この記事では、映画『ロスト・バケーション』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『ロスト・バケーション』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『ロスト・バケーション』の作品情報
上映時間:86分
ジャンル:サスペンス、アクション
監督:ジャウマ・コレット=セラ
キャスト:ブレイク・ライヴリー、オスカー・ジャネーダ、ブレット・カレン、セドナ・レッグ etc
映画『ロスト・バケーション』の登場人物(キャスト)
- ナンシー(ブレイク・ライブリー)
- 母の病気を治したくて医学部に入学したが、亡くなった為に自主退学している。趣味はサーフィン。気丈で賢い。妹と父の3人家族。
- カルロス(オスカー・ジャネーダ)
- 現地人の気の良い男性。ビーチの近くに居住しており、1人息子がいる。
映画『ロスト・バケーション』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『ロスト・バケーション』のあらすじ【起】
テキサスに住む医学部生だったナンシーは、休暇を利用しメキシコにある秘密のビーチへ、サーフィンをしにやって来た。ここまで送ってくれた気の良いカルロスは、ビーチの名前を決して明かさなかったが、ビーチの沖ではサーフィンを楽しんでいる男性達が見えた。
意気揚々と準備を済ませ、海へ入るナンシー。透明度の高い美しいビーチで良い波も来る。正に秘密の場所だった。沖の青年2人と打ち解け、しばらくは3人でサーフィンを楽しむ。
休憩の為、一旦浜へ戻ったナンシーは、スマホで画像を眺める。母親の画像だ。このビーチにはナンシーの母親もかつて来た事があり、母との思い出の場所でもあった。
そこへ妹から着信がある。ビデオ電話で風景を見せると、妹は感嘆の声を上げた。電話中に父親と交代して会話。医学部を辞めた事を咎められる。ナンシーの母親は病気で亡くなった。母の病気を治したくて医学部に入ったナンシーだったが、母の死により道を見失っていたのだった。
じき夕方になろうとしている。青年2人はナンシーに注意を促して海から出た。たった1人、海に残ったナンシー。現れたイルカを追って沖に出る。向かった先には、浅瀬に乗り上げたクジラの死骸があった。クジラの体は鋭い牙で、至る所が抉られている。危機を感じたナンシーは急いで浜へ向かった。しかし、波に乗ったナンシーをサメの影が追う。彼女はサメにボードを押されて転倒。波に揉まれて前後不覚となった。

映画『ロスト・バケーション』のあらすじ【承】
浅瀬で転がり、ようやく海上へ出たナンシーだったが突如、足に食いつかれる。出血で赤く染まる海を、急いでクジラの死骸がある方へ泳いだ。クジラの上へ登り、自分の左足を確認。太腿を大きく抉られていた。彼女は足首につけていたバンドを、太腿に巻いて止血をする。
浜辺にはまだ、2人の青年がいた。必死で助けを呼ぶも声は届かず、無情にも車は走り去った。クジラの死骸が揺れる。サメが死骸を押しているのだ。ナンシーは必死にしがみついた。近くには遊泳禁止の目印としてブイがあったが、そこまで泳ぐには遠すぎる。だが、躊躇している場合ではない。サメが死骸へ突進。海へ飛び込んだナンシーは、泳いで近くの島へ上陸した。人が1人、横になれる程の小さな島だった。周囲には何もない。
太腿の大きな傷を2つのピアスで縫合。上半身に来ていたウェットスーツで傷を覆った。一先ずの応急処置だ。そうして、陽が沈む。ブイに明かりが灯った。
濡れた体には、夜気が酷く障る。ウェットスーツの片腕を破り、腕以外は着用した。バンドがきつすぎるのか、血流が滞って足が動かない。バンドを緩め、ウェットスーツの片腕を足に通した。
