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映画『こちらあみ子』のネタバレあらすじ結末と感想

この記事では、映画『こちらあみ子』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『こちらあみ子』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『こちらあみ子』の結末までのストーリー
  • 『こちらあみ子』を見た感想・レビュー
  • 『こちらあみ子』を見た人におすすめの映画5選

映画『こちらあみ子』の作品情報


出典:U-NEXT

製作年 2022年
上映時間 104分
ジャンル ヒューマンドラマ
監督 森井勇佑
キャスト 大沢一菜
井浦新
尾野真千子
奥村天晴
製作国 日本

映画『こちらあみ子』の登場人物(キャスト)

あみ子(大沢一菜)
自分の気持ちにまっすぐ突き進む女の子。他人の気持ちがわからず、言動で傷つけてしまうことが多い。
考太(奥村天晴)
あみ子の兄。面倒見がよく、自由奔放な妹のあみ子のわがままもきいてあげる、優しい男の子。
哲郎(井浦新)
あみ子の父親。真面目な会社員。あみ子の予想外な行動に頭を抱えながらも、必死に面倒を見ようと努力している。
さゆり(尾野真千子)
あみ子の母親。血はつながっておらず、あみ子のことを「あみ子さん」と呼ぶ。書道教室の先生をしている。
のり君(大関悠士)
あみ子と考太と同じ小学校に通っており、さゆりが開いている書道教室の生徒でもある。字が綺麗で、書道教室の後には、あみ子と一緒に遊んでいる。

映画『こちらあみ子』のネタバレあらすじ(起承転結)

映画『こちらあみ子』のストーリーをネタバレありの起承転結で解説しています。この先、結末までのネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『こちらあみ子』のあらすじ【起】

あみ子は兄の考太と父の哲郎と哲郎の再婚相手のさゆりの4人家族で、数ヶ月後には赤ちゃんが生まれてくる予定だ。さゆりはあみ子と考太と血がつながっておらず、哲郎との子を楽しみにしている。

ある日の放課後、帰宅したあみ子は、さゆりが自宅の1階で開いている書道教室を窓から覗き、さゆりから注意を受けた。あみ子は書道教室が終わるのを待ち、書道教室の生徒で同じ小学校に通うのり君に、自宅の庭に作った金魚の墓に拝むよう頼んだ。のり君は拝んでから帰っていった。

あみ子は誕生日を迎えた。プレゼントとしてトランシーバーをもらったあみ子は、大喜びでさゆりが作ったごちそうや哲郎が買ってきたケーキには一切興味を示さなかった。さゆりは不機嫌になってしまった。

ある日、産気づいたさゆりが哲郎と病院へ向かった。帰りを待ちくたびれたあみ子は考太にトランシーバーを渡し、2階の自分の部屋に移動した。あみ子はトランシーバーから哲郎の声が聞こえ、急いで玄関に向かったが、哲郎の姿はなく、考太はひどく落ち込んでいた。

映画『こちらあみ子』のあらすじ【承】

数日後、さゆりと哲郎が帰ってきたが、赤ちゃんの姿はなかった。赤ちゃんは生まれてすぐ亡くなっていたのだ。さゆりは元気を失くし、うつ状態となっていた。あみ子はさゆりを元気づけようと、お菓子やジュースを渡したり、手品を見せたりした。

徐々に元気を取り戻したさゆりは、あみ子と四葉のクローバーを探しに行った。さゆりはあみ子に感謝して、書道教室を再開する決心をした。

次の日の放課後、あみ子はのり君の教室へ行き、書道教室が今日から再開されることを報告した。のり君は「今日は書道教室に行く曜日じゃない」と断った。あみ子は字が綺麗なのり君に、ある頼み事をした。

書道教室が終わり、あみ子はさゆりを庭に呼び出した。そこには「弟の墓」とのり君の字で書かれた札が、金魚の墓の隣に置かれていた。さゆりは一気に感情が爆発し、泣き叫んだ。ちょうど帰宅したところで、さゆりの泣く声を聴いた哲郎はさゆりを抱えて家へと入っていった。考太もあみ子の想定外の行動に言葉を失っていた。あみ子にはさゆりが泣いた理由が理解できなかった。

映画『こちらあみ子』のあらすじ【転】

そして次の日、のり君は「あみ子のせいで叱られた」と言ってあみ子の腹を蹴った。昨日の出来事をきっかけに、さゆりはあみ子に対して心を閉ざし、考太は反抗的な態度をとるようになっていった。

