映画『ロンドンゾンビ紀行』の概要:テリー兄弟は祖父が入居する老人ホームが閉鎖されることを知り、取り戻すために仲間を募って銀行強盗を計画する。その頃、工事現場から不思議な石碑が発見され、作業員がゾンビに噛まれる事件が発生していた。
映画『ロンドンゾンビ紀行』の作品情報
上映時間:88分
ジャンル:コメディ、ホラー
監督:マサイアス・ヘイニー
キャスト:ハリー・トレッダウェイ、ラスムス・ハーディカー、アラン・フォード、オナー・ブラックマン etc
映画『ロンドンゾンビ紀行』の登場人物(キャスト)
- アンディ・マグワイア(ハリー・トレッダウェイ)
- 能天気で調子のいい性格。誰かに喧嘩を吹っかけては、兄のテリーに助けてもらっていた。困っている人を助ける優しい一面もある。子供の頃、両親が罪を犯して逮捕されそうになるが、警察に銃で対抗したため射殺されてしまう。両親の死後、兄と共に祖父に育てられる。
- テリー・マグワイア(ラスムス・ハーディカー)
- アンディの兄。家族思い。祖父が入居する老人ホームが新しくマンションに建て替えられることを知り、買い戻すために銀行強盗を行う。
- レイ・マグワイア(アラン・フォード)
- テリー兄弟の祖父。15歳の頃に年齢を誤魔化して軍に入隊し、ナチスと戦っていた。口が悪く乱暴な性格だが、孫思いの優しい人物。ペギーのことが好き。
- ペギー(オナー・ブラックマン)
- レイと同じ老人ホームに入居しているおばあちゃん。レイのことが好き。
- ケイティ(ミシェル・ライアン)
- テリー兄弟の従兄。錠前破りが得意。口が悪く喧嘩っ早い性格。
- エマ(ジョージア・キング)
- たまたま銀行に居合わせたせいで、レイ達が起こした銀行強盗に巻き込まれ人質になる。
- ミッキー(バシー)
- 好戦的で粗野な性格。銃の取引を行っている。イラク戦争で頭を負傷してしまい、骨に金属板が埋め込まれている。
映画『ロンドンゾンビ紀行』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ロンドンゾンビ紀行』のあらすじ【起】
工事現場で、“王の下に封印す 1666年”と彫られた石碑が発見される。工事現場の作業員達は、金が隠されているかもしれないと色めき立つ。石碑の下にあった階段を下りていくと、骸骨がたくさん落ちていた。作業員達が金を探していると、突然骸骨が動き出し噛まれてしまう。
テリーは弟のアンディに偽名を使って車を買ってきてもらうが、エンジンがかかりにくいポンコツ車だった。テリーは一抹の不安を覚えるが、アンディは全く気にしておらず、楽しそうに笑っていた。アンディは昔から能天気で調子がいい性格をしており、誰かに喧嘩を吹っかけてはテリーに泣きついてくるような男だった。
“ボウベルズ老人ホーム”にテリー兄弟の祖父であるレイが入居していた。だが、この老人ホームは高級アパートの建設予定地になっており、閉鎖の危機に陥っていた。レイは気の強い性格をしており、ホームの前に立てられていた「建設予定地 ハートマン社」と書かれた看板を、引っこ抜いて放り投げた。
テリー兄弟は老人ホームへのご飯の配達を仕事にしていたが、レイは男が一生する仕事じゃないと不満を募らせていた。レイはナチスと戦っていた経験から、何かと戦うような仕事について欲しいと思っていたのだ。そのことを孫達に口酸っぱく説明していると、別の入居者から窘められる。レイは渋々口を噤んだ。
老人ホームの解体が2週間後に迫っていた。テリー兄弟達は両親ならどうするか考えるが、あまり参考にはならなかった。両親は息子達に不正をせずに懸命に働けという言葉を残して、銃を持って家の外を包囲していた警官達に向かっていき、そのまま射殺されてしまったのだ。