島には傷ついたカモメが1羽、ずっといる。周囲を見回すと、泳げる距離に自分のボードが浮いていた。カモメに声をかけると、驚く事に彼女の言う事を聞く。ナンシーは暗い海を泳いでボードを取りに向かうも、サメの背ビレが見えた為、急いで島へ戻った。
映画『ロスト・バケーション』のあらすじ【転】
翌日、満潮まで6時間。カモメが煩く鳴く。ナンシーは浜辺へと目を向け、昨日の青年2人の訪れを知る。彼らは能天気にも彼女の元へ向かっていたが、1人がサメに襲われる。もう1人は急いで島へ来たが、海中へ引き込まれてしまった。
満潮まで25分。サメは飽く事なく、島の周りを泳いでいる。血の匂いを追っているのだ。ナンシーはカモメを捕まえ、傷ついた羽を修復した。
サメの行動と距離を分析。襲われた青年が持っていた、水中カメラを拾いに向かう。傷だらけになりながらも、カメラを拾った。しかし、浅瀬にいたナンシーをサメが襲う。サメがサンゴに怯んだ隙を突き、元の小島へ戻ったナンシー。カメラの記録を見る。
満潮まで10分。カメラに記録を残して、浜辺方面へと投げ込んだ。左足は出血多量により、壊死が始まっていて力が入らない。ブイまでは、およそ30から40メートルと目測。カモメをボードの切れ端に乗せて逃がした後、大量のクラゲが出現。彼女は勇気を奮って、島から離れた。
クラゲの間を縫うように進む。クラゲに刺されつつブイへ辿り着くも、老朽化していた梯子が抜けて、ナンシーは海へ投げ出されてしまった。必死にサメへ攻撃して、ようやくブイへと乗り上がる。ほっと息を吐く。そこで、遠くの海を通る船を見つける。
映画『ロスト・バケーション』の結末・ラスト(ネタバレ)
彼女はブイにあった信号弾を取り出して何度か撃つ。だが、船はその信号に気付かず、通り過ぎてしまう。絶望に打ちひしがれるナンシーを執拗に襲うサメ。
信号弾でサメに反撃をする。クジラの死骸から油が流れていた。そこへ弾を打ち込むと、火の手が上がり、サメにも引火。サメはブイへ突撃。古いブイは、ナンシーもろとも倒れてしまった。
更に追い打ちをかけるサメから必死に逃げる。ブイを留めていた鎖が外れそうになっているのを見たナンシーは、次の攻撃時に鎖へ掴まった。足のバンドを外して鎖に繋ぐ。留め金が外れた瞬間、彼女は鎖の重みで海底へ。それを追って来るサメ。錨には四方に鉄骨が突き出ていた。ナンシーがタイミングを計って身を翻すと、突進して来たサメは、突き出た鉄骨へ見事に突き刺さった。
浜辺でカメラの映像を見た少年は、父親のカルロスに助けを求めた。カルロスは浜辺まで流れ着いていたナンシーを救助。彼女は満身創痍で息を吹き返す。助かったのだ。羽を治したカモメも無事に、浜辺へとやって来ている。朦朧とした意識の中、ナンシーは母の笑顔を見た気がした。
1年後、テキサス州のガルベストンビーチに、回復したナンシーがいた。彼女は医学部を卒業し、無事に医師免許を取得。そして、父と妹を伴い再び、波乗りに向かうのだった。
映画『ロスト・バケーション』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
機械化や空中浮遊、ゾンビ化、超巨大な個体など、手法も数あるサメ映画が蔓延している中、割と正等な展開が楽しめる映画である。実際に起こり得そうな描き方をしている為、こんな状況になったらどうしようといった想像が掻き立てられやすく、臨場感的な部分でいえば、違和感無く楽しめるだろう。とはいえ、やはり規格外のサメといった存在に慣れてしまっている昨今、過度に期待しすぎると物足りなさを感じてしまう方もいるのではないだろうか。(男性 30代)
正当なサメ映画です。最近多いサメとゾンビが合体してたり、サメが空を飛んだり、そんなことは一切なくて、ただサメがリアルに迫ってきます。痛いのが苦手な方は絶対に観ない方がいいです。
亡くなった母が教えてくれた、秘密のビーチに休暇を利用し1人で向かう医大生のナンシー。演じるのはブレイク・ライブリーです。1人で行ったせいで、砂浜から離れてしまったせいで、サメの恐怖に襲われることになります。
