12000作品を紹介!あなたの映画図書館『MIHOシネマ』

映画『街の灯(1931)』あらすじ&ネタバレ感想。無料視聴できる動画配信は?

チャールズ・チャップリン主演監督による名作映画。盲目の花売り娘に恋する浮浪者の姿を描く。サイレント映画だが、伴奏と効果音が入ったサウンド版として製作されている。

映画『街の灯』 作品情報

  • 製作年:1931年
  • 上映時間:87分
  • ジャンル:コメディ、ラブストーリー
  • 監督:チャールズ・チャップリン
  • キャスト:チャールズ・チャップリン、バージニア・チェリル、フローレンス・リー、ハリー・マイアーズ、アラン・ガルシア etc…

映画『街の灯』をフルで無料視聴できる動画配信一覧

映画『街の灯(1931)』をフル視聴できる動画配信サービス(VOD)の一覧です。各動画配信サービスには2週間~31日間の無料お試し期間があり、期間内の解約であれば料金は発生しません。無料期間で気になる映画を今すぐ見ちゃいましょう!
U-NEXT ×
Hulu ×
Amazonビデオ ×
dTV ×
TELASA ×
TSUTAYA DISCAS ×
ビデオマーケット ×
Netflix ×

※動画の配信情報は2022年5月時点のものです。配信状況により無料ではない場合があります。最新の配信状況は各動画配信サービス(VOD)の公式サイトでご確認ください。

映画『街の灯』 評価

  • 点数:85点/100点
  • オススメ度:★★★★★
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★☆☆
  • 映像技術:★★☆☆☆
  • 演出:★★★★★
  • 設定:★★★★☆

[miho21]

映画『街の灯』 あらすじ(ストーリー解説)

映画『街の灯(1931)』のあらすじを紹介します。

とある街に暮らす浮浪者の男(チャールズ・チャップリン)はある日、街角で出会った盲目の花売り娘(ヴァージニア・チェリル)に一目ぼれしてしまう。彼女は男がタクシーを使っていると勘違いし、金持ちだと思い込むのだった。その夜男は、妻と離婚して自殺を試みていた富豪を助けて友達となる。彼は酒を飲んでいる時だけ浮浪者を覚えているのだが、酔いが醒めると全て忘れてしまうという困った癖がある。その為屋敷を追い出されてしまうが、もらった金で娘から花を買って紳士のふりをする。病気の彼女のために働き、家までいって献身的な世話をする男だが、彼女が家賃の滞納で立ち退きを迫られていることを知る。何とか金を工面したい男は、偶然声をかけられた八百長ボクシングに手を出す。ところが手違いで本気の相手との試合になってしまい、巧みに相手を惑わして善戦するもやはり敗れてしまう。

途方に暮れる男は酔っぱらった富豪と偶然再会する。屋敷で事情を話して大金を貰うのだが、運悪く屋敷の中に強盗が潜んでおり富豪は頭を殴られ気絶する。警察を呼んで事情を話すが、酔いの醒めた富豪は男のことを覚えていない。強盗に疑われた男は慌てて逃げ出し花売り娘の家に駆け込むと、家賃と目の手術代として金を渡すのだった。しかしその帰り道男は警察に捕まってしまう。

数年後、刑務所を出た男は目が治った花売り娘と偶然再会する。男の正体を知らない娘は、憐れみの気持ちから浮浪者の男に一輪のバラを差し出す。その時彼女は男の正体に気づくのだった。

映画『街の灯』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『街の灯(1931)』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

格差を超越する浮浪者

物語は街の繁栄の象徴となる銅像の除幕式のシーンから始まる。しかしいざ銅像を公開してみると、その上にはどういうわけかチャップリン演じる浮浪者が寝そべっており、驚く権力者たちを前にいそいそとその場を立ち去る。コミカルに演出されているが、この作品のテーマを如実に現しているシーンだ。

本作の撮影が開始されたのは1928年、アメリカは世界恐慌前の好景気の中にある。浮浪者はその発展に取り残されてしまった人物だ。だが彼は決して底辺に這いつくばって生きている人間ではない。自殺しかかった富豪の男を助けると友人になりパーティーにも参加する。貧しい花売り娘と富豪の友人の間を、何のしがらみも感じさせずに自由に行き来する存在なのだ。彼の前では格差は無意味なものになり、この街の灯を点しているのは一部の富裕層ではないことを感じさせてくれる。浮浪者たち弱者への優しい眼差しを感じとれる作品だ。

ラストの表情の意味

物語のラストで浮浪者と花売り娘は再会を果たす。目の前の浮浪者が自分を救った男だと気づいた時、娘の口から漏れた言葉は一言「You(あなたでしたの)?」だけだ。観客は感動の再会を期待するが、それとは裏腹に娘の顔は満面の笑みとは言えない。彼女は浮浪者を裕福な男と思っており、現実の姿に落胆したのかもしれない。それに対する浮浪者も何とも言えない、照れや申し訳なさを含んだ笑顔を浮かべる。わずか数秒の間に両者の間で感情が複雑に行き来している様子を見事に描く名シーンだ。


チャップリンお決まりの衣装で登場する作品の一つです。白黒の映像で、無声映画、言葉は字幕でのみ表示されます。社会的な背景などを取り入れながらも、センスのあるユーモアで暗い印象は受けません。社会風刺のような場面もあるのですが、嫌な気持ちになりません。これはセンスとしか言いようがないのでしょう。高価な衣装などは登場しなくても、作品全体になんとなく品を感じます。目の見えない花を売る少女に恋をするチャップリンの姿に優しさを感じます。本当に素晴らしいアーティストだなと改めて感じました。(女性 40代)

映画『街の灯』 まとめ

言わずと知れた喜劇王チャップリンの代表作にして映画史上に残る名作の1つ。切なく心温まるストーリーは時代を全く感じさせない普遍的なもので見事だが、コメディーの質の高さも光る。中でもボクシングでのずっこけ奮闘ぶりは、チャップリンの身体能力の高さもよく活かされている。

本作はチャップリンの完璧主義が発揮されたことでも有名。特に花売り娘との出会いのシーンでは実に342回ものNGを出したという逸話が残っている。その主な理由は、浮浪者を金持ちと勘違いする理由に説得力がないというものであった。また見事なラストシーンからはとても考えられないが、花売り娘を演じたヴァージニア・チェリルとチャップリンは非常に不仲であったことでも知られている。

みんなの感想・レビュー