この記事では、映画『ラヴェンダーの咲く庭で』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『ラヴェンダーの咲く庭で』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『ラヴェンダーの咲く庭で』の作品情報

上映時間:105分
ジャンル:ラブストーリー
監督:チャールズ・ダンス
キャスト:ジュディ・デンチ、マギー・スミス、ダニエル・ブリュール、ナターシャ・マケルホーン etc
映画『ラヴェンダーの咲く庭で』の登場人物(キャスト)
- アーシュラ・ウィディトントン(ジュディ・デンチ)
- ウィディトントン家二女。活発で陽気、正直な性格。少女のような面があり、アンドレアに急速に惹かれる。
- ジャネット・ウィディトントン(マギー・スミス)
- ウィディトントン家長女。思慮深く控えめな性格。夫を先の大戦で亡くしている。アンドレアに愛情を抱くが、アーシュラとは違う親愛の類である。語学のセンスがある。
- アンドレア・マロフスキー(ダニエル・ブリュール)
- 海岸に流れ着いた謎の青年。ポーランド人で、ドイツ語は解るが英語は話せない。美しい容姿と無邪気な魅力で、ウィディトントン姉妹の心を惹きつける。天才的なバイオリンの腕を持つ。
- オルガ・ダニロフ(ナターシャ・マケルホーン)
- ウィディトントン家の近所に住む、女流画家。ドイツ系移民であることから、アンドレアと親交ができる。若く美しいが、明るく朗らか。ウィディトントン姉妹の嫉妬心に火をつける。
- ドルカス(ミリアム・マーゴリーズ)
- ウィディトントン家に従事するメード。姉妹よりは年下で、働き盛りの勢いを失わずに家事を取り仕切る。気が強く少々短気。
- ミード医師(デビッド・ワーナー)
- ウィディトントン家の主治医。アンドレアの診察はするが、身元が不明なために疑心を抱く。妻を亡くしており、オルガに好意を寄せる。
映画『ラヴェンダーの咲く庭で』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『ラヴェンダーの咲く庭で』のあらすじ【起】
第二次世界大戦直前の20世紀。イギリス、ワイト島ドーヴァー。ウィディトントン姉妹は、父が遺した屋敷に暮らす。老姉妹の生活は派手なものではないが、穏やかで幸福だった。ある嵐の夜、一人の男が海岸に流れ着く。
姉妹は、海辺に横たわる男を発見、屋敷の客間に運ぶ。男は、気絶していたが後に目を覚ました。男アンドレアは、英語が話せない外国人だった。身体の損傷もひどいため、姉妹は、アンドレアを家に置いて看病することにする。
姉妹は、それぞれの方法でアンドレアとコミュニケーションを取る。元気になるにつれ、アンドレアには笑顔が増えた。その美しさに、姉妹は惹きつけられる。ジャネットがドイツ語を覚えアンドレアと会話するようになると、アーシュラはその仲の良さに嫉妬した。
アンドレアのために、近所のアダムがバイオリンを演奏しに来る。アンドレアもバイオリンを扱うが、その腕前は見事なものだった。感動したアダムは、バイオリンをアンドレアに譲る。近所では、画家オルガがバイオリンの音色に聞き入っていた。
映画『ラヴェンダーの咲く庭で』のあらすじ【承】
歩けるようになり、アンドレアは地元の収穫祭に参加した。そこでオルガと知り合い、ドイツ系であることから二人は意気投合する。祭りをひとしきり楽しんだ後、アンドレアは酔い潰れて姉妹の元に帰った。翌日、アーシュラがひどく心配していたためにアンドレアは彼女と海を散歩する。アーシュラの胸には、特別な感情が芽生えていた。
