この記事では、映画『ミミック』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『ミミック』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『ミミック』 作品情報
- 製作年:1997年
- 上映時間:106分
- ジャンル:SF、ホラー
- 監督:ギレルモ・デル・トロ
- キャスト:ミラ・ソルヴィノ、ジェレミー・ノーサム、アレクサンダー・グッドウィン、ジャンカルロ・ジャンニーニ etc
映画『ミミック』 評価
- 点数:60点/100点
- オススメ度:★★★☆☆
- ストーリー:★★★☆☆
- キャスト起用:★★★★☆
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★★★☆
- 設定:★★☆☆☆
[miho21]
映画『ミミック』 あらすじネタバレ(起承転結)
映画『ミミック』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『ミミック』 あらすじ【起・承】
子供だけが命を落とす伝染病、ストリックラー病が広がったニューヨーク。
感染経路はゴキブリだった。
ワクチンも治療法も見つけられないCDCに勤めるピータに頼まれ、昆虫学者のスーザンは、ゴキブリを一掃するべく遺伝子操作された新種の虫“ユダの血統”を放った。
“ユダの血統”に繁殖能力はなく、半年程度で絶滅するはずだった。
3年後。
ストリックラー病は根絶され、ピーターとスーザンは結婚したが、未だ子宝には恵まれていなかった。
ある日、スーザンは珍しい昆虫を子供から買い取る。
それはいるはずのない“ユダの血統”の幼虫だった。
何者かにユダの幼虫を盗まれたスーザンはピーターに相談し、同僚レミーと共に子供たちから、虫を捕まえた地下鉄を教えてもらう。
地下鉄で靴磨きをする祖父と暮らす、リズムを真似するのが上手で靴に詳しい不思議な少年チューイ。
彼は「変な靴のおじいさん」を何度も目撃していた。
そしてある日、忽然と姿を消してしまう。
警察が当てにならないと判断した祖父マニーは、チューイの痕跡を追って地下へと進んでいく。
スーザンとレミーはユダの巨大な死骸を発見し、師と仰ぐ教授に解剖を頼み込む。
そして、ユダは生き残り、巣を形成していたことが判明。

映画『ミミック』 結末・ラスト(ネタバレ)
ピーターは、同僚ジョシュ、警官で地下に詳しいレナードと共に地下鉄の調査に入る。
しかし、運悪くピーターとレナードは出られなくなり、ジョシュが助けを呼びに行くが、彼はユダに襲われて命を落とす。
ピーターたちに同行する予定だったスーザンは、レミーからの連絡で遅刻し、駅でピーターを待っていた。
しかしユダに攫われ、チューイを探していたマニーに偶然発見される。
ピーター、スーザン、レナード、マニーは襲ってきたユダを銃で撃ち、放置されていた古い電車の中に逃げ込む。
足に怪我を負ったレナードの血の臭いに引き寄せられたユダたちから身を守るため、スーザンの提案でユダの臭いを使ってごまかす。
スーザンは、“ユダの血統”は人間に擬態(ミミック)し、すでに人間社会にまぎれていると確信。
臭いを使って擬態し、電車を動かして脱出しようとするが、偶然見つけたチューイを助けようとしてマニーが命を落とす。
押し寄せるユダを前に、レナードは自らを囮にし、ピーターは戦う覚悟を決めてスーザンとチューイを逃がす。
駅まで逃げたスーザンとチューイの前に、巣のリーダーであるオスのユダが現れ、スーザンはそれを倒した。
ピーターはユダの大群に囲まれるが、可燃性ガスを使ってユダの卵をも焼き尽くした。
愛する人を失ったと悲しむスーザンの前に、奇跡的に生還したピーターが現れ、3人は喜びあった。
映画『ミミック』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『ミミック』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
虫が苦手な場合は見てはいけない
ゴキブリを媒体にして広がる伝染病を根絶させるため、ゴキブリの天敵になりうる新種の虫“ユダの血統”を遺伝子操作して作ったら、巨大化して人間に牙をむいたという自業自得な設定。
とにかくほとんどのシーンに虫が出てきて、人間に擬態(ミミック)したユダも結局虫なので、虫嫌いの場合は序盤から耐えられないシーンが続出。
ユダの卵がネバネバした液体に包まれていたり、ピンチに陥ったスーザンたちがユダから取り出したにおい袋を全身に塗りたくったりと、気持ちが悪いシーンだらけなので注意が必要。
タイトルバックも昆虫だらけだが、鬼才ギレルモ・デル・トロらしい斬新な作りになっている。
何枚もの目の写真の中に違う方向を向いているものがあったり、全体を見ると苦しんでいる子供の写真だったりと、細かく作られている。
