「薬指の標本」のネタバレあらすじ結末と感想。動画フルを無料視聴できる配信は?

薬指の標本の概要:事故で薬指の先を失った若い女は、ある港町の外れの洋館で働く標本技術士と出会う。その洋館では、様々な人の思い出が標本となり保管されていた。小川洋子原作の短編小説をフランス人女性監督が映画化。

薬指の標本の作品情報

薬指の標本

製作年:2004年
上映時間:100分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:ディアーヌ・ベルトラン
キャスト:オルガ・キュリレンコ、マルク・バルベ、スタイプ・エルツェッグ、エディット・スコブ etc

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薬指の標本の登場人物(キャスト)

イリス(オルガ・キュルレンコ)
工場での作業中の切断事故で、左手の薬指の先を失った女性。21歳。
標本技術士(マルク・バルべ)
標本製作所で働く標本技術士。
コスタ(スタイプ・エルツェッグ)
港町の港湾ドッグで働く船員。イリスと部屋をシェアする。
ホテルの主人(ハンス・ジシュラー)
港町で宿屋を営む男性。行き場のないイリスに部屋を提供する。
223号室の婦人(エディット・スコブ)
洋館の一室に住む老女。元電話交換手。
309号室の婦人(アンヌ・ブノワ)
洋館の一室に住む老女。元ピアニスト。
靴磨きの男(ソチグイ・クヤテ)
街の中央駅で靴磨きをしている男性。標本製作所に依頼を持ってくる。
依頼人の少女(ドリア・アカー)
標本作製を依頼する少女。火事で全てを失っている。

薬指の標本のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『薬指の標本』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

薬指の標本のあらすじ【起】

若く美しいイリスは、炭酸工場での作業中の事故で左手の薬指を切断する。悲嘆にくれるイリスは、生活を一新しようとある港町へ越す。イリスは部屋を探し始める。イリスが飛び込んだ宿屋の主人は、行き倒れそうなイリスを不憫に思う。主人は、夜勤の船員コスタと時間割で交代して使うという条件で、イリスに一室を貸す。

イリスは職探しを続け、近くの小島へ向かうフェリーに乗り込む。イリスは、小島の森の中で一軒の古びた洋館を見つける。洋館の入り口には標本製作助手を募集する張り紙がある。イリスが呼び鈴を鳴らすと、白衣を纏った男が出る。男は標本技術士で、その洋館で人々の思い出を標本にして保管している。技術士はイリスを雇う。

翌日、イリスは技術士から業務内容の説明を受ける。技術士は、依頼人を安心させることが一番重要だと話す。

ある朝、イリスは寝過ごし急いで部屋を出る。少し遅れて洋館に到着すると、入り口で一人の少女とすれ違う。

技術士は、イリスに先程の少女が依頼した標本を見せる。それは、火事で全焼した少女の家の焼け跡に生えたキノコだった。技術士は、この洋館では人々の悲しい思い出を標本にして保管しており、依頼主はいつでも標本を見に来ることができる、と話す。技術士はイリスに、標本にすることで人は辛い思い出から解放される、と言う。

昼間、部屋に戻っているコスタが、窓にかけてあるイリスのドレスを眺めている。夕方にイリスが宿へ帰ったちょうどその時、コスタは仕事へ出るところだった。二人はすれ違いざまに目が合う。イリスは、コスタに関心に持ち始める。

薬指の標本のあらすじ【承】

ある日、楽譜を標本にしたいという一人の女性が製作所にやって来る。イリスは手続きをして楽譜を受け取る。

技術士は、イリスを地下へ案内する。この洋館はもとは女子寮で、地下の一角は広い浴室だった。浴室で、技術者はイリスに一足の美しい靴をプレゼントする。技術者は手づからイリスに靴を履かせる。靴は、イリスの足にぴったり合う。技術士は、イリスに、この靴を毎日履いて欲しいと頼む。靴を受け取ってから、イリスの服装は大人っぽいものへと次第に変化していく。

翌日は大雨で、イリスはずぶ濡れで出勤する。地下の浴室で、技術士はイリスの体をタオルで拭う。洋館内の223号室に住む婦人にアイロンをかけてもらうため、技術者はイリスに服を脱ぐように言う。イリスは下着姿になる。技術士はイリスの肢体を眺めた後、浴室から出て行く。

乾いた服を着て、イリスは技術者とともに309号室に住む婦人を訪ねる。技術者は309号室の婦人に、前日に依頼人から受け取った楽譜をピアノで弾くように頼む。技術者が、233号室の婦人を309号室に連れてくる。

