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映画『魔法少女まどか☆マギカ 前編 始まりの物語』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『魔法少女まどか☆マギカ 前編 始まりの物語』の概要:魔法少女となり、魔女と戦う少女達の物語。思春期の少女の心の惑いを細やかに描きつつ、魔法少女としての緻密な設定やストーリーの展開が人気。重くなりがちなストーリー展開ではあるが、軽やかなタッチで描かれたキャラクターがそれを中和している秀逸な作品。

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映画『魔法少女まどか☆マギカ 前編 始まりの物語』の作品情報

魔法少女まどか☆マギカ 前編 始まりの物語

製作年:2012年
上映時間:130分
ジャンル:ファンタジー、アドベンチャー、アニメ
監督:新房昭之、宮本幸裕
キャスト:悠木碧、斎藤千和、水橋かおり、喜多村英梨 etc

映画『魔法少女まどか☆マギカ 前編 始まりの物語』の登場人物(キャスト)

鹿目まどか(悠木碧)
中学2年生。何のとりえもない至って普通の少女。おっとりした性格で優しすぎるところが難。自己犠牲の精神を持つ。魔法少女としての秘められた才能は、歴代の魔法少女を遥かに凌ぐ。
暁美ほむら(斎藤千和)
黒髪の美少女で中学2年生。時を操作する稀有な能力を持つ魔法少女。どこか謎めいており、クールビューティー。ことあるごとに、まどかが魔法少女にならないよう邪魔をしている。
巴マミ(水橋かおり)
まどかの先輩で魔法少女。リボンと銃を操作する能力を持つ。まどかとさやかに魔法少女としての基本を教える。お菓子の魔女によって命を落とす。
美樹さやか(喜多村英梨)
まどかの親友。幼馴染の少年を救うため、魔法少女となる。レイピアとスピードの操作をする能力を持つ。ソウルジェムの真実を知り、心の均衡を失い病んでしまう。
佐倉杏子(野中藍)
何かとさやかを気にして心を配る姉御肌。利己的で口は悪いが、実は優しい心を持っている。鎖と槍を操作する能力を持つ歴戦の魔法少女。
キュゥべえ(加藤英美里)
本名インキュベーター。魔法少女の支援者であり、魔法の使者。口が上手く人間の情を理解しているも、感情がほとんどない。まどかを魔法少女にしようと甘言を説き続ける。

映画『魔法少女まどか☆マギカ 前編 始まりの物語』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『魔法少女まどか☆マギカ 前編 始まりの物語』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『魔法少女まどか☆マギカ 前編 始まりの物語』のあらすじ【起】

中学2年生の鹿目まどかは、主夫で優しい父親とキャリアウーマンである母親、幼い弟の4人家族。彼女はどこか、おっとりとした性格で親友の美樹さやかと一緒に毎朝登校している。
そんなある日、まどかのクラスに暁美ほむらという黒髪の美少女が転校して来る。

休憩時間。体調を崩したほむらから保健係である故に声をかけられたまどか。しかし、保健室へ向かう道中、家族を大切にしているなら今の自分から変わろうとするなと謎の忠告をされるのだった。

ほむらとは夢の中で会ったことがある気がするまどか。放課後はさやかと一緒にCDショップへ向かったが、名指しで助けを呼ぶ声を聞く。彼女は声のする方向へと向かい、猫のような生き物を助けるのだった。

だが、さやかとまどかは化け物が闊歩するおかしな世界へと足を踏み入れてしまう。2人を助けたのは学校の先輩である巴マミ。彼女はまどかが抱える生き物をキュゥべえと呼び、大切な友達だと言う。そして、信じがたいことに変身して化け物を倒してくれるのだった。

言葉を話す謎の生き物キュゥべえは回復後、唐突にさやかとまどかに自分と契約し、魔法少女になって欲しいと言う。願いを1つ叶える代わりに、魔法少女となり魔女と呼ばれる脅威と戦う。魔法少女が希望とすれば、魔女は呪いであり絶望の塊なのであった。

