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映画『ミラベルと魔法だらけの家』のネタバレ・あらすじ・考察・解説

この記事では、映画『ミラベルと魔法だらけの家』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説し、この映画の疑問や謎をわかりやすく考察・解説しています。

映画『ミラベルと魔法だらけの家』の作品情報


出典:U-NEXT

製作年 2021年
上映時間 102分
ジャンル アニメーション
ファンタジー
監督 ジャレド・ブッシュ
バイロン・ハワード
キャスト ステファニー・ベアトリス
マリア・セシリア・ボテロ
ジョン・レグイザモ
マウロ・カスティージョ
ジェシカ・ダロウ
製作国 アメリカ

映画『ミラベルと魔法だらけの家』の登場人物(キャスト)

ミラベル・マドリガル(5歳:ノエミ・ジョセフィーナ・フローレス / 15歳:ステファニー・ベアトリス)
マドリガル家フリエッタの娘で三女。陽気で頑張り屋。マドリガル家をとても愛していて、幼いアントニオからも信頼されている。
アブエラ・アルマ・マドリガル(台詞:マリア・セシリア・ボテロ / 歌:オルガ・メレディス)
ミラベルの祖母。マドリガル家のロウソクとカシータを授かった人物。温厚そうに見えるが、責任感が強くやや厳しい。
フリエッタ・マドリガル(アンジー・セペダ)
ミラベルの母親。アルマが産んだ三つ子の内の1人で、心の優しい人物。食事で、人々の病気やけがを治すことができる。
イサベラ・マドリガル(ダイアン・ゲレロ)
ミラベルの姉で長女。美しい容姿の持ち主で、そこら中に花を咲かせることができる。
ルイーサ・マドリガル(ジェシカ・ダロウ)
ミラベルの姉で次女。大きくてたくましい肉体を持つ。ロバを何匹も一気に運んだり、ピアノを持ち上げたりできる力持ち。
ブルーノ・マドリガル(ジョン・レグイザモ)
アルマが産んだ三つ子の内の1人で、ミラベルのおじにあたる。ちょっと変わり者で未来を見ることができる。
アントニオ・マドリガル(ラヴィ・キャボット=コニャーズ)
ミラベルのいとこ。優しくて甘えん坊の男の子。ミラベルを慕っている。

映画『ミラベルと魔法だらけの家』のネタバレ・あらすじ(起承転結)

映画『ミラベルと魔法だらけの家』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ミラベルと魔法だらけの家』のあらすじ【起】

5歳になったミラベルは、祖母アルマからこの家の魔法について聞く。若かりし頃アルマは青年ペドロと結婚したが、故郷を追われていた。ある川に行き着いたとき、ペドロは3つ子の赤ん坊とアルマを守るため犠牲になり、亡くなる。絶望のさなかアルマは、ペドロの持っていたロウソクを見つけた。そのロウソクの炎はその後消えることがなく、アルマは安全な土地と魔法の家を授かった。

カシータと呼ばれるその家は、床や壁、天井が自在に動く。5歳になった三つ子にはそれぞれの部屋が用意され、ギフトとよばれる魔法を授かった。そして魔法はその子供たち、すなわちミラベルのいとこにも与えられた。アルマは、ミラベルにもこのロウソクからギフトが与えられるのだと話す。

15歳になったミラベルは、町の子供たちからギフトについて聞かれるが、答えられない。そんな折、最年少のいとこアントニオが5歳になり、動物と会話できる能力を得た。大勢の人に見守られる中、アントニオに用意されたドアは光り輝く。部屋はジャングルのように広く美しかった。

映画『ミラベルと魔法だらけの家』のあらすじ【承】

盛大なパーティの中、ミラベルは自分の5歳の誕生日を思い出す。ミラベルのときは、ドアが灰色にくすんでしまいギフトが与えられなかったのだ。

アルマはアントニオに「あなたと同じぐらい特別なギフト」と言い、褒めた。しかしこの瞬間から、ミラベルは感情をコントロールできなくなる。アントニオを祝福していたミラベルだが、アルマの言動はあまりにも無神経だった。

町中の人々がパーティを楽しんでいる。しかしミラベルは、家がひび割れロウソクの炎が弱まっていると気づいた。そこで皆にそれを警告するが、信じてもらえない。母フリエッタは、ミラベルをなだめる。

