この記事では、映画『告発の行方』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『告発の行方』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『告発の行方』 作品情報
- 製作年:1988年
- 上映時間:110分
- ジャンル:サスペンス、ヒューマンドラマ
- 監督:ジョナサン・カプラン
- キャスト:ジョディ・フォスター、ケリー・マクギリス、バーニー・コールソン、レオ・ロッシ etc
映画『告発の行方』 評価
- 点数:80点/100点
- オススメ度:★★★☆☆
- ストーリー:★★★★☆
- キャスト起用:★★★★☆
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★★★☆
- 設定:★★★★☆
[miho21]
映画『告発の行方』 あらすじネタバレ(起承転結)
映画『告発の行方』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『告発の行方』 あらすじ【起・承】
ある夜、警察に“酒場「ミル」で一人の女性が複数の男にレイプされている”という匿名の通報がある。
被害者の女性サラ・バイアス(ジョディー・フォスター)は自力で逃げ出し、通りすがりの車に助けを求め警察へ来る。
サラは病院で詳しい検査を受け、女性検事補のキャサリン・マーフィ(ケリー・マクギリス)と保安官のダンカンから事情聴取を受ける。
犯人逮捕のため、キャサリンとダンカンはサラを伴って「ミル」を訪れる。
まだ現場にいたカートとダニーは確認できたが、もう一人の犯人ボブの姿はなかった。
後日、サラの証言により大学生のボブを含む3人のレイプ犯は逮捕され、裁判となる。
しかし、ボブの親が雇った弁護士は有能で、犯人たちは安価な保釈金ですぐに保釈される。
サラは裁判の結果に失望しキャサリンを責めるが、サラ自身にも弱みがあった。
サラにはマリファナ所持の前科があり、事件当日もマリファナを吸い、酒に酔っていた。キャサリンはこの裁判の難しさをサラに説明するが、サラは納得しない。
サラの友人サリーやバーテンにも話を聞くが、キャサリンはこの裁判に勝つことは無理だと考え、弁護士と取引をする。
結局、無罪よりはマシだという打算で、犯人をかなり微罪の過失傷害で裁くことになる。
ニュースでこの事実を知ったサラは、キャサリンの家に乗り込み怒りをぶちまける。
しかしキャサリンはサラの深い心の傷を理解できないでいた。
絶望を断ち切るようにサラは自ら髪を切り、同棲中のラリーも家から追い出す。

映画『告発の行方』 結末・ラスト(ネタバレ)
ある日、サラはレコード屋でクリフという男からしつこくつきまとわれる。
クリフは事件当日現場にいて犯人を煽っていた男で、サラをからかってきたのだ。
サラは怒りに任せてクリフの車に自分の車を激突させ、怪我を負う。
サラを見舞ったキャサリンは、初めてサラの深い悲しみに気づき、サラの名誉を回復しようと決意する。
キャサリンはサラのレイプ現場にクリフのような野次馬たちがいたことを知り、すでに刑が確定してしまった犯人の代わりに、この野次馬たちを立件することを思い立つ。
もし野次馬たちを立件できれば、犯人のレイプも証明することができ刑は重くなるとキャサリンはサラに説明し、サラも裁判での証言を決意する。
キャサリンは現場にあったゲーム機の記録からケンという大学生が現場にいて、匿名で通報したのも彼だということを突き止める。
キャサリンはケンに通報記録のテープを聞かせ、裁判での証言を依頼する。
野次馬として告訴された男はクリフを含めた3名で、ついに裁判が始まる。
サラは証言台で、事件のことを涙ながらに告白するが、弁護側の追求は厳しかった。
一方、ケンは親友のボブと自分の良心の間で揺れていた。
