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映画『プリティ・リーグ』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『プリティ・リーグ』の概要:第二次世界大戦中、プロ野球選手たちは戦地に駆り出され、変わりに女子リーグが結成された。アメリカ全土から集められた才能ある若い女性選手たち。明るく逞しく華やかに、彼女たちはミニスカートのユニフォームを身に纏い試合に挑む。実話を題材にし、作られた作品。

映画『プリティ・リーグ』の作品情報

プリティ・リーグ

製作年:1992年
上映時間:125分
ジャンル:ヒューマンドラマ、青春、スポーツ
監督:ペニー・マーシャル
キャスト:トム・ハンクス、ジーナ・デイヴィス、マドンナ、ロリ・ペティ etc

映画『プリティ・リーグ』の登場人物(キャスト)

ドティ・ヒンソン(ジーナ・デイヴィス)
オレゴン州の田舎町で、酪農業を営んでいる。出征した夫の帰りを待っていたが、ソフトボールの腕が評判を呼び、女子リーグの入団テストにスカウトされる。捕手として活躍。
ジミー・ドゥーガン(トム・ハンクス)
ホームラン王にも輝いたことのある元プロ野球選手。足の負傷がきっかけで酒に溺れるようになる。ピーチズの監督に任命されるがやる気はなし。
キット・ケラー(ロリ・ペティ)
ドティの妹。美人で野球の才能がある姉といつも比べられてしまう。負けん気が強く、自ら投手としての腕を売り込み、姉と一緒に入団テストを受けるチャンスを掴む。
マーラ・フーチ(ミーガン・カヴァナグ)
父子家庭で育った父親思いの優しい娘。大人しく伏し目がちだったが、ピーチズ入団後は周りの影響で明るくなる。酒場で出会った男性とのちに結婚。
メイ・モーダビート(マドンナ)
元ダンサー。お酒と煙草と男が大好きである。明るい性格でピーチズのムードメーカー的存在。
アイラ・ローウェンスタイン(デヴィッド・ストラザーン)
プロ野球のオーナーであるハービー氏の腹心であり、女子野球リーグの発起人。リーグを盛り上げるため力を注ぐ。

映画『プリティ・リーグ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『プリティ・リーグ』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『プリティ・リーグ』のあらすじ【起】

年老いたドティは旅の準備をしていたが、それは気が進まない旅だった。かつて、女子野球チームで短い期間活躍した頃の仲間と再会するのだ。もう過去のことだと言い、行くのを躊躇うドティ。だが、娘に背中を押され渋々出発するのだった。バスに揺られ到着した場所は、思い出のグランドだった。

それは、第二次世界大戦中のことだった。プロ野球選手が戦争に出征したことで、野球の存続が危ぶまれていた。オーナーであるチョコレート会社のハービー・バーの社長ハービー氏は、腹心であるローウェンスティンに何か策を考えさせる。そこで考え出されたのが女子野球リーグの結成だった。

オレゴン州ウィラメット。ドティとキット姉妹は、そこのソフトボールチームに所属していた。姉のドティは美人でチームでも大活躍。だが、妹のキットは投手としての腕はいいものの、いつも目立つ姉の影に隠れていた。打者としては高目の球を打つのが苦手で、いつも姉から「高目は打つな」とアドバイスされる。勝気なキットは、言うことを聞かず文句ばかり言って怒っているが、二人は仲のいい姉妹だった。

そんな二人のところに、シカゴから女子リーグのスカウトマンがやってくる。はじめはドティだけを入団テストに勧誘するが、彼女は戦争に行った夫を待つ身であり、誘いを断った。キットは投手としての自分を売り込む。スカウトマンから「ドティを連れてくるなら一緒に来てもいい」と言われ、強引に姉を説得し、二人はシカゴ行きの列車に乗り込むのだった。

シカゴに行く途中、スカウトマンと姉妹の3人は、別の土地で打者として評判のいいマーラという娘にも会いに行く。母親が亡くなり、父親と二人で暮らす地味なマーラは、お世辞にも美人とは言えない。華やかな女子チームとして売り出すため、最初はそのまま立ち去ろうとするスカウトマンだが、野球チームの監督でもあるマーラの父親に懇願され、連れて行くことにする。父と娘は涙の別れをし、マーラは新しい世界へ足を踏み出すのだった