ハラハラドキドキ、本当にパニックになりました。海に行くのが怖くなってしまう作品です。(女性 30代)
個人的にサメ映画はあまり好まないのだが、今作は別格。とにかく、リアルで切実な恐怖が伝わるし、岸が見えていて泳げば辿り着くはずなのに、というもどかしさがもう辛かった。そして、そんな状況でも諦めずに生き残ろうとする女子大学生。医者目指してて本当に良かったとも思うし、もし医学部じゃなかったらもう詰んでいるのではないか。日数が経てば、体力も落ちるし怪我も悪化するという状況の中、カモメだけが癒しだった。主人公に深く共感できる作品で、助かった時は本当に安堵した。それなのに1年後にまた海へ来るなんて、なんて強靭なメンタルなんだとむしろ感動してしまった。(女性 40代)
人間 vs サメのシンプルな構図ながら、息を呑むようなサバイバルが展開されていて、一瞬も目が離せませんでした。ナンシーがただの被害者で終わらず、自ら知恵と体力で状況を打開していく姿に手に汗握りました。特に岩礁での決死の応戦や、最後のブイでの頭脳戦はスリル満点!サメ映画=B級と思っていたけど、これは予想以上の完成度。ビーチの映像美との対比も絶妙でした。(20代 男性)
主演のブレイク・ライブリーの熱演に圧倒されました。ほぼ彼女一人で物語が進む中、怪我や恐怖、孤独感をリアルに表現していて、彼女の表情や仕草だけで観ていて感情移入してしまいました。サーフィンシーンの爽快感から一転、サメとの遭遇からの展開はまさに地獄。でも、最後に彼女が自分の意志と機転で勝利する姿には、思わず「かっこいい…!」と唸りました。(30代 女性)
90分という短めの尺なのに、密度が濃くてまったく退屈しない映画でした。サメ映画といえばジャンルとしては古典的ですが、本作は非常にスタイリッシュで現代的。BGMの使い方やドローン映像、ナンシーのスマホ画面を視覚的に組み込んだ演出も新鮮でした。サメの襲撃が来るぞという“間”の使い方も見事で、心拍数が上がりっぱなし。手軽にドキドキしたい人におすすめ!(40代 男性)
全編を通して「海の美しさ」と「自然の恐怖」のコントラストが見事でした。最初は開放的なビーチとサーフィンがとても気持ちよくて、旅行気分だったのに、サメが出てきてからの恐怖感は本物。特に足を負傷している中、岩礁で孤立して助けを待つあのシーンは、自分なら耐えられないと感じました。女性ひとりのサバイバル劇だけど、スリルと感動がしっかり詰まっていて見応えありました。(50代 女性)
シンプルな設定と少人数キャストにもかかわらず、こんなに緊張感のある映画が作れるんだと驚きました。サメに襲われて、岩礁に取り残された主人公がただ待つだけじゃなく、自分で打開策を見つけて行動していく展開に希望を感じました。最後、ブイを使っての作戦もスリリングで、まさに知恵と勇気の勝利。パニック映画ながら、女性の強さや人間の可能性も描かれていて好印象でした。(60代 男性)
開始10分で一気に世界観に引き込まれました。美しい海の映像とBGMでリラックスしていたら、急転直下の恐怖展開。サメが何度も顔を出すのではなく、見えないけどそこに“いる”という演出が上手くて、むしろそのほうが怖かったです。岩礁にいるカモメとのやりとりも癒しポイントでした。エンタメとサスペンスのバランスが絶妙で、最後まで集中して観られる良作です。(20代 女性)
正直サメ映画には食傷気味でしたが、本作は全然違いました。物語のテンポが良く、ナンシーのキャラクターにも感情移入しやすい。彼女が過去に抱えていた“心の痛み”と、サメとの戦いが重なることで、ただのパニックではない深みが出ていたと思います。映像も洗練されていて、恐怖の中にも美しさがある。女性の一人芝居としても秀逸な出来栄えで驚きました。(30代 男性)
映画『ロスト・バケーション』を見た人におすすめの映画5選
オープン・ウォーター
この映画を一言で表すと?