魔法少女は誰にでもなれるわけではない。選ばれた者のみが与えられる特別な力である。ただし、選ばれたからと言って、必ず魔法少女にならなければならないわけではない。選択は本人の意思に任され、さやかとまどかはマミと一緒に魔女退治の体験をすることになった。

人を助けるマミの姿を目にしたまどか。魔女は脅威でもあるが、不幸に陥る誰かを救うことができるのは素晴らしいことだ。キュゥべえはまどかの内に秘められている力は、歴代の魔法少女の誰よりも強いと甘言を説くのだった。

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映画『魔法少女まどか☆マギカ 前編 始まりの物語』のあらすじ【承】

魔法少女になることではなく、魔法少女になるための願いに思い悩むさやかとまどかだったが、下校時に魔女の卵であるグリーフシードを発見してしまう。急いでマミに知らせ、魔女退治をするマミの戦いを見守ることにした。戦況は終始マミが優勢に見えた。しかし、一瞬の隙にマミは魔女によって命を落としてしまう。まどかを追って来ていたほむらによって魔女は倒されるも、魔法少女が万能ではなく命を懸けるものであることを知った少女達。
翌日の昼、まどかとさやかは魔法少女になることを断るのだった。

このことで密かに喜んだのは、ほむらである。魔法少女とは、世界の裏側で命を懸けて密かに戦う存在である。魔女と戦い命を落とした少女は、世間で知られることもなく失踪者扱いとされ、遺体も発見されず弔われることもないのであった。
ほむらはまどかが魔法少女になることを反対している。むしろ、彼女が魔法少女の世界に関わることすらも厭うているようだった。

しかし、運命とは皮肉なもので。ほむらと別れた後、魔女の影響により追い詰められてしまったまどかは、魔女の世界へと引っ張り込まれてしまう。だが、そこへ姿を現したのは魔法少女となったさやか。彼女は瞬く間にまどかを助け、魔女を倒してしまうのだった。
さやかにはさやかの事情がある。彼女は命がけで守りたいものが見つかったため、必然的に魔法少女になったと言うのだった。

そんな親友さやかが心配なまどか。彼女はさやかを心配するあまり、魔女との戦いへ一緒に連れて行って欲しいと願う。さやかは彼女の協力を快く受け止め、夜のパトロールへと向かうのだった。

映画『魔法少女まどか☆マギカ 前編 始まりの物語』のあらすじ【転】

魔女の使い魔を発見したさやかは早速、倒そうと意気込む。しかしそこへ、見知らぬ魔法少女が現れさやかと激突。どうやら馬が合わない様子で激しい戦闘を繰り広げる。まどかは2人の戦いを止めようとキュゥべえに頼むも、キュゥべえはまどかを魔法少女にしたい。甘言に惑わされるまどかだったが、駆け付けたほむらによって喧嘩の仲裁がなされた。
魔法少女の佐倉杏子は早々に退散し、さやかも意識を奪われただけで無事に済んだ。

魔法少女はそれぞれに守る地域がある。さやかが守る地域はマミが守っていた地域だった。しかし、新米魔法少女であるさやかでは些か力不足。このままでは、まどかも危険に晒されるため、ほむらは地域拡大を目論む杏子にさやかが受け持つ地域を譲ろうと話をつける。

杏子は魔法を自分のために使う道具だと豪語して憚らない。利己的で口の悪い杏子は、さやかが魔法少女となった理由をバカにして彼女から地域を奪おうとする。
キュゥべえからの要請で杏子とさやかの決闘の場へ駆け付けたまどか。彼女はさやかを助けようと、さやかの魔法の元となるソウルジェムを投げ捨ててしまう。しかしその直後、さやかは魂が抜けたように力を失い倒れる。

キュゥべえ曰く、契約によってもたらされるソウルジェムは、魔法の核であり少女の魂でもある。故に、肌身離さず身に着けているソウルジェムが肉体から離れれば死に、当然壊されても死んでしまうと言うのだった。

この事実は杏子も知らなかったようで、キュゥべえに掴みかかる。投げ捨てたソウルジェムは、まどかに張り付いているほむらが追って行ったが、もしも失ってしまえばさやかは死んでしまうだろう。魂をソウルジェムにされた魔法少女は、傷ついても魔法で肉体を癒すことができる。だから、魔女と戦う際には効率的だと事も無げに言うキュゥべえ。
ほむらの活躍により、ソウルジェムはさやかの手に戻り、彼女は無事に息を吹き返すのだった。