映画『ロンドンゾンビ紀行』のあらすじ【承】
テリー兄弟は老人ホームを買い戻すために、銀行強盗を計画していた。錠前破りが得意なテリーの従兄のケイティ、強盗経験者のデイヴィ、銃の取引があるミッキーを仲間に入れる。だが、デイヴィは美女の店員を口説いて逮捕されたことがある、間抜けな人物だった。ミッキーも攻撃的な人物で、すぐに暴力を振るう危険な男だった。テリー兄弟は一抹の不安を抱えながらも、銀行へと車を走らせた。
テリー達は工事現場の作業員の服に着替えて銀行の中に入った。銀行員がハートマン社の人間だと誤解して、テリー達を個室へと案内した。だが、書類を持ってきていないことを不審に思い、銀行員はこっそり警察への緊急連絡ボタンを押した。テリー達はそれに気づかず、銀行員を脅して金庫に案内してもらう。金庫の中には、ハートマン社の給料と売り上げの250万ポンドが入っていた。テリー達が金庫のお金を回収して外に出ると、警察が待ち構えていた。ミッキーが咄嗟に警官達に向けて銃を撃ち、銀行の中へと逃げ込んだ。
老人ホームにゾンビが押し寄せた。数人の老人達はゾンビに噛まれてしまうが、レイは友人のペギーを連れて逃げ出した。その頃、ミッキー達は人質を盾にして、銀行の外へと飛び出していた。だが、警官達は死んでおり、人々も逃げ惑って異様な雰囲気だった。テリー達は内臓が飛び出したまま歩いている人を見て、ゾンビが人を襲っていることに気づく。急いで車に乗り込むと、その場を逃げ出した。
映画『ロンドンゾンビ紀行』のあらすじ【転】
レイ達は生き残っている者達で助け合いながら、老人ホームの台所に逃げ込みシャッターを下ろした。その頃、テリー達は倉庫に逃げ込んでいた。しかし、そこにもゾンビが現れ、ミッキーが腕を噛まれてしまう。ミッキーは特に何も変わっていない様子だったが、ケイティはすぐにゾンビに変身するから殺した方がいいとテリーに忠告する。だが、テリーは殺人をしたくないと嫌がった。
テリー達は詳しい情報を求めて、ラジオを聞いた。すると、イースト・エンドでウイルス感染が発生し急激に拡大しているため、軍が街を封鎖しているという緊急放送が流れていた。テリーはレイ達の安否を心配した。
ペギーはもし自分がゾンビになったら、あなたの手で殺してくれとレイに頼んだ。レイがそれを受け入れると、レイの頬にキスを送った。レイも自分がゾンビになったら、ペギーが殺してくれと頼んだ。ペギーは迷わずに殺すとレイに伝えた。もし、レイがゾンビになれば、老人ホームを守る人がいなくなるからだった。レイは迷わずに殺すと言われ、複雑な気持ちになった。
ゾンビに囲まれながらも、呑気に外で眠っているおじいちゃん(ハミッシュ)がいた。レイは窓から顔を出し、ハミッシュに声を掛けた。ハミッシュは目を覚ますが、耳が遠かったためレイの話す内容がきちんと聞こえていなかった。ハミッシュは近くで話を聞こうと、歩行器を使って歩き出した。その時、ゾンビもハミッシュの存在に気づいてしまい、後を追いかけ始めてしまう。レイは必死にゾンビの存在を叫んだ。ハミッシュはやっとゾンビの存在に気づき、足を必死に動かした。
映画『ロンドンゾンビ紀行』の結末・ラスト(ネタバレ)
ミッキーは人質達を倉庫の奥へ連れていき、柱に括りつけた。見張りをしていたが、具合が悪くなってしまい、椅子に倒れ込むように座り込んでしまう。その頃、レイはハミッシュを助けるため、車椅子を持って外に飛び出していた。ペギー達も協力してゾンビを倒し、裏口を守った。その間にレイはハミッシュを車椅子に乗せ、裏口へと逃げ込んだ。
ミッキーがゾンビに変身してしまい、人質達は助けを求めた。テリー達は協力して人質達を助け、ミッキーの頭を撃ち抜いた。だが、ミッキーは頭の手術をしたときに骨に金属を埋め込んでおり、弾を弾き返してしまう。テリーはミッキーが持っていた爆弾を使って、ミッキーの頭を吹き飛ばした。