昼下がり、オルガがウィディトントン家を訪ねる。アンドレアとオルガの親しげな様子に、姉妹はどこか面白くない。オルガは、姉妹に手紙を寄越した。内容は、オルガの兄ボリスが有名なバイオリニストで、アンドレアをぜひ兄に会わせたい、というものだ。ジャネットは、オルガの手紙を伏せてアンドレアにボリスを知っているか尋ねる。アンドレアは、ボリスの大ファンだった。
寡夫のミード医師は、美しいオルガに心惹かれていたが、本人からは冷たくあしらわれる。アンドレアは完全に回復し、ミード医師はアンドレアを自国に返せと姉妹に言う。当のアンドレアは、アメリカに渡ることを強く望んでいた。
姉妹とアンドレアは、ラジオでボリスの演奏を聴いた。アンドレアの夢中になる姿に、ジャネットは、彼が離れてしまうのではという不安に駆られる。手紙は隠したままで、ジャネットは密かにそれを燃やしてしまう。
映画『ラヴェンダーの咲く庭で』のあらすじ【転】
アンドレアは、漁師の船場でオルガに出会い家に招かれる。オルガから姉妹が手紙を隠し持っていることを聞かされ、憤慨する。オルガとアンドレアが距離を縮める一方、外ではミード医師がオルガ宅周辺をうろついていた。
アンドレアが帰宅すると、姉妹は、彼の冷ややかな態度に不安を抱く。最近のアーシュラのアンドレアへの執心は甚だしく、ジャネットは、妹が恋煩いにあると気付いた。しかしアーシュラは、アンドレアを手放すことも検討していた。
アンドレアはオルガを気に入り、彼女の家に入り浸りだす。言葉も通じ、芸術の感性を高め合える二人は、まさに相性ぴったりだった。ミード医師は、またもオルガの家の前で中の様子を伺っていた。アンドレアは、オルガに愛を囁こうとするが拒絶され家に帰される。
帰宅したアンドレアは、姉妹にボリスの件を黙っていたことを問いただす。アーシュラはそのことを知らず、深く傷ついた。アンドレアは怒るのをやめ、ウィディトントン家には再び穏やかな時間が流れる。
映画『ラヴェンダーの咲く庭で』の結末・ラスト(ネタバレ)
アンドレアに嫉妬したミード医師は、警察に彼の存在を密告する。警察官は、姉妹に事情聴取をするが、年上の気風に押されて諦める。アンドレアがオルガを訪ねると、オルガはロンドンに発とうとしていた。オルガは、ボリスがロンドンに滞在しているからアンドレアに会わせたい、とアンドレアに同伴を促す。アンドレアはその誘いを断り切れず、二人はロンドンに向かった。
夜になっても、アンドレアはウィディトントン家に帰ってこない。姉妹は、知り合いに連絡を取って、アンドレアがオルガと遠くへ去ったことを知った。アーシュラの恋心はあっけなく終わり、深い悲しみで満ちる。
女だけの静かな生活に慣れた頃、ロンドンから小包が届く。差出人はアンドレアだ。ボリスに才能を買われ、楽団のコンサートで演奏することが決まったという。コンサート当日、ウィディトントン家には街中の人々が集まる。ラジオから、アンドレアの美しいバイオリンの調べが流れた。
姉妹は、ロンドンのコンサート会場に密かに足を伸ばしていた。アンドレアの圧巻の演奏に、聴衆は盛大な拍手を送る。演奏終了後、姉妹はアンドレアに会いに行く。だが、三人は再会を喜ぶ間もなく、アンドレアは著名人に呼ばれて行ってしまう。彼の輝かしい姿を見届け、姉妹は会場を後にするのだった。
映画『ラヴェンダーの咲く庭で』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
この映画を知ったきっかけは、浅田真央さんが選手時代にプログラムで劇中の曲を使用していたからでした。当時はまだ動画配信サイトがなかったので、レンタルビデオ屋さんをいくつかハシゴして探した記憶があります。そういった経緯もあり思い入れのある映画です。ストーリーに関しては、大きな事件も起きず淡々と進んでいきますが、キャストと音楽が素晴らしいので最後まで飽きずに観れます。イギリスの田舎の風景も素敵です。