その晩寝付けなかったミラベルは、やはりロウソクの炎が気がかりで、その確認に行った。そこではアルマが「カシータが崩れかけている」と嘆いていた。彼女はこれを誰にも気づかれないように、隠していたのだ。陰からアルマを見ていたミラベルは、カシータを自分が守ろうと思う。

翌日、力持ちの姉ルイーサは、魔法の力が弱ったとミラベルに打ち明けた。頑張り過ぎた彼女は、精神的にも疲れている。

映画『ミラベルと魔法だらけの家』のあらすじ【転】

ミラベルは、この家の崩壊を予言していたブルーノの部屋へ向かう。未来を予知できるブルーノだが、不吉な予言が多いので評判が悪く、今は家族と別に暮らしているのだ。ミラベルは、そこで緑色の光り輝く破片を拾った。これを組み合わせれば、ブルーノが予知したビジョンになるのだが、映し出されたのは崩壊寸前のカシータと自分の姿だった。ミラベルは愕然とする。

その晩の食卓では、イサベラの縁談話が進められていた。しかしブルーノのビジョンが皆に知れ渡ってしまい、縁談どころではなくなる。騒動の中、ブルーノを見つけたミラベルは、彼にもう1度未来を見てもらえないかと頼んだ。ビジョンには黄色い蝶、そしてミラベルとイサベラがハグする場面が現れる。先ほどのビジョンは途中であって、まだ続きがあったのだ。

日頃からイサベラと犬猿の仲であったミラベルだが、家族を思い彼女の部屋へ入った。そこで常に完璧なポーズを取ってきたイサベラの苦しみを知り、ミラベルは彼女と和解する。ミラベルの影響を受けたイサベラは、自由奔放になり毒々しい植物も繁殖させた。

映画『ミラベルと魔法だらけの家』の結末・ラスト(ネタバレ)

これを見たアルマは「ギフトがないからって皆に迷惑をかけないで」と、魔法の崩壊をミラベルのせいにする。ミラベルは遂に堪忍袋の緒が切れ「おばあちゃんがこの家を壊している」と叫んだ。するとカシータにヒビが入り、家全体が崩れだしたので皆は避難する。ミラベルは危険を冒してロウソクを手にしたが、残念ながら炎は消えてしまった。

ミラベルは自分を責め、川のほとりで泣いた。しかしそれを見ていたアルマは、カシータが壊れたのは自分のせいだと反省する。アルマは故郷を失ってから、ずっと1人で頑張って来たのだ。その後黄色い蝶が羽ばたき、アルマとミラベルは抱き合う。

アルマはブルーノとも和解した。皆の元に戻ったアルマは、価値があるのはギフトではなくその人自身だと気づく。これまで魔法に助けられた町の住民が大勢やってきて、マドリガル家を修復した。

ミラベルは魔法なんかなくても、勇敢だった。完成後、皆は彼女に新しい家の玄関のドアノブをプレゼントする。ミラベルがドアノブをはめ込むと、カシータが動き出し魔法の力が蘇った。

映画『ミラベルと魔法だらけの家』の考察・解説(ネタバレ)

映画『ミラベルと魔法だらけの家』の疑問や謎をわかりやすく考察・解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ミラベルと魔法だらけの家』はなぜ「ひどい」と言われるのか?

映画『ミラベルと魔法だらけの家』が「ひどい」と評される背景には、物語のテーマ設定やキャラクター描写に対する一部の観客の不満が潜んでいます。物語の核心には、主人公ミラベルが家族全員と違って特別な魔法の力を持たないという設定があり、そのためにミラベルは家族から疎外され、孤独を感じています。この家族内の不平等や、ミラベルが家族からの十分なサポートを受けられないという状況が、「ひどい」と感じる観客もいるのです。

また、ストーリー展開の中で、家族の抱える問題やプレッシャーがミラベルに重くのしかかり、彼女が一人でそれを乗り越えようと奮闘する姿は、見る人によっては辛く映ることがあります。特に、おばあちゃんアルマが家族を守ることに固執し、ミラベルに冷たい態度を取るシーンは、家族関係の歪みを表していると批判されることもあるのです。

さらに、物語の終盤でミラベルが家族全員を救う重要な役割を果たすにもかかわらず、彼女自身が「魔法の力」を手に入れるという明確な報酬を得られない点も、一部の視聴者にとっては不満の種になっています。このように、物語の結末に納得できない人が「ひどい」と感じることもあるのです。

要するに、『ミラベルと魔法だらけの家』が「ひどい」と言われるのは、物語が家族内のプレッシャーや不平等を強調し、ミラベルが困難な状況に置かれ続けることが、一部の観客にとって重たく感じられるからなのです。

映画『ミラベルと魔法だらけの家』で「ミラベルがかわいそう」と言われる理由とは?