検察局を訪れたケンは、キャサリンとサラに“記憶がないので証言はできない”と言うが、
サラに“自分も怖いのだ”と告白され、再び気持ちが揺れ動く。
証言台に立ったケンは全てを正直に話し始める。
ケンの証言により、犯人や野次馬の非道さと同時にサラの軽率さも明らかになる。
2日間にわたる審理の結果、クリフと他2名は犯罪教唆の罪で有罪となり、サラとキャサリンは勝訴する。
映画『告発の行方』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『告発の行方』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
事件当日の回想シーンは語る
事件の夜、一体どんな状況でサラはレイプされたのか。
それが明らかになるのは、裁判でケンが客観的な証言をする物語のラストだ。
レイプされるまでのサラの行動はかなり軽卒だ。露出度の高い服を着て、マリファナを吸い泥酔し、男に色目を使いまくっている。
この時点で観客は“これはサラにも非がある”と感じるだろう。
しかし、サラがピンボール台に押し倒された瞬間、事態は一変する。
このシーンは、不安定に動くサラの視点、サラを犯す男の視点、それを傍観している人の視点、それぞれの人物のアップ、酒場全体の映像と次々カットが切り替わり、かなりの臨場感がある。
特に、サラから見える男たちの映像はとてもリアルで、サラの恐怖がどれほどのものだったか、それが嫌でも伝わってくる。男たちへの不快感はマックスだ。
相手がどんな女性であろうと男たちの鬼畜な行為は許されるものではないと、このシーンは強く主張しており、この映画にしっかりとした説得力を持たせている。
サラとキャサリン
本作では主人公のサラ、検察補のキャサリンという2人の女性が物語の中心人物となる。
サラは貧困層で退廃的な暮らしをし、キャサリンは富裕層のエリート検事だ。
当初、キャサリンはどこかでサラを差別している。
そのため、同じ女性でありながら心の底からサラの痛みを理解することができない。
キャサリンはとても冷たい女のようだが、キャサリンが特別なわけではない。
世間の目はサラのような女性に冷ややかであるという描き方は現実味がある。
もし、キャサリンが最初からサラの痛みをすんなり理解し、人情味あふれる熱血検事としてサラのために闘っていたなら、この物語は犯罪をネタにした、ただの法廷物で終わっていただろう。
女性が見たら二つの意味で物凄く不快に感じる作品だと思います。一つ目はレイプをした犯人と、傍観していた野次馬たち。そもそも男と女の立場や考え方、感じ方が違うのでサラの恐怖が彼らに伝わることは無いのでしょう。しかし、それに便乗したり面白がって見ているような人たちがいた事が許せませんでした。
もう一つはキャサリンの前半の態度です。同じ女性にも関わらずサラの気持ちを全く理解していないようでした。レイプや痴漢など女性が被害者になる事件の捜査において、何よりも心強いのは自分の同じ目線で寄り添ってくれる女性の存在だと思うんです。
心が苦しくなる作品でしたが、多くの人に見てもらい、知って欲しいなと思いました。(女性 30代)
衝撃的なレイプ事件を題材にした作品で、ただの法廷劇ではなく「被害者の尊厳を取り戻す物語」だった。ジョディ・フォスター演じるサラの姿には心をえぐられる。社会の偏見、司法の無力、そして“女性にも非がある”という誤った価値観を痛烈に批判している。ラストで彼女が勝利を勝ち取る瞬間には涙が出た。重いテーマだが、真実を突きつける勇気ある名作。(30代 女性)
性的暴行のシーンは本当に観るのが辛かった。だが、そのリアルさこそがこの作品の核心。被害者サラが「自分にも落ち度があった」と責められながらも、真実と向き合う姿に強さを感じた。彼女を支える検事キャスリーンとの関係も深く、女性同士の信頼と連帯が描かれているのが印象的。ジョディ・フォスターの熱演が圧巻。(40代 女性)
