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映画『後宮の秘密』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『後宮の秘密』の概要:王を兄に持つソンウォンは、臣下の娘であるファヨンへ想いを寄せていた。そんな彼女は下手人のクォニュと恋仲であったが、王に見初められ後妻として王宮へ迎えられた。ファヨンへの想いを断ち切れず放浪の旅に出たソンウォンだったが、兄の不調を知らされ再び王宮へと戻った。一方でソンウォンの母は、王座を狙い悪事を企てていた。

映画『後宮の秘密』の作品情報

後宮の秘密

製作年:2012年
上映時間: 122分
ジャンル:歴史、サスペンス
監督:キム・デスン
キャスト:チョ・ヨジョン、キム・ドンウク、キム・ミンジュン、パク・チヨン etc

映画『後宮の秘密』の登場人物(キャスト)

ファヨン / スヨン宮(チェ・ヨジョン)
王宮に仕える府院君、シン・イクチョルを父に持つ美しい娘。屋敷の下手人であるクォニュと密かに愛し合っていたが、王の後宮として強引に王宮へ召し上げられてしまう。
ソンウォン大君(キム・ドンウク)
王の腹違いの弟。ファヨンに想いを寄せており、彼女目当てでシンの屋敷に出入りしていた。実の母である大妃の指示を忠実に守っているが、自分を利用して王座に居座る彼女に反発を始める。
クォニュ / チュンヨン(キム・ミンジュン)
シンの屋敷の下手人。クォニュとの仲を裂かれた上、シンの命によって去勢された。その恨みを晴らすため王宮に忍び込み、大妃の手下となって暗躍する。
大妃(パク・チヨン)
ソンウォンの実母。不遇の時代を息子を守りながら生き抜き、いずれ自らが王座に就き権力を得るため悪事を企てる。
クモク(チョ・ウンジ)
ファヨンの侍女。ファヨンへの想いが届かず自暴自棄になったソンウォンに犯され、彼の後宮として権力を得る。

映画『後宮の秘密』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『後宮の秘密』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『後宮の秘密』のあらすじ【起】

ソンウォン大君(テグン)は、府院君(プウォングン)であるシン・イクチョル参判(チャムパン)の娘、ファヨンに想いを寄せており、彼女目当てにシンの屋敷を度々訪れていた。ソンウォンが王宮へ戻ると、彼の母である大妃は、勉強もせずシンの屋敷に入り浸る息子に向かって「王様と腹違いのお前は王室には疎ましい存在だ。余計な面倒は起こすな」と忠告した。翌日、大妃はソンフォンの兄である王へ「世継ぎもなく後宮も迎えないのは私の陰謀だと噂されています」と迫り、国中から彼の妃を募った。

王が見初めたのはファヨンであった。それを知ったソンウォンはシンの屋敷へ押しかけると、娘をくれる約束はどうしたと声を荒げた。その喧騒の裏では、ファヨンとその恋人である使用人、クォニュが山へ逃れていた。しかし、シンの遣わした兵達によって二人は引き離された。ファヨンはクォニュを殺さないことを条件に宮殿へ向かったが、彼女が去ってすぐ、クォニュはシンの命で去勢された。

5年後。ソンウォンは放浪の末、兄の体調が悪いと聞き王宮へ戻った。ファヨンの姿を見た彼は、贈り物のかんざしを彼女へ渡し再び王宮から去ろうとした。一方の大妃は、義理の息子である王へ接見を申し出たが、ファヨンから断られてしまった。その時、原因不明の病に侵されていた王は、遂に次の王を指示することなく息絶えた。

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映画『後宮の秘密』のあらすじ【承】

大妃の兵を率いているユン・ジョンホは、大妃から「見事な働きだ」と声を掛けられた。彼は王子と王妃がまだ生きていること、王妃の父も功労者で人望が厚いことを懸念していたが、大妃は彼の心配をよそに、府院君と左議政(チャウィジョン)さえ消えればファヨンも長くは耐えられないと踏んでいた。

王を失ったファヨンは、世継ぎの決定権を持つ大妃を警戒していた。そこへ彼女の臣下が駆け付け、水刺間(スラッカン)の日誌から王の容態が急変した前後の記述が抜けていると報告した。さらに、日誌を記した女官も姿を消しているという。臣下はファヨンの身を案じ、日誌を書いた女を見つけ王が毒殺されたこと証明しなさいとアドバイスした。同じ頃、ユン・ジョンホは会議中のシン参判と左議政を謀反の罪で投獄した。間もなくして、大妃はソンウォンに王座を継がせた。

ソンウォンは大妃の言う通り妃を迎え入れたが、男児を設けるため、主治医に指示されつつ母や臣下に見守られる中で行う性交に不安や恐怖、焦燥感を感じていた。一方のファヨンは侍女のクモクから、大妃殿(テビジョン)の下に地下牢があると聞くと、そこに捕らわれていた女官から真相を聞き出した。王はその日、大妃殿で大妃が用意した昼食を食べたと言う。全てを知ったファヨンは、さらに、宦官の中にクォニュの姿を見つけ狼狽した。ファヨンは人目を盗んで彼に助けを求めたが、クォニュは「自分はユン・ジョンホの手下だ」と告白し、彼女を突き放した。

