というと感動を押しつけてくるイメージがありましたが、『孤高のメス』はまったく違いました。派手な演出はなくても、一人の医師が命と真剣に向き合う姿が静かに胸に迫ってきます。特に終盤の、臓器提供を決断する家族の葛藤には涙が止まりませんでした。命の重さと、医療に求められる覚悟を問いかけられるような作品でした。(30代 女性)


終始、淡々としたトーンで進む作品ですが、その静けさの中に込められた医療への情熱がビシビシ伝わってきました。当麻先生の誠実な生き方は、自分の仕事に対する姿勢にも大きな影響を与えてくれました。倫理的な問題を正面から扱っているのに、説教臭くならずに観られるのは脚本と演出の力だと思います。(40代 男性)


まだ学生ですが、医療従事者を目指している立場として、この映画にはとても感銘を受けました。特に、命の現場で自分の信念を貫くことの大変さと、それでも人のために行動する姿勢には、将来の自分のあり方を考えさせられました。静かな映画だけど、観終わったあとにじんわりと余韻が残る一作です。(20代 女性)


当麻というキャラクターに惹かれたのは、正義感ではなく、深い覚悟と静かな情熱を感じたからです。脳死移植というテーマに対して、単なる賛成や反対ではなく、その中にある人間の「決断」と「尊厳」を描いていて、考えさせられる部分が多かったです。個人的には、病院内の権力闘争がもう少し描かれてもよかったかも。(30代 男性)


医療の倫理に切り込んだ作品として、とても誠実で丁寧なつくりだと感じました。派手なドラマはないけれど、リアルな医療現場の空気感、患者や家族の気持ち、医師としての使命感がじっくり描かれていて、どの立場で見ても心に刺さる映画だと思います。特に子どもを持つ親の立場からは、家族の決断に胸が締め付けられました。(40代 女性)


主人公の当麻が一貫して患者のために行動する姿は、理想論のようでいて、実際にこんな医師がいたら…と強く願いたくなるような存在でした。医療という制度や組織に屈せず、真摯に命と向き合う姿に、信念を持って働くとは何かを考えさせられました。ラストで彼が病院を去るシーンには、静かながら深い余韻がありました。(60代 男性)


映画全体を通して、言葉よりも「姿勢」で語る作品という印象でした。説明的な台詞が少なく、表情や間で語る演出が逆にリアリティを感じさせ、まるでドキュメンタリーを見ているような感覚になりました。当麻先生の真摯な姿が、一人でも多くの命を救おうとする姿勢として胸に残りました。医療の本質を見つめる映画です。(30代 女性)


若干テーマが重いのではと思っていましたが、観終わった後には「重い」ではなく「深い」と感じました。死と向き合う医師の覚悟、それを支える周囲の人々、そして決断を下す家族の姿。どれもがリアルで説得力がありました。感情を抑えた演技がかえって心を揺さぶる、上質な日本映画だと思います。(20代 男性)

映画『孤高のメス』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『孤高のメス』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

神様のカルテ

この映画を一言で表すと?

理想と現実の狭間で揺れる医師の葛藤を描いた、心に沁みるヒューマンドラマ。

どんな話?

地方病院で働く若き内科医・栗原一止が、過酷な勤務や患者との向き合いの中で、自分の生き方と医療の意味を見つめ直していく物語。医師としてだけでなく、一人の人間としてどう生きるべきかを模索する姿が丁寧に描かれます。

ここがおすすめ!

華やかさはなくても、誠実に命と向き合う医師の姿が胸を打ちます。人を救うとは何か、患者のためにできることとは何かを真正面から問いかける作品で、『孤高のメス』に感動した方ならきっと心に響くはずです。

チーム・バチスタの栄光

この映画を一言で表すと?

医療の闇に迫る異色の医療ミステリー。

どんな話?

高難度手術「バチスタ手術」で連続死が発生。真相を探るために派遣された厚労省の破天荒な役人と、心優しき医師が真実に迫る。医療現場の裏側に潜む権力や隠蔽、そして人間関係の複雑さがスリリングに描かれます。

ここがおすすめ!

ミステリー仕立てでテンポよく進むので、社会派ドラマが苦手な人にもおすすめ。命を扱う現場の緊張感や、正義とは何かを問うテーマは『孤高のメス』と通じるものがあり、違った角度から医療の現実に迫れます。

白い巨塔(2003年版)

この映画を一言で表すと?

野望と正義、医療の現場に渦巻く人間ドラマの金字塔。

どんな話?

国立大学病院の外科医・財前五郎が、教授選や出世争いに翻弄されながらも、医師としての矜持と倫理観のはざまで揺れ動く姿を描いた大作。医療と権力、個人と組織の関係が克明に描かれます。

ここがおすすめ!

ドロドロした人間関係の中でも「命を救うとは何か」という根源的なテーマがぶれずに描かれており、重厚な脚本と俳優陣の熱演に引き込まれます。『孤高のメス』のように医師の信念や葛藤を丁寧に描いた名作です。

風の電話

この映画を一言で表すと?

喪失と再生の旅路を通して、生きる意味を見つけ出す感動作。

どんな話?

震災で家族を亡くした少女が、岩手にある「風の電話」を目指して広島から旅をする。道中で出会う人々との交流や、それぞれが抱える傷を通して、失ったものと向き合い、再び前を向こうとする物語。

ここがおすすめ!

「命」と「喪失」というテーマを静かに、しかし深く描いている作品で、医療の現場とはまた違った角度から人間の心に迫ります。『孤高のメス』が好きな方なら、この誠実なトーンと余韻の深さに心を打たれるはず。

おくりびと

この映画を一言で表すと?

死を通して生を見つめ直す、静かな感動に包まれる人間ドラマ。

どんな話?

職を失った主人公が、ひょんなことから納棺師という仕事に就き、最初は戸惑いながらも人の死と向き合ううちに、自らの人生観や家族との絆を見つめ直していくというストーリー。死と向き合う“生”の物語です。

ここがおすすめ!

死に対する敬意や、見送る側の想いを丁寧に描いた作品で、重くなりすぎず温かさが残るのが特徴。『孤高のメス』のように命の重みと真摯に向き合う作品を求めている人にぴったりの一本です。

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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