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映画『マルタイの女』のネタバレあらすじ結末と感想。無料視聴できる動画配信は?

映画『マルタイの女』の概要:「ミンボーの女」の公開後、暴力団関係者に襲撃された伊丹十三監督は、しばらく警察の保護対象者(通称マルタイ)になっていた。この経験を生かし、カルト教団が起こした殺人事件を目撃した女優がマルタイになる脚本を書いた。伊丹十三監督は、この映画の公開から3ヵ月後、不可解な死(警察は自殺で処理)を遂げ、残念ながら本作が遺作となった。

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映画『マルタイの女』の作品情報

マルタイの女

製作年:1997年
上映時間:131分
ジャンル:コメディ、ヒューマンドラマ
監督:伊丹十三
キャスト:宮本信子、西村雅彦、村田雄浩、高橋和也 etc

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映画『マルタイの女』の登場人物(キャスト)

磯野ビワコ(宮本信子)
44歳の大物女優。殺人事件の目撃者となり、警察の護衛を受けることになる。いかにも“女優”といった人物で、わがままな一面もあるが天真爛漫で芸には厳しい。愛犬を子供のように可愛がっている。独身だが、編成局長の真行寺と不倫関係にある。
立花(西村雅彦)
ビワコの護衛を担当する刑事。クソ真面目な性格で、ビワコのように派手な女性が苦手。偶然コンビニ強盗を捕まえて、警官になることにした。父親も刑事。
近松(村田雄浩)
立花の部下。立花とともにビワコを護衛する。映画が大好きで、昔からビワコの大ファンだった。芸術面の知識が豊富。
波多野(名古屋章)
警視庁の管理官。立花と近松の上司。ビワコが目撃した殺人事件の捜査を担当し、ビワコに裁判での証言を依頼する。
大木珠男(高橋和也)
カルト教団「真理の羊」の信者。被害者の会の弁護士だった大山とその妻を殺害し、逃亡犯となる。年老いた母親と妻と幼い子供がいる。
ナカムラ(山本太郎)
真理の羊の信者。教団の武闘派。上からの指示でビワコの命を狙う。教団内に妻がいる。
エイジ(木下ほうか)
真理の羊の信者。ナカムラの相棒で、常に行動をともにしている。
二本松(江守徹)
真理の羊の顧問弁護士。やり手の弁護士で、ビワコの証言をやめさせようと画策する。
真行寺(津川雅彦)
ビワコの不倫相手。テレビ局の編成局長。ビワコとの関係は長い。

映画『マルタイの女』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『マルタイの女』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『マルタイの女』のあらすじ【起】

女優・磯野ビワコは、プライドの高い大物女優だ。共演する俳優や付き人に対しても厳しく、女優の卵の付き人は、ビワコに怒られて付き人をやめてしまう。

ビワコは芸には人一倍熱心で、今晩も外で発声練習に励んでいた。そこは劇団の稽古場の跡地で、ビワコには思い出の場所だった。その夜、すぐそばにあるマンションの一室に、宅配業者を装った男が押し入り、応対した妻を射殺してしまう。そこは大山弁護士の自宅で、大山はすぐに男の後を追う。

男と大山は外でもみ合いとなり、ビワコの目の前で大山が射殺される。ビワコは大声で叫び、男に襲われる。偶然車が通りかかり、男は仲間の待つ車で逃走。ビワコは救急車に同乗し、大騒ぎをして大山の無事を祈る。しかし大山は救急車の中で息絶える。

病院の外には、無線を傍受したマスコミが集まっていた。ビワコは裏口から逃げるが、警視庁の波多野に捕まり、現場検証に付き合わされる。波多野は、くれぐれもマスコミに事件の詳細は話さないようビワコに忠告するが、記者会見を開いたビワコは、調子に乗ってあれこれ喋ってしまう。

殺された大山弁護士は、カルト教団「真理の羊」の被害者の弁護を担当していた。犯人は教団信者の大木で、教団幹部や二本松弁護士とビワコの記者会見を見ていた。ビワコは威勢良く裁判での証言を表明し、犯人に自首するよう呼びかける。教団の顧問弁護士の二本松は激怒し、大木を逃亡させ、武闘派のナカムラとエイジにビワコを脅すよう指示を出す。

映画『マルタイの女』のあらすじ【承】

警視庁もビワコに教団から危害が及ぶことを予測し、刑事の立花と近松をビワコの身辺保護につける。ビワコは通称マルタイと呼ばれる警察の保護対象者となる。ビワコはモンタージュ写真の作成や事情聴取に協力していたが、自分が厄介な教団のターゲットにされると知り、証人を断りたくなる。

映画好きな近松は、昔からビワコの大ファンで、それを知ったビワコはすぐに機嫌がよくなる。堅物の立花は、自由奔放なビワコが苦手で、近松に“あまり浮かれるな”と注意する。ナカムラとエイジは、ずっとビワコの尾行を続けていた。

ビワコは第一線で活躍し続けるために、今も様々な稽古に励んでいる。立花と近松は全てのお稽古事に付き合い、下着の買い物にまで同行する。ビワコは、自分が食事中も外で待機している2人に同情し、高級な鴨料理を差し入れする。

