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映画『告白(2010)』あらすじ&ネタバレ感想

湊かなえによる同名小説の映画化。娘を生徒に殺されたシングルマザーの女教師が、犯人の生徒を精神的に追いつめていくサスペンス映画。監督は奇抜な演出で知られる中島哲也。女教師を松たか子が演じる。

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映画『告白』 作品情報

  • 製作年:2010年
  • 上映時間:106分
  • ジャンル:サスペンス
  • 監督:中島哲也
  • キャスト:松たか子、木村佳乃、岡田将生、西井幸人、藤原薫 etc…

映画『告白』 評価

  • 点数:60点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★★☆☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★☆☆☆
  • 設定:★★★☆☆

映画『告白』 あらすじ(ストーリー解説)

映画『告白(2010)』のあらすじを紹介します。

とある中学校の終業式後の雑然とした教室で、担任の森口悠子(松たか子)は生徒たちに向かって告白をする。彼女は今学期で教師を辞め、その理由は彼女の1人娘が生徒の誰かによって殺されたからだという。犯人をA、Bとぼかしながらも徐々に特定していく森口。そして復讐として彼らが飲んだ牛乳の中に、HIVに感染した娘の父親の血を混ぜたと告白する。森口は騒然とした教室を後にするのだった。

そして新学期、少年Bこと下村直樹はHIVに感染したと思い込み、精神が不安定な状況にあり学校にも来ていなかった。新任教師の寺田(岡田将正)は学級委員の北原美月(橋本愛)と一緒に何度も家庭訪問するが、それが逆に直樹を追いつめていく。ついに直樹は母親を包丁で刺し殺してしまうのだった。

一方少年Aこと渡辺修哉はいじめを受けながらも平然と学校に通っていた。同じくクラスで浮いていた美月とも親密になっていく。しかし彼の関心は自分を捨てた科学者の母親に向いていた。母親に認められたくて様々な発明品を作る修哉だが、次第に歪んだ方向に進んで行く。美月を殺害すると、自家製の爆弾で全校生徒が集まった体育館の爆発を試みる修哉。しかし爆発は失敗し、悠子から電話がかかってくる。仕掛けられた爆弾は母親の研究室に持って行ったと言うのだ。愛する母を自分の手で殺してしまったことに気付き、絶望する修哉の元にやってきた悠子は復讐の完了を告げるのだった。

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映画『告白』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『告白(2010)』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

巧みな構成

何の前ぶれもなく女教師が生徒の殺人を告白するという、強烈な冒頭から物語が始まる。そしてその後物語は犯人の少年A、少年Bの立場から再度語り直される。古い例だが黒澤明の『羅生門』にも似た構成だ。ある1つの事件を当事者それぞれの立場から見直すことで、観客は理解していたはずの事件が思っていたよりもずっと多面的であることに気づかされる。今作で言えば犯人2人の家庭問題が、結果としての「事件」から逆算的に明らかにされる構成だ。
そしてもう1つこの構成が優れているのは、教師の本心を上手い具合に隠すことに成功している点だ。復讐したという彼女の告白の真偽は宙に浮き、同時に彼女が正義か悪なのかさえ曖昧になっていく。被害者であって加害者、正義であって悪、真実であって嘘。そんな彼女のキャラクターを最後の台詞「なーんてね」が見事に象徴している。

顔のない集合体

物語の主人公の1人(?)がクラスメイトという集合体だ。実は今作では生徒の1人1人に名前が付けられているのだが、その細かい設定とは裏腹に彼らを1個人としては扱っていない。彼らを1つの集合体として扱っているのだ。それが最も顕著なのが、冒頭の教師の告白シーンだ。生徒たちは隠れてメールで感想をやり取りするのだが、その際画面に映るのは生徒の顔ではなく携帯の文字だけだ。1人の提供した情報はクラス全体で共有され、個人の感情は消失する。そして美月のように集合体から少しでもはみ出たものがいれば、即いじめへとつながってしまう。学校のクラスという閉鎖された環境だからこそ生まれる不気味で危険な集合体なのだ