映画『後宮の秘密』のあらすじ【転】

大妃は、ソンフォンを政治に関わらせることなく自らが王座を占拠していた。自分が飾りになっていることに気付いたソンウォンは大妃に反発するが、彼女は「ファヨンにだけは手を出すな」と息子を牽制した。権限が無いことへ憤慨したソンウォンは、自分の腫瘍を言い当てたチュンヨンと名乗る宦官を、大妃の許可無く王命を伝達する承伝色(スンジョンセク)に任命した。

ソンウォンはシンが処刑されると知り、ファヨンを悲しませないため刑の中止をクォニュへ伝えたが、大妃の息がかかった彼はシンの首が刎ねられる瞬間を見届け王宮へ戻った。父の死を知ったファヨンは泣き崩れ、復讐して気は済んだかとクォニュを責めた。

ファヨンへの想いが実らず自暴自棄になったソンウォンは、彼女の代わりにクモクを抱いた。一夜限りの寵愛ではあったが、後宮としての権力を手に入れたクモクは気を大きくし、ソンウォンがファヨンへ贈ったかんざしを彼女から奪い取った。それを知ったソンウォンは怒り、ファヨンの元を訪れた。そこで、スヨン宮にいたチュンヨンこそシンの屋敷の使用人クォニュだと気付き、ソンウォンは「甥は本当に兄上の子ですか」とファヨンへ詰め寄った。彼女は静かに「真の王になった時、改めてお越しください」と言い、ソンウォンを追い返した。

一方、大妃の臣下達はスヨン宮廃止の決断を大妃へ迫っていたが、彼女は廃止ではなく不慮の事故なら問題ないと進言、ユン・ジョンホは秘密裏にクォニュへ砒素を渡した。

映画『後宮の秘密』の結末・ラスト(ネタバレ)

連日の投薬に嫌気がさしたソンウォンは、主治医が持ってきた薬をクォニュが飲むよう命じた。彼はたじろいだが薬を飲み干し、そのまま吐血して倒れ込んだ。驚いたソンウォンが調剤師に真相を問い質すと、彼はユン・ジョンホの命で砒素を調合したと告白した。

一方クモクは大妃へ、王子は先王の子ではなくクォニュの子であると密告していた。怒り狂った大妃はクモクを捕らえ処刑し、ファヨンも地下牢へ閉じ込めようとした。そこへソンウォンの命を受けた兵達が現れ大妃を捕らえようとしたが、彼女は直接ソンウォンへ弁解に向かった。

王座に座り母を待ち受けていたソンウォンは、彼女に先王毒殺の真相を咎めた。大妃はスヨン宮の仕業とシラを切ったが、遂に先王に砒素を飲ませたと告白した。そこへソンウォンの兵に捕らえられたユン・ジョンホと、一命を取り留めた瀕死のクォニュが連れて来られた。クォニュは大妃とユン・ジョンホに言われ砒素を盛ったと告白し、ソンウォンは母の手下を全員処刑するよう命じた。

息も絶え絶えのクォニュは、「俺達の子を守ってくれ」とファヨンへ頼んだ。しかし、彼女は「王子は誰の子でもない、私の子よ」と言って彼の前から去った。そして、クォニュは処刑場へ向かうまでに体に残った砒素の毒で死亡した。

ファヨンは、真の王となったソンフォンの元へ赴いた。二人は遂に体を重ねたが、ファヨンは悦に入る無防備なソンウォンの首にかんざしを突き立て彼を殺害した。地下牢に幽閉されていた大妃はソンウォン逝去の報せを聞くと、内侍監の持つ刀を奪い覚悟を決めた。

次期王の座に就いたのはファヨンの息子だった。幼い王子は王座へ駆け寄り、ファヨンはその姿を見守った。

映画『後宮の秘密』の感想・評価・レビュー

欲望が渦巻く宮中を生々しく描いた歴史サスペンス。性描写や残虐描写のリアルさだけでなく、登場人物達がそれぞれ腹の中に抱えている思惑が見え隠れする描写が恐ろしい。

この映画の舞台は朝鮮の王宮だが、現実世界でも同じような探り合いは起きている。と言うより、実際の社会で起きている権力争いや陰謀をかつての世界線で描いているという印象を受けた。ラストシーンで映し出されるファヨンの眼差しにはゾクゾクさせられた。(MIHOシネマ編集部)


チョ・ヨジョン目当てで鑑賞しました。彼女といえば『パラサイト』での美しいけどちょっと天然で可愛らしい奥様の印象でしたが、今作で彼女が演じた王妃は強さと脆さを併せ持ったような儚い女性と言った雰囲気で、物凄く魅力的でした。
人間の強欲さを感じましたが、それ以上に愛する者のために強くいられる女性のかっこ良さも感じました。
韓国映画の独特な雰囲気はありますが、とても面白いのでオススメしたい作品です。(女性 30代)

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