映画『リミット:ゼロ』の概要:都市探検家のジェシカは、友人のマーカスとガイドのマイクと共に水力発電所の廃墟へとやってくる。だが、そこには武装した兵士たちがおり、次第にジェシカたちは世界を揺るがす陰謀に巻き込まれていく。
映画『リミット:ゼロ』の作品情報
上映時間:90分
ジャンル:アクション
監督:マヌエル・フォーゲル
キャスト:ヴィヴィアナ・ロス、ベネディクト・ブラスコヴィッチ、マイク・ファン・エッペレ、カトリン・アナ・シュタール etc
映画『リミット:ゼロ』の登場人物(キャスト)
- ジェシカ(ヴィヴィアナ・ロス)
- 都市探検家。廃墟が好きで、そこを探検することにスリルと興奮を感じている。
- マーカス(ベネディクト・ブラスコヴィッチ)
- ジェシカの友人。物理学で博士号を取得している。ジェシカのことが好きだが、内気な性格で距離を縮められない。
- マイク(マイク・ファン・エッペレ)
- 今回の探検のガイドとして二人に同行する。だが、その正体は廃墟となる以前に施設で働いていた研究員で、復讐のためにジェシカを利用しようとしている。
映画『リミット:ゼロ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『リミット:ゼロ』のあらすじ【起】
都市探検家のジェシカは廃墟や廃工場跡などを探検し、それらを写真や動画に収めてネットにアップしていた。今回は友人のマーカスを連れて、地図には載っていない工場跡地を探検するつもりだ。その工場の場所は地図上では森となっており、五年前に男性が行方不明になっていた。
ジェシカは工場探検のために、マイクという名のガイドを雇っていた。マイクと合流した二人は、彼の案内で廃墟となった水力発電所に潜入する。暗い通路を抜けると、そこにはうち捨てられた見事な工場施設があり、廃墟マニアのジェシカは興奮を隠せない。
夢中で写真を撮っていたジェシカは、いつの間にかマーカスの姿が見えなくなっていることに気がつく。マイクと共にマーカスを探し始めたジェシカは、廃墟の奥へと足を踏み入れていった。行った先でロッカールームに辿り着いたジェシカは、ロッカーの中に押し込められた腐乱死体を発見して仰天する。その死体は五年前に行方不明になった男だった。なぜ死んだのか、ジェシカは不安を感じ始める。
映画『リミット:ゼロ』のあらすじ【承】
何者かが近づいてくる気配を感じたジェシカとマイクは、咄嗟に物陰に隠れた。現れたのは銃器や装備で武装した兵士たちだった。彼らはジェシカたちに気がつかず立ち去っていったが、聞こえた無線の内容から、どうやらマーカスは彼らに捕まってしまったようだ。
一刻も早く逃げようと言うマイクに、マーカスを放っておけないと言うジェシカ。マイクは嫌がったが、仕方なくマーカスを救助に向かう。兵士たちに発見されないように隠れながらマーカスの元へと向かったが、ふとした隙に発見され、兵士は二人に対して発砲。大急ぎで逃げ出したが、その途中でジェシカはマイクと離ればなれになってしまう。
携帯の電波も通じず、独りぼっちになってしまったジェシカだったが、なんとかマーカスの監禁場所へと辿り着いた。そこではナタリアという女将軍がマーカスを拷問していた。彼女はマーカスに対し、誰に送り込まれたのかとしきりに質問していた。だが、身に覚えのないマーカスは、水力発電所の廃墟を見に来ただけだと繰り返した。しかし、彼女はその言葉を信じようとしない。
映画『リミット:ゼロ』のあらすじ【転】
ナタリアが離れた隙に一人の兵士が現れ、マーカスの見張りをあっという間に撃ち殺した。その兵士はマーカスにも銃を向け、彼を撃ち殺してしまう。兵士の正体はなんとマイクだった。一部始終を隠れて見ていたジェシカは、マイクが立ち去った後、マーカスに駆け寄った。マーカスは銃弾を受けていたが、拾ったジェシカのスクラップブックのおかげで弾丸が止まり、無事だった。
