映画『めぐり逢い(1957)』の概要:『めぐり逢い』(原題:An Affair to Remember)は、1957年公開のアメリカ映画。監督はレオ・マッケリー、主演はケーリー・グラントとデボラ・カー。この作品は、同じ監督によって1939年に公開された『邂逅』(Love Affair)のリメイク作である。
映画『めぐり逢い』 作品情報
- 製作年:1957年
- 上映時間:115分
- ジャンル:ラブストーリー
- 監督:レオ・マッケリー
- キャスト:ケイリー・グラント、デボラ・カー、リチャード・デニング、ネヴァ・パターソン etc
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映画『めぐり逢い』 評価
- 点数:80点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★★★☆
- キャスト起用:★★★★★
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★★★★
- 設定:★★★★☆
[miho21]
映画『めぐり逢い』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『めぐり逢い』のあらすじを紹介します。
画家であるニッキーは、ニューヨークへ向かう船の中でテリーという女性と出会う。船旅の間、途中ニッキーの祖母の家を訪れるなど一緒に過ごす中で二人は愛し合うようになる。しかしお互いにすでに婚約者がいる身であり、終わらせなければならない恋だった。二人は半年後にエンパイアステートビルの展望台で再会することを約束し、ニューヨークに到着すると同時にそれぞれの婚約者の元へ戻っていった。
ニッキーはやはりテリーを忘れることができず、婚約者と別れて約束の場所エンパイアステートビルでテリーを待つ。激しい雷雨の中ずっと待ち続けるが、とうとうテリーは姿を見せることはなかった。
実はその日、テリーは約束を果たすために約束の場所へ向かう途中で交通事故にあってしまったのだった。テリーは事故により歩けない体となり、ニッキーに負担をかけることはできないと、再会して自分の想いを伝えることを諦める。
何も知らないニッキーは、テリーのことを諦めてアメリカを去ろうとしていた時、あるコンサートで偶然テリーと再会する。なぜあの日約束を破って来なかったのか知りたかったニッキーは、クリスマスの日にテリーの家を訪ねる。
驚きながらもソファーに座ったままのテリー。ニッキーはあの日来なかったことを責め、亡くなった祖母の形見のショールをテリーへのプレゼントとして渡して帰ろうとする。
ショールを羽織ったテリーの姿を見て、ニッキーは「君のその姿を絵にしたのだ」と話す。「持ち続けていてもしかたがないから手放した」「画商がいうには絵を気に入った女性は貧しくて…」と話しているうちにハッと気づき、テリーの寝室で自分が描いた絵を見つける。そこでやっとあの日起こった悲しい事実を知り、ようやく二人は結ばれるのだった。
映画『めぐり逢い』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『めぐり逢い(1957)』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
なぜ再会の場所がエンパイアステートビルだったか
当時ニューヨークで最も高いビルだったエンパイアステートビル。ニューヨークのシンボルでもあったし、様々な映画でも使われていて、いわば映画の中では使い古されてきたビルだった。
では、なぜ本作でエンパイアステートビルの展望台が再開の場所に設定されたのか。これが後半の展開のカギなのである。
お互いを想い合ったまま別れ、やっと半年。二人ともはやる気持ちで待ち合わせ場所に向ったのだろう。テリーはやっとニッキーに再会できることを喜んでいた。早く向かおうと急いでいた。やっと間近に迫ったエンパイアステートビルは、世界一高いビルだ。その展望台にずっと待ち望んでいた人がいると思うと、ついつい見上げてしまうのではないだろうか。テリーははやる気持ちとあいまって、目的の場所つまり上しか見ていなかったのである。
そして悲しい事故が起こり、ラストに向って展開していくのである。テリーの心情を考えれば、なぜ事故にあってしまったのかがわかる。人の心理と行動をよく理解した上の演出で、そのためにエンパイアステートビルが設定されたのである。
約束をした二人が事故で引き裂かれるという設定はありきたりだが、なぜそうなったかがしっかり説明できるうまい演出である。
ラストシーンの巧妙な仕掛け
ニッキーがテリーの家を訪ねて真相を知るラストの場面は、怒涛の展開で涙を誘う。ここでのポイントはやはり絵である。
ずっと座ったままのテリーから、絵を譲った女性を思い出し、そこから真相にたどり着く様は謎解きのようで観ていて感情が高ぶる。
ニッキーはテリーの寝室で絵を見つけるのだが、カメラはその絵を直接は映さない。部屋に入ったニッキーの背後にある鏡に映った絵をカメラはとらえているのだ。絵を見てやっとあの日テリーの身に起きたことを知るニッキーの表情と共に、鏡越しの絵を映し出す演出は巧妙である。
映画『めぐり逢い』 まとめ
この作品で残念だったのは、船の上での場面や祖母の家の場面など、明らかにセットだとわかる安っぽさで、ストーリーと合わずに気が逸れてしまう点である。
昔の映画では船のシーンの背景が合成であることはよくあるので、仕方がないことではあるが、やはり興が冷めてしまう。
また、映画の設定・ストーリーだけみると、どこにでも転がっているようなありふれた内容である。
それでもこの作品が色褪せず、今でも名作と呼び声高いのは、素晴らしい演技と演出があったからであろう。エンパイアステートビルで再会を約束するというのはロマンティックだし、ラストシーンの展開は何度観てもいい。主役二人の会話のテンポがとてもよく、間の取り方もとても良かった。
ハッピーエンドで、観終わった後気分が晴れやかになる映画である。
みんなの感想・レビュー
冒頭の出会いで、シガレットケースを巡ってデボラ・カーが”I might as well confess a jewel thief”言う台詞がありますが、これは2年前1955年の「泥棒成金(To catch a thief)」に引っかけた「いきな台詞」と考えたのですが如何でしょうか?
当時の娯楽の主役は米国といえども映画であったのではと推測して「受けた」と思うのですが・・・。