映画『めぐり逢えたら』の概要:1993年制作のアメリカ映画。監督・脚本は「恋人たちの予感」のノーラ・エフロン。出演はトム・ハンクス、メグ・ライアン、ビル・プルマン、ロス・マリンジャー、ロージー・オドネルなど。
映画『めぐり逢えたら』 作品情報
- 製作年:1993年
- 上映時間:105分
- ジャンル:ラブストーリー
- 監督:ノーラ・エフロン
- キャスト:トム・ハンクス、メグ・ライアン、ビル・プルマン、ロス・マリンジャー etc
映画『めぐり逢えたら』 評価
- 点数:80点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★★★☆
- キャスト起用:★★★★★
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★★☆☆
- 設定:★★★★☆
[miho21]
映画『めぐり逢えたら』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『めぐり逢えたら』のあらすじを紹介します。
建築家のサム・ボールドウィン(トム・ハンクス)はガンで妻を亡くし、失意の底に落ち込んでいた。気分を一転させるために、サムは一人息子のジョナ(ロス・マリンジャー)を連れて、雨の街シアトルへと引っ越してくる。ジョナは落ち込んでいるサムのために、なんとか新しい奥さんを見つけようと思い、ドクター・マーシャ(キャロライン・アーロン)のラジオ相談所へ電話をかける。「シアトルの眠れぬ男」として全米に紹介される事になったサムは、亡き妻への想いを語る真面目な男性として一躍女性たちの人気者になるのだった。
一方、シアトルの反対側であるボルチモアに住む新聞記者のアニー・リード(メグ・ライアン)は、婚約者ウォルター(ビル・プルマン)との関係に悩んでいた。そんなある晩、アニーはラジオから流れる「シアトルの眠れぬ男」の声を聞き、思わず涙を流してしまう。今現在の状況が本当に自分にとっての幸せなのか自身が持てていなかったアニーは、いつの間にか声しか聞いた事のないはずのサムに心を惹かれていくのだった。
こうしてシアトルとボルチモアに住む二人の男女は、お互いに会う事もないまま、いつしか距離が縮まって行く。ジョナはそんな二人をなんとかくっつけようと計画を立てるのだったが……。
果たしてサムとアニーの恋の行方とは……?
映画『めぐり逢えたら』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『めぐり逢えたら』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
ノーラ・エフロン、トム・ハンクス、メグ・ライアンというゴールデントリオ
今作の出演者は、1990年代当時のラブコメ映画界において定番中の定番という二人が顔合わせをしている。トム・ハンクスとメグ・ライアンである。トム・ハンクスは「ビッグ」で脚光を浴び、メグ・ライアンは「恋人たちの予感」で注目を浴びる。そんな二人と、ラブコメ映画の名手ノーラ・エフロンのトリオが集結している以上、この映画が面白くない訳がない。ちなみに今作の前の「ジョー、満月の島へ行く」と、この映画の後の「ユー・ガット・メール」と三度も共演を果たしているトム・ハンクスとメグ・ライアンの、息の合った演技合戦は見ものである。
主人公二人がなかなか出会わない恋愛映画
今作は恋愛映画としては珍しく、主人公二人がなかなか出会わないという構成が特徴である。お互いに心が惹かれ合っているものの、実際に出会うのはラストカットまで待たないといけない。これは今までの恋愛映画にはなかったパターンであり、非常に面白い。つまりは恋愛の始まりの始まりを描いている作品なのだ。
この映画の5年後の1998年に、ブラッド・アンダーソン監督が「ワンダーランド駅で」という映画で同じような手法を使っている。紆余曲折があった男女が、ようやくラストカットで出会うというシチュエーションは、この「めぐり逢えたら」がなかったら生まれなかっただろう。そういう意味でも、恋愛映画史上、非常に重要な作品だと言える。
だがこの映画は、このワンアイディアだけが魅力なのではない。主演二人ももちろんだが、脇を固める登場人物も魅力的だ。アニーの恋人ウォルターを演じるビル・プルマンの抑えた演技も素晴らしい。本来なら彼もラブコメ映画界の定番人物であるが、今作では脇役に徹しながらも、潔く身を引いていく好人物をさらりと演じている。
ロマンチックなセリフと雰囲気に溢れた、恋愛映画の傑作である。
甘さを抑えつつもロマン溢れる恋愛映画。公開から30年弱しか経っていないにも関わらず、今とは物事の進み方のテンポが違うことを感じずにいられない。この今の世の中と若干違うことが、ファンタジー度合いを高めている。なによりまず、二人の恋愛が動き出すきっかけが「子供が父親を思ってラジオに電話」というところが憎めない。携帯電話の登場以降は味わいにくくなった、待ち合わせ場所にいるのかいないのかというドキドキもどこかノスタルジックで良い。映画の醍醐味の一つである、非日常を味わう楽しみが存分にある1本。(男性 40代)
トム・ハンクス、メグ・ライアンの若いころの作品です。恋愛映画ですが、お互いが共演する時間は本当に少なく、恋愛映画としての共演時間は最短なのではと思ってしまいました。逢ったこともなく、遠く離れた別々の場所にいるのにどこかで相手のことが心から離れない運命の恋が描かれています。以前はそれほど共感できる部分がなかったのか、見逃していた場面が観返すことによって見えていることがあります。観るときの自分の経験や、感情で映画に対する評価は変わってくるなと改めて感じた作品でした。(女性 40代)
映画『めぐり逢えたら』 まとめ
トム・ハンクスとメグ・ライアンの2度めの顔合わせである恋愛映画。アメリカの両極端に位置するシアトルとボルチモアを舞台に恋愛模様が描かれるという展開がまず面白い。そんな二人の架け橋となるのがラジオ番組というのもナイスアイディアだ。アカデミー賞脚本賞にノミネートもされている監督のノーラ・エフロンは、後にラジオ番組をインターネットメールに置き換えた「ユー・ガット・メール」も制作している。昔とは違い、遥か遠い距離にいる男女の恋愛映画が成立する時代になった今、彼が次にどんなラブストーリーを生み出してくれるのかは非常に興味深々である。彼の作品の原点ともいえる「めぐり逢えたら」は、恋愛映画のお手本と言っても過言ではないだろう。
みんなの感想・レビュー
トム・ハンクス&メグ・ライアンのゴールデン・カップルが光ります…。擦れ違いドラマの佳さがラストシーンでロマンチックに!ジャーナリズムを学んだメグ・ライアン が素の魅力で迫ったドキュメンタリー風のタッチもお伽噺の様な本編に不思議なリアリテイを与えた…。