映画『ミラクル/奇蹟』の概要:ゴクは職を探すために香港に行くが、騙されて金を奪われてしまう。落ち込んでいるとき、花売りの女性が声をかけてきた。花を買うと、次々と幸運が舞い込んできた。ゴクはギャングのボスになり、ナイトクラブを経営することになった。
映画『ミラクル/奇蹟』の作品情報
上映時間:118分
ジャンル:アクション、コメディ
監督:ジャッキー・チェン
キャスト:ジャッキー・チェン、アニタ・ムイ、グロリア・イップ、トン・ピョウ etc
映画『ミラクル/奇蹟』の登場人物(キャスト)
- ゴク(ジャッキー・チェン)
- 職を探して香港に出てくる。カンフーが得意。優しいが、少し情けないところもある性格。
- ルーミン(アニタ・ムイ)
- 上海のナイトクラブで歌とダンスをしていた。気が強くも優しい性格。ゴクと付き合うようになる。
- マダム・ローズ(クェイ・アルイ)
- 花売り。娘には富豪と再婚したと嘘を吐き、働いて稼いだお金を仕送りしていた。
- タイガー(オー・ジョンホン)
- ギャングのボス。ナイトクラブで成功したゴクに手を組もうと話を持ちかける。
- ホー(リチャード・ン)
- 香港警察・隊長。長い者には巻かれるタイプ。ゴクをスパイに仕立て上げ、ギャング達を検挙しようと画策する。
映画『ミラクル/奇蹟』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ミラクル/奇蹟』のあらすじ【起】
大不況の香港。ゴクは就職しようとして、詐欺師に騙されて金を奪われてしまう。ゴクが途方に暮れていると、女性マダム・ローズが現れバラの購入を勧められる。マダム・ローズはそのバラのことを、幸運を呼ぶバラだと言った。ゴクはバラを一輪購入することにした。
車が事故を起こし、中にいる人を男達が射殺しようとした。ゴクは男達と戦い、中にいる人達を救った。それはギャングの抗争だった。ゴクは具合を悪くしているギャングのボスのパクを運ぶことになり、肩に担いで走った。その時、ゴクの肩でパクの胃を圧迫してしまう。パクはゴクを指差し文句を言おうとしたのだが、そのまま亡くなってしまう。パクの部下は後継者にゴクを指名したのだと誤解してしまう。
ゴクは訳が分からないまま、ギャングのボスになってしまった。部下達はゴクのことを認めず、腕っ節を見るために腕相撲を挑んだ。ゴクの世話をしているチャンは、対戦相手の手にタバコを押しつけてゴクを勝てるようにした。しかし、部下達はまだ戦いをやめず、ゴクに決闘を申し込んだ。ゴクは2人の男相手に戦い、勝利した。部下達はゴクを新しいボスだと認めた。それを、パクの右腕だったフェイが、苦々しい表情で見ていた。
ギャングの抗争が起こったのは、パクの元相棒のユンの借金が原因だった。ギャングのボス・タイガーはパク達に支払いを求め、店の株を巡る抗争に発展していた。話を聞いたゴクが今後の対策に悩んでいると、ユンの娘のルーミンが訪ねてきた。ルーミンは父の借金を働いて返そうとしていた。彼女が上海のナイトクラブで歌とダンスをしていたことを知り、店をナイトクラブに改装して働いてもらうことにした。その後もゴクはマダム・ローズからバラを買い続けた。
ナイトクラブが開店した。タイガーが来店し、ユンの借金を帳消しにする代わりに自分を共同経営者にするよう求めた。ゴクが断ると、考えておくよう言われる。次に、香港警察のホー隊長がやってきた。ホー隊長はゴクが善人であると見込み、スパイになるよう求めた。ゴクが断ると、考えておくよう言われる。チャンはホー隊長がゴクに何を言ったのか気づいていた。ゴクはホー隊長に渡された名刺を捨てた。
映画『ミラクル/奇蹟』のあらすじ【承】
ゴクはルーミンと付き合うようになるが、仕事が忙しくて彼女の話をいつも聞き流していた。そんなある日、マダム・ローズから花が買えないまま、タイガーと会うことになる。タイガーは店の株を半分渡すよう求めた。交渉が決裂すると、部下を使ってゴクやチャンを襲った。ゴクが戦っていると、落ちているマダム・ローズのバラを発見する。それを手にすると、ホー隊長率いる警官がやってきた。タイガーは部下を連れて引き揚げていった。ゴクはマダム・ローズのバラのお蔭で助かったと感謝した。チャンは裏でフェイが糸を引いているのではないかという疑いを持つ。
ゴクが店に戻ると、ルーミンが激しく怒っていた。ルーミンは話を聞いてくれず、争いばかりするゴクに愛想を尽かし、別の男性と結婚しようとしていた。ゴクは必死にルーミンに縋った。