この映画は、観る人に“正義とは何か”を突きつける。単なる加害と被害の構図ではなく、周囲の沈黙、傍観者の罪まで描いているのが素晴らしい。暴行シーンはトラウマ級に生々しいが、それを乗り越えた後のサラの姿が真の強さを象徴している。ジョディ・フォスターがオスカーを受賞したのも納得の演技力だった。(50代 男性)
観る前は重そうだと思っていたが、想像以上に強烈な問題提起がある作品だった。暴行の被害そのものよりも、その後の社会的偏見との闘いが主題であり、法廷での闘いは胸が締め付けられる。キャスリーン検事が自らの立場を賭けて被害者を守ろうとする姿には感動した。女性の尊厳を真正面から描いた力作。(20代 女性)
レイプ事件の“傍観者を裁く”という切り口が斬新であり、今見ても衝撃的だ。暴行そのものよりも、その場にいた者たちの沈黙が社会の罪として描かれる点に深く共感した。人間の冷たさと恐ろしさを突きつけるが、同時に希望も描かれている。法廷でサラが証言する場面は鳥肌が立つほどの迫力。(40代 男性)
当時の社会では「被害者にも責任がある」という言葉が普通に使われていた。そんな中で、この映画が正面から偏見を打ち破ったことに大きな意義を感じる。サラの服装や態度を理由に“挑発した”と責める男社会への怒りがスクリーンから伝わる。彼女が涙を流しながら真実を語る姿は忘れられない。(30代 女性)
法廷ドラマとしての緊張感も素晴らしいが、それ以上に社会派映画としてのメッセージ性が強い。被害者が“どのように見られるか”を意識しながらも、それに屈しない姿に勇気をもらった。検事役のケリー・マクギリスも良い演技をしていて、冷静さと情熱のバランスが見事。社会が変わるきっかけになる映画。(50代 男性)
女性の立場から観ると、あの法廷の空気は恐怖そのもの。被害者が何度も“再び傷つけられる”構造がリアルに描かれている。サラが叫び、泣き、そして立ち上がる姿には胸が熱くなった。ジョディ・フォスターの演技は、痛みを超えた“誇り”を表現していて素晴らしい。心に残る社会派ヒューマンドラマ。(20代 女性)
単なる犯罪映画ではなく、社会的メッセージを持った法廷サスペンス。暴行の目撃者を法的に裁くという展開は衝撃的で、倫理と正義の狭間にあるグレーな現実を突きつけてくる。映画としてもテンポが良く、説得力のある脚本と演技が光る。観終わった後、正義とは何かを深く考えさせられた。(30代 男性)
映画『告発の行方』を見た人におすすめの映画5選
ノーマ・レイ(Norma Rae)
この映画を一言で表すと?
一人の女性が立ち上がり、不正と闘う“勇気の物語”。
どんな話?
アメリカ南部の工場で働くシングルマザーのノーマ・レイ。劣悪な労働環境と不当な扱いに抗い、労働組合の結成に身を投じていく。周囲の冷たい視線や圧力に耐えながらも、自らの信念を貫く姿は胸を打つ。社会的不平等と個人の尊厳を描いた感動作。
ここがおすすめ!
『告発の行方』と同じく、“声を上げる女性”を描いた社会派ドラマ。サリー・フィールドの名演が光り、普通の女性が正義を貫く力強さを体現している。静かな怒りと信念の力が観る者の心を動かす、時代を超えた名作。
エリン・ブロコビッチ(Erin Brockovich)
この映画を一言で表すと?
無学のシングルマザーが巨大企業に挑む、奇跡の実話。
どんな話?
仕事も学歴もないエリンが、偶然関わった裁判をきっかけに、地域住民を苦しめる企業の環境汚染を暴く。彼女の情熱と粘り強さが、誰も信じなかった正義を動かしていく。実在の人物をモデルにしたヒューマンドラマ。
ここがおすすめ!
ジュリア・ロバーツが演じるエリンの強さと人間味が魅力。『告発の行方』同様、社会の不正と闘う女性像が鮮やかに描かれている。痛みと怒りをエネルギーに変える姿が、観る人に勇気を与える一本。
スリーパーズ(Sleepers)
この映画を一言で表すと?