人間に擬態したユダの顔は2回しか登場せず、うち1回は写真を見ていてスーザンが気付く、という手の込みよう。
蟻やカマキリを掛け合わせたのがユダとなっているが、蟻が女王蟻を中心にしているのに対して、ユダはオスが中心になっているのには伊違和感を覚える。
無駄な伏線は多いがラストはスッキリ
CDCの仕事として、天井につけられたフンを回収するシーンが何度か出てくるが、それがユダと直接つながってこないのが残念なストーリー。
また、靴の種類に詳しくリズムを真似るのがうまい少年チューイが、そのリズム感で昆虫のユダとコンタクトが取れていたりする場面があるものの、まったく生かされていない。
自閉症にも見えるチューイだが、不思議で特別な子として済ましてしまうのはツッコミどころ。
行方不明事件が多発しているにも関わらず、ニュースにもなっていないのはおかしい。
スーザン、ピーター、チューイが家族のように抱き合っているシーンで終わり、ありがちな「実はまだ卵が残っていた」という部分がないのは好感が持てる。
生物学的リアリティとホラーの融合が見事な作品でした。人間の顔を模倣する巨大昆虫という設定だけでも不気味ですが、地下鉄の暗闇という舞台がさらに恐怖を引き立てます。進化した“ユダの血統”が人間の姿を模倣するというアイデアには驚きました。ラストで命を賭けて戦ったピーターが生き延び、スーザンとの再会を果たす結末は少し安堵しました。グロテスクだけど、見応えのあるモンスターホラーです。(20代 男性)
昆虫が人間に擬態するという発想は斬新で、地下鉄という密閉空間の怖さが絶妙に作用していました。子どもたちの視点も取り入れることで、恐怖がより身近に感じられました。ギレルモ・デル・トロらしい“クリーチャーへの美学”も垣間見え、単なるパニックホラーではない深みがありました。音の使い方や光と影の演出も秀逸です。(30代 女性)
怪物映画としてはかなり良質だと思います。序盤の“対ウイルス用昆虫”が、意図せず進化して怪物化するという展開は、科学への警鐘としても機能しています。人類が自然をコントロールしようとして返り討ちにあう典型例。緊張感ある展開と、徐々に明らかになる昆虫の恐ろしさに手に汗握りました。映像も当時としてはかなりレベル高いです。(40代 男性)
地下の世界で繰り広げられるサバイバル劇に引き込まれました。昆虫が擬態し、人間社会に紛れ込むというアイデアは、現実にはあり得ないはずなのに妙なリアリティがあって怖い。マニーという少年の存在が、閉塞感のある物語に救いを与えていました。人間のエゴが生んだ悲劇と考えると、ただのモンスター映画では済まされないですね。(50代 女性)
正直、最初はB級っぽいと思って観ましたが、良い意味で裏切られました。昆虫の造形がリアルで気持ち悪く、地下鉄の閉塞感が恐怖を煽ってきます。ラストでヒロインが卵を潰すシーンはグロいけど爽快感がありました。サスペンス要素とモンスターのバランスが取れていて、テンポもよく飽きずに観られる映画でした。(30代 男性)
虫が大の苦手なので、かなり恐怖心を煽られました。あのガサガサと動く音、何かが背後にいるような不安感が常にあって、ホラーとしても一級品だと思います。人類が作り出したものが裏目に出るというテーマも考えさせられました。環境問題や科学の暴走に関心がある人にも刺さる内容でした。(40代 女性)
スーザンとピーターの科学者カップルが、冷静に事態に立ち向かっていく姿がかっこよかったです。モンスター映画って主人公がパニックに陥ることが多いのに、二人はちゃんと観察と対策を立てて進んでいくのが良かった。終盤での爆破シーンや、命がけの戦いも手に汗握る展開で、最後まで緊張感を保っていました。(20代 女性)
ギレルモ・デル・トロ監督の初期作品とは思えない完成度で、後の『パンズ・ラビリンス』や『シェイプ・オブ・ウォーター』に繋がる“異形への愛”がすでに表れています。単なるモンスター退治ではなく、クリーチャー側にも存在理由があり、人間との境界を曖昧にしている点が印象的。音楽と映像の雰囲気も非常に好みでした。(50代 男性)
街に溶け込むように進化した昆虫が、背中の羽で人間の顔を模倣しているという演出が本当に不気味でした。子どもがモンスターに狙われるという設定も恐怖心を煽ります。全体的に抑えた色調と、不気味な静けさがリアルな恐怖を引き立てていて、ジャンプスケアに頼らない演出も好感。今でも通用するホラーだと思います。(60代 女性)
ミミックというタイトルの通り、人間を“模倣”する生き物がテーマですが、どこかで“人間の愚かさ”そのものを模倣しているようにも感じました。自分たちの都合で生き物を作り、制御できなくなる構図は、まさに人類が繰り返す過ち。ホラーとしても優秀ですが、SFとしても考えさせられる作品でした。映像のグロさも丁度よかったです。(30代 男性)
映画『ミミック』を見た人におすすめの映画5選
ザ・リリース(原題:The Relic)
この映画を一言で表すと?