『ミラベルと魔法だらけの家』でミラベルが「かわいそう」だと言われるのは、彼女が家族の中で唯一特別な魔法の力を持っておらず、そのために疎外感を抱いているからです。ミラベルの家族であるマドリガル家の面々は、全員が独自の魔法の力を持ち、その力で村人たちを助けています。しかし、ミラベルだけは幼い頃の「ギフト」授与の儀式で何も与えられず、それ以来、家族の中で自分が特別ではないと感じ続けているのです。

物語の中では、ミラベルが家族から特別な存在として認められていないかのように扱われ、自分が家族の役に立てていないのではないかと悩む様子が描かれます。特におばあちゃんアルマからは、ミラベルの存在が家族の力を弱めるとさえ示唆されるシーンもあり、彼女の孤独感が強調されています。魔法の力を持つ家族全員の中で、ただ一人「普通」であるミラベルが強い疎外感を抱いていることが、「かわいそう」と言われる理由なのです。

加えて、物語の中盤では、家族の魔法の力が徐々に衰え、一族全体が危機に直面する中、ミラベルは一人でその問題に立ち向かおうとします。自分の力に自信を持てないながらも、それでも家族を助けようと奮闘するミラベルの孤独な姿が、多くの視聴者に「かわいそう」と感じさせる要因となっているのです。

結局のところ、ミラベルは自分の内なる強さと家族の絆の力で問題を解決しますが、長らく家族内で不平等な立場に置かれていたことから、「かわいそう」という印象が強く残るのです。

映画『ミラベルと魔法だらけの家』はなぜ「ポリコレ映画」と言われるのか?

『ミラベルと魔法だらけの家』が「ポリコレ映画」と称される理由は、作品の中で表現される多様性、包摂性、そして家族や社会の在り方が、現代のポリティカル・コレクトネス(ポリコレ)の考え方と合致していると感じられるからです。

まず、物語の舞台設定はコロンビアの山間部にある架空の村で、マドリガル家にはラテン系の文化や生活様式が色濃く反映されており、多様な文化的バックグラウンドを持つキャラクターたちが登場します。ディズニー映画が地域の文化や伝統を織り込みながらも、現代の価値観に沿ってキャラクターや物語を描くことは、ポリコレ的な観点から評価されるポイントです。特にこの作品は、ラテン系の文化や音楽を尊重して描いており、文化的多様性を重視する姿勢が際立っています。

また、物語の主人公であるミラベルは、他の家族とは異なり特別な「魔法の力」を持っていませんが、それでも彼女は家族の中で重要な役割を担います。このメッセージは、「誰もが特別な存在であり、能力の有無に関わらず価値がある」という包摂的な価値観を強調しており、ポリティカル・コレクトネスの一環として捉えられることがあるのです。

さらに、この映画は家族の絆や個人の違いを尊重するテーマを扱っており、特定の役割や期待に縛られずに、自分自身の価値を認めることの重要性を訴えかけています。これも現代の多様性や平等の考え方と軌を一にしているため、ポリコレ的な視点から高く評価される要素となっているのです。

こうした要因から、『ミラベルと魔法だらけの家』は、現代の価値観に即したテーマを持ち、多様性や包摂性を重視した物語構成が「ポリコレ映画」として認識される理由となっているのです。

映画『ミラベルと魔法だらけの家』がよくわからないと言われる理由は?

