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映画『京城学校 消えた少女たち』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『京城学校 消えた少女たち』の概要:2015年製作の韓国映画。療養するためのソウル郊外の全寮制の学校で、少女が次々と行方不明になる。新しく入って来た少女もまた、治療のために打たれた薬で体調に変化が現れおかしなことが次々と起こり出すサスペンス・ホラー。

映画『京城学校 消えた少女たち』の作品情報

京城学校 消えた少女たち

製作年:2015年
上映時間:99分
ジャンル:サスペンス、ホラー
監督:イ・ヘヨン
キャスト:パク・ボヨン、オム・ジウォン、パク・ソダム、コン・イェジ etc

映画『京城学校 消えた少女たち』の登場人物(キャスト)

ジュラン/静子(パク・ボヨン)
肺結核で転校してきた少女。身体の気も弱いところがあるが、優しく穏やかな性格。
ヨンドク/カズエ(パク・ソダム)
級長でしっかりもの、運動が出来て東京への留学を夢見る。優しく主張できる信頼できる存在。
カトウサナエ(オム・ジウォン)
学校長。普段は優しく美しい女性だが、感情的になるところもあるミステリアスな女性。

映画『京城学校 消えた少女たち』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『京城学校 消えた少女たち』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『京城学校 消えた少女たち』のあらすじ【起】

1938年、韓国は日本による併合時代。
ソウル郊外の山中にある全寮制の療養学校では、身体の弱い少女達が暮らしていた。
ある日、また1人の少女が母親らしき人物に連れられてやってきた。
彼女の名前はジュランと言い、肺結核を患っている。

校長のカトウサナエという女性と挨拶を済ませると、ジュランは「静子」と名付けられ生徒が暮らしている大部屋へ案内された。
そこは無機質におかれたベッドと棚だけで、必要最低限のものしか無い。
ジュランは私物を始末するよう言われ抵抗すると、係の教員に「指導!」と言って頬を叩かれた。
部屋にいると現れたのが級長のヨンドク、日本名はカズエと言った。
ここでは韓国名の他に日本名をもらい、日本語も交えて生活しているようである。
学校の授業に参加したジュランは、そこでキヒラという少女に自己紹介する。
彼女達は朝鮮半島が書かれた布に桜の花を刺繍していた。
出来上がった布は日本に送られ、優秀な学校から日本への留学が許されるというのだ。

夜には教員が回り日本語で点呼を取る。
まだ日本語が言えないジュランは呆然としているが、ヨンドクが代わりに言ってくれた。
そして大きなあめ玉のような赤い薬が全員に配られ、飲まされるのだった。
これは免疫強化のためのものだと言う。

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映画『京城学校 消えた少女たち』のあらすじ【承】

転校して間もないジュランは、同級生から嫌がらせを受けることも多かった。
元々身体の弱い静子は体育の時間も身体がしんどく、サナエから体育の時間の前に点滴を打つように言われた。
それは病気療養のためのもので身体が元気になり、体育にも元気に参加出来るようになるというものだった。
ジュランは言われた通りに、毎回点滴を受けるようになった。

点滴の帰りキヒラと顔を合わせたジュランは、カズエとユカと仲の良かった静子という名の少女がいたことを聞いた。
カズエは仲の良かった静子がいなくなって以来、3人で行っていた秘密の地下室へ行くことは無かったがユカに内緒で静子を連れて行った。
そして「静子」と書かれた日記を渡し、日記をつけるように言う。
この日から2人は次第に心を通わせるようになっていく。

ある日のこと。
体育の時間で走り幅跳びをしている少女達だったが、カズエとユカがトップ争いをしている。
静子は咳き込みときおり血も混じる。
そんな虚弱な身体のせいでうまく飛ぶことが出来ない。
落ち込むこともあったが、ベッドの中でカズエがくれた静子と書かれた日記を開けてみることにした。
中は破られ、何も書かれていなかった。

映画『京城学校 消えた少女たち』のあらすじ【転】

少女達の食事が運ばれる時、同時に赤い例の薬も処方される。
その時、静子が「前にいた静子のことだけど」と小声でキヒラに話しかけた。
静子は以前、学校にいたという静子のことが気になっていたのだ。
しかし話しかけた直後、キヒラに異変が起きる。
突然静子に襲いかかり、首を絞め始めたのだ。
咄嗟にカズエが仲裁に入り難を逃れたが、静子は何が起こったのか分からなかった。

保健室で隣のベッドで寝ていた静子は起き上がり、キヒラに謝罪した。
前にいた静子の話を出したことで、気を悪くしたのでは?と考えたからだ。
しかしキヒラは全く覚えていなかった。