シカゴにあるハービー球場は、姉妹とマーラが初めて見る広い球場だった。圧倒される3人の視界には、大勢の女子選手達が入団テストに備えトレーニングをしていた。

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映画『プリティ・リーグ』のあらすじ【承】

全米で初の女子野球リーグのメンバーをかけた入団テスト。合格するのは全部で64人。集まったうち半分近くが落とされる。皆、野球で未来を切り開くため必死だった。合格者はピーチズとラシーンというチームに分けられた。ドティとキット、マーラは無事に合格し、ピーチズのメンバーとなる。

選手たちは見せられたユニフォームに驚く。ミニスカートだったからだ。女性は女性らしくと考えられた時代、女子野球は競技の本格性よりも話題性を売りにしたものであった。チームには風紀係がつけられ、マナー教室まで開かれるのだった。

ピーチズの監督に選ばれたのは、ジミー・ドゥーガンである。彼は、選手時代はホームラン王に輝き全米で人気の選手。だが、足を痛めて以来アルコールに依存し、心も荒れていた。過去の功績で人気はまだあるものの、女子リーグの監督に関してはやる気ゼロであった。

初試合は観客の男たちに茶化される始末。おまけに監督は二日酔いで、ベンチでずっと寝ている。選手たちだけが真剣に野球をプレイした。

子供がいるエブリンは、息子を預けることができなくなり、巡業に幼い息子も一緒に連れてくる。ジミーも渋々了解。だが、エブリンの息子はとてもやんちゃでいたずら好きで、巡業中、バスの運転手に目隠しし、運転手は怒ってやめてしまうのだった。仕方なく、ジミーがバスを走らせる。

ある夜、風紀係の目を盗み、選手たちはこっそり酒場に行く。元ダンサーで自由奔放なメイは、フロアで派手なダンスを披露。酒を飲み、男たちを誘惑する。他の選手たちも楽しい夜を過ごし、大人しいマーラでさえも酔っ払ってステージで歌いだす。そして、その姿に熱い視線を送ってくる男性と恋に落ちるのだった。

試合はジミーがいつも酔っ払っているため、ドティがチームを指揮するようになっていた。ある時、彼女が打者に送った合図を見て、ジミーは判断が間違っていると口を出す。それぞれ違う合図を送り、打者のマーラはジタバタ。だが、結果的にドティの判断で試合はうまくいき、ジミーは「まだ認めないぞ」と言いながらも感心するのだった。

選手たちと共に巡業を続けるうちに、ジミーは試合の楽しさを思い出していた。監督としてのやる気が徐々に芽生え、彼は酒をやめ野球に集中する。

粗暴な性格だけはまだ健在なジミーは、試合でミスを犯したエブリンを怒鳴りつける。泣き出したエブリンに「野球には泣くなんてない!」と怒り爆発。審判に「女性は母親のように扱え」と言われたが、審判にも毒舌を吐き、退場命令が出てしまう。慌てるジミーを選手や観客は笑い拍手を送るのだった。

映画『プリティ・リーグ』のあらすじ【転】

華々しいスタートを切った女子リーグだが、観客は少なく、このままでは存続が危うい状況だった。

発起人のローウェンスタインは、雑誌のカメラマンが来ていることを知り、ドティに「試合中何かハデにパッとやってくれ」と提案する。無茶振りではあるが、リーグが解散になると困るメンバーたち。ドティは機転を利かせ、試合中大きな開脚でボールをキャッチし、観客席を沸かせたるのだった。

ドティの姿がLIFE誌の表紙になり、話題作りは大成功。さらに観衆を盛り上げるため、元ミス・ジョージアのエレンはボールを捕った男性にキスのサービス。ヘレンは鍋つかみでボールをキャッチ。彼女たちはあらゆるサービスで注目をされ始め、人気は高まっていった。

女子リーグは軌道に乗るが、ドティには心配事があった。戦地に居る夫からの便りが途絶えているのだ。ジミーはそんなドティを励ます。監督と選手として少しずつ信頼関係が築かれていた。二人は、ドティがこの先夫が戻れば野球を辞めるつもりでいること、ジミーの過去の結婚話などを移動のバスの中で語り合うのだった。

ある日、ドティは妹のキットと仲違いをしてしまう。それは、ある試合の大事な場面で、疲れが見え始めたキットを、ドティの判断でジミーが交代させたからだった。「最後まで投げさせて」とお願いするキットだったが、ドティは情に流されなかった。