少年時代の悲劇が、男たちの“復讐”として蘇る。
どんな話?
ニューヨークの下町で過ごす少年たちが、ある事件をきっかけに少年院へ送られ、看守から非道な虐待を受ける。十数年後、大人になった彼らは過去の罪人に裁きを下そうとする。友情と贖罪、そして正義を問う重厚なドラマ。
ここがおすすめ!
性的暴行というテーマを扱いながら、被害者の“沈黙”と“報復”を深く描く点で『告発の行方』と通じる。正義とは何か、許しとは何かを問う作品で、観終わった後も胸に残る余韻が強い。ブラッド・ピットの演技も見逃せない。
ダウト ~あるカトリック学校で~(Doubt)
この映画を一言で表すと?
「真実」と「信念」の狭間で揺れる、人間の良心劇。
どんな話?
1960年代のカトリック学校で、厳格な修道女シスター・アロイシアスが、若い神父に対して少年への性的虐待疑惑を抱く。証拠はないが、彼女は信念のもとに行動を起こす――果たして彼女の“確信”は正しいのか。
ここがおすすめ!
『告発の行方』が描いた「真実を信じ抜く女性の強さ」と共鳴する作品。メリル・ストリープとフィリップ・シーモア・ホフマンの演技合戦は圧巻。疑いと信念の対立が極限まで緊張感を高める心理ドラマ。
ノー・セカンドチャンス(The Burning Bed)
この映画を一言で表すと?
長年の家庭内暴力に立ち上がった女性の、痛切な実話。
どんな話?
夫から長年にわたり虐待を受けてきた女性フランシーン。周囲の無理解と制度の壁に絶望しながらも、ついにある夜、決断を下す。事件後、彼女は法廷で自らの行為と生き地獄の真実を語り始める――。
ここがおすすめ!
『告発の行方』と同様に、暴力被害者の“声を奪われない強さ”を描く社会派ドラマ。ファラ・フォーセットの鬼気迫る演技が圧倒的で、沈黙を強いられた女性の叫びを代弁する。正義を求めるすべての人に観てほしい作品。
みんなの感想・レビュー
通りすがりの映画好きさんへ
久々にみたらコメントがあったんで
まず美人局をお調べください
それと真相が分からないのに、片方の報道を全て真実だとし決めつける行為を批判したのですが…
で、あなたにお伺いします、
高畑は、レイプしたんですか?私はその場に居ませんでしたし警察でもありませんし、報道とかの情報しか知り得ませんので分かりません。
46歳の映画好きさんに1票。
46歳の映画好きさん
何言ってるんですか?この映画のこのレビュー読んで、よくそんなコメント返せましたね。ビックリ。美人局だったらレイプしていいの?違うでしょ。現場にいないのに美人局って言ってる人は歪んでるし、美人局だったかどうかなんて関係ないでしょ。犯罪は犯罪です。本当、この映画をきちんと観て、このレビューと40代の映画好きさんのコメントちゃんと読んで理解してからコメントしてくださいよ。
ある40代の映画好きさんへ
高畑事件で美人局だったのでは?と言う輩へ、みたいな感じでコメントしてらっしゃいますが、別に高畑好きではありませんが美人局では無いと、その場に居なかったにも関わらず断定し講釈たれてるあなたに不快になりました。映画好きでこちらをご覧になってる皆さん余計なコメしてすみません⤵️⤵️ もうコメしませんので引き続き楽しんで下さいm(__)m
高畑裕太事件が起きて、昔 見たこの映画を思い出しました。今、実は美人局だったのでは?等言う輩がいますが、そういう人達は何も分かって無いんだなあ!と怒りを覚えます。そういう人達は、この映画を見て欲しいと思います。レイプという卑劣な行為、被害者の心身の傷の大きさ、深さが多少なりとも理解出来ると。リアルな映画なので。