この記事では、映画『ロング・キス・グッドナイト』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『ロング・キス・グッドナイト』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『ロング・キス・グッドナイト』の作品情報

上映時間:121分
ジャンル:アクション
監督:レニー・ハーリン
キャスト:ジーナ・デイヴィス、サミュエル・L・ジャクソン、クレイグ・ビアーコ、パトリック・マラハイド etc
映画『ロング・キス・グッドナイト』の登場人物(キャスト)
- サマンサ・ケイン / チャーリー・ボルティモア(ジーナ・デイビス)
- 政府の下で暗殺者として働いていたチャーリーは、特殊任務の最中に敵に殺されかける。かろうじて生き延びたが、過去の記憶を全て失い、サマンサ・ケインとして生活していた。現在は優しい夫と一人娘の3人家族で平凡な主婦として暮らしている。
- ミッチ・ヘネシー(サミュエル・L・ジャクソン)
- 元警察官。窃盗で4年間刑務所に入り、出所後は探偵をしている。サマンサから過去の調査の依頼を受け、手がかりを持つ人物に一緒に会いに行く最中、サマンサの過去を知る敵に殺されそうになる。命を狙われたサマンサと共に真相を追う。
- ケイトリン・ケイン(イヴォンヌ・ジーマ)
- サマンサの一人娘。妊娠2ヶ月の時に記憶をなくしてしまったため、実の父親が誰かは分からない。
- ティモシー(クレイグ・ビアーコ)
- 過去に暗殺の標的である人物の情報を入手するためチャーリーが近づいた人物。CIAの諜報局長パーキンスと手を組み、テロに見せかけた爆破計画を遂行している。
- ルーク / デダラス(デヴィッド・モース)
- 8年前の暗殺の標的だった人物。記憶を失ったというサマンサを信用せず拷問するが、逆に殺される。
- パーキンス(パトリック・マラハイド)
- CIAの諜報局長。悪の一味であるティモシーと手を組み、陰謀を企てている。サマンサにCIAの陰謀が妨害されることを恐れ、殺害しようとする。
映画『ロング・キス・グッドナイト』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『ロング・キス・グッドナイト』のあらすじ【起】
8年目に記憶を失った状態で海岸に倒れていたサマンサ。その際妊娠2ヶ月だったサマンサは、父親が誰なのか分からないまま出産。その後結婚し、優しい夫と娘の3人で仲良く平凡に暮らしていた。
クリスマスシーズンになり、サマンサは地元のクリスマスパレードに参加する。その光景がテレビで放映され、その番組を偶然刑務所で見ていた片目のジャックと呼ばれる男は、サマンサの姿を見て驚愕する。死んだはずの女が生きている。そう、サマンサは彼が8年前に殺したはずの女だったのだ。そして、彼の片目を奪った女だった。
ある日、サマンサは車の事故を起こしてしまい激しく頭をぶつけてしまう。それをきっかけに少しずつ失われた記憶の中の自分が蘇ってくるのだった。自分が誰なのか分からないサマンサだが、今の自分とは全く違う荒々しい自分が時々顔をのぞかせるようになる。
そして、刑務所を脱獄したジャックに自宅で襲われたサマンサは、逆に彼を殺してしまう。自分は一体何者なのか。不安を感じるサマンサは、かつて身元調査を依頼していた探偵のヘネシーと、手がかりになる情報を元に過去の自分を探しに向かうのだった。
映画『ロング・キス・グッドナイト』のあらすじ【承】
二人はまずサマンサの過去の持ち物の中の本にメモされていたネイサン・ウォルドマン博士に電話をかけ会う約束をする。しかし、その電話は何者かに傍受されていた。
待ち合わせの駅で待っていると、銃を持った男たちに命を狙われ、間一髪のところをネイサンに助けられる。逃げる車中でサマンサは、ネイサンから自分の本名がチャーリーであること、そして政府の暗殺者であったことを聞かされるのであった。
