映画『こわい童謡 表の章』の概要:音楽室の呪いにかかった合唱部員たちが命を落としていく中、主人公が呪いを解こうとするホラーミステリー。続編で解決編にあたるのは「こわい童謡 裏の章」。監督、脚本は福谷修、主演は多部未華子。
映画『こわい童謡 表の章』 作品情報
- 製作年:2007年
- 上映時間:74分
- ジャンル:ホラー、サスペンス、ミステリー
- 監督:福谷修
- キャスト:多部未華子、近野成美、悠城早矢、秦みずほ etc
映画『こわい童謡 表の章』 評価
- 点数:60点/100点
- オススメ度:★★☆☆☆
- ストーリー:★★☆☆☆
- キャスト起用:★★★☆☆
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★☆☆☆
- 設定:★☆☆☆☆
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映画『こわい童謡 表の章』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)
映画『こわい童謡 表の章』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『こわい童謡 表の章』 あらすじ【起・承】
転入した全寮制のお嬢様学校で、合唱部に入った正木彩音。
顧問の栗原美咲が合唱部の伝統の童謡のレコードを持ってきて、コンクール優勝に向けての特訓が始まった。
そんな時、同じ合唱部でルームメイトの奈々香から、妊娠したから学校をやめると告げられる彩音。
しかしその直後「かごめかごめ」を歌いながら手首を切り、止めた彩音を振り払うと、「うしろのしょうめんだあれ」を歌いながら奈々香は飛び降り自殺した。
未紀は、真後ろに飛び降りた親友の奈々香の最後の姿を見てしまい、ショックを受ける。
夜の部室で、普通を装う未紀の涙と肩に乗る青白い手を見た彩音。
未紀は「とおりゃんせ」の歌と悪夢に悩まされていた。
突然、首を絞められた彩音が気が付くと、トイレで首を吊って死んでいる未紀の姿が。
その後、未紀の遺体は見つからず、彼氏と駆け落ちしたことになった。
彩音の新しいルームメイト紗世がやってくる。
彩音が合唱部に誘うと、部屋に彼氏を連れ込むことを黙認してほしいという。
しかし部活に顔を出さず、毎晩彼氏を連れ込むように。
ある晩、紗世が「はないちもんめ」を歌いながら彼氏を殺している現場を見て、気を失う彩音。
紗世たちは消えて行方不明とされ、次第に彼女の派手な交友関係が明らかになっていった。
未紀の死や紗世の殺人を教師に訴える彩音だったが、信じる人はいなかった。
映画『こわい童謡 表の章』 結末・ラスト(ネタバレ)
元合唱部で、音楽室の呪いの噂を知る亜里砂に話を聞く彩音。
彼女には霊感があり、失踪や事件の多さに驚いて巻き込まれる前に部活を辞めたという。
一度は彩音に協力することを断った亜里砂だったが、逆さから童謡を歌えば呪いは解ける、と彩音に伝える。
しかしその直後、「ひらいたひらいた」を歌いながら死んでしまう亜里砂。
彼女もまた失踪扱いになった。
彩音を虐待していた亡くなった母が童謡を歌ってくれたという思い出と、美咲の本心を聞いて、部活を辞めるのを思いとどまり「ずいずいずっころばし」を歌う彩音。
ひどい頭痛に襲われ、気が付くと部員たちは全員息絶えていた。
唯一生きていた美咲に襲われ、逃げ惑う彩音。
学校の中には誰もいなく、奈々香、未紀、紗世、亜里砂が「ほたるこい」を歌いながら死んでいくのが見え、怪物に襲われた彩音はハサミで刺してしまう。
美咲に追いつかれるが、怪我を負っていた彼女は倒れる。
自分が謎を解くしかないと決意を固めた彩音は、再び音楽室に向かうが、遺体は全て消えていた。
彩音が失っていた記憶を取り戻すと、目の前には部員たちの遺体と歩み寄る美咲の姿があった。
美咲が彩音を抱きしめ「こもりうた」を歌うと、彩音は意識を失った。
その後、唯一生き残った彩音の心は幼児のものになってしまった。
映画『こわい童謡 表の章』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『こわい童謡 表の章』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
いい子キャラの彩音視点で楽しむべきストーリー
後編でもある「こわい童謡 裏の章」が謎解き版で、本作は事件版という2部作の前編。
音楽室で童謡を聞いた後の突然の奈々香の自殺から連鎖するように、未紀、紗世、亜里砂が行方不明に、そして主人公の彩音を除いた合唱部部員が殺されてしまうという謎の事件の様子を描いた。
現実とはかけ離れたようなむごい死に方をした未紀、紗世、亜里砂のことは彩音しか知らず、教師に訴えても行方不明として扱われる中、ひとりで音楽室の呪いに立ち向かう彩音の姿を丁寧に描いている。
しかし彩音視点にこだわりすぎており、全体像が見えにくくなっているストーリー。
彩音に感情移入できれば楽しめる世界観だが、福谷修が脚本を書いた作品の定番で主人公の性格が真面目でいい子になっているため、苦手な場合は反感を覚えるであろう設定。
童謡に詳しい場合は面白さが増える
「かごめかごめ」「とおりゃんせ」「はないちもんめ」「ひらいたひらいた」「ずいずいずっころばし」「ほたるこい」に沿って事件が起きていくのは、童謡に詳しい場合はやっぱりと思えるシーンが多く出てくる。
「うしろの正面だあれ」というフレーズとピッタリのタイミングで背後に落ちてきた奈々香と目があう未紀の姿は、かなり強烈。
勘がいい場合は犯人の正体に気付いてしまう可能性もあるが、裏の章(謎解き編)と合わせれば映画2本分楽しめるようにした設定はうまい。
主演の多部未華子は、大人しかったり内気な役柄がよく似合う役者だが、本作ではホラー初主演というのも加わって大げさな演技を見せている。
この作品を見る時は必ず、裏の章とセットで見ることをオススメします。彩音が見ている世界は一体何なのか、何故彩音にだけそれが見えるのかなど謎が多すぎて、今作だけ見るとその謎を放り投げられたような気持ちになりモヤモヤが残ります。
彩音を演じた多部未華子の地味な雰囲気が彩音のキャラクターにマッチしていて、とても見やすかったです。
常に彩音の目線でストーリーが進むので、自分が彩音になった気持ちで見るとより楽しめるでしょう。(女性 30代)
映画『こわい童謡 表の章』 まとめ
同時上映ではなかったが、本作が公開された数週間後に謎解き編である「こわい童謡 裏の章」が公開されている。
本編では事件の始まりから終わりまでを主人公の彩音視点で描いた。
本作の脚本、監督である福谷修が脚本を手がけた「劇場版 心霊写真部」や「渋谷怪談」でも見られるように、主人公の女の子はマジメでいい子と判を押したように決まっていて、多部未華子演じる彩音もマジメでいい子キャラだ。
代わりに紗世の自由奔放すぎるキャラクターや、強気な性格の未紀、亜里砂でバランスをとっている。
時間が余っている時には表の章、裏の章と続けて見たい作品。
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