映画『メン・イン・キャット』の概要:会社のCEOであるトムは仕事人間で、娘の誕生日も忘れる有り様だった。トムは妻と息子から注意を受け、娘が望む誕生日プレゼントを買うことにした。娘が望んだのは、トムが大嫌いな猫だった。
映画『メン・イン・キャット』の作品情報
上映時間:87分
ジャンル:コメディ
監督:バリー・ソネンフェルド
キャスト:ケヴィン・スペイシー、ジェニファー・ガーナー、ロビー・アメル、シェリル・ハインズ etc
映画『メン・イン・キャット』の登場人物(キャスト)
- トム・ブランド(ケヴィン・スペイシー)
- 会社のCEO。仕事人間で家庭を顧みない。横柄で横暴な性格。部下の発言にも耳を傾けない。
- ララ・ブランド(ジェニファー・ガーナー)
- トムの後妻。トムとの離婚を密かに考えていた。トムの前妻とは友人にある。
- デヴィッド・ブランド(ロビー・アメル)
- トムと前妻の間にできた子供。父に認められたい気持ちが強く、父の会社で働いている。
- イアン・コックス(マーク・コンスエロス)
- トムの会社に勤めている。新ビル建設の責任者。横柄なトムに愛想を尽かし、会社の乗っ取りを画策する。
- レベッカ・ブランド(マリーナ・ワイスマン)
- トムとララの娘。父のことが大好き。あまり相手をしてくれないことに、寂しさを感じている。
- フェリックス・パーキンス(クリストファー・ウォーケン)
- 「パーキンス・ペットショップ」を経営している。ペットショップには猫しかいない。不思議な雰囲気を持つ人物。
映画『メン・イン・キャット』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『メン・イン・キャット』のあらすじ【起】
大企業のCEOであるトム・ブランドは、北米一の高さを誇るビルを建設した。しかし、シカゴにこのビルよりも18メートル高いビルが建設中であることが発覚する。トムはビルの建設責任者である部下のイアン・コックスを怒鳴りつけた。イアンはトムを宥め、そんなはずはないと否定した。
イアンは株式公開を行おうとしており、幹部達も賛成していたが、唯一トムだけが反対していた。幹部達は長年の収益がビルの建設のために消えたため、儲ける必要があることを訴えた。だが、トムは耳を貸さなかった。トムは会社の株を51%所有していたため、誰も文句が言えなかった。
トムは仕事にかまけてばかりで、娘の誕生日すら忘れている始末だった。妻のララはそんな夫に不満を持ち、もっと娘のレベッカと交流を持って欲しいと思っていた。トムはレベッカの誕生日を祝うため、本人に直接欲しい物を聞いた。すると、猫が欲しいと言われる。トムは家を汚す猫が嫌いだったため、部下達と代替案を考えることにした。すると、部下で息子のデヴィッドから、レベッカの気持ちを汲んで猫を贈るべきだと苦言を呈される。
トムは部下からの電話にイライラしながら、携帯のナビを起動させてペットショップに向かった。すると、何とも不気味な雰囲気を漂わせる「パーキンス・ペットショップ」に辿り着いた。店の中も外も、何匹もの猫がいた。トムは不気味な雰囲気に圧倒されながらも、店の中に入り、店主を呼んで猫を購入した。その時、ニュースの報道を見て、自社ビルが北米2位の高さだと知る。トムは嘘を吐いたイアンに腹を立てた。店主のパーキンスは立ち去るトムに、「電話に出るな」と忠告した。
映画『メン・イン・キャット』のあらすじ【承】
イアンに呼び出されたため、トムは猫が入った籠を持ったままビルの屋上に上がった。トムはビルの件でイアンを責め、クビを宣告した。その時、電話が鳴ったため思わず出てしまう。すると、雷が近くのアンテナに落ち、トムは稲妻に弾き飛ばされるように手摺の外に落ちた。必死に手摺を掴みながらイアンに助けを求めるが、イアンはトムを見たまま動こうとはしなかった。トムは偶然手に掴んだ猫が入った籠と共に落下した。
トムは運よく鉄骨の一部に引っ掛かり、窓を突き破りながら建物の中に落ちた。意識を取り戻すと、自分の体が担架によって運ばれて行くのが見えた。トムが自分の手を見下ろすと、そこにあったのは猫の手だった。人間のトムは意識が戻らず、入院を余儀なくされた。猫のトムはララ達に声を掛けるが、ただニャーニャーと鳴き声が出るだけだった。トムが助けを求めて鳴き声を上げていると、目の前にパーキンスが現れる。パーキンスは猫のトレーナーでもあるため、トムの言っていることが分かるようだった。パーキンスは人間に戻る手立ては教えず、どうして猫になったのか自問し続けろとトムに伝えた。
トムは猫のまま、自宅へと帰ることになった。ペンのキャップを必死に取り、自分がトムであることを書いて伝えようとした。しかし、文字を書くことができなかった。冷蔵庫に貼ってあった英字のマグネットを使ってトムであることを伝えようとするが、ララは気づいてくれなかった。トムは苛立ちを募らせた。さらに、食事が猫缶しか出されないことも不満だった。トムは引き出しから台の上に飛び移り、戸棚に入っているシリアルを食べた。
映画『メン・イン・キャット』のあらすじ【転】
トムは「パーキンス・ペットショップ」の部分だけ残し、電話帳を切り裂いてララに店主を呼んで欲しいことを伝えた。一方、デヴィッドは父の代わりにビルの高さを上げようとするが、役員達に反対される。イアンは父がいない間に、何かを企んでいる様子だった。