到底信じられない話に二人はネイサンの言葉を疑い、彼を振り払って、今度はかつて婚約者であったルークと名乗る男に会いに行く。だが、彼こそが8年前の彼女の標的デダラスであった。
追いかけてきたネイサンによってそのことを知らされるが、3人はデダラスとその仲間に拘束されてしまう。ネイサンは殺され、サマンサは拷問される。しかし、拷問により記憶が蘇ったサマンサは、反対にデダラスを殺害する。
映画『ロング・キス・グッドナイト』のあらすじ【転】
過去をはっきりと思い出したサマンサは暗殺者としてのチャーリーに戻ろうとする。主婦だった自分を捨てるため家族のことは忘れようとする。髪型や化粧、話し方までチャーリーに戻ったサマンサ。だが、ヘネシーはそんな彼女の中に、まだ家族を思う気持ちがあることを知っていた。
工作員として復活をしようとCIAの諜報局長であるパーキンスに連絡を取ったサマンサだが、実はパーキンスも悪の一味であった。CIAの存続のために仕掛けた「ハネムーン作戦」をサマンサによって妨害されることを恐れたパーキンスは、サマンサのもとに殺し屋を送る。
CIAすらも敵であることを知り、国外逃亡を図ろうとするサマンサだが、悪の一味であるティモシーによって娘のケイトリンが人質に取られてしまう。ティモシーは8年前にサマンサがデダラスの情報を得るために近付いた男だった。
ケイトリンを助けるためサマンサとミッチは敵のアジトの前で様子を伺う。「私はきっと死ぬ。この顔も見おさめよ」と、これまで共に戦ったミッチに別れを告げ、サマンサは一人敵のアジトに向かうのだった。
無事に娘を保護できたのも束の間、ティモシーに見つかり、サマンサと娘は再び拘束されてしまう。そして、そこにやってきたパーキンスによって「ハネムーン作戦」の全貌が明らかになる。
「ハネムーン作戦」。それは、街でタンクローリーを爆発させ、それをイスラム過激派によるテロに偽装することであった。近年活動規制や予算を大幅カットされていたCIAは、組織の存続をかけ、罪のない市民を巻き込んだ犯罪計画を練っていたのだ。すでに、爆破させるタンクローリーや犯人となるアラブ人の遺体も準備されていた。テロ実施の時間は刻々と近付いているのだった。
二人を冷凍室に閉じ込め凍死させようとするティモシーに、娘が彼の子供であることを告白するが、一瞬動揺しながらもティモシーは扉を閉める。
映画『ロング・キス・グッドナイト』の結末・ラスト(ネタバレ)
冷凍庫の中で凍える二人だが、サマンサは建物を爆破させ危機を脱出。別の場所で拘束されていたミッチも爆破の威力によって外に吹き飛ばされ、逃げることができた。
命からがら逃げ出したサマンサとケイトリンだが、目を離したすきにケイトリンはこともあろうか爆破予定のタンクローリーに隠れてしまう。目的地に向かい出発したタンクローリーを追いかけるサマンサ。だがそこへティモシーが現れ、サマンサとの死闘を繰り広げるのだった。
どこまでもしつこく追いかけて来るティモシー。サマンサはケイトリンを助け、合流したミッチと逃げようとするが、ヘリで再び現れたティモシーは、容赦無く銃弾を浴びせてきた。
絶体絶命の中、サマンサは最後の力を振り絞り、ティモシーに銃を向ける。見事弾を命中させたサマンサ。「叫びながら死ね」サマンサのその言葉と同時に、ティモシーの体はタンクローリーの上に落ち、その直後爆発するのだった。
その後、パーキンスの罪が世間に明らかになり彼は起訴される。
サマンサとミッチは大統領に感謝され、サマンサは大統領からもう一度政府で働かないかと誘いを受けるが断るのだった。
美しいカナダの田舎町。サマンサはそこで家族と平和に生きる道を選択した。
映画『ロング・キス・グッドナイト』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
ジーナ・デイビスが可愛い!そしてカッコ良い!
