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映画『この道』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『この道』の概要:稀代の詩人、北原白秋と天才音楽家、山田耕筰が残した童謡誕生100周年を祝い制作された作品。自由奔放な白秋と音楽家、耕筰の出会いから、童謡ができる様子、彼らが歌に込めた熱き心と未来への希望を描いている。

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映画『この道』の作品情報

この道

製作年:2018年
上映時間:105分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:佐々部清
キャスト:大森南朋、AKIRA(EXILE)、貫地谷しほり、松本若菜 etc

映画『この道』の登場人物(キャスト)

北原白秋(大森南朋)
稀代の詩人。文壇界でも人気を博する才能を持ち、好色家で2度の離婚を経験し菊子と3度目の結婚をする。どこかふわふわとしており、大変な子供好き。多くの作品を世に残し、耕筰と出会ってからは、多くの童謡も残した。
山田耕筰(AKIRA)
音楽家。ドイツの音楽院に合格し、世界でも活躍する天才。バイオリンやピアノを弾いて作曲をする。日本初の管弦楽団を創立するなど、西洋音楽の普及に努める。白秋と出会い意気投合し、多くの歌を発表する。
菊子(貫地谷しほり)
白秋の3人目の妻となる。身持ちが固くしっかりした女性。夫の理解者でありながら、二児の母。終生、白秋を支える。
松下俊子(松本若菜)
北原白秋の隣家に住む人妻。白秋からソフィーと呼ばれており、不倫関係にある。妖艶な美女で一児の母。
与謝野鉄幹(松重豊)
大御所の歌人。白秋が憧れる存在。非常に鋭い歌を詠むことで有名。文芸雑誌『明星』の主宰者でもある。名作を発表する傍ら、女性問題に事欠かない人物であったが、晶子と再婚後は鳴りを潜める。白秋の才能を認め、何かと面倒を見る。
与謝野晶子(羽田美智子)
歌人で作家。白秋と親交を持ち、相談相手でもあった。鉄幹とは不倫関係にあったが、妻と別れた鉄幹と再婚。代表作『みだれ髪』を発表するなど、文学史に革命を起こした。

映画『この道』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『この道』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『この道』のあらすじ【起】

昭和27年。詩人、北原白秋が亡くなって10年。没後10周年記念コンサートとして音楽家、山田耕筰がタクトを振った。コンサート終了後、白秋に憧れを抱いているという若い女性記者による取材が行われたが、耕筰は北原白秋のことについては語らないことにしていると言う。彼にとって白秋とは特別な存在だった。

明治43年、初夏。詩人、北原白秋はとても好色な人物で隣家に住む人妻、松下俊子と不倫関係にあった。文筆家の世界でそれなりの地位を築いている彼は、大御所作家の与謝野鉄幹に憧れを抱いており、第二詩集『思ひ出』が出版された折、鉄幹から白秋の詩にはリズムがあり生きていると言われ、人目も憚らず嬉し泣きするほどだった。

当時、白秋には莫大な人気があり名を馳せる作家を抑え、幾つもの賞を授賞。鉄幹曰く、白秋は素直で感情豊かな面は非常に良いものの、いつもふわふわとして褒めればすぐに有頂天になる悪い面があるらしい。妻で歌人の晶子も友人として、白秋が生み出す詩の素晴らしさを褒めている。

大正元年、夏。白秋の元に俊子が自殺したという電報が届く。慌てて彼女の自宅へ向かったが、当の彼女はぴんぴんしている。電報を見せると俊子は顔色を変え、夫が送ったのだろうと言う。白秋は俊子と不倫している現場を彼女の夫に見つかり、姦通罪で逮捕されてしまうのだった。その知らせはすぐさま与謝野夫婦へも知らされる。

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映画『この道』のあらすじ【承】

白秋は留置所で数日を過ごしたが、鉄幹と明子が保釈金を支払い釈放。このスキャンダルで彼の名声は地に堕ちてしまう。与謝野夫婦はこれに懲りたらしばらくは自重しろと言ったが、白秋は懲りずに俊子と一緒になると笑い周囲を呆れさせた。

しかし、俊子と一緒になった3カ月後、彼女が幼い娘を連れて家を出て行ってしまう。白秋は酷く気落ちし、遺書を書いて海に身投げしようとまで考える。だが、彼は海水の冷たさとカニに足を挟まれ自殺をすぐに諦めてしまう。その後、菊子と出会った白秋は彼女と3度目の結婚。菊子はとても身持ちが固く、しっかりした女性だった。

大正11年、早春。白秋と菊子の間に待望の男の子が誕生。白秋は子供達と遊ぶのが大好きで、自宅に遊びに来る近所の子供達と庭先でよく遊んでいた。彼は今、児童文芸誌『赤い鳥』で様々な童謡を発表し新境地を開いている。『赤い鳥』の創刊者は白秋の詩にはリズムがあると実感し、音楽家の山田耕筰と引き合わせることにした。しかし、互いの初対面は最悪で取っ組み合いの喧嘩にまで発展。山田耕筰はドイツの音楽院に合格した天才と言われていたが、白秋は自分の完成された詩に音楽を混ぜるなどもっての外だと思っていた。

