映画『モールス』の概要:マット・リーヴス監督、クロエ・グレース・モレッツ、コディ・スミット=マクフィー主演。スウェーデン映画「ぼくのエリ200歳の少女」のリメイク版。モールス信号で友情を育む子供たちの残酷な運命を描いた。
映画『モールス』 作品情報
- 製作年:2010年
- 上映時間:116分
- ジャンル:ホラー、サスペンス
- 監督:マット・リーヴス
- キャスト:コディ・スミット=マクフィー、クロエ・グレース・モレッツ、イライアス・コティーズ、リチャード・ジェンキンス etc
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映画『モールス』 評価
- 点数:90点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★★★☆
- キャスト起用:★★★★★
- 映像技術:★★★★☆
- 演出:★★★★★
- 設定:★★★★☆
[miho21]
映画『モールス』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『モールス』のあらすじを紹介します。
雪深い町に住むオーウェンは、離婚調停中の母親と二人暮らし、学校ではいじめられていた。
彼の住むアパートに引っ越してきた不思議な少女アビー。
訳ありな雰囲気の父娘だったが、オーウェンを最も驚かせたのはアビーが雪の中でも裸足だった事だ。
公園でアビーと顔を合わせるようになるオーウェン。
学校にも通っていない、いつも裸足の不思議な少女アビーとオーウェンは、壁越しのモールス信号で友情を深めていく。
その頃、猟奇殺人事件が町を騒がせており、その犯人はアビーの父親だった。
だが、犯行途中で不慮の事故に遭い、自らの顔を薬物で溶かしてまで身元を隠し、彼は病室の窓から落ちて亡くなる。
オーウェンはアビーに付き合って欲しいと告白するが、自分は女の子ではなく何者でもないと告げられる。
それでもいいと言うオーウェンは、秘密の隠れ家へアビーを招待し、血の誓いをしようとするがアビーは豹変する。
そしてアビーは、オーウェンに全てを告白する。
アビーはヴァンパイアで、永遠に12歳、しかも父親と思われた人物とは血のつながりは無く、彼はアビーのために犯罪を犯していたのだ。
オーウェンは友情を選び、アビーが町を出る手助けをする。
アビーが町を出た後、オーウェンに反撃された事に腹を立てていたいじめっこたちが、オーウェンを追い詰める。
彼を救ったのは、町を出たはずのアビーだった。
映画『モールス』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『モールス』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
12歳という不安定な年齢が映えるキャスト
ヴァンパイアと人間の禁断の恋を描いた「トワイライト」シリーズが人気だが、この作品も同時期に公開されたヴァンパイア映画。
だが今作の吸血鬼アビーは、女の子の外見だが男の子でもあるというあやふやな性別で、永遠に12歳の外見。
クロエ演じるアビーの見た目が、ロングヘアを見せるまでは中性的に描かれており、どこか不思議な少女というイメージピッタリ。
コディ・スミット=マクフィも、いじめっ子たちに「女の子」とからかわれるような外見。
幼くはないけれど子供でもない、どこか危うい年代の様子を、見事に演出できているキャスティングだ。
息が詰まる設定や描写にうんざり
アビーの父親の殺人シーンや、アビーが血に飢えて人を襲うシーンなどは、リアルに作られており容赦がない。
暴力的なものが苦手な場合は、絶対に見たくないシーンが多いだろう。
アビーの自宅に入ってきた刑事を、オーウェンが見放すシーンも残酷だ。
そして、いじめられたら本気でやり返せとアビーに言われ、いじめっこのリーダーに怪我をさせた後にプールに沈められるオーウェンだが、いじめっこたちの反撃が酷すぎる。
オーウェンの母親も父親も、電話で言い争いばかりで、登場人物の中に心休まる人間がいないのは、見ていて疲れてしまう。
アビーとオーウェンの微妙な友情
人間の食べ物を受け付けないアビーが、オーウェンからもらったお菓子を、我慢して食べるシーン。
友達にはなれない、と言いながらも、モールス信号で友情を育む2人の姿は、微笑ましいものがある。
町を出たはずのアビーが、オーウェンの危機を察知して助けに戻ったり、アビーを守るために刑事の後をつけるオーウェンの姿は、素敵な友情を描いたシーンになっている。
しかし、アビーの父親と思われていた男性の昔の写真の、頼りなさげな雰囲気がオーウェンと似ているところなど、オーウェンの未来が見えるようなシーンは後味が悪い。
大きな箱に入って町を出るアビーとオーウェンの姿がラストに描かれているが、2人はモールス信号で言葉を交わしている。
これは、モールス信号を理解できる場合は面白いラストだが、知らない場合は何か内緒の会話をしているとしかわからないので、スッキリしない終わり方になっている。
映画『モールス』 まとめ
2008年に公開されたスウェーデン映画「ぼくのエリ200歳の少女」のリメイク版で、2010年公開作品ということもあり、リメイクの意味も問われて話題になったこの「モールス」。
結局数々の素晴らしい賞を受賞したのだが、「ぼくのエリ200歳の少女」も、今作も、全く別の作品として楽しむことができる。
全体的に全てのシーンが薄暗く、鬱蒼とした雰囲気を醸し出しており、こんな町なら出たくもなるだろうと思わせるムード満点。
アビーがヴァンパイアに豹変するシーンも違和感なく、特殊メイクや技術面の素晴らしさを感じるが、それ故に怖さもたっぷり。
同時期に発表された映画「キック・アス」の、明るいキャラクターからかけ離れていることからも、クロエの演じる影のあるアビーがとても魅力的だ。
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