映画『小さな恋のメロディ』の概要:1971年に製作されたイギリスの恋愛映画。原題は「Melody」だが、邦題は「小さな恋のメロディ」。「ミッドナイト・エクスプレス」で有名になったアラン・パーカーが、初めて関わった作品でもある。
映画『小さな恋のメロディ』 作品情報
- 製作年:1971年
- 上映時間:106分
- ジャンル:ラブストーリー
- 監督:ワリス・フセイン
- キャスト:マーク・レスター、ジャック・ワイルド、トレイシー・ハイド、シーラ・スティーフェル etc
映画『小さな恋のメロディ』 評価
- 点数:95点/100点
- オススメ度:★★★★★
- ストーリー:★★★★☆
- キャスト起用:★★★★★
- 映像技術:★★★★★
- 演出:★★★★☆
- 設定:★★★★★
[miho21]
映画『小さな恋のメロディ』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『小さな恋のメロディ』のあらすじを紹介します。
ダニー・ラティマーは、矛盾を感じながらも過保護な母親の言う通りに生きる真面目な少年。
母親に言い含められて少年軍に入隊したダニーは、同じクラスの悪ガキ、オーンショーと友達になる。
ダニーの家とは違ってオーンショーの家は貧乏だったが、2人は親友としてうまくやっていた。
ある日、女子のダンスを覗いていたオーンショーはダニーも誘うが、そこにいたメロディという少女にダニーは一目惚れ。
やがて学校では、ダニーがメロディに夢中だと噂になる。
遊んでばかりいたダニーは授業についていけなくなり、オーンショーと共に呼び出されてお尻を叩かれることになってしまう。
オーンショーは、お尻にタオルを詰めれば痛くないと助言するが、それが先生にばれたダニーは痛い思いをする。
教室の外で待っていたオーンショーは、ダニーを待っているメロディを見かける。
オーンショーが呼び止めるのも聞かず、ダニーはメロディと手をつないで走り去ってしまう。
翌日、ダニーとメロディは学校をサボって遊びまわる。
登校して大目玉を食らう2人だったが、ダニーは堂々とメロディと結婚するのだと話し、メロディも同意する。
オーンショーにメロディとの仲をからかわれたダニーは激怒、メロディも周囲から好奇の目で見られ、落ち込む2人は駆け落ちを計画する。
映画『小さな恋のメロディ』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『小さな恋のメロディ』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
日本で大ヒットした名作
製作国のイギリスやアメリカでは売れなかったものの、日本では大ヒットした事で有名な作品。
未だに根強い人気があり、「午前十時の映画祭」などにもラインナップされている。
作中に使われている曲は全てイギリス出身のバンド、ビー・ジーズ(Bee Gees)のもので占められており、日本でのみサウンド・トラックが販売されている。
テーマソング「メロディ・フェア」を中心に、それぞれの場面にピッタリの曲が流れ、懐かしさとオシャレ感が一緒になった街並みや学校などの風景を楽しめる。
40年以上前の作品ということもあり、古さを感じる演出も多いが、それがいい味を出している。
しかしビー・ジーズの曲を流し過ぎていて、登場人物の台詞が極端に少なくなっており、ストーリーの中身が薄くなってしまっている。
11歳の瑞々しい初恋
主人公ダニーと親友オーンショーの友情も描きつつ、ダニーとメロディの初々しい初恋の様子が綺麗に描かれている。
オーンショーと仲良くしたいがために、銅貨(お金)をちらつかせたダニーを蔑んだオーンショーが、メロディと帰ろうとするダニーの事を同じように引き止めるなど、男の子の友情の描き方もリアル。
ファーストキスの話題で盛り上がる女の子と違い、恋愛は恥ずかしいと感じる男の子の心境が、メロディと仲良くなろうとするダニーを戒めるオーンショーの行動に現れている。
ダニーとメロディが「大人になるまで待てないから、今すぐ結婚する」と宣言するのは、11歳という大人と子供の中間を漂う年頃だからこその極論。
仲直りしたオーンショーが神父役になってダニーとメロディの結婚式を仕切ったり、押し寄せてきた教師やダニーの母親に反撃をするシーンは、いくつになっても心をくすぐるものがある。
可愛いの一言です。大人になっても友達付き合いや恋愛が上手くいかない人間は沢山います。それを考えるとダニーの勇気や行動力は素晴らしくて、純粋で真っ直ぐな心はとにかく可愛かったです。
オーンショーとの友情は11歳らしい無茶なことをしてやりたい放題なのに、メロディに恋してからはちょっと大人びた行動をしてみたりとその大胆さにも驚きました。
年齢的にはまだまだ子供な11歳ですが、恋する気持ちは大人顔負けでそのピュアな心には大人は勝てないなと思ってしまうでしょう。(女性 30代)
映画『小さな恋のメロディ』 まとめ
邦題は「小さな恋のメロディ」だが、原題は「Melody」、ハリウッド公開時には「S.W.A.L.K」(Sealed with A Loving Kissの略語)に変更されたが、アメリカでは通じにくい略語だったために「Melody」に変更された経緯を持つ作品。
可愛らしいヒロインのメロディと、あどけなさが残る主人公ダニーの11歳の純粋すぎる初恋や、ダニーの親友で悪ガキのオーンショーとの男の子独特の友情が、ビー・ジーズの曲をバックに表現されている。
何度見ても子供心をくすぐる作品で、透明感のある初恋の様子は大人になっても楽しめる。
2006年に亡くなったオーンショー役のジャック・ワイルドは、撮影時は17歳だったというから驚き。
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