台詞は少ないですが、若かりし頃のダニエル・ブリュールがもの凄くかっこいいです。そして、老姉妹が才能ある若者に恋心を抱いてしまうという一歩間違えると気持ち悪くなってしまいそうな設定ですが、ジュディ・デンチとマギー・スミスが演じることによって、なんだか2人が可愛く思えてしまいます。(女性 20代)
姉妹の静かな日常に、漂着した青年音楽家アンドレアが入り込むことで生まれる感情の揺れがとても切なかった。特に妹ジャネットが抱く淡い恋心と、姉アーシュラの自己犠牲的な愛情の対比が胸に残る。彼が才能を見出され旅立つラストは希望的でありながら、残された姉妹の寂しさも同時に伝わってきた。美しい海辺の風景と音楽が、言葉以上に感情を語る作品だと思う。(20代 男性)
年を重ねた姉妹が若い音楽家と出会い、人生の残り時間を輝かせる物語に深く共感した。ジャネットの恋は報われないと分かっていながらも応援したくなり、最終的に彼を送り出す決断に涙した。愛とは独占ではなく、相手の未来を尊重することだと静かに教えられる。派手な展開はないが、余韻の長いラストシーンが心に残る大人向けの映画だと感じた。(30代 女性)
アンドレアが音楽の才能を認められ、姉妹の元を去る展開は予想できたものの、そこに至るまでの心理描写が丁寧で印象的だった。特にアーシュラが自分の想いを抑え、妹の幸せを優先する姿は切なくも尊い。青春映画とは違う、老いと希望が交差する物語として味わい深い。静かな英国の風景とヴァイオリンの音色が感情を何倍にも引き立てていた。(40代 男性)
この映画は恋愛映画というより、人生の黄昏に差し込む一瞬の光を描いた作品だと思う。ジャネットが若いアンドレアに恋をし、夢を託すように彼を支える姿は母性にも近い。最終的に彼が旅立つことで、姉妹の家には再び静寂が戻るが、その沈黙がとても優しい。別れが悲しいだけで終わらない構成に、年齢を重ねる意味を考えさせられた。(50代 女性)
漂着した青年を助けるという偶然から始まる物語が、ここまで感情的な深みを持つとは思わなかった。ジャネットの恋心は叶わないが、彼女自身が音楽を通して生きる喜びを再発見する点が美しい。ラストで彼が成功への道を歩み出す姿は爽やかで、同時に姉妹の孤独も際立つ。静かな展開の中に人生の選択が凝縮された名作だと感じた。(60代 男性)
若い頃の恋愛映画とは違い、年配の女性の視点で描かれる愛情が新鮮だった。アンドレアを通じて、姉妹が自分たちの過去や抑えてきた感情と向き合う様子が切ない。特にアーシュラの沈黙の愛は、観る側に多くを想像させる。別れの場面では涙が止まらなかったが、音楽と自然が希望を示してくれる点が救いになっている。(70代 女性)
映画全体に流れる静けさが、かえって感情の動きを強調していた。ジャネットがアンドレアに恋し、彼の成功を願って送り出す選択は、若さだけではできない決断だと思う。ラヴェンダーの庭で過ごす時間が、姉妹にとって短い青春のように感じられた。派手さはないが、人生の一場面を丁寧に切り取ったような味わい深い作品だった。(30代 男性)
この作品は「失うこと」と「与えること」を同時に描いている点が印象的だった。アンドレアが去ることで姉妹は再び孤独になるが、彼の音楽が彼女たちの人生を確かに変えたことは疑いない。特に姉アーシュラの表情だけで語られる感情の演技に心を打たれた。静かなラストが、観客に長い余韻を残す上質な映画だと思う。(40代 女性)
ラブストーリーでありながら、主役は恋ではなく時間そのものだと感じた。姉妹に残された人生のわずかな季節が、青年音楽家の未来と交差する構図が美しい。別れは必然だが、後悔ではなく祝福として描かれる点に救われる。ヴァイオリンの旋律と海辺の風景が、言葉にできない感情を代弁してくれた。(50代 男性)
映画『ラヴェンダーの咲く庭で』を見た人におすすめの映画5選
眺めのいい部屋(A Room with a View)
この映画を一言で表すと?
