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映画『メッセージ(2016)』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『メッセージ(2016)』の概要:アメリカ人作家テッド・チャンの短編小説「あなたの人生の物語」を映画化したSF映画。ある日、地球の12箇所に突然現れた球体型の宇宙船。言語学者のルイーズは、ヘプタポッドと名付けられた謎の知的生命体との意思疎通を図っていく。

映画『メッセージ』の作品情報

メッセージ

製作年:2016年
上映時間:116分
ジャンル:SF、ヒューマンドラマ
監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
キャスト:エイミー・アダムス、ジェレミー・レナー、フォレスト・ウィテカー、マイケル・スタールバーグ etc

映画『メッセージ』の登場人物(キャスト)

ルイーズ・バンクス(エイミー・アダムス)
言語学者。娘を難病で失っている。宇宙船の中に入り、ヘプタポッドたちとコミュニケーションを図っていく。彼らが書く円形の表意文字をイアンと共に解析していく。
イアン・ドネリー(ジェレミー・レナー)
理論物理学者。ヘプタポッドたちの言葉を解析し、メッセージの意味を知る手がかりを発見する。この物語の未来で、ルイーズと結婚をする。
ヘプタポッド
球状の宇宙船に乗り、地球12箇所に現れる。ルイーズたちが接触した2体は、イアンによって「アボット」と「コステロ」と呼称される。

映画『メッセージ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『メッセージ(2016)』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『メッセージ』のあらすじ【起】

ルイーズ・バンクスは、「記憶とは奇妙なもので起きた順には浮かばない」と娘のことを想っていた。生まれた時のこと、愛していると言われた時のこと、嫌いだと言われた時のこと、そして、彼女を亡なった時のこと。

その日、ルイーズは、大学で言語学の講義を始めようと教室に入る。しかし、いつもより学生は少ない。ルイーズは構わず講義を始めようとすると、一人の女子学生の携帯にメッセージが着信する。そして彼女は、「テレビニュースを見ませんか」とルイーズに言う。ルイーズが教室のスクリーンにテレビをつけると、謎の物体が世界各地に飛来したというニュースが流れている。ニュースを見ていると校内に警報が鳴り、ルイーズは学生たちを帰宅させるのだった。

一晩中テレビを付けっ放しにしてニュースを見ていたルイーズは翌日、大学に出勤するが、もちろん学生たちはいない。することもないので自分の研究室で、ニュースを見ていると、ウェバー大佐がやって来る。ウェバー大佐は録音した音声をルイーズに聞かせ、翻訳を求める。音声は謎の物体に関係するものだった。音声ファイルのみで翻訳を求めるウェバー大佐に、ルイーズは、未知の言語だから直接話したいと言う。しかし、ウェバー大佐はそれを聞き入れず、別の言語学者の所へ向かうのだった。

夜、ルイーズが自宅でベッドに横になりニュースを見ていると、突然、ヘリが庭に着陸する。ウェバー大佐が迎えに来たのだった。ルイーズは招聘されることになり、すぐに準備してヘリコプターに乗り込む。ヘリの中で、ルイーズは理論物理学者の男性イアン・ドネリーを紹介され、以後ペアを組んで、調査に当たることになる。

現場に到着した二人は、早速、謎の物体へと向かうことになる。防護服を着て、浮遊している謎の物体の下に行き、リフトで開口部の真下から上昇していく。物体の中は、地球の重力とはその方向が90度違っているのだった。恐る恐る物体の中に降り立ち、奥へ進むルイーズたち。奥まで進むと、そこはガラスのような仕切りがあり、その向こうは白い霧に覆われていた。そして、その霧の向こうから二体の蛸のような異星人が現れるのだった。

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映画『メッセージ』のあらすじ【承】

二度目のセッションで、ルイーズはホワイトボードに「HUMAN」という文字を書いて、二体の異星人に見せる。すると異星人は、手の様な部分から墨の様なものを放出し、円形の図柄を仕切りガラスの向こうに形成する。ルイーズたちは、調査テントに戻り、円形の図柄の解読を始めるのだった。

