映画『マー サイコパスの狂気の地下室』の概要:転校した先で友人を作ろうとするマギーは、不良グループから声をかけられ交流を持った。酒を求める彼らは偶然通りかかった中年女性スー・アンに買い物を頼んだが、彼女には恐ろしい裏の顔があった。
映画『マー サイコパスの狂気の地下室』の作品情報
上映時間:99分
ジャンル:ホラー、サスペンス
監督:テイト・テイラー
キャスト:オクタヴィア・スペンサー、ジュリエット・ルイス、ダイアナ・シルヴァーズ、コーリー・フォーグルマニス etc
映画『マー サイコパスの狂気の地下室』の登場人物(キャスト)
- マギー・トンプソン(ダイアナ・シルヴァーズ)
- 両親が離婚したため母の故郷へ引っ越してきた女子高生。転校先での孤立を恐れ、声をかけて来た不良グループと嫌々ながら交流を持つようになる。その内の一人、アンディに恋をする。
- スー・アン・エリントン / マー(オクタヴィア・スペンサー)
- 職場にも街にも居場所がなく、森の奥で孤独に暮らしている中年女性。代わりに酒を買って欲しいと頼むアンディに一目惚れし、毎週酒を買い与えるようになる。遂には飲酒運転や補導が心配だと言い、自宅の地下室をパーティ会場として利用させるようになる。
- アンディ・ホーキンス(コーリー・フォーグルマニス)
- 不良グループの一人。父ベンの社用車を乗り回し、河原で仲間達と飲酒を繰り返している。母をすい臓がんで亡くしている。マギーと互いに想いを寄せ合い、いつしか付き合うようになった。
- ヘイリー(マッケイリー・ミラー)
- 転校初日のマギーに声をかけてきた少女。初めこそつれない態度のマギーへ嫌味を言ったが、次第に打ち解けて親友になる。
- ベン・ホーキンス(ルーク・エヴァンス)
- アンディの父。ホーキンス警備社を経営しており、美術品の輸送などを行う。社用車全てに追跡装置を付けており、アンディがスーの家に出入りしていることを不審に思う。妻を亡くしてから、高校時代の友人メルセデスと性的関係を続けている。
映画『マー サイコパスの狂気の地下室』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『マー サイコパスの狂気の地下室』のあらすじ【起】
サンディエゴから越して来た女子高生マギーは、転校先の学校でクラスを探していた際、車椅子に乗った少女を介助した。昼食の時間になり、彼女は去年転校して来たと言うヘイリーからパーティに誘われた。マギーは飲酒すると言う彼女へ用事があると言い誘いを断ったが、放課後、母エリカが仕事のため不在になったので思い切ってヘイリーに連絡した。
ヘイリーを筆頭に、アンディが運転するバンに乗ったダレルとチャズらがマギーを迎えに来た。マギーは彼らから、スーパーを訪れる大人達に声をかけ代わりに酒を買ってきてほしいと頼むよう指示され、犬を連れた大柄な女性に声をかけた。女性一度断ったが、車から降りたアンディを見るなり快諾。酒を手に入れた一行は、河原の岩場で酒盛りをした。
女性の名はスーといった。彼女はマギー達に酒を買い与えた後、彼らが乗っていたバンに書かれた“ホーキンス警備社”という社名ロゴからアンディのフェイスブックを特定、ヘイリーやマギーのアカウントも芋づる式に特定した。
エリカは、飼い犬ルイの予防接種を受けるためブルックス動物病院を訪れた。そこはスーが勤める病院だった。
翌週もマギー達に頼まれ酒を買い込んだスーは、警察に見つかることを恐れて彼らを自宅まで案内し、地下室を自由に使って良いと言った。一度補導されている彼らは喜び、彼女の家に通うことになった。しかし、スーは上の階には上がらないよう強く言った。
映画『マー サイコパスの狂気の地下室』のあらすじ【承】
スーはマギーのインスタアカウントを見つけ、そこからエリカのアカウントに辿り着いた。二人はかつて同じ高校のクラスメイトであり、スーは彼女の職場を割り出すと、物陰からエリカの様子を伺った。店には彼女達の同級生であるメルセデスが、同じく同級生でアンディの父・ベンと来店していた。エリカは離婚して地元に戻ったことを恥ずかしそうに話し、酒に酔っていたメルセデスは彼女を馬鹿にした挙句、泥酔してガードマンに追い出された。
スーは、高校時代にエリカと昼食を摂っていた際、秘かに想いを寄せていたベンから用務室へ誘われたとこを思い出した。
マギーやアンディ達の電話番号を入手したスーは、彼らに平日も飲みに来るようビデオメッセージを送った。彼女の自宅の地下室は無料のパーティ会場として高校生達の間有名になり、毎日多くの人が集まっていた。
ヘイリーとマギーは、トイレを使うため言い付けを破って1階を訪れた。そこでスーが誰かと会話する声を聞き、二人は急いで家へ帰った。
アンディはマギーに告白し、二人は交際することになった。週末にはスーの元でステファニーの誕生会が行われ、彼女が用意した酒を飲んだマギーは記憶とイヤリングを無くした。翌日、スーは職場に犬用の催眠鎮静剤を戻した。
