映画『ミッドナイトクロス』の概要:知事が運転する車が事故に遭い、それを偶然目撃したジャック。彼だけが銃声を聞き、知事の死は事故ではなく暗殺だと訴えるが、真実はもみ消されようとしていた。ブライアン・デ・パルマ監督による独特なカメラワークが視聴者を緊張感に包む。
映画『ミッドナイトクロス』の作品情報
上映時間:113分
ジャンル:サスペンス
監督:ブライアン・デ・パルマ
キャスト:ジョン・トラヴォルタ、ナンシー・アレン、ジョン・リスゴー、デニス・フランツ etc
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映画『ミッドナイトクロス』の登場人物(キャスト)
- ジャック・テリー(ジョン・トラボルタ)
- 元警官。自分のミスで同僚を死なせてしまったことをきっかけに、映画会社で音響係として働くようになる。夜の事故に偶然遭遇。乗車していたサリーと共に事故の真相を暴く。
- サリー(ナンシー・アレン)
- 化粧品の販売係。お金を稼ぐためカープと組み、男たちを罠にかけ浮気写真を撮る仕事を裏でしている。素直な性格ですぐに人を信じてしまうため、身を危険に晒してしまう。
- バーク(ジョン・リスゴー)
- 猟奇的な殺人を繰り返す殺し屋。事故に見せかけ知事を暗殺する。真相を知るジャックとサリーを狙っている。
- マニー・カープ(デニス・フランツ)
- サリーを利用し、男たちを罠にかけ証拠写真を撮っている。知事の事故映像を撮影しており、フィルムを雑誌に売って姿を消す。
- フランク・ドナヒュー(カート・メイ)
- TVのレポーター。元俳優で視聴者からの人気も高い。ジャックとサリーが暗殺の証拠を握っていると知り、テレビで話すよう説得する。
映画『ミッドナイトクロス』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ミッドナイトクロス』のあらすじ【起】
ジャックはホラー映画製作の音響係をしている。現在は「狂乱の女子学生」というB級作品を製作中で、シャワー室で襲われる女子学生役の叫び声があまりに陳腐なことに同僚と頭を悩ませていた。
ニュースではキャスターがアメリカ大統領選の見解を報じていた。現段階ではマクライアン知事が全国的に支持を得ており、彼が出馬すれば現大統領に圧勝で勝つ見込みだと言う。大統領の選挙参謀であるマナーズ氏は「選挙はこれからだ」とカメラの前で笑顔を見せていた。
そのマクライアン知事は、フィラデルフィアで行われる「自由の日」祝賀行事の開幕宣言をしていた。今年の「自由の日」は特別であった。100年ぶりに自由の鐘が鳴らされるからだ。そのため盛大なパレードと花火大会が行われる予定であった。TVレポーターのフランク・ドナヒューは中継の中で、知事は晩餐会の後大統領選出馬宣言をするだろうと報じていた。
ジャックは映画に使用する効果音を拾うため職場を出た。静かな夜。ジャックは風の音を録音するため、川に架かる橋の上でマイクを宙にかざしていた。イヤホンからはデート中のカップルの会話、カエルやフクロウの鳴き声などが聞こえてくる。
と、そこへ一台の車が近づいてくる音が聞こえてきた。何気なくその走行音に耳を立てていたジャックだが、その時突然銃声が響き驚く。咄嗟に音のする方に顔を向けると、車が脇道をそれ、川の中に落ちていくところだった。
ジャックはすぐさま走り出し、沈む車の中に閉じ込められている女性を救うのだった。運転席には男性がいたが、すでに息絶えていた。
病院にはマスコミが殺到していた。死んだ男はマクライアン知事らしい。ジャックは関係者に銃声のことを説明するが、パンクした音だろうと強引に事故で片付けられる。知事の参謀には、車に女性が乗っていたことは口外しないようにと念を押されるのだった。事実がもみ消されようとしていることに納得がいかないジャックだが、遺族のためだと諭され了承するのだった。
ジャックが助けた女性はサリーという名前だった。笑顔の可愛い、どこか頼りないサリーにジャックは好意を抱く。まだ事故のせいでふらついている彼女だが、家に帰りたいとしつこく強請ってくる。ジャックは仕方なく彼女を病院から連れ出すのだった。
映画『ミッドナイトクロス』のあらすじ【承】
サリーはマスコミが彼女のことを嗅ぎつけ、マンションで張り込んでいるかもしれないと言い、二人はとりあえずモーテルに避難することにした。
彼女を寝かしつけた後、ジャックは録音したテープを聞いてみる。彼は職業柄音には自信があった。そのテープを何度も聞き返すが、やはりそれは銃声だった。恐らく銃弾がタイヤに当たりパンクしたに違いないとジャックは推測した。