次のセッション中、ルイーズは自分の姿を、異星人たちに見せるため防護服を脱ぎ、ヘルメットを外し、仕切りガラスの前に立つ。ルイーズが仕切りガラスに手を当てると、相手も同じように手のような部分を当ててくる。そして、そしてルイーズは、自分の名前を名乗る。イアンも同じように防護服を脱ぎ、自己紹介をする。すると、異星人たちも円形の図柄で、自己紹介をするのだった。そして、イアンの提案で二体をそれぞれ「アボット」と「コステロ」と呼ぶことにするのだった。

そのセッションの帰り、ルイーズは、ぼんやりとしたビジョンを見るが、過労のためと診断される。しかし、その後もルイーズの頭には、娘のビジョンがフラッシュバックするのだった。

異星人はヘプタポッドと名付けられる。ギリシャ語でヘプタは7、ポッドは脚を意味する。なぜ地球に来たのかは、まだ解明されていなかった。しかし、彼らが発する音と、描く図形には関連性はないことが解り、少しずつ図形の意味がわかり始めていた。

ヘプタポッドの写真が流失し、各国で暴動が起き始めていた。攻撃をするべきだと言う識者もいるのだった。そんな中、図形の解析は進んでいた。解析中、やはり娘との思い出がフラッシュバックするルイーズ。離婚した父親の不在を寂しがる娘の姿や、病に倒れてしまった娘の姿などが交錯するのだった。

映画『メッセージ』のあらすじ【転】

ルイーズとイアンは、円形の図柄を使い、ヘプタポッドとある程度の会話ができるようになっていた。セッションの中で、彼らの目的を尋ねると、その答えは「武器の提供」だった。その答えに混乱する軍と調査チーム。対応を協議する中、テント内に警報が鳴る。これまで協力しあっていた各国の調査チームが、異星人の目的を知り、次々とホットラインから抜けていくのだった。

ルイーズとイアンは、再度、ヘプタポッドとのセッションを行う。「武器の提供」の言葉の意味を問うルイーズ。ヘプタポッドは何かを訴えているが、それが理解できない。ルイーズが、仕切りガラスに手を当てると、そこにヘプタポッドは墨を吹き付けてくる。それを手で操り、円形の文字を書くルイーズ。それに対し、ヘプタポッドは、大量の小さな円形を次々と描いていく。そして次の瞬間、ルイーズとイアンは吹き飛ばされるのだった。ヘプタポッドを攻撃するべきだと主張する若い兵士たちが仕掛けた爆弾が爆発したのだった。

医務室で目を覚ましたルイーズは、戻ってもう一度ヘプタポッドと対話することを訴える。しかし、その時、地鳴りがして、謎の物体は空中高く舞い上がっていくのだった。

世界各国は、ヘプタポッドたちに対して攻撃をする方向に動いていた。中国のシャン将軍は、領海から立ち去らないなら、攻撃もやむなしの姿勢をとっていた。

ルイーズの頭にはビジョンが映る。娘が「両者が納得するという意味を示す言葉を教えて」問いかけてくるのだった。

ルイーズが、フラッシュバックから現実に戻るとイアンが、大量の小さな円形に記されたメッセージの解析に成功していた。イアンは、その余白から0.833…の循環数を見つけ出す。そしてそれは1/12だった。世界に現れた謎の物体の数は12、そこからルイーズは各国の協力の必要性を訴える。イアンも「これは、世界が協力するためのノン・ゼロサムゲームだ」と言う。ルイーズの脳内にビジョンが走る。娘が欲しがっていた答えも「ノン・ゼロサムゲーム」だったのだ。

映画『メッセージ』の結末・ラスト(ネタバレ)

