この記事では、映画『ミッドナイト イーグル』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『ミッドナイト イーグル』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『ミッドナイト イーグル』の作品情報

上映時間:131分
ジャンル:アクション、ヒューマンドラマ
監督:成島出
キャスト:大沢たかお、竹内結子、玉木宏、吉田栄作 etc
映画『ミッドナイト イーグル』の登場人物(キャスト)
- 西崎優二(大沢たかお)
- 元戦場カメラマン。戦地での日々に絶望し、帰国後は雪山に籠るようになる。病気で妻を亡くし、息子は義理の妹の元に引き取られている。
- 落合信一郎(玉木宏)
- 東洋新聞社の記者。西崎の大学時代の山岳部後輩。
- 有沢慶子(竹内結子)
- 西崎の義理の妹。姉の病気に気付かず死なせた西崎を恨んでいる。姉の死後、甥の優を引き取り一緒に生活している。雑誌社に勤める。
- 佐伯昭彦(吉田栄作)
- 自衛隊の三等陸佐。墜落したミッドナイトイーグル捜索のため、御岳山に派遣された。
- 渡良瀬隆文(藤竜也)
- 内閣総理大臣。
- 平田俊夫(波岡一喜)
- 東洋人の工作員。B-5に爆弾を仕掛けた張本人。
映画『ミッドナイト イーグル』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『ミッドナイト イーグル』のあらすじ【起】
戦場カメラマンとして戦地を駆け巡る西崎優二は、戦争に絶望し、1人雪山に籠るようになる。そんなある日、西崎は炎上し墜落する飛行機を目撃し、カメラに収める。大学の後輩で、東洋新聞社に勤めている落合に連絡を取り事実を尋ねるが、事件は隠蔽されていた。落合は事実を探るため、嫌がる西崎を連れ、飛行機が墜落した御岳山に入山する。
西崎の義理の妹、有沢慶子は、ある男を探していた。数日前に起きた米軍横田基地に侵入し、今も逃亡している東洋人工作員、平田俊夫。慶子は、編集長に教えられた病院を訪れる。そこで手負いの男の情報を入手し、男の自宅を訪問。そこには、深手を負っている平田と外国人女性チヘがひっそりと暮らしていた。
御岳山に入山した西崎と落合は、途中で完全武装している自衛隊を目撃する。手頃なところでビバークし、地図を確認する。武装している自衛隊がいるなど、ただ事ではないと話している矢先、西崎と落合は突然自衛隊以外の何者かから銃撃を受ける。2人は命からがらテントから逃げ出し、辛うじて襲撃を免れる。相手が外国人だったということだけが分かったが、これ以上進むのは危険だと西崎は落合に下山を勧める。しかし、落合は頑なに拒否し、1人で雪山を登り始めた。
落合と別れ下山する西崎は、妻が亡くなった時のことを思い出す。病院に到着した時にはもう妻は帰らぬ人となり、慶子が憎しみを込めて自分を見ている。西崎の写真が大好きだった姉は、山に籠るようになってしまった西崎を、ずっと病気を抱えながら待っていたのだと。西崎は自分を責める慶子に、掛ける言葉を持たなかった。

映画『ミッドナイト イーグル』のあらすじ【承】
ひたすら登山を続ける落合を、再び外国人武装団が襲撃する。ところが、発砲の衝撃で雪崩が発生。武装団は雪崩に呑まれ、落合はひたすらに雪崩から逃げる。戻ってきた西崎が落合にロープを投げ、落合は無事雪崩の危機を脱した。
何度も落合に下山を促すが、頑なに頭を振る落合に根負けして、西崎も再び山を登る。途中、無線で誰かに連絡を取ろうとしたところで再び武装団の銃撃を受ける。たまたま繋がった男性に有沢慶子に飛行機の墜落と、銃撃を受けている状況を伝えて欲しいと依頼した。
西崎と落合が入山する直前、落合は慶子宛てに郵便を送っていた。中には、西崎があの日たまたま撮った炎上している飛行機の写真。慶子は、写真を専門家に鑑定させる。そして、墜落した飛行機が米軍のステルス爆撃機B-5だと突き止めた。慶子は、戦闘機に何が積まれているのかを探ることになる。