その日の深夜、事故車が運び込まれた車庫に、深くニット帽を被った男が忍び込んでいた。男は穴の空いたタイヤを外し、別のタイヤをはめ込むのだった。
翌朝、元気になったサリーは化粧品販売の仕事をしているとジャックに話す。ジャックは昨夜の録音テープを聞かすが、サリーには銃声かどうかは分からないと言う。なぜ知事といたかについても口を閉ざすのだった。二人はまた会う約束をした。
その後、M・カープ氏という男が、偶然事故現場を撮影していたというニュースが流れた。N誌がそのフィルムを買い取ったらしい。ジャックは大急ぎで雑誌を買いに行った。そして雑誌に掲載されているフィルム写真を一枚一枚切り取って撮影し直し、動画にするのだった。
サリーに電話をかけると、彼女は旅に出るところだった。駅で待ち合わせし、バーで話し始めた二人。ジャックは率直に君を行かせたくないと言った。彼は自分を知ってもらうため元警官だったことをサリーに打ち明ける。
彼は以前警察の汚職を摘発する仕事をしていた。ヤクザを強請っているある警部を罠にかけるため、フレディという覆面刑事の体に盗聴器をつけさせた。だが、捜査の途中フレディが冷や汗をかいたことで、盗聴器のワイヤーがショートし、腹を焼いてしまったのだ。誤魔化そうとしたが、それがばれて、フレディはワイヤーで首を絞められ殺された。彼はフレディの死に責任を感じ警察をやめたのだった。
話が終わり、ジャックは今回の事故は何かがおかしいとサリーに言う。真実を知るために手伝って欲しいと、旅に出ようとしている彼女を引き止めるのだった。サリーは自らの立場に危険を感じながらも、「納得できたら二人で旅に出よう」というジャックの言葉にほだされ、残ることにするのだった。
その頃、謎の帽子の男がサリーに似た女性の後をつけ、ワイヤーをクビに巻きつけ殺害。その後アイスピックで何度も刺すという狂気の犯行に及んでいた。彼はあのニット帽の男であった。
ジャックは雑誌のフィルム画像で製作した動画を、あの日の録音テープと合わせてみた。二つはピッタリ合った。彼はそれを念のため天井裏に隠す。そして、テープのコピーを顔なじみの警部のところへ持っていった。暗殺事件だと言うジャックの言葉は信じてもらえなかったが、テープは後で聞いてもらえることになった。
謎の帽子の男は、今度は作業着を着て公衆電話から電話をしていた。彼の名がバークであることが明かされる。電話口の男は大統領の参謀であった。参謀はバークに知事が女性といる写真を撮るようにと依頼していたが、殺害までは頼んでいなかった。参謀は二度と電話するなと念を押す。だが、バークは今後カープ氏とサリーを変質者の連続殺人に見せかけ始末する計画であると言った。彼は殺人狂だったのだ。
ジャックはフィルムの原版をもらおうと、カープに会いに行く。だがそこの警備員にサリーが男とベッドにいる写真を見せられるのだった。警備員は今日だけでもう何人もがこの手の写真を買い取りに来たと言い、ジャックもその一人だと勘違いしていた。ジャックはサリーに裏の顔があることを知る。彼女はカープ氏と組み、男を誘い罠にかけ不都合な写真を撮ってはお金にしていたのだ。
映画『ミッドナイトクロス』のあらすじ【転】
映画事務所では、「狂乱の女子学生」の悲鳴の差し替え作業をしていた。悲鳴を撮るため何度も女性たちが叫び声をあげるが、今度も到底採用できるようなレベルではなく、ジャックの同僚は頭を抱えている。
ジャックは自室の録音テープがどれも消されていることに気づく。女性スタッフは、彼が不在の間に修理屋が部屋にきたと言う。それは作業着を着たバークであった。ジャックは何者かがテープを消去するためにここに来たと悟る。さらにテープのコピーを渡した警部から連絡が入り、何も入ってなかったと責められるのだった。ジャックの暗殺説はやはり妄想だと思われてしまう。
そこへTVレポーターのフランク・ドナヒューがやってくる。彼はあの事故は暗殺ではないかと疑っていたのだ。彼はジャックが銃声を録音したこと、車内にサリーがいたと言う情報もすでに入手していた。彼は、ジャックにテレビに出て全てを話しテープを流してはどうかと提案する。弱気になっていたジャックだが、フランクは人気レポーターであり、彼が話せば世間も信じてくれるかもしれないと考えるのだった。
ジャックはサリーに会いに行き、天井裏に隠しておいた動画と録音テープを合わせたものを見せた。彼はサリーの裏の仕事を知ったことを打ち明け、彼女を責める。サリーは生活のためにやったと言う。ジャックはサリーにカープに会いフィルムの原版を手に入れるよう指示する。テレビで放映するには、原版でなければ信憑性がないからだ。
