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映画『メメント』のネタバレあらすじ結末と感想

この記事では、映画『メメント』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『メメント』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『メメント』の結末までのストーリー
  • 『メメント』を見た感想・レビュー
  • 『メメント』を見た人におすすめの映画5選

映画『メメント』の作品情報


出典:U-NEXT

製作年 2000年
上映時間 113分
ジャンル サスペンス
ミステリー
ドラマ
監督 クリストファー・ノーラン
キャスト ガイ・ピアース
キャリー=アン・モス
ジョー・パントリアーノ
マーク・ブーン・Jr
製作国 アメリカ

映画『メメント』の登場人物(キャスト)

レナード・シェルビー(ガイ・ピアース)
過去の事故により、10分間しか記憶を保てなくなった男性。妻を殺した『ジョン・G』を追い続けている。
テディ(ジョー・パントリアーノ)
レナードの相棒。しかし、彼の記憶障害を利用して、レナードを自分の私利私欲のために動かしている。
ナタリー(キャリー=アン・モス)
レナードにとある依頼を持ちかけてきた女性。彼女もまたレナードの復讐を手助けする。

映画『メメント』のネタバレあらすじ(起承転結)

映画『メメント』のストーリーをネタバレありの起承転結で解説しています。この先、結末までのネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『メメント』のあらすじ【起】

レナード・シェルビーは平凡な保険会社の調査員だった。しかし、ある日そんな彼の生活は一変する。なんと、自宅に侵入してきた謎の男によって、レナードの妻が強姦されたうえに殺されてしまったのだった。

そのショックはあまりに大きく、レナードは10分しか記憶を保てない、前向性健忘という記憶障害を患ってしまったのだった。しかし、そんな状況の中でも、レナードは自らの妻を殺した犯人への復讐を誓う。しかし、分かっていることは犯人の名前が『ジョン・G』ということだけだった。調査を始めたレナードは、明らかになったことを忘れないためにメモを取り、その中でも一際重要なものは自らの身体に刺青として刻み込んだ。

レナードは、自分のように前向健忘性を患っている人物をかつて知っていた。しかし、その男の末路は悲惨だった。男の病気を疑った妻が、彼を試したのだ。しかし、男の病気は本物だった。その結果、男は意図せずに妻を殺してしまうことになるのだった。

映画『メメント』のあらすじ【承】

一方、『ジョン・G』を調査するレナードには相棒がいた。テディという男性である。調査を進めた末、彼らは名前以外にも、車のナンバープレート、ジョン・Gが麻薬の売人であるという、犯人に繋がるヒントを手に入れた。

しかし、レナードが調査の末に手に入れたと思っていたその証拠は、レナード自身がしかけたものだったのだ。実は、レナードの復讐はとうの昔に成し遂げられていたのである。しかし、妻も失い仕事も失い、全てを失ったレナードには、もう復讐しか生きる意味が残っていなかった。そこで、レナードは敢えて自分が犯人を殺したことを記録せずに、第三者を追うことにしたのだ。

そして、そんなレナードをテディは利用していた。彼は自分にとって不都合な人間の暗殺や、金を手にするためにレナードを利用したのだ。そもそも、レナードが今信じている記憶も、昔彼が捏造したものだった。確かに強盗は押し入ったものの、妻は殺害されなかった。ただ、レナードが犯人との格闘の末頭を打ち付け記憶障害になってしまったのである。

映画『メメント』のあらすじ【転】

そして、レナードの障害を信じられなかった妻がレナードを試し、結果としてレナードが妻を殺すという形になってしまったのだった。しかし、レナードはどうしても、自分が妻を殺したという事実を受け入れることができなかった。そこで、レナードは10分後以降の自分を救うことができるように、自分が保険会社で勤務していた際、全く別の夫婦に起こった話、というように記憶を構造したのだ。

それからというもの、自分の気がつかないうちにテディに都合よく使われていたレナード。しかし、ある時レナードはテディが自分を利用していることを突き止める。10分後に消えてしまうその記憶を留めるために、レナードは「テディを信じるな」というメモを未来の自分宛に残すのだった。そして、テディの車のナンバープレートを調査書類の中に挟む。10分後、全ての記憶を失ったレナードは、また一人無実の人間をジョン・G.として殺害してしまうのだった。そして、レナードは殺した男の上着を羽織っていた。

映画『メメント』の結末・ラスト(ネタバレ)

そのポケットの中には一枚のコースターが入っており、そこには「あとで来て、ナタリー」というメッセージが記されていた。その上着が元々自分の物ではないことをすっかり忘れてしまっているレナードは、そのコースターに従い指定された場所へと向かった。

そこにはレナードが殺した男の恋人、ナタリーが待っていた。突然現れたレナードを怪しむナタリーだったが、レナードに記憶障害があることを知ったナタリーは、レナードにとある依頼をする。それは、ドッドという男を殺すことだった。

一度はその依頼を断るレナードだったが、ナタリーの策略にハマり、結果的にドッド殺しをする羽目になったのだ。しかし、その最中で再びレナードは記憶を失ってしまう。結果的にレナードはドッドを殺さず、捕まえていた彼を解放するのだった。

