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映画『キューポラのある街』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『キューポラのある街』の概要:昭和30年代初期。鋳物職人が多く住む埼玉県川口市を舞台に、貧乏な家の少女が様々な経験を経て進学への夢を諦めず奮闘する姿を描いている。当時18歳の吉永小百合が、可憐ながらも逞しく立ち上がる主人公の少女を演じている。

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映画『キューポラのある街』の作品情報

キューポラのある街

製作年:1962年
上映時間:100分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:浦山桐郎
キャスト:東野英治郎、杉山徳子、吉永小百合、市川好郎 etc

映画『キューポラのある街』の登場人物(キャスト)

石黒辰五郎(東野栄治郎)
石黒家の大黒柱。鋳物職人で頑固。職人気質で現代の流れについていけず、プライドが高い。子供達に中学を出たら働けと言っているが、余裕が戻ると進学しても良いと言う。
トミ(杉山徳子)
辰五郎の妻。肝っ玉母さんだが、辰五郎の言うことには基本、口を出さない。一家の家計を支えるため、もつ鍋屋で働いている。
ジュン(吉永小百合)
辰五郎とトミの娘で中学生。純粋で明るい女の子。辰五郎の頑固さとトミの強気を受け継いでおり、非常に優秀で進学を諦めずに奮闘する。弟思いの姉。
タカユキ(市川好郎)
ジュンの弟。やりたい放題の我儘坊主。口が減らず、いつも辰五郎に反発してばかりいる。強気な姉を尊敬しており、自分も高校に進学するのだと決心する。
塚本克己(浜田光夫)
辰五郎の元で鋳物工をしていた青年。何かと石黒家を気にしてくれ、工場をクビになった後は協会で働いている。ジュンへと好意を寄せている。

映画『キューポラのある街』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『キューポラのある街』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『キューポラのある街』のあらすじ【起】

昭和30年代初期。埼玉県川口市。この町では鋳物工場が数多くあり、キューポラと呼ばれる独特な煙突が目印。川口市は江戸から続く鋳物職人が多く住む町だった。
鋳物工場で働く石黒辰五郎は一家を支える大黒柱だったが、工場が買収されることになり、彼を含めた十数人の従業員が解雇されることになる。そんな時、身重だった妻のトミが産気づいてしまい、長女のジュンが付き添って近くの診療所へ向かった。

赤ん坊は無事に生まれたが、辰五郎が無職になってしまった石黒家。大きな収入が減り、子供4人を抱えて家計は火の車である。中学生であったジュンは、学校での成績は優秀で県立高校への進学は余裕だろうと言われていた。彼女は家計を支えるため、パチンコ屋のパートで働くことにし、高校を自力で目指そうと考える。

辰五郎は2年前、仕事中の事故で足を負傷し片足を引き摺っているため、まともな職に就くことができないかもしれない。長男のタカユキは父親がクビになった後、家で酒に溺れるのが許せず反発してばかりいた。

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映画『キューポラのある街』のあらすじ【承】

町には朝鮮人も住んでおり、辰五郎はジュンが朝鮮人と交友するのを反対している。だが、娘は気の強いトミの子でもあるため、職人気質の父へも平気で言い返すのであった。
高校入学のための資金を自力で稼いでいるジュンであったが、修学旅行のことを失念しており、参加費用捻出は難しいと考える。クラスには生活に困らず高校や修学旅行へも簡単に行ける子がいて、その子たちには負けたくないと思うのだ。

そんな折、タカユキが泥棒の手伝いをしようとしていると聞いたジュンは、弟を救うために町のチンピラがたむろするビリヤード場へ。
チンピラを束ねる男はジュンの朝鮮人の友人の兄であり、彼女の話を簡単に受け入れてくれるも、チンピラどもに乱暴されそうになってしまう。弟が機転を利かせてくれたため、どうにか逃れた。帰りにラーメン屋へ寄った姉弟。弟は辰五郎が無職であるため、家のことを心配しているようだが、ジュンは自分で稼いで高校を目指すと諦めずにいる。そんな姉へ尊敬の眼差しを向けるタカユキだった。

辰五郎は職人気質で、頭が固い。協会で事故の補償があると良い話があったのに、協会は信用できないと言って、補償を断ってしまった。その上、まともな仕事に就けず酔っぱらっては賭け事にかまけ、遅くに帰ってはクダを巻いてばかり。そのせいで生活の資金すら底をついてしまい、一家は途方に暮れてしまう。ところが、ジュンの友人から辰五郎へ仕事を紹介するという話が舞い込み、一先ずはどうにか生活していけそうだと安堵。

映画『キューポラのある街』のあらすじ【転】

更に担任教師から補助金が出ると教えてもらい、修学旅行へも行けることになったジュン。
パチンコ屋の仕事を教えてくれた朝鮮人の友人を見つけ、彼女に仕事は辞めると知らせた。すると、友人はじきに朝鮮へ帰国することになったと浮かない表情を見せる。だが、その時のジュンは自分のことばかりで彼女を慮ることができなかった。