これまでも、ずっと姉の影に隠れ自分を卑下してきたキットは、自分に協力してくれなかったことでドティを責める。自分のせいで妹が傷ついていると知ったドティは、本意ではなかったが、リーグを辞めようとするのだった。

慌てたのはローウェンスタイン。実は、オーナーのハービー氏から終戦後、女子リーグを解散させると通告されたばかりであった。女子リーグに力を注いできた彼は、それを食い止めるため必死だった。今、スター選手であるドティに辞められると非常に困る。彼は他チームに移れるようにするからと、ドティを踏み留まらせるのだった。

だが、ドティは勘違いしていた。移籍になったのはキットの方だったのだ。ラシーンに移ることが決まったキット。ドティは誤解だと説明するが、キットの怒りは収まらない。二人は仲を拗らせたまま別チームで戦うことになる。

映画『プリティ・リーグ』の結末・ラスト(ネタバレ)

ピーチズの選手たちは、自分たちの歌を作り、ロッカルームで楽しく歌っていた。そこへ戦地から電報が届く。戦時中の電報は訃報を知らせるものが多く、皆は一同に静まりかえった。電報が渡されたのは、ドティと同じく夫が出征していたベティ。彼女の夫は亡くなった。

明日は我が身かもしれない。その夜ドティは夫を思い、部屋で一人涙する。だが、そこへ突然夫のボブが現れた。足を負傷し除隊になったのだ。ドティは泣きながら夫と抱き合い、生還を喜ぶのだった。

夫と家に戻ることにしたドティ。ジミーは、ドティにとって野球がかけがえのないものになっていると知っていた。「こんな風に辞めたら一生後悔するぞ」とドティを説得するが、ドティは揺らぐ気持ちを抑え、ボブと車に乗り込むのだった。

その後、女子野球最初のワールド・シリーズが開幕した。ピーチズとラシーンは接戦を繰り広げていた。チームは一丸となり優勝を目指す。

一度はチームを去ったドティも、ワールド・シリーズを諦めきれず途中で夫と共に戻って来た。彼女が戻れば優勝に向かって勢いは増すだろう。ジミーは思わず顔に笑みが浮かぶのだった。

試合は白熱。エブリンのミスでラシーンに先手を取られるが、ジミーはもう以前のように怒鳴りつけるようなことはしなかった。彼の心に女子選手たちに対する敬意が生まれていたからだ。

その後ピーチズが逆転し、9回表終了。ラシーンの明暗は最終打席に入ったキットにかかる。ピーチズは捕手がドティ、投手がエレンだった。ドティは、エレンに高目で投げるよう指示。

キットは、以前ドティから言われていたように、監督からも高目は振るなと注意された。だが、勝気なキットは二度空振りしてしまうが、三度目で見事に打撃。ランニングホームランとなるのだった。ドティの元に戻った球は、キットの猛突進でドティの手から転げ落ちていた。姉に初めて勝ったキットはチームを優勝に導いたのだ。

ワールド・シリーズの大盛況で、ハービー氏も心変わり。女子リーグの解散は白紙になった。

試合後、ドティとキットは気まずさを乗り越え、歩み寄る。今度こそボブと家に戻る決心をしたドティと、リーグに残り野球を続けるキット。これまでずっと一緒だった姉妹は、別々の道を踏み出すのだった。二人は仲直りし、抱きしめ合う。そして、寂しさを噛み締めながらお別れをするのだった。

場面は初めに戻り、思い出に浸っていたドティは、皆との再会で現実に引き戻される。実はこの日、初の女子プロ野球選手として彼女たちは野球殿堂入りしたのだった。マーラやメイ、ドリス、エレンたちと再会を喜び合うドティ。キットとも久しぶりの再会だった。彼女は子供や孫たちを引き連れて来ていた。

監督のジミーは亡くなっていた。息子を連れていたエブリンも亡くなっていたが、息子が立派な大人になって来ていた。

テープカットは、選手たちから功労者としてローウェンスタインが指名される。懐かしい写真を見上げる元選手たち。彼女たちにとって、あの女子リーグで活躍した日々は、かけがえのない青春だった。皆はかつてロッカルームで歌った、彼女たちの歌を歌うのだった。

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