お礼にナタリーは、レナードが持っていた謎の車のナンバープレートについて調べてくれた。それはテディのナンバープレートで、そのことを知ったレナードは、彼こそがジョン・Gであると思い込む。そして、レナードは彼を殺害するのだった。

映画『メメント』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)

最初から最後まで混乱しっぱなしでしたが、ラストで全てが繋がった時の衝撃は凄まじかったです。記憶が10分しか持たない男が、自らの「復讐心」にすら嘘をつきながら生きていたなんて。レナードが「自分が信じたい真実」を選んだという事実に、人間の弱さと哀しさを感じました。ノーラン監督の才能に唸らされる作品です。(20代 男性)


一度見ただけでは到底理解しきれない作品です。時間が逆行して進んでいく構成に戸惑いながらも、徐々に明らかになっていく“本当のレナード像”が切なかった。彼は妻を救えなかった罪を償うために、永遠に終わらない復讐のループに自らを閉じ込めたのかもしれない。難解だけれど、何度も見返す価値のある映画です。(30代 女性)


物語の構成が圧倒的に秀逸。カラーとモノクロの二つの時間軸が最後に交差し、そこではじめて真実が浮かび上がる。レナードは記憶を失ったがゆえに、事実より「信じたいこと」を選んでしまった。観客もレナードと同様に、断片の中で迷わされる。人間の認知の脆さを突きつける、非常に哲学的な作品だと感じました。(40代 男性)


正直、観終わってしばらく呆然としてしまいました。すべての出来事がレナードの自己欺瞞によって組み立てられていたと気づいた時のやるせなさは今でも忘れられません。彼は被害者でもあり加害者でもあるという、非常に曖昧な存在。ノーランの緻密な脚本と構成に圧倒されました。映像以上に“構造”で魅せる映画です。(20代 女性)


クリストファー・ノーランという監督の才能を知るには、まずこの映画を観るべき。記憶障害という設定をただのギミックにせず、物語全体に組み込んで“観客自身”の理解を試すような展開は衝撃的。レナードの最も悲しい点は、彼が自分を騙していることに気づかないということ。人間の真理をえぐる傑作です。(50代 男性)


物語を逆再生で語るという大胆な構成に最初は戸惑いましたが、観終わった後に「もう一度最初から観たい」と強く思わせる映画でした。復讐を繰り返すために、自分の都合のいい“真実”を記録に残すレナード。その姿は哀れであり、怖くもありました。善悪の区別すら曖昧になる、記憶と時間を巡る迷宮です。(30代 女性)


レナードが手帳に記す「事実」が、実は彼の望んだ虚構だったという結末には愕然としました。記憶のない男が「記録」を頼りに真実を追うという構図が、まさか“自作自演”に近いものだったとは…。人間は“自分を守る嘘”にこんなにも依存するのかと考えさせられました。間違いなく何度も観返したくなる映画です。(40代 男性)


主人公の不完全な記憶によって、観客すら騙されてしまう構成が本当に見事。復讐の対象すら本当かどうか分からないまま、自ら新たな標的を作り出すレナードの姿は、とても哀しくて恐ろしかったです。「人間は、信じたいことしか信じない」――そんなメッセージが心に突き刺さりました。(20代 女性)


一見サスペンス映画だけど、実は人間の記憶と感情を描いた深い心理劇。何度見ても新しい発見がある。テディの存在や、ナタリーとの関係性も再視聴すると見え方が変わってくる。レナードは真実を探すためではなく、“復讐という目的”を持つために嘘を必要としたのだろう。複雑だけど、癖になる映画です。(30代 男性)


最初に観た時は混乱しかなかったけれど、見直すたびに“レナードの悲しさ”が増してくる映画でした。観客が主人公と同じ「わからなさ」の中に置かれる構成はとても秀逸で、まさに映画の力を感じさせてくれる。自分の都合のいい記憶だけを信じて生きる彼の姿は、人間の本質を写しているのかもしれません。(60代 女性)

映画『メメント』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『メメント』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

ファイト・クラブ

この映画を一言で表すと?

アイデンティティの崩壊と再構築を描く、衝撃のどんでん返し映画。

どんな話?

退屈な日常を生きる男が、自由奔放なタイラーと出会い、非合法な地下格闘クラブにのめり込んでいく。しかし次第に、現実と妄想の境界が曖昧になっていく衝撃の展開が待ち受ける。

ここがおすすめ!

『メメント』同様、信じていた“視点”や“記憶”が実は信頼できないという構造が魅力。真実を知った瞬間、全てがひっくり返る映画体験を味わえます。心理サスペンス好きには必見の一作。

シャッター アイランド

この映画を一言で表すと?

真実を知る恐怖に耐えられるか?観客をも欺く心理スリラー。

どんな話?

精神病院の失踪事件を追う連邦保安官が島に訪れるが、調査を進めるうちに自身の記憶や正気に疑念を抱き始める。現実と幻想の境界が崩れていく、極限の心理サスペンス。

ここがおすすめ!

