映画『ミラーズ・クロッシング』の概要:禁酒時代のアメリカ。ギャングの抗争を描いた犯罪ドラマ。出演はガブリエル・バーン、マーシャ・ゲイ・ハーデン、アルバート・フィニー。ジョエル&イーサン・コーエン監督の1990年製作米国映画。
映画『ミラーズ・クロッシング』 作品情報
- 製作年:1990年
- 上映時間:115分
- ジャンル:フィルムノワール、コメディ
- 監督:ジョエル・コーエン
- キャスト:ガブリエル・バーン、マーシャ・ゲイ・ハーデン、アルバート・フィニー、ジョン・タートゥーロ etc
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映画『ミラーズ・クロッシング』 評価
- 点数:65点/100点
- オススメ度:★★★☆☆
- ストーリー:★★★★☆
- キャスト起用:★★★★☆
- 映像技術:★★★★☆
- 演出:★★★★☆
- 設定:★★★★☆
[miho21]
映画『ミラーズ・クロッシング』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)
映画『ミラーズ・クロッシング』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『ミラーズ・クロッシング』 あらすじ【起・承】
あるBAR。イタリア系マフィアのボス、キャスパーは、八百長試合のはずなのに儲けが少ないと嘆いていた。
同じ頃、アイルランド系マフィアのボス、レオ(アルバート・フィニー)の部下として働く、トム・レーガン(ガブリエル・バーン)は、多額の借金を抱えていた。
レオがキャスパーを小者だと見ているのを知り、“キャスパーを怒らせないほうがいい”と忠告するのだった。そして、レオがトムの借金を肩代わりしてやると言っても、断った。
トムは、黒い帽子が森の中を風に乗って泳いでゆく景色を想像していた。ある晩、カード・ゲームで負けてしまったトムは、お気に入りの帽子を賭けで取られてしまう。
レオの愛人、ヴァーナ・バーンバウム(マーシャ・ゲイ・ハーデン)は、札付きのワルである弟バーニー(ジョン・タトゥーロ)のためなら、どんな男でも寝る女だ。
ヴァーナに付けていた用心棒ラグが殺され、トムはヴァーナの弟バーニーが犯人ではないかと考えた。
“レオを崇めるのはやめろ!”とヴァーナに言うが、彼女は取り合わない。
ある晩、ヴァーナの弟バーニーがトムを訪ねてきた。
“土曜日の試合の味方になってほしい”と。やはり、賭けの情報が早口でしゃべる男ミンク(スティーヴ・ブシュミ)から漏れているようだ。
次に2人組の男たちに、“ボスが呼んでいる!”と連れて来られたのが、キャスパーのアジトだった。1500万ドルを見せられ、“バーニーを引き渡せ”と言われた。
返事を保留したトムは、ボコボコに殴られるが、運よく警察が介入して助かった。
警察署長は、“レオは一体、何をする気なんだ?”と聞き、トムは用心棒だったラグの死を伝えるのだった。
ある晩、キャスパー暗殺未遂事件が起きた。その影響で、署長も市長も消えてしまう。
トムは、レオを訪ね、“戦争をする気なのか?”と問う。
すると、“ヴァーナと結婚するつもりだ”と言う。そんな楽天家なレオに対して、
“あの夜・・彼女は俺の家にいた・・”と不倫を暴露した。
トムは、公衆の面前で、レオに殴られ、“2度とその顔(つら)を見せるな!”と破門されてしまう。
映画『ミラーズ・クロッシング』 結末・ラスト(ネタバレ)
ヴァーナが、トムの家を訪ねてきて、“一体、何をしたの?捨てられたわ”と。裏切ったために、2人はボスであるレオから命を狙われる立場となっていたのだ。
やがて、キャスパーに呼ばれたトムは、知性の高さを買われて、レオから守ることを条件にリクルートされます。
信頼を得るためにバーニーの隠れ家として、“ロワイヤル302号室”という情報をキャスパー側に流すと、トムはバーニーを殺すはめになってしまう。
森の中。泣きながら命乞いをするバーニーを連れて進むが、“2度と俺の前に現れない”ことを条件にトムはバーニーを逃がした。
ところが、ヴァーナの元にレオの息のかかった男たちが現れたため、“レオはニックの店にいる”と言って、ヴァーナは逃げた。
そして、トムの家にバーニーが現れた。
