映画『バーン・アフター・リーディング』の概要:ジョエル&イーサン・コーエン兄弟のおバカな犯罪コメディ。ブラッド・ピットやジョージ・クルーニーをはじめとした豪華俳優陣の演技に注目。題名は、“読んだら燃やせ”という意味。2008年製作の米国映画。
映画『バーン・アフター・リーディング』 作品情報
- 製作年:2008年
- 上映時間:93分
- ジャンル:サスペンス、コメディ
- 監督:イーサン・コーエン、ジョエル・コーエン
- キャスト:ブラッド・ピット、ジョージ・クルーニー、ジョン・マルコヴィッチ、フランシス・マクドーマンド etc
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映画『バーン・アフター・リーディング』 評価
- 点数:80点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★★★☆
- キャスト起用:★★★★★
- 映像技術:★★★★☆
- 演出:★★★★★
- 設定:★★★★☆
[miho21]
映画『バーン・アフター・リーディング』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)
映画『バーン・アフター・リーディング』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『バーン・アフター・リーディング』 あらすじ【起・承】
ヴァージニア州、ラングレー。CIAでは、オズボーン・コックス(ジョン・マルコビッチ)が、上司に呼ばれ、“飲酒問題があるから、君を解任する”と言われてしまう。
上司に反論するが、取り合ってもらえず、オズボーンことオージーはCIAを辞めた。
自宅に帰ると、パーティの準備で忙しい妻ティティ(ティルダ・スウィントン)がいたが、CIAを辞めたことをなかなか言い出せない。
パーティが始まり、妻ティティは浮気相手のハリー・フォラー(ジョージ・クルーニー)と絵本作家である妻サンデイ(エリザベス・マーヴェル)と再会した。
オージーの妻は、長年の不倫関係を解消し、浮気相手のハリーとの再婚を真剣に考えていたが、ハリーは出会い系サイトをよく利用している遊び人だったのだ。
離婚に向けて、弁護士に相談すると、“警戒されないように彼の経済状態を調べなさい”と助言された。
一方、オージーは、車いす生活をする父親に、CIAを辞めた後は自伝を書くつもりであることを伝えた。また当分、コンサルタント業をする予定。
オージーが、プリンストン大学の同窓会に出席している間も、妻はハリーと船で密会を繰り返していた。
とあるスポーツジム。スポーツインストラクターのリンダ・リッキ(フランシス・マクドーマンド)は、容姿に自信がなく美容整形を考えていた。
しかし、保険会社に美容整形は契約外と言われ、給料の前借りも会社は認めてくれない。
リンダは、出会い系サイトに登録していたが、彼女だけを見つめてくれる人は現れなかった。
リンダから、美容整形の資金について相談を受けた、ジムの支配人テッド(リチャード・ジェンキンス)。彼だけは、リンダに整形しなくてもいいじゃないかと伝えるが、彼女の意志は強かった。
ある日、ジムの女子更衣室で、機密文書が入ったファイルが見つかった。ジムの同僚であるチャド・フェルドハイマー(ブラッド・ピット)は、友人に頼んでそのファイルのPCを特定してしまう。
そのファイルの持ち主が、オズボーン・コックスだった!チャドは、リンダと一緒にファイルを返す代わりにお金を得ようと恐喝した。
ところが、オズボーン・コックスことオージーは、2人に取り合わない。
それでも気になるオージーは、チャドの行動を見張っていた。
数日後、オージーに気付いたチャドは、チャドの車に乗り込み、お金を要求した。
“フロッピーでもCDでもいいから早く返せ!”とオージーは言うと、チャドを殴ってしまう。
その後、チャドとリンダは、オージーの車を追いかけるが捕まえることはできない。
そこで、オージーのファイルをロシア大使館に提供することで相手の出方を待つことにした。
映画『バーン・アフター・リーディング』 結末・ラスト(ネタバレ)
ロシア大使館にオージーのファイルを持ち込んだが、すぐにオージーもその事を知った。
おかげで、チャドたちはジムに遅刻してしまう。
一方、ハリーは、オージーの妻ケイティから、オージーとの離婚を言われるが、“彼が気の毒だから離婚を伸ばした方がいい”とはぐらかすのだった。
出会い系サイトでのデートを繰り返すリンダの今回の相手は、ハリーだった。
何度も同じ映画を見て、相手を吟味するがハリーは遊びとしてしか考えていないようだ。
チャドとリンダは、金を巻き上げることを諦めていなかった。そこで、オージーの家を見張っていると、オージーの妻ケイティと愛人のハリーが一緒にいるところを目撃した。
チャドは、PCから機密情報を盗もうとケイティとハリーが出かけた後、オージーの家に忍び込んだ。
ところが、ジョギングから戻ったハリーとチャドは2階のクローゼットで鉢合わせしてしまう。驚いたハリーが、拳銃でチャドを撃ってしまう。
チャドの遺体は、ハリーによって海に捨てられた。
一方、ジムでは、チャドが無断欠席をし、支配人のテッドもリンダの様子がおかしいことに気づいていた。リンダは、チャドの行方も心配だが、機密ファイルでお金を取る計画もあきらめられなかった。
リンダは、支配人テッドにパソコンから機密ファイルを奪うよう言うのだった。
テッドは、パソコンが苦手と言いながら、リンダのため、オズボーン・コックスの家へ向かう。
一方、リンダはハリーと公園で会い、行方不明になったチャドを探してくれるように頼む。
詳しく、チャドが失踪した前後の様子を話したところ、ハリーの様子がだんだんおかしくなってゆく。
“チャドは、ジョージタウン160番地。オズボーン・コックスの家に行ったのよ”
“お前は誰だ?”
