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映画『吸血鬼ゴケミドロ』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『吸血鬼ゴケミドロ』の概要:松竹が製作した怪奇特撮映画。ハイジャックされた旅客機が、謎の火の玉と遭遇し、山中に不時着する。生き残った10人のうち1人が、宇宙生物のゴケミドロに肉体を乗っ取られ、次々と他の生存者を襲っていく。

映画『吸血鬼ゴケミドロ』の作品情報

吸血鬼ゴケミドロ

製作年:1968年
上映時間:84分
ジャンル:SF、サスペンス、ホラー
監督:佐藤肇
キャスト:吉田輝雄、佐藤友美、高橋昌也、高英男 etc

映画『吸血鬼ゴケミドロ』の登場人物(キャスト)

杉坂英(吉田輝雄)
舞台となる旅客機の副操縦士。正義感に溢れ、最後まで生きることを諦めない。客室乗務員の朝倉と一緒に何とか生き延びる。
朝倉かずみ(佐藤友美)
舞台となる旅客機の客室乗務員。寺岡に脅され、不時着した旅客機から連れ出される。そして、寺岡の肉体が、宇宙生物ゴケミドロに乗っ取られてしまうところを目撃する。
寺岡博文(高英男)
ブリタニア大使の暗殺を実行した男。機内にライフル銃を持ち込み、ハイジャックする。ゴケミドロに一番最初に取り憑かれ、他の生存者を襲い始める。
松宮(山本紀彦)
自殺志願者。機内に時限爆弾を持ち込み、自殺を図ろうとしていたが、旅客機の不時着で実行できなかった。ゴケミドロに襲われた際、自分の持っていた爆弾で爆死する。
百武(加藤和夫)
精神科医。人が極限状態に陥ったときに、どのような反応をするのかに興味を持っている。朝倉に催眠療法を施し、彼女が見たことを聞き出す。
佐賀敏行(高橋昌也)
宇宙生物学者。人間同士で争っている間に、異星人が地球侵略を考えていてもおかしくないという持論を持っている。一方、科学のためなら犠牲も致し方なしという考えも持っている。
真野剛造(北村英三)
政治家。徳安の妻と関係がある。最後の最後まで、自分一人が助かれば良いという考えの持ち主。彼の行動によって、多くの人がゴケミドロの犠牲になる。
徳安(金子信雄)
武器商人。真野の太鼓持ち的な存在。しかし、不時着後、真野のライフル銃を突きつけ、これまでの鬱憤をはらす。
ニール(キャシー・ホーラン)
夫がベトナム戦争で戦死をしてしまい、その遺品を受け取るため岩国の米軍基地へ向かう途中に、旅客機の不時着に巻き込まれる。

映画『吸血鬼ゴケミドロ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『吸血鬼ゴケミドロ』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『吸血鬼ゴケミドロ』のあらすじ【起】

パイロットも見たこともないような赤い空の中を、伊丹空港行きの旅客機は飛行していた。管制塔から、時限爆弾が仕掛けられたとの連絡が入り、急遽羽田に引き返す旅客機。副操縦士の杉坂は乗客のカバンをチェックして爆弾を探す。そして、持ち主不明のカバンの中からライフルを見つけるが、拳銃を持った寺岡に脅されてしまう。寺岡は、杉坂と客室乗務員の朝倉に銃を突きつけ、コックピットへ向かい、機長を脅す。旅客機は、寺岡によってハイジャックされてしまうのだった。しかしその時、旅客機のすぐそばを謎の火の玉が通過する。旅客機は、その影響でコントロールを失い、山中に墜落してしまうのだった。

生き残ったのは、杉坂と朝倉の他に乗客7名、計9名だった。しかし、それぞれがそれぞれのエゴを出し、協力し合う様子はない。その時、死んだと思っていた寺岡が目を覚まし、朝倉を人質にして外に出る。朝倉を連れて歩く寺岡は、オレンジ色に光る円盤を発見し、その中へ吸い込まれるように消えていくのだった。

円盤の中に入った寺岡に、アメーバのようなものが近づいてくる。すると、寺岡の額がぱっくりと割れる。それを見た朝倉は、気を失ってしまう。朝倉を助けにきた杉坂は、倒れている彼女を見つけ、墜落した旅客機のあるところまで、担いでいくのだった。

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映画『吸血鬼ゴケミドロ』のあらすじ【承】

旅客機では、松宮がラジオをつけ、墜落した旅客機の行方がわからないというニュースを聞いていた。このまま待っていても、助けが来ないことがわかった生存者たちは、この場所からの脱出を考えるが、寺岡がどこで待ち構えているのか分からない。そこで、精神科医の百武は、朝倉に催眠術をかけ真実を聞き出そうとする。その催眠療法によって、朝倉は先ほど、寺岡の割れた額の中にアメーバのようなものが入っていくのを見たことを、思い出す。寺岡は、アメーバ状の宇宙生物ゴケミドロに乗っ取られてしまったのだった。

しかし、誰もそんなことを信じない。しかし、宇宙生物学者の佐賀は、原爆投下以後UFOが世界各国で発見され、その数が増えていることを述べ、ひょっとすると宇宙人が地球侵略を虎視眈々と狙っているのかもしれないと話すのだった。