雪山を進む西崎と落合は、自分たちを襲ってきた武装団が自衛隊を待ち伏せていることに気付き、大声で自衛隊に危険を知らせる。だがその甲斐も空しく、自衛隊は壊滅的なダメージを受ける。ただ1人生き残った三等陸佐の佐伯昭彦も肩に怪我を負う。佐伯は2人に下山を命じるも、怪我の具合を鑑みて登山に詳しい西崎と落合の同行を許可する。
映画『ミッドナイト イーグル』のあらすじ【転】
慶子が仕事を終え帰宅すると、慶子のマンション玄関前で男が待っていた。男は西崎優二の名を出し、慶子に無線のテープを聞かせる。慶子は義兄が雪山で危険な目に遭っていることを知った。
平田の様子を見に、慶子は後輩と一緒に平田を訪ねる。だが、部屋は蛻の殻。預けていた携帯電話のGPSで居場所を突き止めると、平田とチヘは港で工作員に攫われていた。慶子らは急いで2人を救出する。だが平田は、自分の命が保たないことを悟ると、チヘのペンダントが日本を救う手がかりだと伝え、3人を逃がす。平田は工作員に捕まる直前、ポケットに持っていた手榴弾を爆破させた。
西崎は佐伯に、御岳山に何があるのかを問い詰める。佐伯は観念し、B-5、通称ミッドナイトイーグルを工作員が爆弾を仕掛けて墜落させたと語る。そして、その爆撃機の中に積まれている核爆弾を、御岳山にいる武装した工作員が起爆させるつもりだということも同時に知った。西崎は無言で先を急ぐ。
先発隊との合流地点は、既に工作員により襲撃を受けた後だった。西崎ら3人は戦闘機の場所まで歩き続ける。そこで見張りの工作員と出くわした。
佐伯が工作員を退け、3人は戦闘機の中に入ると爆弾を発見。爆弾は2時間半後に爆発する設定になっている。佐伯は任務を遂行するため起爆の解除にかかる。だが、起爆コードのパスワードは工作員の手で変更された後だった。西崎が夢中で無線に問いかけると、連隊本部の通信班が無線を傍受、バッテリーが切れる中、解除するパスワードが変えられている事実を辛うじて伝えた。
慶子がマンションに戻ると、編集長と公安部が慶子を迎えに来ていた。慶子と甥の優は、総理大臣のいる会議室へ連れていかれる。そこで、ステルス爆撃機に積まれた爆弾の解除パスワードが必要だと言われ、持っていたチヘのペンダントを渡す。
映画『ミッドナイト イーグル』の結末・ラスト(ネタバレ)
佐伯が再び無線を繋ぐと、総理大臣の渡良瀬に繋げられた。渡良瀬はパスワードを現在解読中だと伝えると、無線を慶子と交代する。慶子は西崎に、無事に戻ってきてくださいと伝えるが、西崎は答えなかった。
爆発の制限時間まで10分に迫ったところでパスワードが解読され、起爆はリセットされる。しかし、息をつく間もなく30人を超える工作員たちが武器を手に西崎たちに向かってきていた。コックピットにあるCCDカメラで渡良瀬に状況を報告する。渡良瀬はミッドナイトイーグルの死守を命じた。
西崎と落合は銃を手にすると、佐伯と共に応戦。渡良瀬が特殊部隊を乗せたヘリを離陸させるも、御岳山は猛吹雪の上、工作員が持っていたロケット砲をヘリへ向け発砲。部隊は撤退を余儀なくされた。西崎は渡良瀬に、ナパーム弾を投下するよう懇願する。
登山してから撮影した記録の残るカメラのフィルムを、落合に持たせる。そして、落合だけでも逃げるようにと説得する。しかし落合は、工作員の発砲した弾から西崎を庇って、命を落としてしまう。
俯き言葉を発していなかった渡良瀬は、慶子を振り返り、頭を下げる。そして、毅然とした態度で、ナパーム弾と同程度の威力を持つトマホークの発射を命じた。
トマホーク着弾までの僅か10分間。工作員と応戦する佐伯を、西崎はカメラに収める。笑えよと佐伯に笑いかけると、佐伯は西崎に応え、笑みを浮かべた。
CCDカメラの前に姿を現した西崎は、慶子に許して欲しいと呟く。しかし、慶子は涙をこらえて許さないと返す。はにかみを浮かべ、西崎はカメラの前から姿を消した。
朝日が山向こうから姿を現し、朝日とは別の輝く光が御岳山に向かってくる。眩い光が、西崎たちを包み込んだ。
映画『ミッドナイト イーグル』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