毎日顔を合わすうち、ビワコと立花は少しずつ打ち解けていく。ビワコは事件現場へ行き、18歳で端役からスタートした女優人生の原点になる場所なのだと語る。

今日はホテルでセリフを覚えるからと言って、ビワコは2人に帰ってもらう。ビワコは、テレビ局の編成局長をしている真行寺と不倫関係にあり、ホテルで逢引する。立場上、ビワコも真行寺もスキャンダルはご法度で、この関係がバレないよう細心の注意を払っていた。

映画『マルタイの女』のあらすじ【転】

田舎へ逃亡していた大木は、田んぼの中にあるカラオケクラブで、地元の刑事のトロに指名手配犯だと気づかれる。トロは逃げる大木と格闘し、大木を逮捕する。

大木は完全に洗脳されており、逮捕後も抵抗を続ける。面通しのため警視庁を訪れたビワコは、大木の顔を見て犯人に間違いないと断言する。

取り調べを担当する波多野は、カルト教団の洗脳について学び、大木の自供を引き出そうとする。大木は、父親からひどい虐待を受け、自分を悪い子だと思い込んで生きてきた。その罪悪感から逃れるために真理の羊に傾倒し、完全に洗脳されてしまった。波多野は、母親や大木の妻子の話をして、大木を洗脳される前の人格に戻そうと試みる。

母親と妻子と面会する際、波多野は大木の手錠や腰縄を外してやる。“子供のことを大事に考えてやれ”という波多野の言葉に心を動かされ、大木は“やったのは俺です”と自供する。

二本松は大木と面会し、法廷では全面的に自供を否認するよう命令する。大木は難色を示すが、教団はすでに母親と妻子を人質にとっていた。二本松は、物的証拠がないので、ビワコの証言さえなければ、裁判に勝てると読んでいた。

ナカムラとエイジは、電気工事業者を装ってビワコの自宅に侵入し、ビワコの愛犬を殺して冷蔵庫に入れておく。我が子同然の愛犬を殺され、ビワコは強いショックを受ける。立花は、いつになく弱気なビワコを、誠心誠意励ます。

映画『マルタイの女』の結末・ラスト(ネタバレ)

そんな中、ビワコが主演を務める舞台の公演が始まる。急遽兵士役として舞台に立つことになった立花は、カチコチに緊張していた。初日の舞台は、大盛況のうちに終了する。しかし、カーテンコールへ出たビワコに、客席から若者が駆け寄り、警護の警官たちに取り押さえられる。ビワコは急いで楽屋へ逃げる。

楽屋には二本松が侵入していた。二本松は証言をやめるようビワコを説得する。さらに真行寺の名前を出してビワコを脅す。3百万円の口止め料を渡してきた二本松の卑劣なやり方に怒りを感じたビワコは、大声を出して立花たちを呼ぶ。

ビワコは真行寺を呼び出し、2人の関係が教団に知られたことを報告する。証言をやめなければ、このスキャンダルを公表すると脅されたが、自分は証言をやめるつもりはないと話す。真行寺はビワコの意思を尊重してくれる。しかし、それは2人の別れを意味していた。

真行寺との不倫スキャンダルが公表され、ビワコの舞台はガラガラになる。そのせいで、ビワコは主催者から舞台の降板を告げられる。検察庁では、検事が弁護士役を務めて裁判のリハーサルが行われる。そこでもビワコは屈辱的な質問をされ、証言せずに罰金を払うと言い出す。立花はビワコを叱り、命がけで守るから協力して欲しいと頭を下げる。

ビワコが失踪し、立花は事件現場へ急ぐ。立花の予想通り、ビワコは車内で泣いていた。そこへ教団信者たちが現れ、ビワコを襲う。危機一髪で立花が駆けつけ、信者たちをやっつけていく。しかし相手は立花を銃で撃って逃走する。ビワコは立花が死んでしまったと嘆き悲しむが、立花は防弾チョッキのおかげで無傷だった。ビワコは、立花も自分も生きていることに至福の喜びを感じ、勇気が湧いてくる。

裁判の日。ビワコは立花と近松に守られ、護送車で裁判所へ向かう。それをバイクに乗ったナカムラとエイジが追ってくる。裁判所を目前にして、ナカムラたちは金属バットで窓を割り、車内に火炎瓶を投げ込んでくる。立花はナカムラを撃ってビワコを守るが、火だるまになってしまう。ビワコや近松たちは必死で立花の火を消し、立花の命は助かる。ナカムラは死に、転倒したエイジも逮捕される。

マスコミに取り囲まれたビワコは、“これは私の花道です”と言って、晴れ晴れとした顔で裁判所へ入っていく。

映画『マルタイの女』の感想・評価・レビュー

ジャーナリズム精神溢れた作品にも見えるが、伊丹氏はそれでもこうした社会の闇をエンターテイメントにまで昇華させることができた人だった。悪を裁くこと、知らせることは記者の仕事。映画監督はそれを題材に面白い作品をつくる仕事。こんな強い人の死が自殺なわけないじゃないか。もしかしたら映画界を飛び越えて日本は偉大な人物を一人見殺しにしたのかもしれない。(男性 30代)

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