自然史博物館で巻き起こる、未知の生命体との息詰まる攻防。
どんな話?
博物館に届いた奇妙な遺物をきっかけに、来館者が次々と惨殺される事件が発生。生き残りを賭けた職員たちが、進化したクリーチャーと命懸けの知恵比べを繰り広げるサスペンスホラー。
ここがおすすめ!
『ミミック』のような密閉空間×生物ホラーが好きな人にはドンピシャ。暗闇の中で襲い来る恐怖、科学と怪異の交差点に立つストーリー展開も魅力で、緊張感たっぷりの夜に観たい1本です。
ザ・ディセント
この映画を一言で表すと?
閉ざされた地下世界で、光を知らない怪物と人間の極限バトル。
どんな話?
女性ばかりの探検隊が未踏の洞窟に挑むが、突然の崩落で閉じ込められてしまう。脱出を試みる彼女たちを、視覚を持たない謎の生物“クローラー”が襲う。暗闇と本能の戦いが始まる。
ここがおすすめ!
地下空間という共通点、クリーチャーの不気味さ、そして極限のサバイバル劇が『ミミック』を彷彿とさせます。スプラッター描写と心理戦が融合した傑作で、手に汗握る体験が味わえます。
クローネンバーグのザ・フライ(The Fly)
この映画を一言で表すと?
天才科学者がハエと融合──人類の進化が迎える悪夢のかたち。
どんな話?
物質転送装置を開発した科学者が、実験中に1匹のハエと遺伝子を融合してしまう。次第に彼の体に変異が現れ、人間性を失っていく恐怖と苦悩を描いた生物SFホラーの金字塔。
ここがおすすめ!
人間が科学の力で生物の境界を越えたときの“代償”を描いた作品として、『ミミック』と根底にあるテーマが共通しています。グロテスクな変異描写も必見で、悲劇的な結末が心に残ります。
スプリガン(2022年版)
この映画を一言で表すと?
古代の超兵器を巡る超常バトルアクション!文明×バイオの暴走。
どんな話?
オーパーツと呼ばれる古代文明の遺産を回収・封印するため、特殊組織スプリガンの戦士たちが世界を駆け巡る。超常の力を狙う勢力との壮絶な戦いの中、技術と自然の危険なバランスが問われる。
ここがおすすめ!
“人類が制御できない力を手にしたときの末路”という点で『ミミック』と共鳴。アクション多めでテンポも良く、生物的な暴走と科学の葛藤に興味がある人にはおすすめのアニメ作品です。
エイリアン2(Aliens)
この映画を一言で表すと?
極限状況で母性が覚醒する、究極のSFサバイバルアクション。
どんな話?
冷凍睡眠から目覚めたリプリーは、植民地で行方不明となった人々を救うべく海兵隊と共に未知の惑星へ。そこで待ち受けていたのは、無数のエイリアンと母なる存在だった。
ここがおすすめ!
閉鎖空間、群体モンスター、サバイバル、そして科学の盲点──まさに『ミミック』が影響を受けたであろう傑作。リプリーの強さと孤独、絶望からの反撃に痺れる名作中の名作です。
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