映画『マインド・エスケープ』の概要:人の心を、コンピューターを使って読み取る、という禁断の領域に手を出した2人の天才の行く末を描いたサスペンス映画。原題は「LISTENING」。監督はカリル・サリンズ。
映画『マインド・エスケープ』 作品情報
- 製作年:2014年
- 上映時間:100分
- ジャンル:サスペンス、SF
- 監督:カリル・サリンズ
- キャスト:トーマス・ストロッペル、アーティ・アル、アンバー・マリー・ボリンジャー、クリスティーン・ヘイバーマン etc
映画『マインド・エスケープ』 評価
- 点数:85点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★★☆☆
- キャスト起用:★★★★☆
- 映像技術:★★★★☆
- 演出:★★★★☆
- 設定:★★★☆☆
[miho21]
映画『マインド・エスケープ』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)
映画『マインド・エスケープ』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『マインド・エスケープ』 あらすじ【起・承】
ロサンゼルスの大学に通うライアンとデヴィッドは、大学から機材を盗んで秘密の研究を行っていた。
デヴィッドには妻メラニーと娘ラナがいて、ライアンは寝たきりの祖母と二人暮らし。
2人とも奨学金で大学に通っており、研究にあてる予算は無かったのだ。
ある日、ライアンがナンパしたジョーダンが研究の仲間に加わることになる。
しかし女性のジョーダンが加わった事を、メラニーは快く思わなかった。
ジョーダンが加わったことで研究は進み、ナノチューブを体内に入れてこめかみにパッチを付け、ジョーダンの思考をライアンが読み取ることに成功。
研究を行っているデヴィッドの家のガレージを出てお祝いをするが、デヴィッド一家が家賃滞納で立ち退き命令を受けていると発覚する。
それまでに装置を完成させるため、デヴィッドもナノチューブを入れる。
思考を共有する中で、デヴィッドはジョーダンからアプローチを受け戸惑い、それに気付かないライアンはジョーダンに熱を上げていく。
やがてライアンの祖母が亡くなる。
葬儀代に困ったライアンは、デヴィッドとメラニーをデートに行くよう差し向け、投資家に研究を見せてしまう。
また、メラニーに研究成果を見せたデヴィッドだったが、ジョーダンから受け取った映像を垣間見て浮気を疑う。
映画『マインド・エスケープ』 結末・ラスト(ネタバレ)
大学に無断で行っていた研究や盗難がバレて、ライアンとデヴィッドは退学に。
そしてデヴィッドとライアンは仲違い。
ジョーダンが保釈金を支払い2人は釈放されるが、デヴィッドはメアリーから別れを告げられる。
ガレージで荷物を整理した後、2人は気を失う。
気付くとCIAの研究所の中だった。
ジョーダンは職員の一人で、彼女の上司から半ば強引にスカウトされる。
やがて2人の思考を読むという発明が、研究者たちの監視という形で使われるように。
デヴィッドは、研究の成果が洗脳や自由の剥奪に使われると知ってしまう。
ライアンに相談するが、デヴィッドを憎むライアンは我関せずといった態度。
デヴィッドはメラニーとの離婚届にサインすると、行方をくらませた。
チベットの寺院で、思考を読まれないために心を無にする修行を積んだデヴィッド。
そしてワシントンに戻り、ジョーダンと交際中で研究の責任者に昇格したライアンと再会する。
復職したデヴィッドだったが、彼の目的は研究のすべてを消すことだった。
ウィルスを使い、パッチを付けた職員全員を植物状態にするが、ライアンだけは難を逃れる。
ライアンの思いを受け取るデヴィッドだったが、相容れることのないままライアンは射殺され、デヴィッドは植物状態になった。
映画『マインド・エスケープ』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『マインド・エスケープ』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
研究に関しては見ている側そっちのけ
前半では謎の研究をするデヴィッドとライアン、そこに美人のジョーダンが加わったことで壊れていく2人の関係を描いている。
ライアンは決して裕福ではないデヴィッドの家から食べ物を盗み、ジョーダンはコーヒーが無料で飲めるとメラニーに告げてキッチンに入り込むので、自然とデヴィッドに同情的になれるよう作られている。
だが、肝心な研究内容を具体的に表現する言葉がなかなか出てこなくて、最初は何をしているのか意味がわからない。
中盤でメラニーに研究成果を見せるデヴィッドの口から心を見せるという言葉が出てくるが、それまでは見ている側は置いてけぼり感を味わうことになる。
CIAの研究所で国家の陰謀やテレパシーによる監視といったものが出てきたり、ライアンが研究を売ろうとした投資家が殺されていたり、急展開をみせるのは面白い。
座禅や瞑想で心を無にすることを覚え、未来を守るために職員の脳を壊すデヴィッドにはハラハラさせられる。
しかしそのクライマックス部分が物足りなく、そこまで簡単にウィルスを仕込めるのかというツッコミどころもある。
印象的な映像
映像が美しい作品で、ラストシーンで同じスキンヘッドになったライアンから血が流れ、自らの脳を壊したデヴィッドに向かっていくのは印象的。
心を読むシーンでは、声やイメージ映像を断片的にフラッシュするように映しているが、それも独創的。
機械に囲まれたシーンと対比するように、チベットの寺院の草木に囲まれた自然のシーンがあるのも、見ている側を飽きさせない。
映画『マインド・エスケープ』 まとめ
人の心を読むというテーマを扱った作品は、日本発の超能力サスペンス「七瀬ふたたび」のようにいくつかあるが、本作はコンピューターを使って心を読み解くという面白い設定。
なんの研究をしているのか途中まで説明シーンが無く、台詞の断片から考えなければいけなかったり、ところどころで説明不足な印象を受ける。
血の通った人間としての死と、コンピューターに支配されたままの心の死を印象付けるようなラストは心に残る。
脳死のデヴィッドが何かを言いかけて、次の瞬間にはスパッと切れたように流れるエンドロールも独特。
みんなの感想・レビュー
まあ、なかなか良かった範囲の映画だと思う。アメリカの人は仏教の修行に憧れを持っているのだろうと思った。思考を止めて外部から読まれなくすることが出来たとなれば修行の成果ということにしないと説明がつかないだろうからこれでいいと思う。主人公の夫婦の話はいらないんじゃないかな。主人公が謎を残して息を吹き返して終わったので、この先が見たいと思った。瞑想修行と、マイクロマシンを合わせたら超常的な能力が生まれて凄いことになるというストーリーでも悪くない。