309号室の婦人の演奏を聞く間、イリスは一枚の写真に目を留める。それは女子寮生の集合写真で、技術士も一緒に写っていた。イリスは、技術士と223号室の婦人が意味ありげな視線を交わしていることに気づく。演奏が終わった後、技術士は楽譜を丸めてシリンダーに詰める。

ある日、靴磨きの男が死んだ文鳥の骨を持って依頼に訪れる。男はイリスの靴を褒めるが、あまりにぴったりと足に合う靴は危険だと言う。

翌日の出勤時のフェリーで、イリスはドッグの船の上からこちらを眺めているコスタに気づく。部屋に戻ったコスタは、イリスのドレスを眺める。

薬指の標本のあらすじ【転】

技術士は、イリスに保管室の整理を頼む。イリスと技術士は、地下室へ降りる。技術士はこの洋館が女子寮だった時の様子を語る。223号室の婦人と309号室の婦人は、洋館が女子寮だった時からの住人であった。

技術士は、イリスの服を脱がせて裸体を眺める。イリスは床に横たわり、技術士を受け入れる。体を重ねながら、技術士は、イリスが標本にしたいものは何かを尋ねる。イリスは、自分の失くした薬指を標本にしたい、と答える。

イリスが宿へ帰ると、コスタからの書き置きがあった。コスタは、港での仕事を終えて町を去る前に、イリスと会って話したいと考えている。イリスは、コスタが待ち合わせに指定したバーへ向かう。イリスは、コスタが酔った女にからまれている姿を偶然見てしまい、コスタに失望して部屋へ帰る。バーからイリスを追ってきたコスタは、窓の外からイリスに合図しようとするが、イリスは窓を閉めて答えない。

翌日、イリスが仕事から部屋へ帰ると、コスタは荷物をまとめて去っていた。

イリスと技術士は、浴室で逢瀬を重ねる。イリスは次第に技術士に固執していく。

薬指の標本の結末・ラスト(ネタバレ)

ある雨の日、キノコの標本を依頼した少女が、二つ目の依頼のために訪ねてくる。少女は、今回は自分の顔に残るヤケド跡を標本にしたいと言う。技術士は、少女を地下にある自分の作業場へ連れていく。技術士と少女は、作業場からなかなか出て来ない。イリスは不安に駆られる。

翌日、イリスは少女の依頼した新しい標本を探しまわるが、見つからない。イリスは保管室で、標本にされていた一枚の写真を見つける。それは、自分と同じような靴を履いた若い女性の写真だった。イリスは嫉妬を覚える。

一人の中国人が、標本にして欲しいと高価な麻雀牌を持ち込む。イリスは、麻雀牌の木箱を移動させようとして床に落としてしまう。牌は床に散らばり、技術士は翌日までにすべて元通りにするようイリスに言いつける。

イリスは、一晩かけて麻雀牌を元通りに木箱に納める。朝方、床でうたた寝しようとしているイリスを技術士が抱きしめる。イリスは、技術士と少女と間に何かあったのか尋ねる。技術士は、すべては標本のためだ、とだけ答える。イリスは、技術士から離れられなくなっている。

ある日、イリスは靴磨きの男に靴を手入れしてもらうため、町の中央駅を訪れる。靴磨きの男は、イリスが靴の贈り主に執心していることに気づく。男はイリスを心配し、靴を脱がない限り自由になれない、と言う。イリスは、離れたくない、と答える。

イリスは製作所へ戻る。イリスは、標本ラベルに自分の名前を書き込む。イリスはラベルを持って地下へ降り、靴を脱ぎ捨てて作業場に入っていく。

薬指の標本の感想・評価・レビュー

悲しい思い出を標本に封じ込めるという不思議な仕事。
原作の小川洋子さんの世界観がじんわりと浸透していくようで、それにぴったりの美しいフランス映画となっている。
物語では標本技術士とイリスの恋がメインだが、密かに期待していたイリスと船員コスタの二人の結末は儚くも散り、二人は交わることなくそれぞれの道を歩く。
終始ひっそりとしていて、濃密な空気。気づいたら、まるで秘密を覗き込んでいるかのような視点で物語に浸っていた。
イリスの「自由になりたくない」という台詞に、ハッとさせられた。(女性 20代)


小川洋子の小説を、フランス人監督が映像化した作品。標本作りをテーマにした作品は非常に珍しい。ミステリアスな世界観に、彩度の低い幻想的な映像。原作のじんわりと染み渡るような、湿度のある雰囲気が丁寧に描かれていた。
フランス映画特有の雰囲気はあれど、原作は日本人作家のものであるためストーリーはわかりやすかった。耽美で官能的でありながらも、観終わった後にはなんとも言えない喪失感を覚える。
できれば映画館で観たかったと感じた映画だった。(女性 20代)

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