“?・・リンダ・リッチよ”
チャドを殺したハリーは、怖くなりリンダの前から姿を消した。
オズボーン・コックスの家。帰宅したオージーは、いつもとは違う人の気配に気が付いた。
そこで、護身用の銃を持ち、地下室に降りてゆくと、見知らぬ男がパソコンの前に立っていた。
“お前は、私の妻の愛人か?”
“違う!ジムとは関係ないんだ!”
オージーは、見知らぬ男が自分の失くしたファイルで金を要求する、チャドとリンダの仲間であることに気が付いた。そして、オージーは銃を撃ち、逃げようとしたテッドを公衆の面前で殺すところを住民に目撃されてしまう。
CIA。このおバカな事件の顛末が、CIA上官(J・K・シモンズ)に報告された。
元CIAのオズボーン・コックスは、警官に撃たれ、脳死状態になってしまい、この事件を知るのは、ジムのインストラクター、リンダ・リッキだけだと言う。
“金を払えば、協力すると彼女は言っています”
“じゃあ、払え!”
映画『バーン・アフター・リーディング』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『バーン・アフター・リーディング』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
おバカなブラット・ピットにハマる!犯罪コメディ
ブラッド・ピットといえば、「リバー・ランズ・スルーイット」(92)や「ジョー・ブラックによろしく」(98)などで、イケメンでミステリアスな印象があります。
しかし、コーエン兄弟の手にかかると、おバカで周囲を振り回す役を演じている時のテンションが素晴らしい!いたずらっ子のように目が輝いていますよ。
本作は善良そうな人間でも、金や異性関係、欲が絡むと事件になってしまう・・という単純かつシンプルなお話です。あまりにバカすぎて笑えないという人もいるかもしれません。
コーエン兄弟のスゴイところは、誰もが犯罪に巻き込まれてしまうんじゃないかという緊張感を魅せてくれる点にあると思います。だから、コーエン兄弟の作品は何度も観たくなるんです!
またブラット・ピットだけでなく、ジョージ・クルーニーやフランシス・マクドーマンドなど豪華俳優が出演していることも魅力です!
愚かな人間ほど愛しいと思えてくるから不思議な作品だと思います。
コーエン兄弟を知るための、おすすめ映画3選
コーエン兄弟は、時に犯罪映画の限界を超えて、これまでにない風景を魅せてくれるのだと思う。罪を犯してしまうのが必然だったかのように。
まず、1作目は、コーマック・マッカーシー原作小説を映画化した、「ノーカントリー」。
ジョシュ・ブローリン演じる、ベトナムからの帰還兵が犯罪に巻き込まれ、殺し屋から追われてしまうサスペンス。
史上最強で最悪の殺し屋アントン・シガーの容赦のない殺しっぷりが怖いのだ。加えて、第80回アカデミー賞で作品賞など4部門を受賞作品であることにも注目。
2作目は、「ファーゴ」(96)。
雪と鮮血の対比も目に美しく、冒頭で“ノンフィクション”だと言っておいて、おいしいウソをついてくれる作品。
本作でも登場した、リンダ役のフランシス・マクドーマンドが妊婦で警官役を好演しています。スティーブ・ブシュミの弾丸トークも見逃せない!
3作目は、「赤ちゃん泥棒」(87)。
コーエン作品には、赤ちゃんと逃亡劇であることが重要だと感じます。初期の傑作だといってもいい。子供ができない夫婦が、5つ子を誘拐しょうと画策する物語だが、なんともいえない切なさ・おかしみにハマってしまいます。
本作「バーン・アフター・リーディング」がイマイチだと思った人でも、この3作品を観れば、コーエン兄弟の作品の面白さが分かりますよ。ぜひ、ご覧下さい。
もの凄く豪華なキャストが、もの凄くお馬鹿なことをしているのが最高におもしろかった。正直に言うと、真面目なストーリーにした方が万人受けは良かったと思う。でも、気軽に見られる作品で、個人的には好きだった。力を抜いて見るのにおすすめの作品。
最後、こんな事件を聞かされることになったCIA上官が、少し可哀そうだった。映画でCIA長官と言えば、裏で事件の糸を引いたりすることが多い立場なので、振り回されているのが新鮮だった。(女性 30代)
映画『バーン・アフター・リーディング』 まとめ
本作は、ブラット・ピットがいなかったら成立しない作品だろう。彼に久しぶりに会ったような懐かしさを感じます。
登場人物のすべてが、欲や不倫関係など人生の泥沼にどっぷりハマり、一寸先は犯罪という闇に覆われています。一見、接点のない者同士が、“犯罪”で繋がるところがコーエン兄弟のストーリー展開の上手い点です!
また、ブラット・ピットやジョージ・クルーニーなどコーエン兄弟の常連俳優が出演し、変わらない面白さを魅せてくれるのがいい。
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