ラストに明かされる事実によって、物語全体の見え方が180度変わるのは『メメント』と同様。伏線の張り方や精神的な混乱の描写も秀逸で、見返すたびに新しい解釈ができる作品です。

プリデスティネーション

この映画を一言で表すと?

「誰が誰なのか」を追いかけるうちに、時間と自己がねじれるタイムループSF。

どんな話?

タイムトラベルを使って凶悪犯を追うエージェントが、自身の過去と向き合いながら、予想外の人物の正体にたどり着く。観る者に時間とアイデンティティの概念を問いかける物語。

ここがおすすめ!

構造が複雑で、一見して理解できないほど緻密な脚本は『メメント』ファンにぴったり。最終的にすべてが一本に繋がるカタルシスと、思考を揺さぶる結末がクセになります。

インセプション

この映画を一言で表すと?

夢の中に潜り込む、“記憶と意識”をテーマにした脳内アクションの傑作。

どんな話?

他人の夢の中に入り込んで情報を盗む男が、“アイデアを植え付ける”という不可能な任務に挑む。夢と現実の境界が交錯する中、彼自身の過去とも対峙していく。

ここがおすすめ!

『メメント』のノーラン監督が手掛けた作品で、時間軸の操作や視点のブレを駆使した映像体験が秀逸。記憶や自我をテーマにした複雑な構成は、知的好奇心を大いに刺激してくれます。

アイデンティティ

この映画を一言で表すと?

閉鎖空間で次々と人が死んでいく、そして“真相”が全てを裏返す!

どんな話?

嵐の夜、モーテルに偶然集まった11人が一人ずつ謎の死を遂げていく。しかしそれは、ある人物の精神の奥底で起こっている“出来事”だったという、驚愕の真相が待ち受ける。

ここがおすすめ!

『メメント』と同じく、観客の視点を操作しながら、最後に「本当は何が起きていたのか」を明かすタイプの映画。サスペンスとスリラー、そして心理劇の融合が見事な快作です。

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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みんなの感想・レビュー

  1. ayumaru より:

    「時間」を巧みに使うクリストファー・ノーラン監督の初期作。一度見ただけでは理解が追いつかない難解さがあり、何度か見るほど面白さの分かる作品だと言える。
    物語は結末から始まって、戻っては進みを繰り返しながら展開していく。モノクロ場面の最後のシーンがカラー場面の始まりに繋がり、そこで謎が明らかになるという仕組みである。
    レナードは自分の身体にメモをし、記憶障害を乗り越えながら生きているように思えたが、実は彼が殺人鬼だったという事実に驚愕させられた。レナードがそれを知ることなく、また同じことを繰り返すのかと思うと虚しさを感じる。

  2. 匿名 より:

    初めてこの映画を観たとき、クリストファー・ノーラン監督作だから観てみようと軽い気持ちで何も知らずに観たので、最初は本当に意味が解らなかった。内容についていくだけでもいっぱいいっぱい(というかついていけなかった)で、せめてあらすじくらいは知ってから観ればよかったと思った。
    そのわかりにくさとストーリーの組み立て方の秀逸さがこの映画の面白さである。恐らく何度観てもどこかで混乱し、じっくり考え込んでしまうと思う。

  3. 匿名 より:

    ①一度見ただけではわからない

    あらすじでも先に注意しているが、この映画は時系列とは逆の進行をしている。厳密にはレナードの記憶が保てる10分ごとにさかのぼり、間に過去の回想が挟まれる。
    だからあらすじでは順を追って説明しているのでこれだけみると「できごと」そのままで面白くもなんともないのだが、実際は逆なので難解かつ面白い。
    面白いとはいえ、何も知らずにこの映画を観たら多分最初はちんぷんかんぷんで、途中いろんなことに気付いても前半のことを忘れてしまい、観終わっても理解できないことの方が多いのではないだろうか。
    この映画の仕組みと真実を知った上でもう一度みると本当の面白さが分かると思う。

    ②レナードの記憶と選択

    レナードは、何度も「ジョン・G」を殺している。もちろん全て別の「ジョン・G」だ。これは、レナードの記憶が10分しか続かないから繰り返されたわけではない。レナードが意図的に「忘れ」たのである。
    最初に「ジョン・G」を殺したとき、レナードは忘れないように犯人の写真を取り、テディと記念撮影までした。記録しないとまた復讐のために「ジョン・G」を探してしまうからだ。
    だが、レナードは自分が復讐のためだけに生きていることに気付く。復讐が終わってしまうと生きている意味がない。レナードは復讐を終わらせたくなかった。そして写真を焼き、復讐を果たした証拠を自ら消したのだ。テディが利用したから起こった悲劇というより、レナードが自分で選んだ結果だった。
    そもそもレナードは妻を殺したことを認めたくなくて自分の意思で過去の記憶をすり替えている。何もかも自分の都合がいいように変えている。
    テディやナタリーに都合よく嘘をつかれたが、自分自身も自分に嘘をついているのである。