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映画『攻殻機動隊 新劇場版』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『攻殻機動隊 新劇場版』の概要:『攻殻機動隊 ARISE』の続編で、ゴースト・イン・ザ・シェルへ続く作品。トリプルパッケージウィルス、ファイヤースタータとの決着と、草薙素子率いる特務隊が公安9課の専属となるまでの物語。素子と隊員達の活躍が余すところなく描かれている。

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映画『攻殻機動隊 新劇場版』の作品情報

攻殻機動隊 新劇場版

製作年:2015年
上映時間:100分
ジャンル:アニメ、SF
監督:黄瀬和哉
キャスト:坂本真綾、塾一久、松田健一郎、新垣樽助 etc

映画『攻殻機動隊 新劇場版』の登場人物(キャスト)

草薙素子(坂本真綾)
0歳児から全身が義体の女性。軍から独立する際、少佐へ降格。冷静沈着、察しが良く頭が切れる。超ウィザード級、電脳ハッカー。軍隊にいた過去から戦闘はお手のもの。
バトー(マツダ健一郎)
元レンジャー。少佐とはどこか息が合う右腕的存在。戦闘能力が高く現場主義。
トグサ(新垣樽助)
元警察官。人よりも良く状況を知り、頭が回る。隊内では唯一、義体化していない生身の人間。
イシカワ(咲野俊介)
元情報部所属、ネットワーク上の情報操作、収集のプロ。
サイトー(中國卓郎)
元海兵軍、利き腕のスナイパー。
パズ(上田耀司)
潜入捜査のプロ。スパイ、暗殺が専門、聞き上手。
ボーマ(中井和哉)
爆弾処理のプロ。イシカワの補佐役もする。
ロジコマ(沢城みゆき)
AI搭載型の旧型戦車。戦車のわりに愛嬌のある話し方が特徴。ステルス機能搭載。
荒巻大輔(塾一久)
公安9課、電脳犯罪課部長。政界や他の大物とも密かに繋がりのある実は凄い人物。

映画『攻殻機動隊 新劇場版』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『攻殻機動隊 新劇場版』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『攻殻機動隊 新劇場版』のあらすじ【起】

大戦が終わり世界は変化の時期を迎えた。戦争が電脳と義体開発を加速させ、その過程で生まれた電脳犯罪が深刻化。電脳と義体ビジネスは史上最大の利益追求システムを生み出した。国際経済の名を借りた、無政府主義的システムの横行は国民生活保障という国家の基礎を破壊する恐れがあった。

ニューポートシティ、A.D.2029.3。東亜連合大使館が占拠された。草薙素子率いる隊はこの立て籠もり事件へと出動。公安9課の部長、荒巻大輔も来ていた。彼は素子の隊を公安9課の専属へと望んでいるが、彼女は断り続けている。素子は予算確保の為、総理補佐官の元へ来ていた。早期解決を望む総理は彼女へ権限を発布。ただちに現場へと急行した。

素子は出動準備をしながらネットワーク上にロビーを確立、そこへ隊員を全て集め、情報共有と作戦会議を行う。国防庁の防衛庁格下げへ反発した国防庁派軍人11名が、東亜連合大使館を占拠。現在の位置、連中の経歴、関係組織を公開。11名全員が義体化、内2名がヘビー級の改造義体である。人質は全部で42名。36名は爆弾と軟禁。残り6名はパニックルームに逃げた幹部で、恐らくはそちらが本命と思われる。犯人は現在、そのパニックルームの扉を開けようとしている。連中の要求は国防省の維持と軍事裁判の中止。素子は合図でドミネを実行し、突入を指示した。彼らは寄せ集めだが、素子自らが選んだ最高のパーツである。

素子は荒巻部長へ通信。公安の隊を引かせる。ヘリから降下と共にドミネーション実行。大使館は強制制圧にて通信を遮断。素子は攻撃を躱し単身突入。ヘビー級の改造義体1体を倒す。サイトーが爆弾の起動装置を狙撃。ロジコマはステルスで突入し、バトーが人質を確保。ボーマは爆弾処理を行う。素子とバトーがパニックルームへ。だが、そこに犯人はいない。11人と思われた犯人に12人目が居た事が判明。すぐさま追跡。残りの隊員は人質を解放、避難させていたが、人質に全脳汚染があり現場は混乱する。12人目の所在を確定、サイトーはそれを狙撃しようとするが目視した姿は素子の姿だった。素子とバトーが犯人を捕縛。しかし、連中は疑似電脳で操られていた。それは真犯人が他にいる事を示唆する。

同時時刻、イシカワは12人目を捜索していたが、そこへ政府の緊急事態警報が鳴る。同じく荒巻へも連絡が入っていた。長崎ホテルでの秘密会談中、総理が爆弾テロで暗殺されたというのである。そこに素子のかつての友人、クルツ中佐も同席していた。

