映画『テスター・ルーム』の概要:2013年にイギリスで製作された、ジャレッド・ハリス主演のホラー映画。「モールス」の製作スタッフが集結して作られた。超能力実験を行うチームに訪れた驚きの結末を描いた。
映画『テスター・ルーム』 作品情報
- 製作年:2014年
- 上映時間:98分
- ジャンル:ホラー
- 監督:ジョン・ポーグ
- キャスト:ジャレッド・ハリス、サム・クラフリン、エリン・リチャーズ、マックス・パーキス etc
映画『テスター・ルーム』 評価
- 点数:50点/100点
- オススメ度:★★★☆☆
- ストーリー:★★☆☆☆
- キャスト起用:★★★★☆
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★★☆☆
- 設定:★★☆☆☆
[miho21]
映画『テスター・ルーム』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『テスター・ルーム』のあらすじを紹介します。
実際にあった出来事から着想を得て作られた映画。
1974年、オックスフォード大学で、ある実験的治療が行われようとしていた。
精神的に不安定な少女ジェーンを被験者にした、マイナスのエネルギーをテレキネシスに変えて外に出す、という治療が開始される。
心理学教授のジョセフに、教え子で恋人同士のハリーとクリッシー、そして記録係として雇われたカメラマンのブライアンが協力する事となる。
だが、大学からの融資がすぐに打ち切られ、郊外にある一軒屋に場所を移す。
ジェーンの空想の友達、イーヴィーがテレキネシス発動のきっかけだとわかり、治療は続けられる。
与えられた人形をひどい形にした後、彼女には奇妙な行動が見られるようになり、不可解な現象が多発し始める。
やがてエクトプラズムのような謎の物体、心霊体というものを吐き出したジェーン。
インチキの可能性を捨てきれず、口論の末にイーヴィー人形にナイフを突き立てたブライアンだったが、同じ部分から血を流して痛がるジェーン。
やがてジェーンの力が暴走を始め、彼女の体に悪魔崇拝の印が浮かび上がる。
ジェーンに対して異様な執着を抱くジョセフに対して、ブライアンたちは不信感を隠せない。
悪魔崇拝の印についての驚くべき情報を手に入れたブライアン。
ジェーンの秘密、イーヴィーの真実が明らかになった時、恐ろしい出来事が起こり始める。
映画『テスター・ルーム』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『テスター・ルーム』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
情報制限にもほどがある
最近の映画に多く見られる「事実を基にした作品」のひとつ。
カメラマンのブライアンが撮った映像をベースにしているが、モキュメンタリー映画にしたいのかどうか見分けがつかず、面白味に欠ける。
インターネットなどを通しての宣伝が全くなされておらず、公式サイトも無いために世に出ている情報がとても少ない。
エンドロールに登場する古い写真から、実在した人物による実験が行われたというのは確かなようだが、本当に行われた実験の内容や結末などは明らかにされていない。
本当にあったと宣伝するのに、このような情報量の少なさにはがっかりさせられる。
色白のジェーンがまとう不思議なムードや言動は、それだけで空気を変えてしまうような素質がある。
ジョセフ博士の、息子を失ったことから被験者のジェーンに執着するという、マッドサイエンティストにも似た追い詰められた演技も上手い。
主演のブライアンの存在感の無さは問題があるだろう。
事実を基にしていても脚色は必要なストーリー
恋愛関係にあるハリーとクリッシー、クリッシーの浮気相手がジョセフ博士という三角関係は、ストーリーの中に意味を見出すことが出来ない。
また、ブライアンがジェーンに惹かれていき、彼女の正体が悪魔崇拝者団体の生き残りの少女イーヴィーと暴き、ジェーンの死と共にブライアンに力が移るというラストだが、能力は移るものなのかというツッコミどころになっている。
エクトプラズムのようなものを口から出すなど、超能力実験のはずがオカルトになっていき、ラストには悪魔崇拝という、ブレが多いストーリーにはあきれる。
専門用語を連呼するが、解説が全く無いのも見ていて飽きてしまう。
ブライアンは最初に、ジェーンと接するにあたっての注意事項を言い渡されるのだが、守っている場面が一度も無いというのも、大きなツッコミどころだ。
公開前の情報を制限し、観客に先入観を持たせずに鑑賞させる手法の作品は何が起こるのか、何を見せられるのか分からないドキドキ感がありすごく好きです。更に今作は、実話を元に作られた作品ということでかなり期待して鑑賞しました。
正直な感想としては、すごく惜しくて勿体なかったです。観客に先入観を持たせないためなのだと思いますが、実験に関わった彼らのキャラクターについても全く描かれず、コンセプトも色々な要素を詰め込みすぎてぐちゃぐちゃなので、よく分かりませんでした。
呪いや悪魔に取り憑かれる展開ならば、それ1本で行った方が面白く見られたと思います。(女性 30代)
映画『テスター・ルーム』 まとめ
情報が全く出回っておらず、宣伝はほとんど無し、レンタルDVDを扱うのも1つの会社だけという、見せる気があるのか良くわからない映画。
キャッチフレーズは「それはただの実験のはずだった」となっているが、心理的な観点から見た超能力実験からエクトプラズム、悪魔崇拝と展開していくので、まとまりが感じられない。
近年になって特に多く見られるようになった「事実を基にした映画」であり、作中で回しているカメラの映像をメインに使うなど、見たことがある手法ばかりで少々飽きる作品。
ジェーンの”色白の不思議な少女”の印象は、DVDのパッケージ画像にもなっていて独特の雰囲気が伝わってくるが、それ以上のものは全く無い。
ジャケットやキャッチフレーズに大きな期待をすると、がっかりしてしまう映画だ。
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