“俺が生きていることをばらされたくなかったら、キャスパーを消してくれ!”と。
やがて、バーニーが生存しているのではないかという噂が広がり、もう1度森へ行ってバーニーの遺体を確認することになった。
トムは、殺していないことがばれるという不安感から、嘔吐してしまう。
もう、ダメだと思った瞬間、キャスパーの部下から、遺体が見つかったと知らせが。
顔が潰され、鳥に食われていた遺体だった。
警察側もレオの組織を壊滅させるため、ナイトクラブに爆弾を仕掛けるが、一掃することは容易ではない。懲りずに逃げ続けるバーニーに、トムは電話で“俺を脅しても無駄だ”と伝えるのだった。
トムは、ヴァーナと街で会う。弟のことを心配するヴァーナに“無事だ”と伝えるトム。
ところが、バー・トム・アームズに行くと、銃声がしてキャスパーが階段に倒れて死んでいた。
その場にいたのは、バーニーだった。
“この殺しをディンに擦り付けるんだよ”と笑うバーニーに対して、
“ディンは今夜、死んだんだよ・・”と返す、トム。
バーニーはまた泣き落としで逃げようとするが、トムが殺した。
バーニーの葬儀が行われ、久しぶりにレオ、ヴァーナと墓地で再会した。レオから、ヴァーナと正式に結婚すると言われた。
トムは、レオから組織に戻ってきて欲しいと頼まれるが、“お別れだ、レオ”と言って去ってゆく。
映画『ミラーズ・クロッシング』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『ミラーズ・クロッシング』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
最後まで目が離せない!デス・ゲーム風なギャング映画
ギャング映画というと、何人もの悪党が出てきて警官と小競り合いや美女との絡みが印象的ですが、コーエン兄弟のギャング映画は一味違います。
組織のナンバー2である男が、2大ギャングのボスを手玉に取りながら、死闘を潜り抜けてゆくというストーリー。主役のトムとギャングのボスとの掛け合い、コーエン兄弟作品ではお馴染みの早口でしゃべる男ミンクが登場するなど、登場人物が濃いのです!
ただ主役のトムが死ぬことはなかったけれど、鑑賞後、孤独感が押し寄せてきました。
まるで、心象風景のような、森を漂う帽子が忘れられません。
殺しという十字架を背負った男達の物語をぜひ、お楽しみ下さい。本作は興行的には振るわなかったようですが、1990年代を彩るギャング映画として記憶に残る作品です!
コーエン作品に欠かせない常連俳優を追え!~バーニー役ジョン・タトゥーロ
ジョン・タトゥーロは、これまで、コーエン兄弟の4作品に出演しています。その中でも、アカデミー賞3冠に輝いた「バートン・フィンク」(91)が彼の代表作です。
主役である、脚本家を演じ、執筆のために滞在したホテルで殺人事件に巻き込まれるというストーリー。一夜を共にした女性が、翌朝、自分の隣で遺体となって発見されます。
スリリングで巧みなストーリー構成に惹きこまれますよ。
「バートン・フィンク」以外では、「オー・ブラザー!」(00)でのおバカ3人組が笑いのツボにはまるかも!おバカ3人組を演じる、ジョージ・クルーニー、ジョン・タトゥーロ、ティム・ブレイク・ネルソンに注目です!
最後に「ビッグ・リボウスキ」(98)。ジェフ・ブリッジスやスティーヴ・ブシュミなど豪華俳優が出演していることに加えて、ドタバタ誘拐劇が面白い!お金持ちに間違えられて誘拐に巻き込まれてゆく設定もいい。
このように常連俳優に注目して、観るのもおすすめです!なぜこの役なのか考えると納得できると思います。
映画『ミラーズ・クロッシング』 まとめ
コーエン兄弟の作品には、ギャングものやコメディでも、人間と映画に対する愛がたくさん溢れています。
1作だけ観れば語れるというわけではないのですが、本作はギャング映画にあるようなギラギラ感はなく、知的な作品だと思います。
特にコーエン兄弟の作品に多く出演している、バーン役のジョン・タトゥーロやスティーヴ・ブシュミらの演技に注目して下さい。
主人公トムを演じる、ガブリエル・バーンの知的でダークな魅力も外せません。
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