静子の体調はみるみる良くなり、体育も他の人と同じくらいの成績を出せるようになっていた。
しかしあの日を境に、奇妙なことが起こり始める。
生徒の1人が突然学校を辞めてしまい少女達が残念がっていた中、廊下を歩いていた静子は階段脇でその少女を目撃する。
たまたまそこに居合わせたキヒラも再び痙攣を起こし、静子は驚愕した。
急いで助けを求めにいったが、戻って来た時には2人の姿は無かった。
そしてキヒラも学校を去ったと校長から聞いた。

静子の体調は良くなるというのを通り越し、度を超し始めた。
今まで飛べなかった走り幅跳びが測定不能という数値まで行き、カズエを驚かせる。
その異様な様子にカズエも疑問を持ちだしたが、静子にはわからない。
しかも胸の動機と焼けるような重苦しいものが静子を襲うと言う。
カズエはひとまず誰にも言わないよう静子に言った。

映画『京城学校 消えた少女たち』の結末・ラスト(ネタバレ)

静子は悩んだ末、校長に「体調が良いから点滴はもう十分だ」と話に行く。
そこで東京への留学の詳細についても聞いてみたが、校長は多くを語らない。
しかしその後、教室にやって来た校長は留学選考の結果2人を選んだと発表。
最初の1人は静子だった。
カズエとユカは自分たちが東京に行けると信じていた、そのせいでユカは静子に八つ当たりをし、暴力を振るう。
最初は抵抗していた静子だが、突然狂ったように怒り出し、片手でユカの首を絞め身体を持ち上げた。
自分の変化に戸惑う静子は、あの日記を読んだ。
すると破られたページの後に押し花が張られ、その他に静子という文字が紙いっぱいに殴り書きされているのを発見する。
そしてあのカズエと行った地下室に置いてある、ゴミ箱らしいイラストも描かれていた。

静子は気になり地下室に行く。
あの描かれていたゴミ箱をのぞこうとしているところに、カズエがやって来た。
そしてカズエは昔仲の良かった静子が、今の静子と同じように体調の変化に苦しみやがて痙攣しはじめたと話始める。
恐くなったカズエは静子をこのゴミ箱の裏に隠したのだと言うのだ。
しかし静子を助けようと戻った時には、もう彼女の姿は無く自宅に戻ったのだと後から聞いたのである。

その夜のこと。
カズエと静子は校長室に忍び込み、消えた少女の日誌を探す。
するとそこに校長と軍人らしき人物が入ってきた。
隠れた2人は盗み聞きをしている。
校長達の会話の内容は、投薬による人体実験という衝撃的なものだった。
校長の権限で薬を飲ませ、強靱な肉体に改造していたのだ。
そして校長が去った後、学校の記録映像で静子が研究対象に選ばれたことを知る。

絶望の中、ユカが自殺するという悲劇が起こり、どさくさに紛れて逃亡する静子とカズエ。
しかし校長と話していた軍人らしき男に見つかり、静子は撃たれてしまう。
先を急いだカズエが逃げ切った先で見た光景。
それは日本軍の旗だった。
学校の裏の谷底には、日本軍の基地があったのである。
そう、この少女達の人体実験は兵器としての人間を作っていたのだ。

撃たれた後連れ戻された静子は、「実験の大事な検体だ」と、校長に治療される。
校長は今こそ新薬を試すときだと言ったが、その新薬はまだ誰にも使われたことなど無い。
危険だと忠告する周囲を無視し、静子に投薬した。
すると目覚めた静子はもの凄い力を手にしてしまう。
ベッドから起き上がり、部屋を出た静子が見た物は、消えた少女たちの凍った遺体。
そして静子を助けに来て殺されたカズエの遺体もそこにあった。

怒り狂った静子は校長と軍人達を殺し始める。
彼女の力は想像を絶するものだった。
そして全てをやりぬいた静子はカズエの元に戻り、2人で抱き合って死ぬのだった。

映画『京城学校 消えた少女たち』の感想・評価・レビュー

日本人である私は、とても複雑な気持ちでこの作品を鑑賞しました。色々な政治や歴史的な事情は抜きにして、韓国という国が好きだし、芸能も料理も言葉も好きな物ばかりです。しかし、こういう作品を鑑賞するとふとした瞬間に日本と韓国の間にある大きな溝を思い出してしまいます。
韓国の少女たちが日本への留学を夢見ているのに、日本側は少女たちを人体実験の材料としていたという惨すぎるストーリーは本当に胸が苦しくなりましたが、一つの作品として出来上がっているので見て損は無い作品です。(女性 30代)

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