ルイーズは、物体のところに向かう。すると、小さな輸送ポッドが降りてきて、ルイーズは、それに乗り込む。ポッド内は白い霧のようなもので満たされ、ルイーズは、あの仕切りガラスの向こう側へと連れていかれる。そこでルイーズは、もう一度ヘプタポッドのコステロと対峙する。ルイーズは、メッセージを伝えて欲しいと頼むが、コステロは武器を使えと言う。そして、なぜ、ここに来たのかを問うと、三千年後、ヘプタポッドは人類が必要になると言う。なぜ未来がわかるのか?と問うルイーズの頭の中には、娘のビジョンが浮かぶ。しかしルイーズは、娘のことが誰か分からない。コステロは「ルイーズは未来を見る」と言い、そして、「武器は時を開く」と言って消える。

世界中の物体が動き出し、調査テントは撤退のため混乱していた。ルイーズはヘプタポッドを理解し、彼らの最後のメッセージを判読する。ヘプタポッドは、知識を人類に与えたのだった。それを学べば、時間を超越し未来を知ることができるのだった。そのことを、ウェバー大佐に訴えるが、撤退はあと5分後に迫っていた。

ルイーズは、ビジョンを見る。パーティ会場で中国のシャン将軍と話している。シャン将軍は18ヶ月前、個人携帯に電話をかけてきたルイーズのおかげで、世界は一つになったと話している。ルイーズはテント内にあった衛星携帯からシャン将軍に電話をかける。未来のビジョンと現実が交錯しながら、ルイーズはシャン将軍と話す。未来で、あの時のルイーズがした会話を耳打ちするシャン将軍。それを現実の彼に伝えるルイーズ。その結果、中国は軍を撤収、各国はそれに追随し、世界は一つにまとまるのだった。その時を待っていたかのように、ヘプタポッドが乗った物体は、各国の上空から雲のように消えるのだった。

事態が終息し、イアンはルイーズにプロポーズをする。ルイーズは、イアンとの間にできた娘ハンナが死ぬことが分かっていても、彼からのプロポーズを受けるのだった。

映画『メッセージ』の感想・評価・レビュー

ある日、突如として地球上に巨大な宇宙船が飛来。それは世界の数か所にほぼ同時に現れていて、ただ佇んでいる。その宇宙生命体との対話に挑む言語学者の物語。
墨絵のようなヘプタポット文字やエイリアンのヴィジュアルなどが秀逸で作品の世界観が素敵だった。
”殻”と呼ばれる宇宙船内部と待機研究施設を何度も行き来する場面が、少し退屈に感じてしまうところもあったが、言語学への興味をそそられる奥深くアーティスティックな作品だと思う。(女性 20代)


こういう話を思いつく人は本当にすごいと思う。なんなら本当に宇宙人とコンタクトしてたんじゃないかとすら思う。SFとして設定が秀逸な上、その大きな世界観が最後には主人公の内なる世界に収束していく様は美しすぎて溜息しか出ない。起きた出来事や主人公が得た能力はSF的だが、その結果として主人公が歩まなければならない、あるいは受け入れた人生というのは、実際のところとても現実的で哲学的でもある。このファンタジーとリアルの融合具合が作品の格を上げている。あらすじを見ずに見て欲しい1本。(男性 40代)


珍しくアクションではないエイリアンものです。気持ち悪いエイリアンの描写はなく、全く異なる言語を持つエイリアンとコミュニケーションを取ろうとする様子が美しく描かれています。
エイリアンが主役というよりは、ルイーズの人生にスポットが当たっている気がするのでもう少しエイリアンを前面に出してほしかった気がします。
タイムリープの要素も入っていて少々難解ですが、観終わった後は満足感があり、主人公の選択には切なさを残す作品です。(女性 30代)


SF物の中でも比較的高い人気を誇る作品。エイリアンによって地球が侵略される、宇宙へ行くなどといったよくあるSF物とは違い、未知の生物を理解する為に言語学者が交流を試みるという物語。ドキッとさせられる音楽や映し方が多く、適度な緊張感で飽きずに最後まで観ることが出来た。フラッシュバックのように思っていた映像は実は未来の映像であったりと設定は斬新で面白いが、エイリアンが地球に来た理由が正直パッとしない印象であった。(女性 20代)

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