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映画『告白小説、その結末』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『告白小説、その結末』の概要:ベストセラー作家のデルフィーヌは、エルという魅力的な女性と出会う。彼女に興味を抱いたデルフィーヌは、彼女を題材に告白小説を書こうと思い立ち、エルの過去について聞き出していくのだが……。

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映画『告白小説、その結末』の作品情報

告白小説、その結末

製作年:2017年
上映時間:100分
ジャンル:サスペンス
監督:ロマン・ポランスキー
キャスト:エマニュエル・セニエ、エヴァ・グリーン、ヴァンサン・ペレーズ、ジョゼ・ダヤン etc

映画『告白小説、その結末』の登場人物(キャスト)

デルフィーヌ(エマニュエル・セニエ)
ベストセラー作家。家族を題材に小説を書いたことに罪悪感を覚えている。突然に変わった生活に戸惑いを感じている。会える時間が少ない夫や、手を離れていった子供たちの不在で孤独を感じることも多い。新作のために2年を費やしているが、未だに執筆を開始していない。
エル(エヴァ・グリーン)
デルフィーヌのサイン会に現れた美女。ゴーストライターの仕事をしており、デルフィーヌと仲良くなっていく。時に気性を荒くし、ミキサーなどを衝動的に破壊するなど暴力的な側面を持つ。

映画『告白小説、その結末』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『告白小説、その結末』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『告白小説、その結末』のあらすじ【起】

作家のデルフィーヌは、自分の家族の過去を題材に小説を書き上げ、それはベストセラーになった。しかし、突然にベストセラー作家となった彼女は、瞬く間に変わっていった環境に少し疲れを感じ始めていた。

ある時、デルフィーヌはエル(彼女)と名乗るファンと出会う。サイン会後のパーティで再び顔を合わせた二人。エルは若く、魅力的な女性だった。彼女から創作のやり方を聞かれ、四冊の創作ノートを持ち歩き、メモを取っていることを教える。エルは勘が鋭く、環境の変化からデルフィーヌが孤独を感じていることをズバリと言い当てた。

デルフィーヌの母は精神を病んで、自殺をしていた。夫のフランソワは有名な評論家で、お互いの生活を尊重し、別々に暮らしていたが夫婦仲は良かった。子供は二人いたが、どちらも自立しており、デルフィーヌの手を離れている。彼女は新作のために2年もの間、資料集めを続けていたが、夫はそろそろ新作を書きだしてほしいと思っていた。

ある時、デルフィーヌに差出人不明の手紙が届く。それは彼女の親族の誰かからで、母親の不幸を本の題材にしたことが許せないようだった。

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映画『告白小説、その結末』のあらすじ【承】

執筆活動を再開したが、意欲が湧かず、筆が進まない。そんな時、エルから電話があった。エルはゴーストライターの仕事をしており、女優や政治家のインタビューから、他人の人生を書き起こしていた。自分の人生について書かないのかとデルフィーヌが聞くと、夫は他界し、子供もいない、ありきたりな人生なので書いてもつまらないと言われる。

創作ノートを無くして落ち込むデルフィーヌに再びエルが電話をしてきた。彼女の誕生会に呼ばれたので出向いたが、客は誰もいなかった。彼女の夫の死後、皆の態度が変わってしまったのだという。デルフィーヌは新作の要約をエルに渡し、意見を求めた。後日、エルに感想を言われたが、退屈な内容であなたが書きたいことが書かれていないと言われてしまう。

フランソワは仕事で長く家を空けることになり、デルフィーヌを心配したが、彼女はエルがいるから大丈夫だと伝えた。そんな時、再び差出人不明の手紙が届く。心配したエルが駆けつけ、デルフィーヌに精神安定剤を飲ませた。

精神的に衰弱したデルフィーヌのために、エルは取材や講演の依頼などに断りのメールを送る。エルは住む場所に困っていると言い、しばらく一緒に住まわせてくれないかとお願いしてきた。デルフィーヌはそれを快諾した。

執筆をしなくてはならないのに、デルフィーヌは取材などに忙しくしていた。それを見たエルは苛立っていく。高校での講演に行こうとした時、エルはデルフィーヌに代わって自分が行くと言いだした。彼女は変装して出かけていった。

公園に散歩に出たデルフィーヌは、偶然に担当者と出会った。彼女から、メールで指示された通りに、新作を書き終わるまで取材などは全て断ったと告げられたが、デルフィーヌにはそんなメールに憶えはなかった。それは全て、エルが送ったものだった。

講演から戻ってきたエルは、司書にバレて逮捕されてしまったと説明した。だが、講演自体は上手くいったという。

デルフィーヌの幼少期の日記を盗み見たエルは、小説のネタにすればいいと言ったが、告白小説はアクが強いだけだと言って頑なに拒んだ。そのうち、エルは友人にまで勝手にメールを送り出し、デルフィーヌに執筆させようと必死になってくる。苛立ったデルフィーヌは彼女と喧嘩になり、その結果、エルは引っ越していってしまった。

映画『告白小説、その結末』のあらすじ【転】

エルがいなくなって落ち込むデルフィーヌは、階段で足を滑らせて右足を骨折してしまう。それを知ったエルは、彼女の元に戻ってきてくれた。静かな田舎で療養しようということになり、二人は車で別荘へと向かった。

