映画『めめめのくらげ』の概要:世界的に活躍する現代美術作家の村上隆による劇場映画監督第1作。「ふれんど」と呼ばれる不思議な生き物と子どもたちの交流を描いたファンタジー作品。村上隆のデザインによるキャラクターたちが印象的。
映画『めめめのくらげ』の作品情報
上映時間:100分
ジャンル:SF、ファンタジー
監督:村上隆
キャスト:末岡拓人、浅見姫香、窪田正孝、染谷将太 etc
映画『めめめのくらげ』の登場人物(キャスト)
- 草壁正志(末岡拓人)
- 震災の津波で父を亡くし、母と二人でこの町に引っ越してきた。「くらげ坊」と出会い仲良くなる。他の「ふれんど」と違い、デバイスなしで二人は交流できる。
- 天宮咲(浅見姫香)
- 正志が越してきた町の学校のクラスメイト。「ふれんど」同士の争いを嫌い、静かに彼らと交流したいと考えている。一緒にいる「ふれんど」は「くるそー」という。
- 幸塚直人(斎藤工)
- 正志の叔父。研究所で四人衆とともに研究を続けていたが、四人衆の暴走を止めることができず、彼らに操られてしまう。正志が心を許す数少ない大人である。
- 四人衆<(窪田正孝)、(染谷将太)、(塩澤英真)、(池永亜美)>
- 子どもたちから、怒りや悲しみといった負の生命エネルギーを集め、最強の「ふれんど」オーバルの召喚を試みる。オーバルによる破壊によって、この国を再生させようと企んでいる。
映画『めめめのくらげ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『めめめのくらげ』のあらすじ【起】
草壁正志は、母と共に新しい家に越して来た。そして、新しい学校に編入する。編入の手続きを終え、母より先に家に帰る正志。家に帰ると、引っ越しの段ボールなどが散らかっており、その中から見たこともない生物が現れる。正志は、その段ボールを抱えて神社に裏へ行き、中の生き物にチーカマを与える。すると、その生物はチーカマにむしゃぶりつく。正志は、生き物に「くらげ坊」と名前をつけ、一緒に遊ぶのだった。
夜、正志は父の工場で作られているチーカマを食べる夢を見る。夢の中で、電話をする父が虹色の津波が飲み込まれ、正志は目を覚ます。
朝、カバンに「くらげ坊」を入れて登校する正志。学校では、みんながデバイスを使って様々な不思議な生き物を操っていた。一人の生徒が正志に、その生き物を使っていたずらを仕掛けてくる。しかし、「くらげ坊」が正志を助けるのだった。「くらげ坊」も含め、不思議な生き物は「ふれんど」と呼ばれているのだった。
学校から帰ると、母の弟で叔父の幸塚直人が訪ねてきていた。直人は、近くの研究所で働いているのだった。
映画『めめめのくらげ』のあらすじ【承】
直人の働いている研究所では、一つの理論を研究していた。それは、宇宙を一つの生命体と考え、その活動原理は生命エネルギーであり、その生命エネルギーを集めれば昨今の天災を防ぐことができるというものだった。そして、地球上でその生命エネルギーが強いのは子どもで、彼らの怒りや悲しみなどの負のエネルギーを魔法陣で収集できるようになっていた。そして、そのエネルギーが実体化したものを「ふれんど」と呼び、その「ふれんど」は子どもと共鳴するのだった。
「くるそー」という「ふれんど」を操る天宮咲と、正志は知り合う。咲の母は、「天地救世教会」に所属しており、咲も無理やり説法を聞かされていた。そんな時、黒マントの四人衆から「ふれんど」を操るデバイスを受け取ったのだった。他の子供たちも、やはりの四人衆からデバイスを受け取り、「ふれんど」を操り、「ふれんど」同士を戦わせる遊びに夢中になっているのだった。
二人は、研究所へ向かう。研究所の入り口には、咲の母がいて、祈りを捧げていた。正志は、咲の母から逃れるため、咲の手を取り研究所の中に入る。そして二人は、魔方陣のある部屋に紛れ込んでしまう。すると、生命エネルギーの強い正志の存在に魔法陣が反応し異変が起こる。二人は、直人に助けられ、魔方陣のある部屋を出るのだった。
