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映画『アタック・オブ・ザ・キラー・トマト』あらすじとネタバレ感想

映画『アタック・オブ・ザ・キラー・トマト』の概要:1978年に公開された、ジョン・デ・ベロ監督の超低予算B級パニックホラー映画。一部の層からは熱狂的な支持を受けている。3作の続編映画、アニメ、ゲームも製作された。

映画『アタック・オブ・ザ・キラー・トマト』 作品情報

アタック・オブ・ザ・キラー・トマト

  • 製作年:1978年
  • 上映時間:87分
  • ジャンル:ホラー、コメディ
  • 監督:ジョン・デ ベロ
  • キャスト:デイヴィッド・ミラー etc

映画『アタック・オブ・ザ・キラー・トマト』 評価

  • 点数:50点/100点
  • オススメ度:★★☆☆☆
  • ストーリー:★★☆☆☆
  • キャスト起用:★★☆☆☆
  • 映像技術:☆☆☆☆☆
  • 演出:★☆☆☆☆
  • 設定:★★☆☆☆

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映画『アタック・オブ・ザ・キラー・トマト』 あらすじ(ストーリー解説)

映画『アタック・オブ・ザ・キラー・トマト』のあらすじを紹介します。

アメリカのとある町で女性の変死体が発見される。
なぜか彼女の遺体の周りにはトマトジュースがこぼれていた。
やがて、トマトが人間を襲うというありえない事件が各地で起こり始め、捜査官のメイスン・ディクスンは、報道官のジム・リチャードと共に捜査にあたる。

その頃、政府の極秘会議が開かれていた。
実は政府が極秘に開発していた巨大トマトが突然変異を起こし、人々を襲い始めたのだった。
銃や除草剤が効かない凶暴トマトに対応すべく、これまた極秘開発されていた、半アンドロイド人間のブルースが送り込まれる。
しかし、予算が足りずに片足しかアンドロイド化されていなかったブルースは、使い物にならなかった。

そこで政府は、最後の切り札として4人の人間を送り込む。
ボンベを片時も手放さない潜水の達人グレッグ、ステロイドが好物の元水泳メダリストのグレタ、黒人だが白人の付け鼻をつけている変装の達人サム、開いたままのパラシュートを引きずりながら日本刀を振り回す、軍のパラシュート部隊のフィンレター大尉。
しかし彼らも凶悪トマトの前では歯が立たなかった。

そんな中、トマトに関する極秘情報を手に入れたゴシップ記者のロワスは、メイスンに取材を申し込む。
一方、ジムは凶悪トマトの弱点を発見する。
それは全米ヒットチャート1位の「思春期の恋」という歌だった。

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映画『アタック・オブ・ザ・キラー・トマト』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『アタック・オブ・ザ・キラー・トマト』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

事故すら利用するという恐ろしい作品

一部の層からはカルト的人気を博しているB級映画で、日本では「Z級映画」と呼ばれることも多い、有名なおバカ映画。
序盤で唐突に流れる飛行機事故の映像は、撮影中に偶然遭遇し、カメラに収めた本物の事故シーン。
本当は死者がいなかったにもかかわらず、「パイロット死亡」という嘘と共に宣伝に利用し、ちゃっかり本編にも登場させている。
制作費のほとんどは、この事故に関するものだとも言われている。

トマトの恐怖

政府の極秘プロジェクトによって作られたトマトが凶暴化し、人々を襲い始めるというパニック映画だが、そのトマトのクオリティが酷すぎる。
襲い掛かるトマトの下の台車が丸見えだったり、トマトを動かしている足がちらちら見えたりする。
農務省の人々が凶悪トマトに襲われているシーンは、ただトマトを投げつけただけ。

終盤に登場する凶悪トマトのボスが、ヘッドフォンで歌を聞かないようにしていたという構図、楽譜を見せることによってボスも敗れ去るというシーンにも、開いた口がふさがらない。
人を襲ったトマトを映した場面が、突然コマ送り状態になるのもこの映画の恐ろしさのひとつ。

作品の内容に関係なく突然現れるスポンサーの家具屋の広告テロップは、あまりにも自由すぎる監督の意思を表しているようだ。

濃すぎる登場人物

独特で濃いキャラクターしか登場しないのも、この映画の面白さのひとつ。
半分人間で半分アンドロイドのブルースは、予算の都合というリアルな問題から、片足だけがアンドロイドという無意味な改造が施されている。
黒人なのに白人の付け鼻をしている変装のプロ、サムには不安を覚えるが、意外にもトマトと仲良くなることに成功する。
しかし「ケチャップが欲しい」という失言によって正体がバレるという情けなさ。
グレッグに至っては、公園の水槽に潜っただけでその後の出番は無し。

また、軍の極秘会議をしている部屋があまりにも狭すぎる。
ツッコミどころしかないおバカ映画だが、だからこそ人を魅了するのだと思いたい。


めちゃくちゃぶっ飛んだ自由すぎる今作。真面目に見れば、なにこれ?と一言で斬られてしまう作品ですが、細かいところに注目すると本当に面白いので私は大好きです。
実際の事故の映像を作中に大袈裟に使用していたり、キャラクター設定やトマトの動きがかなりガバガバだったりと低予算加減がうかがえるシーンが多数あり、マニアやコアなファンにはそんなB級っぽさがたまらないのだと思います。
1978年にこんな作品を作り出すなんて天才のやることだとしか思えません。続編も作られているので、今作が気に入った方にはぜひ見てほしいです。(女性 30代)


本作は、突然変異した殺人トマトに襲われる人々とアメリカの危機を描いた超低予算B級トマトパニックホラー作品。
トマトジュースまみれの変死体が発見される序盤から引き込まれ、最後まで気軽に楽しめた。
とってもチープで仕掛けが筒抜け、そしてツッコミどころ満載、しかし気づいたらまんまとこの作品の虜になっている自分がいた。
特に、トマトによる襲撃シーンが良かった。
シリーズ化に留まらずゲーム化までされ、オマージュ作品も存在しているので併せて楽しめるのも良い。(女性 20代)

映画『アタック・オブ・ザ・キラー・トマト』 まとめ

「超低予算B級おバカ映画」、「不朽の駄作」と言われる事もある作品で、自由すぎる内容から好き嫌いが完全に分かれる内容になっている。
この映画に社会に向けたメッセージ性や隠された監督の意思などを求めるよりも、流れに身を任せたまま面白がることが重要になっている。
一応パニックホラー映画ではあるが、そうとは思えない手抜き感がなんともいえない味を出していて、このどうしようもなさが、一部の熱狂的ファンを虜にしているのだろう。

監督自身が作曲したというテーマソングは、一度聴いたら耳から離れない中毒性があり、マーチ風のテンポとテノールの効いた美声に驚かされる。

なお、1996年に公開されたティム・バートン監督の「マーズ・アタック」には、本作のパロディ要素も含まれているという説もある。

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