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映画『攻殻機動隊 新劇場版』のあらすじ【承】

素子は死体安置所へ向かい友人だったクルツ中佐を偲ぶ。隊員達はメンテナンスへ。通信で今後の行動を指示しながら、クルツ中佐とウィルスの件を調べる為に行動。しかし、総理の遺体DNA検査で来ていた総理補佐官と遭遇。彼は総理の息子だった。総理補佐官の車へ同乗。総理は死の寸前、息子へ何かの命令書を発行したが何者かにジャミングされたと言う。総理が最後に何を託そうとしたのか。それを教えて欲しいと頼まれる。

素子がかつて所属していた陸軍501機関は特殊義体の研究を行っているが、襲撃によって破壊され現在修復中である。今後501機関は民営化される予定だ。メンテナンスの担当は双子のツムギ。双子とはいえ1つの義体を共有しているサイボーグだ。彼らから話を聞く。クルツは長崎の秘密会談に同席。リチャード大使と総理は義体開発のデッドエンド回避で合意していた。技術更新を意図的に遅らせ、生産ラインを延命させる為だ。健康体の義体開発は将来、行き詰ってバージョンアップが不可能になる。クルツは恐らく技術延命の巨額システムに抹殺されたのだろう。

トグサとバトーは総理暗殺の件で軍の中継人を訪ねていた。そこで1人の大佐が事件前に行方をくらましたという情報を得る。イシカワから素子へ通信。爆破の後、クルツの電脳から外部操作でデータが転送されたらしい。素子は隊員達に元501機関員の捜査妨害に注意を促す。

素子はクルツの電脳データが転送された先へ向かう。そこはかつて自分とクルツが作られた場所だった。クルツの最後のメッセージを共有させてもらう。そこで、人でも物でもないデータの世界、第3世界がある事を知る。ボーマが秘密会談時の爆破状況を再現。そこに軍用の小型カメラが仕込まれていた事を発見する。直後、彼らは各々で自分達を監視していた者達を捕縛。監視していたのは公安の外務省執行部だった。

公安外務省執行部は洗脳、ゴースト侵入、疑似記憶、実現不能とされたトリプルパッケージウィルス、通称ファイヤースタータの捜査をしていて、そのウィルスの売り手の姿を1か月前に捉えていた。それが素子と同じ義体を使用しているというのだ。

映画『攻殻機動隊 新劇場版』のあらすじ【転】

総理殺害の為に国防省中枢と外務省の部隊が利用された。恐らくはブローカー、ファイヤースタータの仕業である。奴は素子を狙っている。特務隊は収集した情報から新浜沖にいる船籍不明の幽霊船へと辿り着く。この船は恐らく、情報収集艦と思われる。素子は制圧して詳細を判明させる事にする。全ては総理へ繋がっているのである。

特務隊はロジコマ4台と幽霊船へ潜入。だが、直後から攻撃される。敵の攻撃を掻い潜り、仲間の援護を受けながら素子とバトーが艦内へ潜入する。素子は幽霊船のシステムへ侵入し、サーバーを1つ損傷しながらも内部データから事の真相を得る。バトーは行方不明の大佐を確保するも新たな戦車が登場。船のコントロールは奪ったが、外部からファイヤースタータが戦車を遠隔操作していたのだった。素子は部隊員を急遽自分のロビーへ召集。自分はこれからある推察により単独で動く。部隊の解散を宣言した。公安の荒巻へ紹介状を預ける。どうするかは自分達で決めろと言う。言うなり素子は自分を抹消。ロビーは強制終了し情報艦は爆破した。

特務隊の面々は荒巻の元へ向かったが、やっていられないと解散する。だが、面々は各々に捜査を続行。過去の事件を洗っていたイシカワは素子の経歴を知る。過去のデッドエンド回避策で義体開発者夫婦が消えた。死体は501機関で保管されているが妻は妊娠しており、そこから素子が生まれた。0歳児、全身義体として。彼女は軍の備品として育てられたのだった。

イシカワは元情報部上司を拉致して情報を収集。バトーは軍の中継人を訪問。彼が偽の記憶を植え付けられた行方不明の大佐である事を突き止める。パズは大使館へ潜入して監視カメラの記録を捜査後、ボーマと合流。バトーは大佐を連れて公安へ。調査から総理と東亜連合の戦争によるテロだった事が分かる。そして、草薙素子へと逮捕令が出された。

映画『攻殻機動隊 新劇場版』の結末・ラスト(ネタバレ)

素子は総理補佐官の元へ向かい、彼の隠された記憶をハッキングした。そこから明らかになったのは、操られた息子が爆弾を父の元へ送ったという事実。素子はクルツの遺体を調べた。遺体の頭部にはあるはずの脳が無く、遠隔操作装置がついていた。つまり、クルツの体は遠隔操作で動いており、本体は別の所にあると言う事。あの、素子と同じ義体に入っているファイヤースタータというブローカーがクルツだったのだ。