マーカスを助け出そうとするジェシカ。そこを戻ってきたナタリアに発見され、二人は取っ組み合いの戦いを始める。ジェシカはナタリアを配電盤に投げつけて感電させ、その衝撃でナタリアは気絶。マーカスと共に出口へと急いだジェシカは、その途中で研究所のオフィスを発見する。
オフィスにあった写真から、かつてこの施設で自分の父が働いていたこと、そして、マイクが父と同僚であったことを知ったジェシカ。真相を知るため、二人は再び施設内に戻ったが、兵士に発見されて窮地に陥ってしまう。だが、そこにマイクが現れて兵士たちを一掃。マイクに見つからないようにマーカスは姿をくらましたが、ジェシカは彼の案内で出口へと向かって行った。
だが、辿り着いた場所は出口ではなかった。マイクの目的は、ジェシカの“眼”だったのだ。彼女の父により、ジェシカの網膜スキャンで鍵がかけられた部屋があり、その部屋には大量のプルトニウムがあった。ジェシカがここに来たのも、全てはマイクが巧妙に仕組んだ筋書きだったのだ。
映画『リミット:ゼロ』の結末・ラスト(ネタバレ)
父が死んでいることを教えられ、ショックを受けるジェシカの前に追手の兵士たちとナタリアが現れる。ジェシカとマイクは一時共闘して窮地を脱するが、閃光弾を使って隙を作ったマイクはプルトニウムを持って脱走。裏切りに気がついたナタリアはマイクを追ったが、彼の銃弾によって負傷してしまう。とどめを刺される寸前、現れたマーカスにより一命を取り留めた。
そこに駆けつけたジェシカは、ナタリアからこの施設は水力発電所ではなく、原子力発電所の試験施設だと説明される。かつては高速増殖炉のテストが行われており、事故も多発していたのだという。その事故を隠蔽するのがナタリアたちの部隊の仕事だった。
ここの研究者だったマイクは、すでに多量の放射能を浴びていた。彼が電力会社への復讐のため、プルトニウムを使ってメルトダウンを引き起こそうとしていることに気がついたジェシカとマーカス。それを止めようと、二人はマイクの跡を追った。
だが、マイクを止めることはできず、メルトダウンのカウントダウンが始まってしまう。ジェシカとマイクは撃ち合うが、ジェシカの弾が無くなり、彼女は窮地に。そこにナタリアが駆けつけ、最後の力を振り絞ってマイクを射殺。マイクは原子力建屋内に落ちていった。
メルトダウンを止めるには、建屋内の冷却装置を手動で動かすしかないと判断したマーカス。自殺行為だと分かっていたが、ジェシカは意を決して建屋内に降りて行った。そこで放射能の影響によりバケモノのようになったマイクと遭遇するが、彼女はマイクを撃退すると、冷却装置を作動させ、無事にメルトダウンを止めることに成功する。
外へと脱出した二人は、すぐさま汚染除去部隊に連絡。しばらくすれば、部隊が駆けつけることだろう。今までジェシカとマーカスの間に恋の予感は見られなかったが、今回のことで二人の心はぐっと近づいたようだった。
映画『リミット:ゼロ』の感想・評価・レビュー
ビデオゲームの『メタルギア・ソリッド』のフォロワー作品とでも言えようか。カメラワークひとつを取ってみても、『メタルギア』が好きなのがよく伝わってくる。リアリズムよりも、ゲームと同じような空気感や動きを実写で再現してみようと試みた印象が強い。そのため、ジェシカがやたらに強かったり、狙いを外さずに一発で射殺したりするなど、荒唐無稽さが目立つ。だが、『メタルギア』のフォロワーなのだと理解して見れば、安っぽさも含めて楽しめる作品だと思う。(MIHOシネマ編集部)
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