美しい風景とともに芽生える、理性と情熱のはざまの恋を描いた名作ロマンス。
どんな話?
20世紀初頭のイタリアとイギリスを舞台に、上流階級の若い女性ルーシーが旅先で自由な青年と出会い、婚約者との安定した人生と本当の愛の間で揺れ動く姿を描く。社会的立場と心の声の葛藤が、風景と音楽に包まれて繊細に表現される。
ここがおすすめ!
抑制された感情表現と、自然の美しさを活かした映像美が大きな魅力。『ラヴェンダーの咲く庭で』と同じく、静かな恋心と人生の選択をテーマにしており、観終わった後に余韻が残る。大人のための上品なラブストーリーを求める人に最適な一本。
日の名残り(The Remains of the Day)
この映画を一言で表すと?
語られなかった愛と後悔を静かに見つめる、英国紳士の人生ドラマ。
どんな話?
完璧な執事として生きてきたスティーブンスは、かつて共に働いた女中頭ミス・ケントンとの再会をきっかけに、自分の人生と抑え込んできた感情を振り返る。過去と現在が交錯しながら、失われた可能性と静かな愛情が浮かび上がる。
ここがおすすめ!
言葉にされない想いを表情と間で語る演出が圧巻。『ラヴェンダーの咲く庭で』の姉妹が抱く秘めた感情と共鳴するテーマがあり、人生の終盤に訪れる気づきの切なさが胸に響く。静謐で格調高い大人の感動作。
ピアノ・レッスン(The Piano)
この映画を一言で表すと?
音楽が結ぶ、禁断と解放の愛の物語。
どんな話?
19世紀のニュージーランドを舞台に、言葉を発しない女性エイダがピアノを通じて心を表現し、次第に一人の男性と深い絆を結んでいく。抑圧された環境の中で芽生える情熱と、音楽が持つ力が強烈に描かれる。
ここがおすすめ!
ヴァイオリンが象徴的だった『ラヴェンダーの咲く庭で』と同様、音楽が物語の核となる点が魅力。自然の風景と感情が重なり合う映像美と、強い余韻を残すラストは必見。芸術と愛の関係を深く味わえる作品。
マリーゴールド・ホテルで会いましょう(The Best Exotic Marigold Hotel)
この映画を一言で表すと?
人生の後半戦に訪れる、新しい恋と希望の物語。
どんな話?
イギリスの高齢者たちがインドのホテルで共同生活を始め、それぞれが新たな友情や恋、人生の再出発を経験していく。年齢を重ねてからの挑戦や感情の変化を、ユーモアと温かさを交えて描く群像劇。
ここがおすすめ!
『ラヴェンダーの咲く庭で』と同様、年を重ねた主人公たちの恋や希望を丁寧に描写。明るく前向きなトーンで、人生はいつでも変えられると教えてくれる。観終わった後に心が少し軽くなる感動作。
四月の雪(Enchanted April)
この映画を一言で表すと?
日常から解放され、心が再び恋を知る春の物語。
どんな話?
1920年代のロンドンで退屈な生活を送る4人の女性が、イタリアの城を借りて休暇を過ごすことになる。美しい自然と新しい出会いの中で、それぞれが自分の人生と愛を見つめ直していく。
ここがおすすめ!
静かな日常に差し込む「非日常」が人の心を変えるという点で、『ラヴェンダーの咲く庭で』と強く共鳴。風景の美しさと穏やかな感情の変化が魅力で、大人の女性の再生と恋を優しく描いた癒やしの一本。



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