決して楽しい作品ではないにもかかわらず、何度も観たくなってしまう不思議な魅力のある作品。
押しつぶされそうになるほどの重たい空気が終始漂っている。
直接手は汚さず、しかし確実に相手に絶望を与えられる方法で復讐する。相手は生徒とはいえ、一切容赦はしない。決してスッキリとした復讐劇ではなく、暗い気持ちになってしまう作品ではあるが、観終わった後ついつい考えてしまう、忘れられない作品である。松たか子の演技も素晴らしいが、生徒役の西井幸人の演技には言葉を失ってしまう。(女性 20代)


この作品は映画化して正解だと思う。
湊かなえの原作を読んだとき「これはシリアスな話なのか、ギャグなのか……?」と正直戸惑った。淡々とした文体で、若者の心の闇や社会問題について問いかけているのかと思いきや、とんでもない展開が待ち受ける。読んだ後、どう受け止めていいのか分からなかった。

しかしこの映画はそんな複雑さを上手く表現していた。ダークな色調は鬱々とした生徒たちの心情を感じさせ、現実離れしたポップな演出は、原作では浮いているように思えた女教師の奇抜な行動にちょうどよくハマっていた。
決して後味の良い話ではないが暗い気持ちにはならない。ある意味、痛快なエンターテインメント作品である。(女性 40代)


湊かなえの原作を初めて読んだ時に、こんなにも心が揺さぶられて、どんどんとページが進み、一気に読み切ってしまった作品は初めてで物凄く感動したのを覚えています。
その感動を納得のいかないキャストで実写化されてしまうのが嫌で、今作を見るのを躊躇していたのですが、実際に見てみると悠子先生を演じた松たか子が、イメージにぴったりで一気に作品に引き込まれてしまいました。
かなりクセの強いやり方で生徒を追い詰めて復讐していく悠子先生の行動は怖すぎて背筋がぞっとします。しかし、何よりも怖いのは彼女の最後のセリフでしょう。(女性 30代)

映画『告白』 まとめ

人気原作を巧みな構成と、独特の映像感覚で映画化した作品。何の前触れも無く始まる教師の告白は衝撃的で、冷たい画面の質感も観る者を不安にさせる。しかし全体的に登場人物を表面的にしかなぞっておらず、面と向かって彼らの内面を描く努力を怠っている印象を拭えない。描かれている過保護やマザコン、いじめといった要素はどれも安易かつ代替可能なものであって、登場人物の人格に深く関わるものというよりは作品を彩る程度のものにしか思えない。HIVの扱いについても同様のことが言えるだろう。
また監督の中島哲也はCM出身らしくポップな演出に定評があるが、今作ではその演出方法が空回りしている箇所が多い。物語を効果的に語る効果もなく、CMやPVのような映像を見せられては集中力を奪われてしまう

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みんなの感想・レビュー

  1. まきまき より:

    私はかなり好きな映画の一つです。
    冒頭で虐められている少年は、やがて犯人の一人である少年Aがターゲットにされると
    今度は虐める側にまわり、少年Aが虐められなくなると
    まーたこの少年がいじめられっこに逆戻りしている。
    虐めは人間の本能なのでしょうかね。

    私が告白が好みである理由の一つに、法で守られている未成年犯罪者を淡々と容赦なく追い詰める悠子先生の恐ろしさと
    悪い役である少年Aに少なからず魅力を感じているからです。
    もちろん身近にいたら絶対に嫌です。
    あくまでも創作物の登場人物であること限定です。
    しかしこの子の未熟さと愚かさと救いようのなさ、生意気に斜に構えた部分
    唯一の理解者であったはずの美月の存在価値に気づけず殺してしまう部分
    ここまでくると逆に何かが刺激されました。
    また、法で守られている未成年を教師がここまでコテンパンに追い詰める作品もなかなかないのでラストも個人的に胸がすっとしました。

    ラストへ向かう前にファミレスを出た悠子先生が大泣きしたあと
    「……馬鹿馬鹿しい」と吐き捨てた台詞、ゾッとしました。
    少年Bの母親を殺害したあとの演技力もなにげに高かったと思います。