『ミラベルと魔法だらけの家』が「よくわからない」と言われるのは、物語のテーマや展開が複雑で、象徴的な要素が多く含まれているためです。物語の中心には、魔法の力を持つマドリガル家が登場し、家族全員が特別な力を持っていますが、主人公のミラベルだけは魔法の力を持っていません。この設定自体が、観客にとって分かりにくい部分があるのです。

物語が進むにつれ、ミラベルが家族の絆や隠された秘密を探る旅に出ますが、家族内の緊張やプレッシャーが徐々に明らかになる中で、魔法や家族の関係性が象徴的に描写されており、明確な解決策が示されない部分があります。特に、家族の魔法が次第に失われていく理由や、家族間の問題がどのように解決されるのかが直接的に描かれていないため、観客は「何が問題だったのか」と感じることがあるのです。

さらに、映画のメッセージが家族へのプレッシャーや役割に焦点を当てているため、家族間の複雑な感情や葛藤が描かれる一方で、ミラベル自身の成長や彼女の成し遂げたことがはっきりしない点が、「よくわからない」と感じられる要因となっています。

また、物語の終盤で魔法の家が崩壊し、再生するシーンも象徴的な描写が多く、具体的な説明がないため、一部の観客にとっては解釈が難しいと感じられる部分があります。これらの要素が組み合わさり、映画全体が複雑で理解しづらいと感じられることがあるのです。

映画『ミラベルと魔法だらけの家』のミラベルの魔法とは何だったのか?

映画『ミラベルと魔法だらけの家』では、主人公ミラベルが他の家族とは違い、明確な「魔法の力」を持っていません。彼女が魔法を受け取れなかった理由は物語の中で明示されていませんが、物語が進むにつれて、ミラベル自身が特別な力を持っていないわけではないことが明らかになります。

ミラベルの魔法とは、家族を再び結びつける力なのです。彼女は物理的に特別な能力を持っているわけではありませんが、家族全員の心の絆を修復する重要な役割を果たしています。ミラベルの家族であるマドリガル家は、魔法の力を持つ一族ですが、その力が家族の絆や個人の感情を蝕み始めています。家族のメンバーたちは、自分の力や期待に押しつぶされ、プレッシャーを感じており、その結果、家族全体が分断されかけていたのです。

ミラベルは家族内で唯一魔法の力を持っていないにもかかわらず、家族の一人一人と向き合い、彼らの悩みや不安を理解し、支えようとします。これにより、家族が抱える問題が浮き彫りになり、最終的には家族全員が再び一つにまとまることができるのです。ミラベルの「魔法」は、家族の間に存在する愛や絆を強化し、家族が離れ離れにならないようにする力だったと言えます。

映画の終盤で、崩れた魔法の家が再び立ち上がるシーンでは、ミラベルが家族全員を再び一つにする象徴的な役割を果たしており、彼女が家族にとって欠かせない存在であることが明らかになります。彼女自身の魔法は、目に見える力ではなく、家族を支える「心の魔法」だったのです。

映画『ミラベルと魔法だらけの家』のおばあちゃんアルマはどんな人物か?

映画『ミラベルと魔法だらけの家』に登場するおばあちゃんアルマは、マドリガル家の家長であり、家族全員を率いる存在です。アルマは、家族が持つ特別な魔法の力を非常に大切にしており、その力を駆使して村人たちを助け、家族全員が村にとって重要な役割を果たすよう尽力しています。

アルマは、自分が若い頃に夫を亡くしたという悲しい過去を持っており、その時に魔法の力を持つ「奇跡の家」が生まれました。夫を失った後、彼女は子供たちを守り、家族を支えるために魔法の力を活用し、家族全員に強い責任感を持つよう促すようになったのです。そのため、アルマは家族の団結や魔法の力を守ることに強くこだわり、家族全員に高い期待を寄せています。

しかし、その期待があまりに大き過ぎるため、家族のメンバーたちは自分たちの力にプレッシャーを感じ、次第に心が疲弊してしまいます。アルマ自身も、家族を守ることに必死になりすぎて、ミラベルのように魔法を持たない家族に対して厳しく接してしまい、彼女を疎外してしまうシーンも見られるのです。

物語の中で、アルマは自分が家族に過度の期待をかけすぎていたことに気づき、ミラベルを通じて家族の本当の価値を再認識することになります。彼女は最終的に、魔法の力以上に、家族の絆や愛が大切であることを悟り、家族全員と心を通い合わせることができるようになるのです。アルマは厳格な一面を持ちながらも、家族を深く愛している人物であり、物語の結末ではその愛がより強調されています。

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