サリーは言われた通りカープ氏に会いに行った。彼は自分も銃撃のことは知らなかったらしい。だが、サリーは自分のせいで知事が死んでしまったと泣き出し、事故で片付く前に真実を暴露すると言うのだった。カープは、サリーを必死になだめていたが、やがて彼女を強引にベッドに押し倒す。犯されそうになったサリーはそれを必死に拒み、酒ビンでカープの頭を瓶で叩いた。サリーは倒れたカープを放置し、フィルムの原版を取って、急いで部屋から逃げた。
映画『ミッドナイトクロス』の結末・ラスト(ネタバレ)
フィルムの原版が手に入ったジャックは、フランク・ドナヒューに連絡しテレビに出演することを了承する。フランクはサリーにも証人として出演して欲しいと言い、ジャックに午後また電話をかけると一旦電話を切った。だが、その電話をバークが盗聴。彼はジャックの家に外からの電話が繋がらないように細工した。
バークはフランク・ドナヒューになりすまし、サリーに電話をする。彼はサリーに直接二人で会いテープを渡して欲しいと言いくるめた。二人は駅で待ち合わせをする。
サリーはジャックの家を訪ねる。ずっとフランクからの電話を待っていたジャックは、電話が繋がらなくなっていることを初めて知った。何かがおかしいと思うジャック。彼は裏があるかもしれないと思い、サリーに盗聴器をつけて待ち合わせ場所に行かせるのだった。
先に駅で待っていた殺人狂のバークは、隣のベンチで男を誘惑する娼婦を見ているうちに血が騒いでくる。待ち合わせまでまだ時間はあった。彼は、娼婦の後をつけ、駅のトイレの個室で、ワイヤーで首を吊り上げ殺害した。
サリーとジャックが駅に到着した。ジャックは車から彼女の声を盗聴するため待機することにした。駅に入ったサリーはジャックに二人の旅行計画を嬉しそうに語りかけている。
そこへ殺人を犯したばかりのバークが近寄ってきた。サリーはテレビを見ないので、フランク・ドナビューの顔を知らず、彼を本物だと信じてしまう。尾行されているようだから移動しようとサリーを連れ出すバーク。それを聞き、ジャックは慌てて車から飛び出し駅に入ったが、すでに二人の姿はなかった。
会話だけはまだ聞こえる。ジャックは二人が改札を抜ける音を聞き漏らさず、改札の方へ向かった。だが、どのホームに降りたのか分からない。サリーはまだ彼がフランクだと信じて世間話をしている。その間にもバークはサリーを殺すタイミングを狙っていた。
電車がホームに入ってきて、ようやく彼女は「フランクリン橋行き」という言葉を口にした。二人は「自由の日」の花火を見に行こうと話している。
ジャックはホームに駆けつけるが間に合わず、二人を乗せた電車は出発した後だった。急いで車を走らせ二人を追いかける。だが街はパレードで混み合っており、ジャックは店に車を衝突させ気を失うのだった。
外はもう暗くなっていた。サリーとバークは電車を降り、彼女はそこで彼にテープを渡した。だが彼はそのテープをバラし、川に投げ捨てたのだ。そこでようやく彼がフランクではないと気づいたサリーは彼から逃げようとする。だが羽交い締めにされてしまう。
救急車で目を覚ましたジャックが急いでイヤホンを耳につけると、サリーが襲われている声が聞こえてきた。祭りの片隅で、サリーはバークにある建物の屋上まで連れていかれる。ジャックは声を聞きながら必死に彼女を探していた。
その時、一瞬の隙を見て屋上から姿を出し、悲鳴をあげたサリー。叫び声は花火と鐘の音に消され、盗聴器をつけているジャックにしか聞こえなかった。サリーの姿を見逃さなかったジャック。彼はすぐさま建物に駆け上がるのだった。
屋上では、倒れているサリーに向けてバークがアイスピックを振り上げていた。ジャックは後ろからその手を掴み、無我夢中で何度もバークの体に突き刺すのだった。だが、サリーはもうすでに死んでいた。間に合わなかったのだ。呆然とし、膝が崩れるジャック。自分のせいで死んでしまったサリーを抱きしめた。
ジャックは抜け殻のようになった。サリーにつけた盗聴器のテープを聞き直す。旅行の計画を話しているサリーの声がジャックを苦しめた。ニュースでは、サリーが殺人鬼に襲われた際、抵抗の末犯人を殺し自らも力尽きたと報じていた。
サリーが最後の最後にジャックに助けを求めあげた悲鳴。彼はその声をあの「狂乱の女子学生」の悲鳴として使用する。それが本当の悲鳴だと知らないジャックの同僚は、あまりの鬼気迫る悲鳴に「これこそ悲鳴だ」と大喜びする。ジャックは耳を塞ぐが、その叫びを頭から消すことはできなかった。
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