人質になっていた男性は混乱に乗じて銃を奪い、テリー達に手を上げるよう迫った。だが、爆弾を使った影響で壁に穴が開いており、ゾンビが男性の背後に迫っていた。アンディ達はゾンビの存在を伝えるが、はったりだと思った男性はそのままゾンビに噛まれてしまう。男性がゾンビに噛まれた拍子に銃が暴発してしまい、デイヴィは腹を撃たれて死んでしまう。
テリー兄弟とケイティ、人質になっていた女性(エマ)は、エマの妹がいる町へ行くことを決める。レイ達は銃やスコップなどを使ってゾンビ達を倒し、車に乗り込んだ。エマの妹の家を訪ねるが、妹は既にゾンビになっていた。テリーはエマを抱きしめて慰めた。そして、家の外で待っていたアンディとケイティには、妹はいなかったと嘘を吐いた。
弾が無くなってしまったため、テリー達はミッキーが所有している倉庫へと向かった。中には銃やマシンガン、小型爆弾など様々な武器が置かれていた。テリー達はそれを鞄に詰め込むと、バスを盗んで老人ホームへ向かった。エマがバスを運転させてゾンビから守り、残りの3人が老人ホームに突入した。テリー達は無事にレイ達と再会を果たす。
テリー達は持ってきた武器を老人達に渡した。爆弾を効率よく使ってゾンビ達を倒すと、銃でゾンビを倒しながら無事に老人ホームから逃げ出すことに成功する。エマはバスの中でレイに自己紹介するが、うっかり強盗のことを話してしまう。レイはそれを聞いて孫達を叱るが、老人ホームを助けるためにやってくれたことに感動していた。
バスが途中で故障してしまい、テリー達は徒歩でその場を逃げ出した。足の悪い老人達を必死にサポートしながら、船に乗り込んだ。しかし、鎖がまだ船に巻かれたままだった。レイは孫達に後のことを頼むと、1人で船を降りて鎖を外した。そして、そのままゾンビ達に取り囲まれてしまう。アンディ達はレイの敵を討とうと船から降りるが、レイはまだ無事で、マシンガンを撃ってゾンビを撃退した。レイ達は急いで船に戻り、出航した。
映画『ロンドンゾンビ紀行』の感想・評価・レビュー
コメディ調のゾンビ映画の一つ。このジャンルにはふざけているように見えてしっかりしている作品とふざけているだけで何一つ面白くない作品があるがこちらは前者に属しており、まずまず面白いといえる。老人と町のはみ出し者という組み合わせがいい味を出しており、ほとんどこの設定だけでドラマが進んでいく。ちょっと状況に甘え過ぎではないかという気がしないではないが、ラストの老人が犠牲になったと思いきや。のシーンでとりあえず満足感は十分にあったのでよしとする。(男性 30代)
まずタイトルのふざけ具合が面白いです。ゾンビもののコメディは当時よくありましたが、今作は良かったです。
ゾンビ自体の設定は王道なのに、襲われる側の人物設定がおかしいという意表を突かれました。
ホラーコメディ作でありながら、ポップで目にも楽しい矛盾も楽しめます。
おふざけなので、細かいことは気にせずに鑑賞したら素直に笑えます。(女性 20代)
老人ホームの老人たちがゾンビに立ち向かうという斬新な設定のゾンビ映画。一見B級映画のようにも思えるが、ゾンビ映画の中でも比較的好きな作品である。
この作品で特に好きなのは、歩行器を掴んで必死に歩いている老人をゾンビが追いかけるシーンである。近年のゾンビ映画ではゾンビも俊敏に走り回るものが多いが、このシーンは稀に見る程遅い。とにかく遅い。ゆっくりと歩く老人をゆっくりと追いかけるゾンビ、思わずクスクス笑ってしまう。あまり有名な作品ではないが、ゾンビ好きにはオススメしたい作品。(女性 20代)
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