映画『ポワゾン』の概要:1969年のフランス映画「暗くなるまでこの恋を」のリメイク版。愛する女性に裏切られ騙され続けてもなお愛し続ける情熱的な男をアントニオ・バンデラスが、美しい容貌とミステリアスな雰囲気で男たちを惑わす女をアンジェリーナ・ジョリーが演じる。
映画『ポワゾン』の作品情報
上映時間:116分
ジャンル:サスペンス
監督:マイケル・クリストファー
キャスト:アントニオ・バンデラス、アンジェリーナ・ジョリー、ジョーン・プリングル、アリソン・マッキー etc
映画『ポワゾン』の登場人物(キャスト)
- ルイス・バーガス(アントニオ・バンデラス)
- キューバでコーヒー豆の輸出会社を経営している裕福な男。アメリカから妻をめとり、幸福に暮らしていたが、妻は詐欺師であった。財産を盗まれ、裏切られてもなお彼女を愛し続ける。
- ジュリア・ラッセル / ボニー・カッスル(アンジェリーナ・ジョリー)
- ルイスの結婚相手のジュリアになりすまし、キューバにやってきたアメリカ人の女。本名ボニー。恋人のビリーと共謀し、ルイスの財産を奪うが、ルイスを本当に愛し始めてしまう。
- ダウンズ・メフィスト / ビリー・ウォルター(トーマス・ジェーン)
- ダウンズという名の探偵としてルイスの前に現れる。本名ビリー。ボニーの共犯者であったが、彼女が姿を消したため行方を追っている。
- エミリー・ラッセル(コーデリア。リチャーズ)
- ジュリアの姉。キューバに渡った妹から連絡がないことを不振に思い、手紙を送ってくるが、戻ってきた手紙の筆跡から、ジュリアが本当の妹ではなく別人であることに気がつく。
- アラン・ジョーダン(ジャック・トンプソン)
- ルイスの共同経営者であり友人。結婚のことでルイスに度々忠告し心配している。
映画『ポワゾン』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ポワゾン』のあらすじ【起】
監獄で死刑執行を控えたボニーという女が、身の上話を司祭に語るところから物語は始まる。
キューバでコーヒー豆の輸出の会社を経営する裕福なルイスは、アメリカからジュリアという女性を結婚相手として迎えた。写真と手紙でしかお互いを知らなかった二人。しかし、結婚式の当日船場にルイスがジュリアを迎えに行くと、そこには写真とは別人の女性が立っていた。
美貌の彼女は見た目で興味を持たれるのが嫌で別人の写真を送ったのだという。驚いたルイスだが、彼自身も自分が裕福であることを隠していたため、二人はお互いの嘘を許し、内心喜ぶのであった。
すぐさま結婚した二人だが、結婚生活は幸せであり、順調に愛を育んでいた。
手紙の内容とジュリアが話すことに違いがあることを、不思議に思うこともあったルイスだが、ジュリアは姉が手紙を読むため真実を書けなかったと言い、ルイスはその言葉を信じる。
ある日、アメリカ劇団の芝居を観に行った二人だが、席を立ったジュリアが舞台裏で、見知らぬ男と親しげに話すのを目撃する。嫉妬したルイスはジュリアを問い詰めるが、言葉巧みなジュリアにはぐらかされるのであった。
映画『ポワゾン』のあらすじ【承】
結婚後、ジュリアは次々と衣装を仕立て着飾り、裕福な暮らしを満喫していた。ルイスはいつでも妻がお金を引き出せるように口座を共同名義に変更する。友人のアランからは「自分を見失っている」と忠告されるが、彼のジュリアに対する愛はすでに深く、「全てを与え、全てを奪いたい」とジュリアへの気持ちを語るのであった。
ところがある日、アメリカを出発した妹から連絡が全くこないことを不振に思った姉のエミリーから手紙が届く。ルイスはすぐにジュリアに返事を書かせ、姉宛に送るが、今度はエミリーに雇われたダウンズという探偵がルイスの前に現れる。探偵は念のために彼女の様子を直接確認したいと言い、ルイスは数日後に予定を組むが、それを知ったジュリアは意味深な表情を浮かべるのであった。
探偵の訪問の前に事態は一変する。ルイスの元に姉のエミリーが突然現れたのである。エミリーは、送られて来た手紙はジュリアが書いた物ではないと言う。混乱するルイス。大急ぎで自宅に戻るのだが、すでに愛するジュリアは姿を消していた。さらにジュリアはルイスの預金のほとんどを引き出して逃げたのだった。
映画『ポワゾン』のあらすじ【転】
ジュリアを失い荒れた生活を送るルイス。そんなルイスの前に、かつてエミリーに雇われていた探偵のダウンズが現れる。ルイスはジュリアを探すよう依頼。ダウンズはエミリーの妹である本物のジュリアを探していた。
二人でジュリアが渡航の際に利用した船の関係者に話を聞き、旅の途中で本物のジュリアが、ルイスの知るジュリアに入れ替わったことが分かる。消えた本物のジュリアはどこに行ったのか。キューバの首都ハバナに手がかりがあると睨んだ二人は、そこで捜索を開始するのであった。
祭りで賑わうハバナで、ルイスは偶然にも彼の妻であったジュリアを見つける。怒りをぶつけるルイスにジュリアは泣きながら事情を話すのだった。