ある日の放課後、帰宅したあみ子は考太がタバコを吸っているところを目撃し、哲郎に伝えたが、哲郎は考太を怒ろうとしなかった。

あみ子は中学校に進学した。考太は中学校で一番怖い先輩として恐れられていた。初めは空気が読めない子としていじめられていたあみ子も、考太の妹だと知った途端、いじめはなくなり、誰も関わってこなくなった。

試験中に鼻歌を歌い始めるあみ子に、担任の先生は教室から出ていくよう告げた。あみ子は教室を出て、保健室に向かった。保健室の先生は唯一あみ子の話を聞いてくれる存在で、あみ子は保健室の居心地も好きだった。

あみ子が保健室で歌を歌っていると、のり君が「試験勉強のし過ぎで体調を崩した」と言ってやってきた。保健室の先生が早退するか、ベッドで少し休むか尋ねると、のり君は「早退する」と答えた。保健室の先生は「保護者に連絡してくる」と言って保健室を出て行った。

映画『こちらあみ子』の結末・ラスト(ネタバレ)

あみ子とのり君は保健室で2人きりになった。さゆりが書道教室を開けない状況になってから、のり君と会う機会がなくなっていたあみ子は喜び、一方的に話しかけた。体調が悪いのり君は、空気を読まず、ずっと話しかけてくるあみ子の顔を何度も殴り、保健室から出て行った。あみ子には殴られた理由がわからなかった。

仕事が終わり、帰宅した哲郎は、顔が血まみれになっているあみ子を抱えて、病院へと走った。あみ子の鼻の骨は折れていた。あみ子はのり君に殴られたことを黙り、哲郎は医師に「転んでどこかにぶつけたのだと思う」と説明した。

哲郎はあみ子に「さゆりと離婚することが決まったから、一緒におばあちゃんの家に行こう」と伝えた。あみ子は納得して、引っ越す準備を始めた。

哲郎とおばあちゃんの家に向かい、3人での時間をあみ子は楽しんでいた。しかしその夜、哲郎は「家に帰る」と言い、あみ子を置いて去っていった。離婚は嘘で、初めからあみ子をおばあちゃんの家に住まわせることが目的だったのだ。

あみ子はおばあちゃんが寝た後、家族で住んでいた前の家へと歩き出した。

映画『こちらあみ子』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)

あみ子の無邪気さと周囲とのズレが、あまりにも痛々しく、でもどこか愛おしくて心を揺さぶられました。家族や友人との関係がうまくいかない中でも、自分の感性でまっすぐに世界と向き合う彼女の姿には、言葉にできない切なさがあります。母の死後、唯一の理解者だった祖父との時間が、かけがえのないものとして描かれていて、最後は胸が締め付けられました。(30代 女性)


あみ子というキャラクターの“ズレ”が、人と違うということがどう見られてしまうかをリアルに描いていて辛かった。でも彼女は決して悪くない。ただ少し、人と違っていただけ。そんなあみ子を演じた大沢一菜さんの演技は圧巻でした。観終わったあと、誰かを「理解しよう」とする気持ちが自然と生まれてくる作品です。(40代 男性)


物語全体に漂う静けさが印象的でした。派手な展開はないけれど、あみ子の感情の動きや、彼女が世界から少しずつはみ出していく過程がとても繊細に描かれています。周囲の大人たちがどう対応してよいかわからず戸惑う姿にも、現実の難しさを感じました。あみ子の「まっすぐすぎる」目線は、今を生きる私たちへの問いでもあると思います。(50代 女性)


最初は「不思議な子だな」という印象だったけど、話が進むにつれて、あみ子がいかに純粋で、傷ついてもまっすぐでいようとする子かが伝わってきて、涙が止まらなかったです。弟や母との関係が少しずつ壊れていくのも辛かったけど、あみ子自身は誰も責めていないのがまた切ない。心にじわじわ沁みる作品でした。(20代 女性)


“普通”であることが当たり前とされる社会で、あみ子のような存在は生きにくい。でも彼女の目に映る世界は本当に優しくて、美しいものだった。大人たちの無理解や距離感がとてもリアルに描かれていて、自分自身も誰かを無意識に傷つけていないか考えさせられました。ラストシーンの静けさに、しばらく立ち上がれなかったです。(30代 男性)


子どもの視点で世界を見つめ直すという意味では、とても重要な映画だったと思います。あみ子が無邪気に振る舞うたびに、なぜこんなにも周囲は冷たいのかとやるせなくなりました。それでも彼女は“ひとりぼっち”じゃない。祖父との穏やかな時間が、ほんの少しだけこの世界を救ってくれた気がします。(60代 男性)