素子は水企業ハリマダラ社へ潜入。システムのハッキングを行うも防御システムに攻撃されて失敗。ハリマダラ社へ移籍していた元501機関の軍人達と戦闘するも敗北を帰し、クルツに仕留められそうになる。だが、そのクルツにサイトーの狙撃が命中。直後、ロジコマが突入して来る。素子はバトーに救出された。

少佐はツムギの防壁を逆進。クルツは多重義体を機密で使用していた。デッドエンドを迎えていない子供達を使い、次世代型として長期的バージョンアップを実現しようとしている。そこへ外部からの攻撃が開始。ツムギは素子を守るべく防護壁を展開。先に第3世界へ向かうと言って四散した。素子は攻撃を逆探知、反撃を開始する。

その頃、特務隊の面々はハリマダラ社の工場へ潜入。元501機関の軍人達と交戦中だった。イシカワが敵に囲まれている所へ少佐が到着。戦闘へ参加する。大型の最新戦車を大砲で破壊した。少佐は自らが見出した精鋭の部隊員達を叱責する。それぞれが特化した貴重なパーツなのだ。もう二度と集められない。失うわけにはいかなかった。

荒巻は政府の審議官、雨形を首謀者の一味として逮捕した。素子はクルツを捕縛。そして、あの養育施設へと向かう。そして、寝たきりの少女の元へ。捕縛したのは義体だけでクルツの本体は、初めからこの少女の中にいたのだった。ファイヤースタータは彼女が開発したものだったのだ。だが、時すでに遅くクルツは第3世界へと旅立って行った。公安は施設の管理者を逮捕。素子は残った子供達に、自分達で未来を作れと強く言い放った。

総理暗殺の容疑で極東通商部代表、商務省のイトウ次官と組合幹部を捕捉した荒巻は、奴らを審問するが相手の手回しは完璧の様子。だがそこへ、光学迷彩で現れた素子がイトウ次官を殺害して降下して行った。素子の特務隊は公安9課所属、別名攻殻機動隊となったのだった。

映画『攻殻機動隊 新劇場版』の感想・評価・レビュー

予備知識がないとかなり理解が難しい映画である。
アニメシリーズを若干見ていたが、映画についていくのに必死だった。シリーズが他にもたくさんあるので、全部網羅してから見ることをお勧めする。
しかしかっこいい、興奮するシーンはたくさんあった。アクションシーンの躍動感や美しさは一見の価値がある。
しかし何度も言うが、ストーリー内容は難解で、攻殻機動隊を見たことがない人にはお勧めできない。きちんと全シリーズを見てから挑んでほしい。(男性 20代)


漫画家・士郎正宗の大人気作『攻殻機動隊』を冠する4つの作品に連なる長編アニメーションで、『攻殻機動隊』25周年記念作品として制作された作品。確かにシリーズの基本知識がなければ、内容についていくのに大変な作品だと思う。複雑に絡まった社会情勢と、ネットへと直接通信可能となった電脳化システムにより勃発する事件を解決していくというもので、シリーズを通して主人公の草薙素子が自ら選び抜いた隊員を率いて事件の真相を追う。非常に内容は難解且つ独特な世界観で、戦闘シーンも多い。大人向けのアニメと言っても過言ではなく、故にファンも多い。今作を視聴する場合は、最低でも基礎知識とストーリーの流れを心得てから視聴することをお勧めする。(女性 40代)


長く続いているシリーズということもあり、ある程度の前知識がないとこの作品だけ観ても何がどうなっているのか理解は難しいかもしれない。というか前知識があっても、このシリーズは事件の背景が複雑なことが多いので咀嚼が必要だ。
しかしそんなことはどうでも良いくらい、ただただかっこいいのだ。かっこいいし、少佐の集めた「パーツ」との、単なる仲間とは違う繋がりは胸を熱くする。
少佐の「あーら、そう?」に今日も痺れる。(男性 40代)


アニメシリーズや劇場版など一切見ておらず、予備知識が全くなかった私には理解ができないストーリーでした。
登場人物の設定が複雑で、それを理解しようとしていると物語の展開についていけず、正直かなり難しい作品だと感じます。
逆に言えば、好きな人がどハマりするのが分かる作品です。登場人物も戦い方も出てくるもの全てがかっこいいし、ファンの心をくすぐるのが理解出来るシーンは多々ありました。(女性 30代)


攻殻機動隊シリーズで、時系列でいうと最も古い話ですね。公安九課発足時辺りのエピソードが描かれています。シリーズを観ていようといまいと関係なく、電脳や記憶に焦点を当てた今作は難解だと思います。脳を覗くと見えるのは記憶か情報か。記憶は感情と密接な関係があり、そこから引き出した情報の正当性はあるのか。訳が分からなくなりますね。劇場版という事もあり、音楽や作画に力が入っていて、アクションは圧巻の連続です。(男性 20代)

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