ララはパーキンスを呼び、猫に会わせた。トムは自分が猫の体内にいることを家族に伝えるようパーキンスに話し掛けるが、パーキンスはそれを無視して、このまま人間のトムが死ねば、一生猫のままだと忠告した。人間に戻る方法を教える気はないのだ。パーキンスは腹を立てるトムに、家族の言うことを聞かなければ去勢すると脅した。トムは仕方なく猫缶を食べて、レベッカの遊び相手をして大人しくした。
ララが浮気相手のジョシュに会いに行くことを知り、トムはこっそり車に乗って様子を伺うことにした。だが、ジョシュは浮気相手ではなく、不動産会社の社長だった。ララはトムと別れることを考えていたのだ。だが、ララはトムが買ってくれた猫と過ごすうちに考えを改め、結婚生活を続けることを決めていた。その直後、ララは担当医から呼び出しを受ける。
ララは家に帰ると、レベッカにトムの体は良くなっていると話した。だが、レベッカの手にあったのは、「家族の死」について書かれたパンフレットだった。レベッカは母の言葉を信じ、父が良くなると希望を持った。だが、やはり父がいないのは寂しいらしく、幼い頃に父と遊んだときのビデオを見て泣いていた。トムはレベッカを励ますため、ボール遊びをした。レベッカは笑顔で遊んでいたが、トムがかつて贈った「愛を 父より」というボードを見て、悲しそうに涙を流した。トムはその姿を見て、今まで家族を顧みなかったことを後悔した。
映画『メン・イン・キャット』の結末・ラスト(ネタバレ)
猫のトムは自社の会社について、「経営体制に暗雲」と書かれた記事を見る。その時、デヴィッドが訪ねてきて、ララと会社について話し合った。イアンが株式公開をするため、投資家を集めていたのだ。密かに取締役員達を味方に引き入れており、ビルの落成式の日に大々的に発表するつもりだった。トムはこっそりデヴィッドが持っていた箱の中に忍び込んだ。
トムは箱から抜け出すと、会社の中を歩いた。すると、イアンと役員が部屋の中で密談していた。話の内容は、会社定款についてだった。会社定款には、トムに何かあれば株式を全てデヴィッドに譲ることが書かれていた。だが、トムはそのことをデヴィッドに伝えていなかった。イアンと役員は会社定款が書かれた書類をシュレッダーで粉々にし、隠ぺいした。トムはビルの模型に飛び乗り、シュレッダーを倒して物音を立てた。デヴィッドはその音に気づき、部屋の中に入った。そこで、シュレッダーで切られた紙がぶちまけられているのを発見する。紙を並び替えてみると、会社定款だった。デヴィッドは実家に帰って会社定款を確認した。離婚の書類の中に、会社定款も入っていたのだ。
イアンはララに、トムの延命措置を止めるよう働きかけた。トムは怒り、イアンに飛びかかった。ララもイアンの意見に従う気はなく、家から追い出した。その間に、レベッカは猫を連れて、「パーキンス・ペットショップ」を訪れた。レベッカはパーキンスが家に来たとき、猫を相手にしているのに、人と話しているように感じていた。そして、レベッカ自身も、猫が父ではないかと疑惑を持っていた。パーキンスははっきりした答えは何も返さなかった。レコードを掛けると、部屋の奥に引っ込んでいった。トムはその音楽に合わせて、レベッカとダンスを踊った。
パーキンスはレベッカに父を取り戻したいなら急げと声を掛けた。その時、母から連絡があった。レベッカ・ララ・デヴィッドはトムの病室に集まった。脳死の状態で、回復の見込みがないとのことだった。レベッカは猫が父であることを伝えるが、母は信じてくれなかった。
デヴィッドは現在ビルで行われている落成式を止めるため、屋上から飛び降りることを決意する。トムはデヴィッドが死ぬ気だと思い、後を追いかけて止めることにした。すると、ララが担当医と話し延命装置を止めようとしている声が聞こえた。レベッカは猫である父に呼び掛け、ダンスを踊って証明しようとした。だが、トムは一生猫で過ごすことを覚悟し、デヴィッドを追いかけるのを優先した。
トムがビルの中に入ろうとしていると、警備員に捕まえられ捨てられそうになる。すると、パーキンスに助けられ、裏口からビルの中に入れられる。トムは監視カメラを使い、デヴィッドが屋上にいることを警備員に伝えた。デヴィッドが飛び降りた後一緒に飛び降りると、デヴィッドの背にパラシュートがついているのが見えた。トムは息子の姿を誇らしげに見た後、地面に落ちていった。すると、病室にいたトムが目を覚ました。
デヴィッドは無事に地上に降り立つと、会社定款を提示し、株式公開の中止を宣言した。そして、イアンをクビにした。パーキンスはイアンの前に立ちはだかり、電話を切らないと悲劇が起きると忠告した。イアンはそれを無視して電話で話しながら歩いたため、車に撥ねられてしまう。イアンの意識は猫に乗り移った。
映画『メン・イン・キャット』の感想・評価・レビュー
トムは大企業のCEOで、家族を放置して日々仕事に勤しんでいますが、そんな父親を猫に変えてしまう発想が面白いです。家族は二の次という感じで日々を過ごしていたのに、息子と娘からは深く愛されていて、なんて幸せな父親なんだと感じました。
猫化して家族の本音を聞き出せたことは、トムにとって非常に幸運なことだったでしょう。つまり、猫になって良かったのです。
娘のレベッカの真っすぐな愛情がトムに伝わり、トムもレベッカの愛情に応えるようになった光景が非常に感動的です。(女性 20代)
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