道中、エルは自分の過去について話し出した。それを聞いたデルフィーヌは、エルについての告白小説を書こうと決め、密かに彼女から情報を聞き出そうし始めた。

ガソリンスタンドに立ち寄った際、偶然に講演があった高校の司書に出会ったデルフィーヌ。司書は彼女に向かって、なぜ講演をすっぽかしたのかと怒りだした。エルの発言と食い違うことに不安を感じたが、エルには何も追求しなかった。

エルは少女期に自分の母が死んだこと、家が燃えてしまったことを告白。だが、キキという空想の親友のおかげで、立ち直れたと語った。

別荘に到着した二人。エルはゴーストライターの仕事をし、デルフィーヌは気づかれないように、エルの過去を聞き出していた。そんな時、別荘にねずみが出たとエルが騒ぎ出す。彼女はすぐさまネズミ捕りや殺鼠剤を買いに走った。

エルは母が亡くなった後、父から暴力を受けたという。しかし、放火で家が燃えた際、父も一緒に焼死してしまったのだそうだ。放火の犯人は誰なのかとデルフィーヌが問うと、たぶんキキだといたずらっぽく答えた。

映画『告白小説、その結末』の結末・ラスト(ネタバレ)

次第にデルフィーヌの具合が悪くなっていった。エルは回復を願い、スープを作ったが、彼女はそれすら飲めず、吐き出してしまった。動けないデルフィーヌに代わり、エルが電話に出るようになる。家族に連絡したいと言うデルフィーヌに、すでにしてあるから心配いらないと返事をしたエル。

エルをネタに小説を書こうとしていることがバレてしまったと気がついたデルフィーヌは、それが原因で監禁されているのではないかと考えるようになった。彼女は気づかれぬようにこっそり別荘を抜け出すと、雨の中、助けを求めて歩いていった。だが、ギプスをした足ではうまく歩けない。足を取られた彼女は転び、そのまま気絶してしまった。

翌朝、発見されたデルフィーヌは病院へ運ばれた。駆けつけたフランソワは、なぜ自殺しようとしたのかと彼女を問い詰めた。デルフィーヌの体内からは、殺鼠剤に使われる毒が発見されていたのだ。エルはフランソワに電話したと言っていたが、彼はエルからの電話など一切なかったと答えた。デルフィーヌは、知らぬ間にエルに毒を盛られたと説明したが、エルという女性がいたという証拠はどこにも存在していなかった。

出版社を訪ねたデルフィーヌ。担当者は、受け取った原稿は最高の出来だと絶賛した。だが、デルフィーヌは新作を書いた記憶は無かった。原稿を送ってもいない。それはエルという他人が書いたものだと説明するが、担当者は不思議そうな顔をするばかりだった。

“実話に基づいた物語”という新作が発表され、ブックフェアでは飛ぶように売れていた。サイン会が行われ、デルフィーヌの前には彼女のファンが行列を作った。彼女はエルのことを思い出す。新作が完成したのは、全てデルフィーヌが生み出した空想の親友である“彼女”のおかげだったのだ、と。

映画『告白小説、その結末』の感想・評価・レビュー

始まってすぐにオチが分かってしまう。作家などクリエイティブな仕事をする主人公の典型で、ある意味、古典的な物語。主役のふたりの女優は、どちらも良い演技をしたと思うが、作品の内容的に精神的に不安だったり、高圧的なおしゃべりを続けたりと、見ていてあまり気持ちよくない。今まで向き合いたくなかった自分の過去を、もう一人の自分であるエルに語らせるという手法が面白いが、デルフィーヌ自身で乗り越えているわけではないので、カタルシスが生まれていない。(MIHOシネマ編集部)


物語の結末を見て、デルフィーヌの孤独をより強く感じた。ベストセラー作家として売れ夫や子供達と良い関係を築きつつも、ずっと寂しかったのではないかなと思った。エルのように傍にいて話を聞いてくれる存在を、求め続けていたのかもしれない。腹を割って話せる友達というのはそうそうできるものではないので、デルフィーヌの気持ちも分からなくはないなと思った。エルが事件を起こすのではないかとハラハラしていたので拍子抜けした気持ちもあるが、デルフィーヌが死ななくて良かったと思う。(女性 30代)


本作は、精神を病んで自殺した母親との暮らしを書いた私小説がベストセラーとなったデルフィーヌと、突然現れた熱烈なファンを名乗るエルとの共同生活を描いたサスペンス作品。
デルフィーヌはエルに心を開いていくが、次第にエルが主導権を握り彼女を支配下に置くという立場が逆転する展開から引き込まれた。
主人公の頼りなさにハラハラしてしまうが、何故そこまでしてエルを信頼していたのか気になった。
派手さはないが、上質なミステリーだった。(女性 20代)


エルの存在があまりにもリアルで、私が見て感じた結末が本当に正しいのか疑いたくなってしまう作品でした。
小説を書くためにデルフィーヌが生み出した空想の親友・エル。彼女がいたことで結果的に大ヒット小説を書くことが出来ますが、エルとデルフィーヌの共通点の無さが、余計にエルの存在をリアルに感じさせていました。
自分の中に潜む、別の自分をとても丁寧に描いていて、ストーリーも申し分無いです。終始楽しんで見ることが出来ました。(女性 30代)

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