映画『魔法少女まどか☆マギカ 前編 始まりの物語』の結末・ラスト(ネタバレ)

魔法少女の境遇と真実を知ったまどかは、ほむらに事情を聞いて涙する。奇跡は確かにあるが、それを贖う対価は酷く手に余るものだった。
魔力は少女の魂の輝きでもある。命を擦り減らしながら魔法を使えば魔女は倒せるが、輝きは失われる。故に、魔法少女は魔力を補充するために魔女を倒し、魔女が持つグリーフシードを手に入れなければならない。よくできた仕組みである。
キュゥべえは少女達の願いを聞き届ける代わりに、その命を使って戦わせているのだ。

数日後、真実に塞ぎ込むさやかの元へ、杏子が訪れる。彼女は町外れの廃墟となった教会へさやかを連れて行き、自分が魔法少女となった経緯を語って聞かせた。
少女の祈りは希望を与えるが、同じ分だけ絶望もまた巻き散らかされる。そうと悟った杏子は以来、自分のためだけに魔法を使っていると言う。だが、さやかは杏子の言い分に対して反対の意見を述べ、自分は戦い続けると言い切るのだった。

そんな折、さやかが思い寄せて救った少年が学校へ復帰。それと同時に友人の1人から、ライバル宣言されてしまう。さやかは魔法少女になったことで、もう普通の人生を歩むことができない。彼女はその夜、魔女との戦いで痛覚をマヒさせ、狂ったように戦う。そうしてさやかは、次第に心を病み始める。

その後もさやかは心に穢れを溜め込みながら、戦いへと身を投じ続け、彼女のソウルジェムは輝きを失い、黒く翳っていく。
まどかは親友が変貌していく様を嘆きながら、何もできない自分を責め続けていた。だが、キュゥべえはまどかへ魔法少女になればいいと言い続ける。またも心揺れるまどかの前にほむらが現れキュゥべえを屠る。

ほむらはまどかに対し憤っていた。まどかはいつだって、自分が何もできない弱者だと思い込み、誰かのために犠牲になろうとする。彼女を思いやる者のことなど、一切考えずに。
まどかは泣き崩れるほむらを置いて、さやかを探しに行ってしまった。

駅のホームにいたさやかを発見した杏子。だが、さやかのソウルジェムはすでに輝きを失っていた。絶望したさやかは魔女へと変容を遂げ、強大な力を有する世界を広げる。そうして、さやかのソウルジェムは魔女のグリーフシードに変化。
希望を抱く魔法少女が希望を失った時、ソウルジェムがグリーフシードへと変貌する。魔法少女の成れの果てが、実は魔女だったのである。
後半へ続く。

映画『魔法少女まどか☆マギカ 前編 始まりの物語』の感想・評価・レビュー

テレビ版前半部分の総集編。とはいえそれほど駆け足感はなく、テレビ版を観ていなくてもストーリーの理解に破綻はない。それにしても見事な設定を持つ作品だと思う。「魔法少女」と「魔女」の対比のアイデアは、思いついた人の言語センスに目が覚める思いすらあった。普通可愛いはずのマスコットキャラクター的存在「キュゥべえ」に感じる違和感の理由等は、ちょっとしたSF作品を凌駕する。普段こういう画風の作品に馴染みがない大人の人にもぜひできるだけ前情報なしで見て欲しい1本。(男性 40代)


TVシリーズの総集編だが、上手にまとめているので映画としても完成度が高い。まとめて見れる分、感情の流れや物語についていきやすいのはこちらかも知れない。

普段様々な作品で扱われる『魔法少女』という存在に震えるような設定を組み込んだ脚本には本当に脱帽する。映画のラストにそれを語るキュゥべえのセリフにゾクリさせられてしまう。我々が普段何の違和感もなく聞いている「魔法少女が実は」というアイディアはうまくやったなあと思う。(男性 30代)

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