雪山に墜落した米軍機“ミッドナイト・イーグル”を巡るサスペンスとしては、邦画としてかなりスケールが大きい。大沢たかお演じる記者・西崎の過去と現在が交錯し、亡き妻の死に対する贖罪と使命感が重なっていく展開は見応えがあった。中盤以降の雪山での救出劇は迫力があり、寒さと孤独が画面から伝わってくる。邦画の中では珍しい本格ミリタリーサスペンスである。(30代 男性)
終盤の西崎と落合(玉木宏)の関係性が胸に刺さった。過去の戦場取材のトラウマを抱える西崎が、自分を犠牲にしてでも日本を守ろうとする姿に涙。雪山の過酷な環境、冷たい空気の中で人間ドラマが熱く燃える。CGは多少古さを感じたが、テーマ性と演技の熱量がそれを補って余りある。特に最後の無線シーンは、静かな感動がこみ上げた。(40代 女性)
『ミッドナイト イーグル』は、派手なアクションよりも人間の信念を描くドラマとして秀逸。大沢たかお、玉木宏、吉田栄作という豪華キャストがそれぞれの立場で信念を貫く姿が印象的だった。特に西崎の「報道」と「真実」をめぐる葛藤が現実的で、単なるサスペンスを超えた深みがある。邦画らしい“情熱と哀しみ”のある傑作だと思う。(50代 男性)
序盤はゆったりしていて少し退屈かと思ったが、墜落機の正体が明かされるあたりから一気に引き込まれた。雪山での撮影は本当に過酷そうで、俳優たちの演技にリアリティがあった。西崎が最後まで命を懸けて情報を伝えようとする姿勢に感動。報道の使命と国家の機密というテーマがぶつかり合う展開は見応えがあり、邦画として挑戦的な内容だった。(20代 男性)
日本映画でここまで本格的な軍事・サスペンスを描いたのは珍しい。緊迫した展開と雪山の孤独な映像がマッチしており、邦画とは思えないスケール感。終盤でのヘリ救出シーンや無線通信の緊張感は鳥肌ものだった。ラストの西崎の犠牲に涙が止まらず、彼の残した言葉が胸に響く。静かで重厚な余韻を残す名作。(30代 女性)
前半は淡々とした記者ドラマのようだが、後半になると一転してサバイバルサスペンスに変わる構成が見事。特に雪山の描写が美しくも恐ろしく、自然の脅威と人間の弱さをリアルに映していた。米軍機の存在を通じて、日本の安全保障問題にも触れており、社会派作品としても見応えがある。大沢たかおの表情一つひとつに覚悟と悲しみが滲んでいた。(40代 男性)
この映画は、“国家の秘密”よりも“人間の誇り”を描いている。ジャーナリストとして真実を伝えようとする西崎の姿勢に共感。玉木宏演じる落合の若さと理想が対照的で、二人の関係が物語を支えている。ラストで無線を通して伝わる西崎の声が切なくて泣けた。音楽の使い方も良く、雪の静けさと緊張感を巧みに表現している。(20代 女性)
大沢たかおの演技が圧倒的。冷静でありながら心の奥に熱いものを抱えるジャーナリスト像がリアル。玉木宏との共演も良く、世代を超えたバディのような関係が映画に深みを与えていた。特に、吹雪の中での決断シーンは胸が締めつけられた。邦画特有の“静かな熱さ”が漂い、見終わった後に深い余韻が残る。(30代 男性)
物語のテンポは少しゆっくりだが、後半の展開は緊迫感があって一気に引き込まれる。国家機密というテーマを扱いながらも、根底には“家族”と“贖罪”のドラマがあるのが良い。西崎の行動には、亡き妻への想いが重なっていて涙を誘う。冷たい雪の世界の中で、最後に見える“光”のような希望が印象的だった。(50代 女性)
『ミッドナイト イーグル』は、派手さよりも静かなリアリズムが魅力。雪山での極限状態を丁寧に描き、人間の弱さと強さを浮かび上がらせている。大沢たかおの渋い演技と、玉木宏の若々しいエネルギーの対比が見事。日本映画としては珍しく国際的なスケールを感じる作品であり、ラストの静かな“犠牲”が観る者の心に深く残る。(40代 男性)
映画『ミッドナイト イーグル』を見た人におすすめの映画5選
ホワイトアウト
この映画を一言で表すと?
雪山の極限で繰り広げられる、緊張感あふれる人間ドラマとサスペンスの融合。
どんな話?