母を亡くした後の、あみ子の空白があまりに大きく、それを誰も埋められないという現実が苦しかった。弟との関係も壊れ、父親との距離もあるなかで、彼女がそれでも日常を続ける姿がとても尊い。あみ子の行動は誤解されやすいけれど、本当に優しい心を持っているのが伝わってきて涙が出ました。(40代 女性)


あみ子は“わかりにくい存在”として描かれているけど、実は彼女こそ一番まっすぐで正直なのかもしれない。学校でも家庭でも浮いてしまう彼女を誰も救えないという現実に胸が痛みました。終盤、祖父と過ごす時間が唯一の救いであり、あみ子が誰かに“そのまま”でいられた時間だったことが、観ていて本当にありがたかった。(20代 男性)


観る人によって評価が大きく分かれる作品だと思います。でも、私にとってはとても重要な作品でした。あみ子の“言葉にならない痛み”が、静かな演出とともに伝わってきて、何度も目頭が熱くなりました。祖父との関係性、あの優しい距離感が、彼女にとっての「やすらぎ」だったと感じます。(50代 女性)


派手な演出も、音楽もない。でも、これ以上に心をえぐられた映画はそう多くありません。あみ子が笑えば笑うほど、その裏にある孤独が滲み出てくる。彼女の視点は、もしかしたら“社会”からは異質でも、“人間”としてはとても正直だったんじゃないかと思いました。鑑賞後、静かに余韻が続く名作です。(30代 男性)

映画『こちらあみ子』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『こちらあみ子』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

万引き家族

この映画を一言で表すと?

血のつながりを超えて紡がれる、“家族”のかたち。

どんな話?

東京の片隅で暮らす貧しい家族。彼らは万引きで生計を立てながら、愛情を分かち合って生きているが、ある日、幼い少女を保護したことから運命が大きく動き出す。家族とは何かを問う感動の人間ドラマ。

ここがおすすめ!

“社会の外側”に生きる登場人物たちの視点は、『こちらあみ子』のあみ子と共鳴する部分があります。どこかに属しきれない人々の痛みと温もりを静かに描いた、是枝裕和監督ならではの優しいまなざしが魅力です。

誰も知らない

この映画を一言で表すと?

子どもたちだけの、過酷で静かな現実。

どんな話?

母親に置き去りにされた4人の子どもたちが、大人の目から隠れて自力で暮らしていく。周囲の無関心の中で育つ彼らの姿を、実話を元に淡々と描いた是枝裕和監督の代表作。

ここがおすすめ!

大人たちの理解からこぼれ落ちる子どもたちの存在を、徹底して“子どもの視点”から描いている点が『こちらあみ子』と重なります。台詞の少ない演出と静かな余韻が深く心に残る、珠玉の映画です。

ジョゼと虎と魚たち(2003年 実写版)

この映画を一言で表すと?

不器用な2人の、優しくて切ない青春のかたち。

どんな話?

車椅子の少女ジョゼと、彼女に出会った大学生恒夫の交流を描いたラブストーリー。互いに距離を詰めながらも、現実と理想の狭間で揺れる繊細な心模様が丁寧に描かれている。

ここがおすすめ!

他人とうまく馴染めない存在として描かれるジョゼのキャラクターは、あみ子にどこか通じる部分があります。静かな空気感と感情の揺れを映し出す演出は、観る者の心をじんわりと掴んで離しません。

さよなら、クロ

この映画を一言で表すと?

一匹の犬と共に歩んだ、誰かに届く名もなき人生。

どんな話?

高校の敷地内で暮らす黒い犬「クロ」と、彼を取り巻く生徒・教師たちの日常を描く。クロは黙ってそこにいるだけだが、その存在が誰かの心を癒し、支えとなっていく。

ここがおすすめ!

あみ子のように言葉では説明できない“存在感”や“やさしさ”をもったキャラクターが好きな方におすすめです。派手な展開ではないものの、静かな感動と人生の断片を切り取ったような余韻があります。

リンダ リンダ リンダ

この映画を一言で表すと?

ひと夏の音が、少女たちの心を鳴らす青春バンド物語。

どんな話?

文化祭直前、メンバーの脱退で空中分解しかけたガールズバンドに、韓国人留学生ソンが加入。言葉の壁を乗り越えながら、4人が音楽を通じてつながっていく過程を描いた青春映画。

ここがおすすめ!

“周囲とずれている”ことで浮いてしまうソンと、そんな彼女を受け入れていく周囲の変化は、『こちらあみ子』が描いた“ズレ”と理解をめぐる物語とリンクします。温かくて優しい青春映画です。

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ局の映画番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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