「絶望の海で、生存本能が試される究極のリアルサスペンス」
どんな話?
ダイビング中に海上で取り残されてしまった夫婦が、助けもないままサメの恐怖にさらされながら、極限のサバイバルに挑む実話ベースの海洋スリラー。限られた空間と状況の中で展開する緊張感が魅力です。
ここがおすすめ!
低予算ながらも、リアルな設定と恐怖描写が高く評価された作品。特に“何も起こらない時間”の不安と焦燥が非常にリアル。『ロスト・バケーション』と同じく、海の静けさが一転して凶器になる恐怖を味わえます。
ALL IS LOST 〜最後の手紙〜
この映画を一言で表すと?
「ひとりの男と海の闘い、その静けさが語る壮絶なサバイバル」
どんな話?
ヨットで航海中の男が、海のど真ん中で事故に遭い、通信手段もない中でただひとり生き延びようとする物語。セリフはほとんどなく、映像と主人公の行動だけで語られる異色のサバイバル映画です。
ここがおすすめ!
主演ロバート・レッドフォードの一人芝居が圧巻。派手な演出はないものの、じわじわと襲いくる死の恐怖と人間の底力が詰まった一作。『ロスト・バケーション』のような極限状況での闘いに惹かれる方に最適です。
ジョーズ
この映画を一言で表すと?
「“見えない恐怖”の元祖、スリラー映画の金字塔」
どんな話?
あるリゾート地で人喰いザメが人々を襲い始め、地元警察と専門家たちがそれに立ち向かう姿を描いた名作。サメ映画の原点にして頂点とも言える作品で、恐怖演出の巧みさが際立ちます。
ここがおすすめ!
スピルバーグ監督の出世作であり、サスペンスの教科書的存在。直接的なサメの描写が少ないからこそ、観る者の想像力を刺激し、恐怖が倍増。『ロスト・バケーション』の系譜を辿るなら絶対に外せない一本です。
127時間
この映画を一言で表すと?
「絶体絶命の中で、希望を捨てずに生き抜いた男の真実」
どんな話?
登山中に落石により腕を岩に挟まれた青年が、誰にも気づかれぬまま孤立し、127時間の末に自らの腕を切断して脱出を試みるという衝撃の実話を描いたサバイバルドラマ。
ここがおすすめ!
ほぼ一人の登場人物と限られた空間ながら、圧倒的な没入感。心理描写と映像演出が緊張感を高めます。『ロスト・バケーション』のように、極限状態での決断と生命力に心打たれる人におすすめです。
アドリフト 41日間の漂流
この映画を一言で表すと?
「愛する人と生き延びるために──運命と闘う海のドラマ」
どんな話?
航海中にハリケーンに遭い、船が大破。大海原にたったひとり取り残された女性が、怪我を負った恋人を守りながら、41日間サバイバルを続ける実話に基づいた感動のサバイバル・ロマンス映画。
ここがおすすめ!
絶望的な状況の中でも諦めず、知恵と愛で困難を乗り越えていく姿が感動を呼びます。壮大な海と美しい映像に加え、巧妙な時間軸の使い方で物語に深みが。『ロスト・バケーション』が好きなら間違いなく刺さる一作です。
みんなの感想・レビュー
映像が綺麗。死んだクジラの近くにいた活き餌を狙うのは当然としてサメはあまりにナンシーに固執し過ぎでは。まずクジラ食えよ。クライマックスは鉄製のブイを齧っちゃう。凶暴すぎ。独りぼっちのナンシーに懐くカモメかわいい。窮地に追い込まれながらカモメを助けサメと頭脳戦を繰り広げるナンシーは賢く優しい人だった。