ジュリアには共犯者の男がいた。その男から事故にあった本物のジュリアの身代わりになるよう命令されたのだと説明する。そしてその共犯者は、以前芝居の舞台裏で密会していた男だった。ジュリアは途中で計画を中止したいと頼んだが聞き入れてもらえず、彼にルイスのお金を全て渡し、自分は逃げたのだと言う。
一度はジュリアを殺そうとするルイスだが、彼女をまだ愛していた彼は全てを許す。そして、彼女の本名がボニー・キャッスルであることを知る。
翌日、妻を見つけたことをダウンズに報告しようとするが、彼からボニーがジュリアを殺害した容疑にかけられていることを知らされ、ルイスはボニーを連れて逃げる。しかし、別の地に着いた二人をダウンズは追いかけて来たのだった。
「彼女を出せ」と迫って来るダウンズをルイスは銃で撃ち殺してしまう。人を殺し動揺するルイスに、ボニーは逃亡のための列車のチケットを購入して来るように言う。
一人になり、ダウンズの死体を前にしたボニーは「ビリー」と呟いた。そう、彼は探偵などではなく、ボニーのかつての共犯者ビリーであった。消えたボニーを探していたビリーは、あらかじめルイスの銃弾を空砲にすり替えていたため、死んでなどいなかった。
ボニーは彼から逃げようとするが、ビリーは彼女を力ずくで抑え再び計画を持ちかける。彼に逆らうことはできないボニーは、またしても彼の共犯者になるのだった。
さらに計画はエスカレートし、ボニーはルイスを殺害するようビリーから命じられる。しかし、ルイスはその現場を見てしまい、殺害計画についても知る。
密会場所から戻ったボニーはルイスの前にコーヒーを差し出す。それが毒入りであることを知っているルイスだが、彼はボニーに「今でも君を愛している」と最後の言葉を伝え、コーヒーを飲み干すのだった。
彼の深い愛に触れ、計画を後悔したボニーは、苦しむルイスを抱え、外で待つビリーから逃げる。だが、追いかけて来たビリーに見つかってしまう。ルイスは今度こそ本物の銃弾でビリーを打つ。そして、その手から銃を奪ったボニーはもう一度ビリーに向け引き金を引くのだった。
死にかけているルイスに何度も「愛している」と泣きながら伝えるボニー。彼女は殺人罪で捕まる。
映画『ポワゾン』の結末・ラスト(ネタバレ)
場面は再び監獄での告白シーンに戻る。
死刑執行前日、司祭に身の上話を語っていたボニーは、ルイスとの結婚式のショールを頭に被り、最後の祈りを共に祈ってくれるよう司祭に頼んだ。司祭は彼女を憐れみの目で見つめ、共に祈った。
翌朝、ついに死刑執行の時間。牢屋にはショールを被りひざまずき祈るボニーがいた。だが、ショールを取ると、そこにはボニーではなく、ボニーになりすました司祭がいた。彼女は司祭をも惑わし、脱獄したのだった。
消えたボニーが次に現れたのはモロッコであった。
ポーカーゲームをする男たちの周りで、一人の男に秘密の合図を送るボニー。そして、その相手は奇跡的に生き延びたルイスだった。
誰も二人を知らない土地でようやく一緒になれたルイスとボニー。テーブルを囲む男たちを前にルイスはボニーを熱く見つめながら「どんな代償を払おうと人には愛が必要」だと言う。微笑むボニー。二人はいかさまゲームで稼ぎながら夫婦として生きるのだった。
映画『ポワゾン』の感想・評価・レビュー
「暗闇へのワルツ」のハリウッド版リメイク作品なのでどのようなリメイクになっているのか楽しみにしていたが、個人的には「暗闇へのワルツ」の方が好きな展開だった。さすがハリウッド版と思うくらい派手な展開になっていたので、好き嫌いは別れてしまう作品だと思った。
アンジェリーナ・ジョリーがヒロインとなると何故か怪しく観えてしまうので、先入観は捨てて観ることをおすすめしたい。(女性 20代)
主演のアントニオ・バンデラスとアンジェリーナ・ジョリーがめちゃくちゃセクシーで官能的で大人な作品でした。キューバが舞台ということで異国感漂うのも良かったです。ボニーの正体やルイスに近づいた意図が分からずサスペンス的要素、そして最後は意外な返しもあり楽しめました。官能的で昼メロ的なドロドロ展開もあり、情熱的な愛の物語に色っぽい2人の主演キャストがバシッとハマり、雰囲気のある作品で印象に残る作品でした。アンジーのセクシーさは鼻血もの!アンジーファンには是非見て頂きたい作品です。(女性 30代)
アンジョリーナ・ジョリーとアントニオ・バンデラスの色気漂うラブサスペンス。男を狂わす妖しい魅力溢れるボニー役、まさに美しいバラには棘があるという言葉がピッタリでアンジーに、はまり役でした。展開が二転三転と変わっていきますが、ストーリーはいたって簡単です。愛を選んだラストも良く、最後の演出も粋でカッコ良かったです。アンジーファンにはとてもおすすめ、ストーリーよりも雰囲気を楽しむ作品で、とてもオトナな映画でした。(女性 30代)
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