松宮は百武に、知らなくてもいいことを聞き出したと詰め寄る。朝倉が催眠療法によって話したことは嘘だろうと問いただすが、百武は本当だと言う。納得のいかない松宮は、さらに百武に詰め寄る。その松宮に押され、百武は足を滑らせ崖から転落してしまう。そして、崖の下で呻く百武に寺岡は襲いかかり、その喉元に噛みつくのだった。

映画『吸血鬼ゴケミドロ』のあらすじ【転】

乗客たちは、百武を突き落とした松宮を監禁し、旅客機の中で、夜明けを待つ。すると、搭乗口のドアがノックされる。ドアを開けると、寺岡が倒れている。寺岡の額には傷の跡があり、それを見たニールは、ベトナム戦争で死んだ夫のことを思い出し、彼を助けるべきだと、旅客機の中に運び込むのだった。

水も食料もない機内では、真野と徳安がいがみ合い始める。腹を立てた徳安は、全員を旅客機の外へ追い出し、一人旅客機の中に残る。しかし、寝かされていた寺岡が起き上がり、徳安の首筋に噛みつき、血を吸うのだった。徳安の断末魔の声を聞いた杉坂は、ドアを叩く。するとドアの鍵が開き、中へ駆け込む杉坂たち。そして徳安の死体を発見するのだった。

機内に潜んでいる寺岡は次に、徳安の妻に襲いかかる。そして、彼女をオレンジ色の円盤のところに連れて行くのだった。一方、機内の別の場所では、杉坂が佐野に何か知っているのではないかと質問をしていた。しかし、佐野は推測でしかないことを話しても、君たちに恐怖を与えるだけだと答えないのだった。

翌朝、法子がいないことに気がついた面々は彼女を探す。すると崖の上に立つ彼女を見つける。そして法子は話し出す。しかし、その声は法子のものではなく、彼女の身体を借りている宇宙生物ゴケミドロの声だった。ゴケミドロは地球侵略を企んでいることを杉坂たちに伝えるのだった。

映画『吸血鬼ゴケミドロ』の結末・ラスト(ネタバレ)

旅客機に戻った杉坂たちは、佐野の意見を聞く。佐野は、UFOを宇宙生物の侵略の偵察だと推測していた。人間同士が争っているのは、宇宙生物にとっては好都合で、その隙に地球侵略を目論んでいるはずだと、佐野は話す。しかし、その話を真野は信じないのだった。どうしたら信じるのか?と問う杉坂に、真野は誰かが犠牲になって、ゴケミドロに血を吸われる所を見たら、信じると言う。そして、そんな真野の意見に佐野も賛同するのだった。政治も科学も、犠牲者があるから進歩してきたと言う佐野。佐野と真野は、松宮を生贄にすることにする。反対する杉坂の意見は聞き入れられず、逆に杉坂と朝倉はコックピットに監禁されてしまう。外に出された松宮は、ゴケミドロとなっている寺岡に追い回されるが、自分の持っていた時限爆弾を誤爆させてしまい、死んでしまう。

松宮の誤爆により旅客機に穴が空き、そこから寺岡が侵入してくる。真野とニールは、旅客機を飛び出し、逃げ出すのだった。しかし、寺岡に先回りされ、追い詰められる。真野は、ニールを犠牲にして逃げるのだった。そして、ニールも寺岡によって血を吸われる。逃げ帰ってきた真野を、助けようとして杉坂と朝倉は搭乗口のドアを開ける。しかし、逆に真野は二人を旅客機の外に追い出してしまう。戻ってきた寺岡に、襲われる二人だったが、杉坂は寺岡にガソリンをかけ、それに火をつける。しかし、燃える寺岡の中から、ゴケミドロは抜け出してくるのだった。

ゴケミドロは、アメーバ状になり、旅客機の中に入り込んでくる。次は佐野に取り付き、真野が犠牲となる。杉坂と朝倉は、機外へと逃げる。追いかけてくる佐野は、途中落石に巻き込まれ、二人は助かるのだった。しかし、佐野の肉体は円盤のところまでたどり着き、中からアメーバ状のゴケミドロが出てくるのだった。

逃げる二人は、どんなことをしても生きると励ましあい、森を抜け、高速道路の通っているところまで、出てくる。料金所近くで停車している車に乗っている人に声をかけようとするが、車の中の人たちは全員、死んでいるのだった。その場を離れ、ホテルへ逃げ込む二人。しかし、そこでも状況は同じだった。生きている人間は誰一人いないのだった。そして、二人は海岸までたどり着く。「何もかも遅すぎた」と嘆く杉坂の上空を、オレンジ色の円盤が飛んでいくのだった。そして、宇宙の彼方からゴケミドロを乗せた円盤が地球に向けて、多数飛来するのだった。

映画『吸血鬼ゴケミドロ』の感想・評価・レビュー

物凄く日本っぽいパニックムービーでした。海外のパニックムービーと言うと、ゾンビや地球外生命体が出てきて逃げ惑い、テンポの良さやスピード感で乗り切ってしまうシーンが多いですが、今作は良くも悪くも一つ一つがとても丁寧に作り込まれています。
最初にゴケミドロに感染する人間に「暗殺者」=悪い人間を選ぶのも何だか日本っぽいです。催眠術を使ってゴケミドロについて聞き出そうとするシーンは今こんなことしてる場合なの!?と笑ってしまいました。
パニックムービーではありますが、テンポは良くないのでじっくり楽しむ作品です。(女性 30代)

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