大正12年、9月1日。関東を未曽有の大地震が襲う。関東大震災である。自らも被災した白秋の元に耕筰が見舞いに訪れ、白秋の詩はそのままで歌なのだと告げる。彼は喧嘩して以来、白秋の作品の全てに目を通したらしい。耕筰は白秋の詩と自分の音楽で、傷ついた人々の心を癒すことができるはずだと言うのだった。これをきっかけに、白秋と耕筰は意気投合。

映画『この道』のあらすじ【転】

半年後、白秋は耕筰を地元、小田原で好きな道へと案内し、町が一望できる場所へ連れて行った。震災にて情報が上手く流れずデマによる騒動が発生したことで、日本ではラジオの放送局を開局しようとしている。そのラジオの初放送に演奏を依頼されていた耕筰は、そこで白秋と作った歌を披露しようと考えていた。

冬の間、白秋は耕筰の思い出話と故郷の話から、子供達へと語りかけるような詩を考案。菊子の協力もあって、『からたちの歌』が完成した。詩を目にした耕筰は曲を作る際、この歌はとにかく優しい歌にしようとする。その後も2人は協力して歌作りを行った。

大正14年3月。ラジオの初放送が開始。白秋と耕筰が作った『からたちの歌』が日本全国へと流れた。その歌はとても優しく国民1人1人に語り掛けるかのような歌だった。ところが、白秋は緊張のあまり放送前から酒を浴びるように飲み、酔っぱらって初放送中に寝入ってしまう。放送終了後、祝い酒を飲んだ2人。白秋は耕筰の音楽は大人向けで子供向けではないと言うのだった。

その後、2人は『この道』を発表。この曲が評判を呼び、白秋と耕筰には次々と仕事の依頼が舞い込むようになる。しばらくの間、2人は校歌や社歌などの仕事を延々とこなした。

時代は昭和に入り白秋と菊子の間に長女も生まれ、2人の子供が中学生となった頃、耕筰も白秋も仕事で疲れ切っていた。今やラジオでは2人が作った曲が連日、流されている。この頃の日本は難しい情勢にあり、耕筰には軍からの作曲依頼が入っていた。士気を高める曲を作って欲しいという依頼だったが、彼は生き残るために受けると言うのだった。

映画『この道』の結末・ラスト(ネタバレ)

昭和12年、正月。とうとう白秋にも軍からの依頼が入る。だが、彼は頑として依頼を受けないと断っている。白秋が自分の理想を追って仕事を選ぶために収入が徐々に減っていた。菊子は子供達を育てるために収入が減るのは困ると訴える。夫はやりたい仕事だけを選んでいるようだが、戦争を目前とした日本で生き残るためには、仕事を選んでいる場合ではなかった。

妻の訴えを聞いた白秋は、軍からの依頼を受けることにする。だが、その仕事は彼にとってどうにも納得ができない仕事であり、やる気が全く出ない。そこで、菊子は晶子でさえ戦争に向けた歌を書いていると教える。その歌を目にした白秋は彼女を訪ね、話を聞いた。すると、晶子は自分の息子でさえ海軍に出征したと言う。彼女は母として息子のために士気を高めるような歌を書いたのだった。

その帰り、白秋は幼い頃によく遊んだ男の子が、立派な青年となり出征する姿を目にする。彼は若者が戦争に向けて去って行くのを愕然とした様子で見送ったが、その直後に体調を崩し倒れてしまうのだった。

昭和13年、秋。白秋は糖尿病と腎臓病の影響により眼底出血し、視力を失っていた。軍服を身に纏った耕筰が見舞いに訪れ、また一緒に歌を作ろうと励ます。2人は美しい夕空を眺め、これまでのことを思い出し語り合うのだった。童謡『この道』は、恐らく2人で作った最後の童謡になるだろう。この歌には子供達が未来に向けて歩んでいく希望を託して作った。2人は戦争が終わって平和になったら、また童謡を作ろうと夢を語った。

ところが、白秋は病によってあっけなく息を引き取ってしまう。耕筰は深い悲しみを抱きつつ戦争を生き抜いたが、白秋が亡くなって以来、いい曲が書けていないと涙を流すのであった。

映画『この道』の感想・評価・レビュー

童謡誕生100周年を迎え、100年も歌い継がれる日本の童謡を生み出した、北原白秋と山田耕筰を描く。白秋役を俳優、大森南朋。耕筰役をAKIRAが演じ初のW主演でも話題となった。

今作でも描かれているが、白秋の詩にはリズムがあり歌向けであったのだろうと思う。リズムがあるということは、人の心に入りやすいということである。日本人なら誰もが聞いたことのある童謡と共に、彼らが歌に込めた心が描かれ、背景を知ると同時に感慨深く見ることができる。懐かしくも心に響く良作。(MIHOシネマ編集部)


「北原白秋」という名前は何となく聞いたことがありますが、「あめふり」は多くの方が聞いたことがあるのでは無いでしょうか?「あめあめふれふれ 母さんが…」という歌詞は子供の頃、雨の日に傘をさし、水溜まりをぽちゃぽちゃ跳ねながらつい歌っていた気がします。
この作品を見ると、そんな童謡がどうやって生まれたのか、なぜそんなにも才能があったのかが物凄くよく分かりました。人を愛し、人に愛された北原白秋だからこそ多くの作品を後世に残してくれたのだと思います。(女性 30代)

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