修学旅行へ向かう朝、辰五郎が仕事へ行く時間になっても起きようとしない。話を聞いたら、仕事を辞めてしまったと言う。工場ではオートメーション化が進み、職人など必要とされていなかったからだ。父の勝手な行動にジュンもタカユキも憤り勝手だと詰ったが、辰五郎は逆切れして娘と息子を殴ってしまうのだった。

友人の好意で父の職を紹介してもらったのに、これでは形無しである。ジュンは友人に合わせる顔がなく、集合場所へ行かなかった。辰五郎は中学を出たら仕事をしろと言う。だが、ジュンもタカユキも高度成長期である今後の日本では、学が必要となると思い高校への進学を希望していた。

その日はあちこちを放浪して夜まで時を過ごしたジュン。帰りにトミが働くもつ鍋屋を通りかかり、母が客に媚を売っているのを目撃してしまう。全てにおいて絶望したジュンは、たまたま出会った女友達に誘われ夜遊びへ向かってしまうのだった。

そうして、友人と踊って楽しんだジュンだったが、チンピラの差し金によって薬を盛られ深く寝入ってしまう。男達に囲まれ乱暴されそうになったところを、駆け付けた友人に助けられるも、逃げる途中で足をくじいてしまうのだった。

ジュンの危機を察してくれたのは父の元で働いていた青年、塚本克己である。彼は何かと石黒家を気にかけ、ジュンにも気安く声を掛けてくれていた。だが、彼が必死でジュンを探す声が聞こえていても、ジュンは姿を現すことができなかった。

映画『キューポラのある街』の結末・ラスト(ネタバレ)

以来、学校へも行かなくなってしまったジュン。学校へ通ったところで、どうせ中学を出たら仕事をするのだ。勉強をしたところで意味がない。そう思うようになっていた。
数日後、担任教師が家を訪ねて来る。ジュンが学校へ来なくなった理由を聞くと、志一つだと言う。教師は働きながらでも勉強できる方法を教え、とにかく学校へ来るようにと帰って行った。

仕方ないので学校へまた通い始めたジュン。その後、朝鮮人が帰国するという知らせが入る。ジュンも先生や同級生と一緒に見送りへ向かうことにした。朝鮮人の友人は特に親しくしてくれたからと、ジュンに乗っていた自転車をくれる。しかも、友人の母は日本人であったため、朝鮮へ一緒に行くことができないらしい。あの時、浮かない顔をしていたのはそういう理由からだった。そうして、泣きながら別れを告げ、みんなで彼らを見送ったのだった。

友人との別れをきっかけに、今後のことについて前向きに考えるようになったジュンは、工場でアルバイトをすることに。同じ職場には働きながら定時制へ通っている女性が沢山いた。弟も夕刊配達のアルバイトをして真面目に働いているようである。
帰宅すると、克己と辰五郎が機嫌良く酒盛りをしていた。どうやらクビになった工場へ再就職することになったらしい。

辰五郎はこれでジュンを県立高校へ通わせることができると言ってくれるが、娘は県立ではなく定時制へ通うことにしたと言う。昼は工場で働き、夜は学校へ。父は無理ができない体であるため、今回のようにいつ何時、何があるか分からない。ジュンが自立した生活を立てることで、辰五郎の負担にならないよう考えたのだった。

映画『キューポラのある街』の感想・評価・レビュー

18歳の吉永小百合が主人公ジュンを演じている。ひたむきで純粋な少女が、大人へと一歩階段を上る様子を描いている。父親は鋳物職人でプライドが高く仕事を選ぶ。しかも、不自由な片足のハンデを負っているからなのか、酔っていない時は人当たりの良い人物だが、酒を飲むと居丈高になり最低な親父と化してしまう。

ジュンの家は酷く貧乏で、狭くて小さい家に肩を寄せ合って暮らしている。そんな中でも逞しく夢を諦めずに奮闘する姿がまたいい。弟は小賢しく1人でも生きていけそうなわんぱく小僧。当時は在日朝鮮人などの問題もあり、雑多な様子が作中でも描かれている。励まし合い、前向きに生きようとする少年少女の姿に勇気を貰える作品。(MIHOシネマ編集部)


埼玉県に住む私が小学生の頃にやっていた「埼玉郷土かるた」。埼玉の各地をテーマに札が作られていて、その中の「き」の札は「キューポラの 並ぶ川口 鋳物まち」と言う読み札でした。現在は新しいかるたが発行されているため、この読み札ではありませんが「鋳物まち」をなかなか上手くイメージ出来なかった私にとって、この作品は川口について教えてくれた素晴らしい作品でした。
今よりも差別が酷かった時代背景や昔気質の「父親」がとても上手く描かれていて、沢山の困難を乗り越えようと努力する若者の姿に感動しました。(女性 30代)

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