映画『MONSTER モンスター』の概要:ニック・ゴメス監督、クリスティーナ・リッチ主演の2014年の犯罪スリラー映画。「切り裂きジャック」、「ゾディアック」と並ぶ世界3大未解決事件のひとつ、「リジー・ボーデン事件」を描いた。
映画『MONSTER モンスター』 作品情報
- 製作年:2014年
- 上映時間:87分
- ジャンル:サスペンス
- 監督:ニック・ゴメス
- キャスト:クリスティナ・リッチ、クレア・デュヴァル、グレッグ・ヘンリー、スティーヴン・マクハティ etc
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映画『MONSTER モンスター』 評価
- 点数:55点/100点
- オススメ度:★★★☆☆
- ストーリー:★★☆☆☆
- キャスト起用:★★★★☆
- 映像技術:★★★★☆
- 演出:★★★☆☆
- 設定:★★☆☆☆
[miho21]
映画『MONSTER モンスター』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『MONSTER モンスター』のあらすじを紹介します。
1892年の夏。
アメリカのフォールリバーに住むボーデン家は、厳格な父アンドリュー、おとなしい長女のエマ、自由奔放な次女リジー、アンドリューに頭が上がらない継母アビーの4人家族。
ある日、エマが友人の出産の手伝いのために家を空けることになる。
家にはボーデン夫妻とリジー、そして使用人のブリジットが残った。
まずアビーが見当たらなくなったが、リジーが言うには、病気の友達のお見舞いに出掛けたのだという。
そしてアンドリューはカウチで横になった。
その後、惨殺されたボーデン夫妻の姿が自宅内で発見される。
斧で何十回も傷つけられた姿は、目を覆いたくなるものだった。
そして第一発見者のリジーは警察署に出頭するよう言われ、取り調べを受けることになるが、その刺激的な体験を楽しんでいるようでもあった。
やがてリジーは起訴され、裁判を受けることになる。
無実を訴えるリジーは、その美しさから注目の的となった。
そして同じ手口の殺人犯が逮捕されたこと、凶器も見つからず決定的な証拠も無く、エマの証言もあって無罪を勝ち取ったリジー。
しかし周囲の目は厳しかった。
リジーはその町で自由奔放な生活を望み、エマはリジーとの暮らしに耐え切れず家を出た。
未だこの事件の犯人は明らかになっていない。
映画『MONSTER モンスター』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『MONSTER モンスター』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
見せ場の無いストーリー
世界3大未解決事件とも称される、映画のベースになった未解決事件「リジー・ボーデン事件」。
「切り裂きジャック事件」「ゾディアック事件」と並ぶといわれ、マザーグースの童謡にもなっている。
しかし、リジー・ボーデンは無罪判決を受けており、犯人かどうかは謎のままなのである。
奔放な性格や万引きの癖、社交的だが場の空気を察して行動することが出来ないといった、美しいリジーの謎めいた部分を表すのには成功している。
しかし、リジーが犯人かどうかを描くとき、視点がぶれるストーリーになってしまっている。
ラストではエマに対し、耳打ちで犯人だと言ってしまっている。
言っている内容は聞こえず、エマかリジーが思い描いた場面を表現しているだけなのだが、明らかにリジーを犯人として終わらせてしまっている。
だが、犯人は未だ不明、というテロップによって全てが台無しになっている。
リジーを犯人と思わせる展開と、無実だと思わせる展開が混ざっていて、一貫性のないつまらないストーリーだ。
また、淡々と進むストーリーで山場になる展開が全く無く、見ていてつまらない。
キャストの素晴らしい演技力と、手抜きが目立つ演出
妖しい魅力を放つリジー・ボーデン役のクリスティーナ・リッチの演技は、見事としか言いようが無い。
独特の色気と子供っぽさが混ざった、美しいがつかみどころの無い女性を上手く演じている。
また、脇役として様々な作品に出演し、同じ未解決事件を題材にした「ゾディアック」にも出演している、リジーの姉エマを演じたクレア・デュヴァルの演技も、存在感のあるリジーと対照的な姉の雰囲気がリアルで素晴らしい。
あえて華を添えたかったかに思えるロックミュージックが、前半でしか流れずに、中途半端な演出になっている。
クリスティーナ・リッチが出演した、シャーリーズ・セロン主演の2004年の映画「モンスター」と間違えやすい題名などの設定も、いかがなものだろうか。
映画『MONSTER モンスター』 まとめ
実際に起こった有名な未解決事件の中でも、「切り裂きジャック」や「ゾディアック」と比べて、映画化や書籍にもなっていない「リジー・ボーデン事件」に目をつけたのは良い。
有名なマザーグースの童謡の中で、なわとびの歌の”リジー・ボーデン斧を取り・・・”というものも、この「リジー・ボーデン事件」がもとになっており、作中のラストでボーデン家の前で子供たちがなわとびをしながら歌っているシーンも使われている。
しかし、ストーリーや演出に一貫性がない作品のため、クリスティーナ・リッチのファンと、未解決事件を知りたいという方以外は楽しめない映画だろう。
キャッチコピーに「未解決事件の真相」と入れてしまっていることからも、矛盾点が多い事はひしひしと感じられる。
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