エリカにマギーとの交際を明かしたアンディは、警備会社を営む父がいること、母を病気で亡くしたこと、ベンにはメルセデスというセフレがいることを話した。エリカは彼らと同級生だと言い、メルセデスは高校時代から問題児だったと言った。
映画『マー サイコパスの狂気の地下室』のあらすじ【転】
地下室へ出入りする高校生達のスマホには、毎日のようにスーからのメッセージが届いた。気味悪がったヘイリーはインスタのストーリーでスーをブロックするよう呼びかけた。しかし、スーはすぐに新しい携帯番号を取得し、再び全員へメッセージを送り付けた。さらに、スーはステファニーのブレスレットやマギーのイヤリングを身につけており、ヘイリーの指輪まで奪っていた。
ヘイリーとマギーは、アクセサリーを取り戻すため彼女の家へ忍び込んだ。スーの部屋は高校生達の写真で溢れ返っており、親達の卒業アルバムもスクラップされていた。さらに、家の中には以前マギーが学校で助けた車椅子の少女が軟禁されており、彼女はスーの娘でジーニーと名乗った。ジーニーは外に出ることや、本当は歩けるにも関わらず歩行を禁じられていると明かし、そこでスーが帰宅したため二人は裏口から脱出した。
スーは、飼い猫の予防接種を受けに来たベンと20年ぶりの再会を果たし、彼に誘われパブを訪れた。彼は思い出話もそこそこに、何故アンディがスーの自宅へ出入りしているか問い詰めた。ベンはアンディが運転する社用車の追跡装置を取り出し、「今度息子に近付いたら俺がカタをつける」と忠告し去った。
マギーはアンディへ、スーは自分達と同年代の娘を匿っていること、親同士がスーと同級生であることを打ち明けた。しかし、アンディは「すい臓がんなの」と語ったスーの言葉を信じており、マギーの不信感は信用しなかった。
映画『マー サイコパスの狂気の地下室』の結末・ラスト(ネタバレ)
スーは高校時代の思い出を振り返った。片思いしているベンから用務室に呼び出された彼女は、強引に性欲処理をさせられた。そして廊下に出ると、クラスメイト全員が彼女を取り囲み馬鹿にした。当時の記憶を辿りながら怒りを露わにしたスーは、ジョギングするメルセデスをひき殺した。
その夜、ルイの悲鳴を聞いたマギーが彼の元へ向かうと、ルイは血を流して倒れていた。エリカはスーに相談しようと言ったが、マギーは彼女の家に出入りしていたことを告白し、スーには近寄らない方が良いと言った。それを聞いたエリカはマギーに怒り、外出禁止を言い渡した。一方ブルックス動物病院の犬舎には、スーによって殺害された上司の死体が置かれていた。
アンディの追跡装置がスーの家を示したため、ベンは彼女の元へ急いだ。しかし、ベンは催眠鎮静剤を打たれ気を失ってしまい、目を覚ました時にはベッドに縛り付けられていた。彼はスーによって片方の手首を切りつけられ、もう片方の手首からルイの血液を輸血された。
家を抜け出してアンディのいる地下室に来たマギーは、鎮静剤によって意識を失った彼の他に、ヘイリーやダレルが傷つけられる場面を目の当たりにする。アンディはスーに腹を刺され重傷を負ったが、自らの意志で犯行したジーニーはスーを突き飛ばし地下室へ閉じ込め、そのはずみで倒れたランタンの火が燃え広がった。
そこへエリカが人を連れてマギー達を助けに訪れ、ジーニーも彼女に付いていった。燃え盛る家に一人残されたスーは、ベッドに横たわるベンの死体に寄り添って微笑んだ。
映画『マー サイコパスの狂気の地下室』の感想・評価・レビュー
従順で無害だと思い込み、挙句自分より格下だと見下していた相手に追い詰められる復讐ホラー。現代版『ミザリー』のような雰囲気が漂う物語だった。
スーがSNSを駆使して、当時自分を虐げた同級生らの子供達から陥落させる構成には少々ぞっとした。当時の自分が謳歌できなかった青春を彼らと取り戻そうと、完全なるジェネレーションギャップを漂わせながらはしゃぐ彼女の姿も痛々しい。
とはいえ、マギーが越して来たタイミングでベンと15~20年ぶりの再会を果たしたスーにはいささか違和感があった。これまでは、彼と鉢合わせないよう監視していたのだろうか?多少の突っ込みどころはあるが、久々の「人怖」映画であった。(MIHOシネマ編集部)
本作は、両親の離婚で母の故郷に引っ越して孤独だったマギーが、近所に住むマーと知り合うことで恐怖にさらされる様子を描いたホラーサスペンス作品。
いじめられたことでそれまでの人生を楽しめなかった女の嫉妬がテーマとなっていて、サイコパスというよりはトラウマを抱えた女の復讐劇。マーを演じたオクタヴィア・サスペンサーの持つ不気味な雰囲気がとても好きだった。
テンポが良くて、思っていたよりサイコパス、ホラー要素は少ないので気軽に観れる作品。(女性 20代)
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