タイガーに会う前、ゴクはバラを購入しようとした。しかし、マダム・ローズはおらず、彼女が倒れたという知らせが入る。ゴクはルーミンやチャン達と様子を見に行った。マダム・ローズは心の病で伏せっていた。娘のブイが婚約者と父親のグーを連れて帰ってくるのだが、花売りのことは内緒にしていたため、どうすればいいか分からず困っていた。マダム・ローズは娘に再婚したと嘘をつき、裕福な振りをしていた。だが、本当は必死に働いて学費を仕送りしていた。ブイや結婚相手に母親の境遇がバレれば、結婚話が流れる恐れがあった。ゴクは今までのお礼に、マダム・ローズを助けることにした。
映画『ミラクル/奇蹟』のあらすじ【転】
ゴクはルーミンにマダム・ローズの件を任せた。ルーミンは裕福に見せるため、衣装を着替えさせ、高級ホテルに泊まらせ、使用人を手配した。そして、使用人の友人であるトンが、マダム・ローズの夫役を演じることになった。トンはゴクを騙した詐欺師だった。ゴクはそのことを思い出すが、マダム・ローズのために怒りを堪えた。
グーはホー隊長の恩人の友人だった。ホー隊長はグーの行方を捜していた。ホー隊長から嘘がバレないようにするため、ルーミン達は必死に邪魔をしてグーに会わせないようにした。ゴクがバラを買うためにマダム・ローズの元に行ったとき、居所を突き止めたホー隊長が来てしまう。ゴクはトンにグーの振りをさせた。
グーは知り合い達を呼んで結婚パーティーを行うことを提案し、ゴクは考えなしに承諾してしまう。しかし、お偉い方の知り合いなどおらず、招待客を集めるのは難しかった。ゴクは自分達の手に余る事態になっていると判断し、真実を打ち明けることにした。しかし、母親からゴクが親切な叔父だと聞かされたブイと婚約者が、ゴクに子供の名付け親になってもらおうとしていた。それに感動したゴクは、ギャングに名士の振りをさせることにした。
映画『ミラクル/奇蹟』の結末・ラスト(ネタバレ)
ゴク達はギャングを集め、役名とセリフが書かれた紙を配った。そして、紳士・淑女らしく振る舞うよう求めた。すぐに喧嘩になってしまうため、ゴクは人生に一度ぐらい親切なことをしてみろと怒鳴った。しかし、ギャング達の心には全く響かなかった。ゴクは説得を諦め、隠し持っている銃を出させた。その光景を見た警官が、抗争を企んでいると誤解してしまう。
警官はグーの振りをしているトンを怪しむが、ホー隊長に訴えても信じてはもらえなかった。警官はホー隊長を無視し、トンに張りつくことにした。一方、ゴクの店の周囲に警官達が集まってきてしまう。ゴクはホー隊長を探している途中で、捕まっているタイガーの部下を見つける。ゴクは2人を解放した。それを知らないフェイはゴクを嵌めるため、タイガーにゴクが部下を殺し、ホー隊長を買収しようとしていると嘘の情報を伝えた。
ゴクはタイガーの部下に見つかり、町中を追いかけ回される。必死に戦いながら逃げるが、捕まってしまう。タイガーがゴクを射殺しようとしたとき、部下達が戻ってきた。タイガーはフェイに騙されたことに気づき、ゴクを解放した。すると、フェイがボスの座を奪うため、ゴクを射殺しようとした。タイガーはフェイを止め、丸腰相手に銃を使うのは卑怯だと言って銃を取り上げた。ゴクはパーティーのことを気にしながらも、フェイの仲間の男達と戦うことになった。ゴクは男達を倒し、フェイを許した。
ゴクはホー隊長の元に行き、店の包囲を解いて欲しいと頼んだ。すると、そこに署長が現れ、行方不明者の捜索を行うようホー隊長に指示した。その行方不明者とは、マダム・ローズ関係の嘘がバレないように、ゴクが捕らえている人達のことだった。ゴクは事情を全て説明した。
パーティーが開催できなくなり、マダム・ローズはグー達に真実を明かそうとした。その時、本物の名士達が現れた。ゴクの話を聞き、協力してくれたのだ。マダム・ローズはゴクを見て頷き、感謝を示した。ルーミン達は感動的な場面に涙を流した。嘘がバレないまま、グー達は帰っていった。
映画『ミラクル/奇蹟』の感想・評価・レビュー
ジャッキー・チェン本人が今までの作品の中で一番気に入っていると語り、ファンも多い作品である。ルーミンの気が強い性格やホー隊長の長い者に巻かれる性格など、1人1人の登場人物の性格が分かりやすくコミカルに描かれている。ジャッキーが演じたゴクの優しくも情けない性格がおもしろく、ギャングの抗争が描かれているのに全く暗いシーンが無い楽しい作品である。特に、ゴクの指導の元、ギャング達が名士になろうと奮闘する場面はおもしろかった。(MIHOシネマ編集部)
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