記憶を無くした普通の主婦が、実は元CIA工作員だった、という設定が分かりやすい。いかにもハリウッドアクション映画という感じで、お金をかけて爆破しまくり。アクションはこうでなきゃ。
誰が味方で敵なのか、じっくり観てないとよく分からなくなってしまう映画と違い、気を抜いて娯楽映画のごとく楽しめる。
女性はメイクや服装で変わるが、覚醒した後の変身ぶりは素敵の一言。長身なのでハードな感じがよく似合う。
この映画のサミュエル・L・ジャクソンは超イケメンに見えた。役得とはこの事か。(女性 40代)
ジーナ・デイヴィス演じるサマンサが、実は暗殺者だったという展開が最高にスリリング。平凡な主婦から冷徹なスパイ“チャーリー”へと戻る過程は、痛快かつ悲哀を帯びていた。特に氷上でのアクションや、娘を守るために命懸けで戦う姿には胸が熱くなる。リーサル・ウェポン的なノリの中に、母としての強さと過去の罪への贖罪が込められており、90年代アクションの傑作と呼ぶにふさわしい一本。(30代 男性)
サマンサが記憶を取り戻してからの展開があまりに鮮烈。家庭的で優しい母親が、一転して冷酷な殺し屋として覚醒するギャップに圧倒された。サミュエル・L・ジャクソンとのコンビも抜群で、軽口とシリアスのバランスが絶妙。後半のカーアクションと爆破シーンは爽快そのもの。ラストで娘を救い出す姿には涙が出た。アクションとヒューマンドラマが見事に融合した快作。(20代 女性)
リュック・ベッソン的な強い女性像がここまで前面に出ている作品は当時珍しかった。ジーナ・デイヴィスの肉体的なアクションも見事だが、それ以上に「母であり暗殺者」という二面性の演技が光る。チャーリーに戻ることで失われていく“サマンサ”としての優しさが切ない。最後に娘を抱きしめるシーンは、殺し屋ではなく母としての勝利を感じた。90年代女性アクションの金字塔。(40代 女性)
ストーリー構成が非常に上手い。平和な生活の裏に潜む“もう一人の自分”というテーマは、スパイ映画の定番ながら飽きさせない。特にクリスマスの雰囲気と残酷なアクションの対比が印象的。ラストの吹雪の中での対決は、まるで絵画のような美しさ。全体を通してテンポがよく、90年代アクションの完成形を見た気がする。監督レニー・ハーリンの手腕が光る一本。(50代 男性)
昔観たときよりも今の方が深く感じた。母親としての愛と、かつての自分への恐怖が交錯するドラマとして観ると、とても人間味がある。サマンサ=チャーリーの再生物語でもあり、単なるスパイ映画ではない。娘を守るために“怪物”に戻る決断をする母親の姿が切なくて、胸が痛い。ジーナ・デイヴィスの表情の変化が本当に見事。(40代 男性)
最初は普通のクリスマス映画かと思いきや、途中から完全に別物に化ける。アクションのテンポ、ギャグのセンス、サミュエル・L・ジャクソンとの掛け合い、どれをとっても一級品。正直、90年代の中でも屈指の娯楽映画。後半の橋での爆破シーンは何度見ても鳥肌。サマンサが「I’m back」と言う瞬間のカタルシスが最高だった。(20代 男性)
強い女性主人公の原点のような作品。チャーリーに戻った後も母としての感情を捨てきれないサマンサの姿が人間らしい。アクションの派手さもさることながら、脚本の緻密さに感心。特に過去の自分と現在の自分の対比構造が見事。最後に娘と一緒に新しい人生を歩み始めるラストに、救いを感じた。心地よい余韻が残るアクション映画。(30代 女性)
何度観ても、序盤の穏やかな家庭描写からの豹変シーンがゾクゾクする。料理をしていた主婦が、突然ナイフを持つ暗殺者に変わる瞬間の演出が神がかっている。暴力の美学と母性の強さが融合した作品。ラストで娘を守りながら戦う姿には「これぞヒーローだ」と叫びたくなる。アクション映画史に残る名演。(50代 男性)
「女性版ボーン・アイデンティティ」と言いたくなる展開。自分の正体を探るサマンサの旅は、過去の罪と向き合う苦しみそのもの。記憶を取り戻すほどに、彼女は“母”ではなく“殺し屋”に戻っていくが、その中で娘への愛が唯一の光として描かれているのが美しい。バランスの取れた脚本で、今見てもまったく古さを感じない。(20代 女性)
映画『ロング・キス・グッドナイト』を見た人におすすめの映画5選
アトミック・ブロンド(Atomic Blonde)
この映画を一言で表すと?