翌朝、咲と一緒に登校した正志は、いじめにあう。「くらげ坊」は山中のゴミの中に隠されてしまう。しかし、そのいじめが先生にばれ、生徒たちは怒られてしまう。子どもたちが怒られることにより、負のエネルギーがデバイスによって魔方陣に蓄積されるのだった。もっと生命エネルギーを必要とする四人衆は、正志に目をつけていた。そして、直人を操り、「くらげ坊」を失った正志にデバイスを渡すのだった。
映画『めめめのくらげ』のあらすじ【転】
負のエネルギーは貯まりつつあった。更にエネルギーを集めるため、四人衆は「ふれんど」の対決大会を実施する。四人衆は、児童養護施設にいた巧にデバイスを渡し、大会へ参加させる。
正志は、「くらげ坊」がいないことが、父や直人が今いないことと重なり、嘆き悲しむのだった。一方争いを嫌う咲は、クラスメイトで正志をいじめた張本人の竜也に、大会に行かないように頼むが受け入れてもらえないでいた。天地救世教会が抗議デモをする中、研究所のある大学で、最強ふれんど決定戦が始まる。
うなだれている正志に、咲は「ふれんど」の喧嘩でしかない決定戦を止めに行こうと話す。しかし、自分は役に立たないと言う正志。いじめの張本人を助けるつもりもなかった。そんな正志を置いて、一人でも止めに行くと、咲は研究所へ向かう。
竜也と、その友達の樹蘭の「ふれんど」と、巧の「ふれんど」が対決する決定戦が始まる。負のエネルギーが、戦いによってどんどんと貯まっていく。
思い直した正志は走り出し、咲に追いつき、一緒に研究所の中へ入る。決定戦は、巧の優勢だった。竜也と樹蘭の「ふれんど」はやられてしまい、二人自身が狙われる。その二人を助けたのは正志だった。そして正志は、二人と仲直りをする。
正志が現れたので、四人衆は直人を差し向ける。正志と仲が良かったはずの直人が正志を襲う。直人に首を締められ、正志は「くらげ坊」の名を叫び、助けを請う。その声に反応した「くらげ坊」が復活をし、研究所まで飛んでくる。「くらげ坊」は、巧の「ふれんど」と戦う。一方で、拘束されていた本物の直人が、正志を襲っていた偽物の直人と戦う。戦いの中、巧はバランス崩し、ハシゴから落ちそうになる。その巧を助ける竜也と樹蘭。巧のことを友達だから助けると言う二人。そして、喧嘩は終わりだとも言うのだった。
映画『めめめのくらげ』の結末・ラスト(ネタバレ)
「くらげ坊」は弱り、正志も苦しんでいた。巧は「ふれんど」を操り、直人を助ける。しかし、正志のエネルギーを吸った魔方陣からは、巨大な「ふれんど」オーバルが現れてしまう。四人衆は、再生するには破壊が必要だと笑うのだった。
咲の母は、オーバルを神だと思い近づいていき、オーバルの下敷きになりそうになる。母を助けるため、咲は「くるそー」を使うが、自分がオーバルに引きずられてしまい、上空へ舞い上がってしまうのだった。竜也はクラスメイトに連絡を入れ、みんなの「ふれんど」の協力を求める。みんなで協力をして、オーバルを押し戻すが、咲が落下してしまう。その咲を、「くらげ坊」と正志は、間一髪のところで助けるのだった。
オーバルを倒すと、全ての「ふれんど」が消えてしまう可能性があった。それでも「くらげ坊」と正志は、オーバルに立ち向かう。正志が、オーバルの弱点を潰すと、「ふれんど」たちを吸い込みながら崩壊していくオーバル。「くらげ坊」もその崩壊に巻き込まれてしまう。そして、全ての「ふれんど」が消えてしまうのだった。
正志と咲は、「ふれんど」との別れを悲しみ泣いていた。しかし、巧がデバイスを、オーバルが消えた穴に投げ込むと、「ふれんど」再生し戻ってくる。「くらげ坊」も復活し、正志と抱き合う。みんなもそれぞれの「ふれんど」と再会するのだった。
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