日本の巨大ダムを舞台に、テロリストに立ち向かう男の姿を描いたサスペンスアクション。吹雪に閉ざされた環境の中で、孤立無援の主人公が知恵と勇気を振り絞り、仲間と国を守るために戦う。冷たい雪景色と熱い人間ドラマが絶妙に絡み合う物語です。
ここがおすすめ!
『ミッドナイト イーグル』と同様に雪山を舞台にした極限サバイバルが魅力。主演・織田裕二の緊迫感ある演技が光り、映像の迫力と静寂の対比が美しい。日本映画では珍しい大規模アクションで、自然の厳しさと人間の意志の強さを同時に感じられる一本です。
山の郵便配達
この映画を一言で表すと?
静かな山中に流れる、父と息子の絆と時間を描く感動のロードムービー。
どんな話?
山奥に暮らす郵便配達員の父と、その仕事を継ごうとする息子の物語。山々を越え、村々を巡る中で、二人は互いの思いや人生を少しずつ理解していく。雪や霧、自然の描写が美しく、人生の儚さと優しさを詩的に描いた中国映画の名作。
ここがおすすめ!
『ミッドナイト イーグル』が見せた“自然と人間の対話”の美しさを、より静かに、深く感じられる映画。アクションではなく“心の旅”を描くことで、観る者の胸に静かな感動を残します。雪山の中での人間ドラマが好きな人には特におすすめ。
アルマゲドン
この映画を一言で表すと?
地球滅亡の危機に立ち向かう男たちの、涙と覚悟のスペクタクル超大作。
どんな話?
地球に迫る巨大隕石を破壊するため、NASAが選んだのは普通の油田作業員たち。命を賭けて宇宙に旅立つ彼らの奮闘と、家族への愛が壮大なスケールで描かれる。スリルと感動が見事に融合したハリウッドアクションの王道作品です。
ここがおすすめ!
『ミッドナイト イーグル』同様、“使命と犠牲”というテーマが貫かれています。特に父と娘の絆、仲間との連帯、自己犠牲の美しさが心を打つ。派手なアクションだけでなく、ドラマとしての深みもある感動の一作です。
南極料理人
この映画を一言で表すと?
極限の環境で“食”が生み出す笑いと絆を描いたヒューマンコメディ。
どんな話?
南極観測隊の調理担当として派遣された西村(堺雅人)が、孤立した環境で仲間たちを食で支えていく物語。過酷な寒さの中で繰り広げられるユーモアと温かい交流が心を和ませる。極地での“人間らしさ”を穏やかに描いた傑作。
ここがおすすめ!
『ミッドナイト イーグル』の厳しい雪山とは対照的に、極限環境の“日常”を温かく描く作品。極地の孤独や閉塞感、チームワークというテーマをユーモラスに表現しており、人間の強さと優しさを改めて感じさせてくれます。
ザ・グレイ
この映画を一言で表すと?
雪原で生き残りを懸けた男たちの、生と死のドラマを描くサバイバル映画。
どんな話?
飛行機事故でアラスカの雪原に墜落した石油採掘チームが、凶暴なオオカミに襲われながら生き延びようとする。生存本能、恐怖、信念——それぞれの人間が抱える弱さと強さが極限状況で露わになっていく。主演はリーアム・ニーソン。
ここがおすすめ!
『ミッドナイト イーグル』が描いた“雪山の孤独と生への執念”をさらに過酷にした作品。自然の恐怖と人間の尊厳を対比的に描いており、静けさと緊張感が交錯する映像が圧巻。リーアム・ニーソンの鬼気迫る演技が、観る者の心を掴んで離しません。






みんなの感想・レビュー
日本映画にしては、ハッピーエンドにならないラストが好きだな。
ただ所々詰めが甘い、竹内結子の役作りには呆れる。
なぜ帰宅後の逃走時に敵に居場所がモロバレの走れないハイヒールを履くのだ…
ラストのトマホーク着弾まで長すぎた…
藤竜也にクサイ事をやらせる必要はあったのか?
日本人監督は取捨選択が下手なのではないかと思う。
もしこれがハリウッド映画の水準で話をするならばありふれたB級サスペンスアクションの一つ。ただ日本の映画としてはずいぶんと頑張った作品だと思う。もちろん日本映画だから下駄を履かせてオススメ出来る映画というわけではなく、面白さはボチボチなんだけど。銃を使ったアクションを作る場合、ヤクザか銀行強盗かテロリストしかない中で、テロリストを使った場合はその時点ですでに嘘くささが我慢できないレベルになってしまうのは、演技の幅が狭すぎることにも理由があると思う。