映画『JUNO ジュノ』の概要:『JUNO ジュノ』は、アメリカ・カナダ合作映画。女子高生の妊娠をめぐるストーリー。アカデミー賞作品賞・脚本賞・主演女優賞・監督賞の4部門にノミネートされ、大ヒットを記録した。
映画『JUNO ジュノ』 作品情報
- 製作年:2007年
- 上映時間:96分
- ジャンル:ヒューマンドラマ、コメディ、青春
- 監督:ジェイソン・ライトマン
- キャスト:エレン・ペイジ、マイケル・セラ、ジェニファー・ガーナー、ジェイソン・ベイトマン etc
映画『JUNO ジュノ』 評価
- 点数:85点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★★★★
- キャスト起用:★★★★★
- 映像技術:★★★★☆
- 演出:★★★★★
- 設定:★★★★☆
[miho21]
映画『JUNO ジュノ』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)
映画『JUNO ジュノ』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『JUNO ジュノ』 あらすじ【起・承】
ジュノは、パンクロックとB級映画が好きな平凡な女子高生。
夏のある日、興味本位で男友達のポーリーとセックスをしたのだが、たった一度で妊娠してしまう。信じられず何度も検査するが全て陽性。親友のリアに相談した結果、中絶を決意して病院に行くが、そこでは同級生が中絶反対運動をしていた。
「赤ちゃんはもう爪も生えてる」と言われ、ジュノはその言葉で気持ちが変わる。
生むことを決意したが、16歳では一人で育てるのは現実的ではない。リアに協力してもらい、里親探しを始める。
二人は、高級住宅街に住むマークとヴァネッサという夫婦がよさそうだと思い決定する。
生んだ後の準備もできたところで、ジュノはやっと両親に妊娠を告白する。父は実父だが、母は父の再婚相手。腹違いの5歳の妹もいる。義理の母といっても、ジュノには実の子と同様に接するいい母だ。
両親は驚くが、話を聞いて受け入れ、協力すると言ってくれる。週末、ジュノとマークは里親夫婦を訪ねる。
弁護士も立ち会い、順調に話は進んだ。トイレに行くため席を立った時、ジュノはマークのエレキギターを見つける。同じ趣味を持つということもあり、ジュノとマークは意気投合して仲良くなる。
映画『JUNO ジュノ』 結末・ラスト(ネタバレ)
ジュノのお腹はどんどん大きくなってきた。学校で好奇の目で見られても、ジュノは気にも留めない。
ポーリーには妊娠の事を話した。ポーリーは子供を産んだらもう一度付き合おうと言うが、ジュノは男友達としか思っていなかったので寝耳に水。ポーリーはショックを受ける。
ジュノは超音波検診の写真を持って、マークとヴァネッサを訪ねる。いるのは在宅仕事のマークだけだった。二人はいろんな話をし、映画の趣味も合うことを知る。
ある時ショッピングモールでヴァネッサを見かけ、彼女が友人らしき女性の子供に接する姿から、本当に子供が大好きなんだと思う。
季節は夏になろうとしていた。ジュノは臨月を迎え、おなかも大きくなった。
その頃、ジュノはマークに「ヴァネッサと別れるから一緒に暮らそう」と言われ、困惑する。マークは、実は父親になる決心がついていなかった。
そこにヴァネッサが帰宅し、夫の気持ちを初めて聞く。結果二人は離婚してしまう。ヴァネッサは一人でも育てると言うが、ジュノは「完璧な夫婦」と思ったから二人に託そうと決めたのだ。
ジュノは大きなショックを受ける。そんなジュノに父は「一番の幸せは愛してくれる人を見つけることだ」と言う。これを聞いて、たとえ完璧でなくても、ヴァネッサは子供を愛してくれる人、と思い直す。
そして、やっとジュノ自身の気持ちにも気づく。きっかけはポーリーに恋人ができたと聞いたことだ。ジュノはポーリーがずっと変わらず接してくれることを思い出し、ポーリーが好きだと気づく。
ジュノは無事出産し、ヴァネッサに子供を託す。
元の生活に戻ったジュノは、ポーリーと付き合い始める。
映画『JUNO ジュノ』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『JUNO ジュノ』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
エレン・ペイジの演技がいい
主人公ジュノを演じるエレン・ペイジの演技が特に光っていた。2007年公開時はもう20歳だったらしいが、童顔だし、しぐさや立ち居振る舞いも16歳のジュノそのもので、まだ10代と言っても驚かないと思う。
また、ジュノのキャラクターに好感が持てる。高校生で妊娠してしまったのに、動じないし、周りからどう見られるかも気にしない。親友のリラはスタイルの良い美人で全然タイプが違うけど、人は人自分は自分、とはっきりしているのがかっこいいなあと思った。
エレン・ペイジを知ったのはこの作品だったので、こんなすごい女優がいるんだと驚いた。
重いテーマの中のユーモア
女子高生の妊娠から出産までをテーマとしていて、命を扱う重い話のはずなのに、すごく明るくてユーモアがある。
まず冒頭の場面からして、ジュノが1ガロンくらいありそうなオレンジジュースを庭でがぶ飲みしている。妊娠を検査するためにおしっこを出さなければならないのはわかるけど、そこまでがぶ飲みするってどれだけ検査したのか……。
この最初の印象からして、高校生が妊娠してしまったという重さがまったくない。ジュノ動揺しているから何度も検査しているんだろうけど。
その後も、リアに相談するために電話するのだが、その電話がハンバーガーの形。深刻な話のはずなのに常にファンシーなものがちらついてそれどころではない。
あとは、ジュノの台詞一つ一つがいい。後ろ向きなことを言わないし、だからこそ普通ではない自分の状況にも落ち着いていられるのかなあと思った。
エレン・ペイジの魅力を存分に味わえる作品。普通の女子高生がとても似合っていた。女子高生の妊娠という、日本であったら重い雰囲気になるであろうテーマをこんなにもポップにテンポよく出来るのはさすがアメリカだと思う。10代らしく悩み、ひねくれる主人公が成長していく姿は見ていて勇気をもらえる。最後の選択は私から見ると意外にも思えたが、彼女らしいといえば彼女らしい。家族や親友と周りの人々がいい人たちばかりなのも、ホッとさせられた。(女性 20代)
これはちょっとどうなんだろう…とモヤッとしてしまうシーンもありましたが、ジュノの明るさや自分を強く持ち続けている姿に勇気と希望を貰いました。
まだ子供と言うべき年齢での妊娠は、多くの人から冷たい目で見られ、悲しくて辛い思いをするでしょう。しかし、今作の主人公ジュノはとにかく人に恵まれていました。だからこそストーリー全体が暗くならずに、明るい気持ちで見られたのだと思います。
どんな決断にせよ、決めるのは彼女たちなので他人がとやかく言うことではないなと改めて感じました。(女性 30代)
映画『JUNO ジュノ』 まとめ
日本だと、若すぎる出産というテーマはドラマ『14才の母』を思い出す。日本とアメリカでは10代の出産に対しての感じ方や社会の目も違うのかもしれないが、『14才の母』がやたら重々しい内容で、周りにはいやな目で見られて学校にも行けないような描写もあって暗いのに対し、『JUNO ジュノ』は明るく面白くて、誰に何を言われても全く気にしないオープンな内容。もちろんジュノみたいに前向きに受け入れて強く生きられることの方が少ないと思うけど、こういう風に生きてみたいなあと思えた。
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