氷のように冷たい美しさと灼熱のアクションが融合したスパイスリラー。
どんな話?
冷戦末期のベルリンを舞台に、英国諜報員ローレンが機密リストをめぐって陰謀に巻き込まれる。誰が味方で誰が敵なのか分からない緊張感の中、スタイリッシュなアクションとスパイゲームが展開。彼女の裏の顔と任務の真相が明らかになるにつれ、観る者はその冷酷さと孤独に惹かれていく。
ここがおすすめ!
『ロング・キス・グッドナイト』のサマンサのように、強く美しく戦う女性が主役。カーチェイス、肉弾戦、銃撃戦、どれも圧倒的な迫力で、シャーリーズ・セロンの演技が光る。スタイリッシュな映像と80年代音楽の融合がクセになる。女性スパイ映画の新たな代表作。
ボーン・アイデンティティー(The Bourne Identity)
この映画を一言で表すと?
記憶を失った暗殺者が、自分という謎を追い続けるサスペンスアクション。
どんな話?
海で発見された男ジェイソン・ボーンは、自分が誰かも分からないままCIAから追われる身に。追跡をかわしながら自分の正体を探るうち、かつて政府が生み出した暗殺計画の犠牲者であることを知る。記憶を失った男のアイデンティティをめぐる、サスペンスとアクションの融合。
ここがおすすめ!
『ロング・キス・グッドナイト』と同じく、「記憶を失った暗殺者」という共通テーマを持つ。リアリティ重視のアクション演出と静かな心理描写が見事。観る者を引き込むスピード感と陰謀の深さが魅力。シリーズ全体を通じて人間ドラマとしても完成度が高い。
ニキータ(La Femme Nikita)
この映画を一言で表すと?
罪人から殺し屋へ、そして“人間”へ――女性の再生を描くフランス映画の名作。
どんな話?
犯罪者として捕まった少女ニキータは、政府の極秘暗殺者として訓練される。新しい名前、新しい人生。しかし彼女は次第に“殺すために生きる”ことに疑問を抱き始める。愛と自由を求め、最後に下す決断が心を揺さぶる。
ここがおすすめ!
『ロング・キス・グッドナイト』の原型とも言える作品。冷酷な暗殺者としての生き方と、人間らしさの間で揺れる女性の物語。リュック・ベッソン監督ならではの美しい映像と詩的な演出が光る。静と動が同居する名作スパイ映画。
ペパーミント(Peppermint)
この映画を一言で表すと?
愛する家族を奪われた母の、静かで激しい復讐劇。
どんな話?
平凡な母親ライリーの家族がギャングによって殺害され、司法の腐敗により加害者は無罪に。すべてを失った彼女は姿を消し、5年後、戦闘訓練を受けた“復讐者”として戻ってくる。母親が正義を貫くために銃を手に取る、その怒りと悲しみが胸を打つ。
ここがおすすめ!
『ロング・キス・グッドナイト』のサマンサを彷彿とさせる“母としての戦い”。ジェニファー・ガーナーの熱演が圧巻で、感情の爆発と静かな怒りを見事に表現。暴力の中に母性が宿るというテーマが共通しており、アクション好きにもドラマ好きにも刺さる作品。
ソルト(Salt)
この映画を一言で表すと?
CIA諜報員が国家を揺るがす陰謀の渦に巻き込まれる、究極のスパイアクション。
どんな話?
CIAの敏腕エージェント、イヴリン・ソルトは、ある日突然“ロシアの二重スパイ”として追われる立場に。逃亡を続けながら自らの潔白を証明しようとするが、真実は想像を超える衝撃の展開へ。誰を信じるべきか、観客をも翻弄するスパイスリラー。
ここがおすすめ!
アンジェリーナ・ジョリーが全編で見せる肉体アクションは圧倒的。『ロング・キス・グッドナイト』のように、“信頼と裏切り”“正義と自己”というテーマをスタイリッシュに描く。スリリングな展開と変幻自在のヒロイン像が見どころ。女性スパイ映画の決定版。






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